: 決して退屈という訳ではない
  : 不自由を感じている訳ではない
  : 先の異変以来、みんなは私を支えてくれている
  : それでも闘いの場を求めるのは
  : より目立てる場を求めるのは
  : ひとえに私の「感情」がそう叫んでいるから
?????? : 「やった!これで別の世界にいけるわー。何度もお願いしてみるものねー」
?????? : 「しっかし、なぜこんなに時間がかかった!?つべこべ言わず繋ぎやがれってんだ、こんちくしょう!」
?????? : 「うぅぅ…でも、戦争なんて大丈夫かしら…勝てるかなー…?」
?????? : 「なんとかなるなる♪楽勝、常勝、秦河勝♪」
?????? : 「…………そうだ」
秦こころ : 「“我々”に、向こう所敵無し」
秦こころ : この戦争の参加者に見せつけてやるのだ
秦こころ : 秦こころの暗黒能楽を!!!
秦こころ :  
秦こころ :  
秦こころ : 面霊気は歩いていた
初めて目にする現代日本の景観にわくわくとしながら歩いていた
秦こころ : 「多い!!人が!!」
秦こころ : これでこそ幻想郷から出てきた甲斐があったというもの。
少し出歩けばいたるところに人が居る。
秦こころ : 事前に聞いていた通り、この世界の人々は妖怪に襲われる心配をしなくてもいいようだ。
秦こころ : しかし彼女は観光に来たわけではない
秦こころ : 「よぅし、貼るぞ~…!」
秦こころ : その手に持っている紙を、いたるところに貼り付けていく
秦こころ : 電柱に、ポストに、スーパーマーケットの入り口に、住宅街のあちこちに
秦こころ : 無論、許可など取っていない。
秦こころ : 「いっぱい来てくれるといいな~…!」
秦こころ : その張り紙は明日になれば撤去される運命だろう。
そしてこの面霊気は、懲りずに貼りなおすのだろう。
秦こころ : 聖盃戦争が始まるその日まで。
秦こころ : ……貼り方が甘かった紙の一つが、風に吹かれて飛んで行った。
秦こころ :  
意味不明なチラシ :  
秦こころ :  
秦こころ :  
  :  
  :  
  : 無縁塚。
  : 幻想郷の外れにある、とても静かな場所。
  : その名の通り「無縁」…幻想郷の住民ではない外来人を弔うための共同墓地。
  : この土地では特異的かつ局所的に、幻想郷の結界が綻び、外の世界のものが流れ着いてくる場合がある。
  : 「ふーんふふーん♪ふふふーん♪」
  : 死霊や妖怪も多く決して安全地帯とは言い難いこの場所を、少女は悠々と散歩していた。
  : その場にいる全ての存在が、少女のことを認識できていなかった。
  : 「今日は何を拾えるかな♪」
  : 少女の楽しみは、このあたりで落とし物を拾うことだった。
  : というのも、何故かここ最近は漂着してくる道具群がおかしいのだ。
  : 持つと下克上したくなってくるテニスラケットだの

コールタール状の粘性の高い暗黒の液体だの
  : 果ては核爆発を起こし得る物品まで流れ着いていた(少女が使い方を理解するまでは至らなかったが)
  : 「あら?」
  : 少女は視界の端にぎらりと光る物を捉えた。
  : 「すごーい!なにこのナイフ…?イカすデザインだし全然錆びてないわ!ええと…じゃっく・ざ・りっぱー…?あははっ、おもしろーい!あの殺人鬼がわざわざ銘入りナイフなんて作るのかしらー?」
  : 異彩の瞳をキラキラと輝かせながら、少女はそれを懐に収める
  : 「あらっ?まだ落ちてるわ〜!」
  : 本能の赴く様、続けてひょいと拾い上げる
十数キロはあろうかという重量のそれを
  : 「…わぁ〜〜〜…!おっきくて、重くて、かっこいい拳銃…!しかも二つも…!」
  : 「454…か、すーる…?ううん、よくわかんないけど貰っちゃえ⭐︎」
  : 純黒と白銀の二丁拳銃を、さも当然のように懐へと収めてゆく
  : 少女は何も想わない

思案するよりも先に、行動は為されている。
  : これが彼女の日常

そして姉の悩みのタネでもあった
秦こころ : 「…見つけたぞ 我が宿敵よ」
秦こころ : 「スキマ妖怪に話をつけたわー」
秦こころ : 「…事前に頼んでいた通り」
秦こころ : 「私のマスターになって」
古明地こいし : 「んぁ?」
  : そして彼女の姉の頭痛は、更に加速することとなる。
  :  
  :  
古明地こいし :  
古明地こいし : 「あ」
古明地こいし : 公園で激闘を眺めていた、その最中
古明地こいし : 私が首輪をつけたあの子の…
古明地こいし : ”繋がり”が一つ、消えていった
古明地こいし : ような気がした
古明地こいし :  
古明地こいし :  
古明地こいし : 「すてき…」
古明地こいし : 全てを目で追えるわけではない
全てを理解できるわけではない
古明地こいし : しかし眼前で起こっている事象は
古明地こいし : どうしようもなく私の心をときめかせた
古明地こいし : (この戦い……)
古明地こいし : ああ
古明地こいし : どうしよう
古明地こいし : (忘れたくない……かも……)
古明地こいし :  
古明地こいし :  
  :  
秦こころ :  
秦こころ : 「_______は?」
古明地こいし : 「は?じゃないよー。今言ったので報告おわりー!」
秦こころ : 面霊気は衝撃を受けていた
秦こころ : 「紗雪が…なんだって?」
古明地こいし : 「なんか壊れた」
秦こころ : 「………………」
秦こころ : 聞けば聞くほど意味が分からない。しかし……
古明地こいし : 「あのカグツチってやつ…ちょっととんでもないかもー。魔星のみんなは彼に従ってるみたいだったよ~」
秦こころ : 「そうか」
秦こころ : 「…………」
秦こころ : この古明地こいしという少女は突拍子もない行動に定評があるが、嘘つきではない。
秦こころ : よく知っている。
古明地こいし : 「今後の行動は慎重にしたほうがいいかも~?私はほむらちゃんゲットだぜしたから良いけど、こころちゃんはさ~」
古明地こいし : 「……こころちゃん?」
秦こころ : 「……紗雪は」
秦こころ : 「もう」
秦こころ : 「ライブには来てくれないのか」
秦こころ : 「そうか」
古明地こいし : 「…大丈夫?ライブできる?」
秦こころ : 「やるに決まっている」
秦こころ : 秦こころの能楽ライブは葬送のために行うものではない
秦こころ : あくまで皆を愉しませるものに開くものだ
秦こころ : 「さあ、いこう」
秦こころ : 「観客が待ってる」
古明地こいし : 「わかったよ~」
古明地こいし : 「…………無理しないでね~?私のかわいいサーヴァントさん」
  :  
秦こころ : (ルシード…)
秦こころ : (たのむ…)
秦こころ : (そろそろお前の真意を教えてくれ…)
  :  
秦こころ :  
秦こころ : 「最強……かぁ~」
秦こころ : こいしから提供された情報に、私は当惑していた
秦こころ : まさか
秦こころ : まさか本当に、心の底から、自信を持って「最強」と名乗る人物が居るなんて…思わなかったのだ
秦こころ : 「そもそも私のあの口上も……こうすれば戦ってもらえるよって、教わったものなんだよね~」
秦こころ :  
秦こころ : 「……やあやあ、我こそは秦こころなるぞ」
雲居一輪 : 「決闘するのにそんな口上要らないわよ」
雲居一輪 : 「私と最強の称号を賭けて闘え!こんな感じでいいわ」
秦こころ : 「おお」
秦こころ :  
秦こころ : 「ふふ……面白い」
秦こころ : 聞けばあのフォルテッシモとかいう男……私が手も足も出ないあの岡崎教授と、互角以上に渡り合ったらしい
秦こころ : (こいしの話だと意味不明だったがな…なんだ時空間がおかしくなったって)
秦こころ : (うーーーーーーん……)
秦こころ : (みんな……すごいなあ……)
秦こころ : 幻想郷からこの世界に来てからというものの、毎日が驚きの連続だ
秦こころ : 変な怪獣を呼び出して、使役できるやつもいる
秦こころ : 明らかに英霊とは違う何かを使役できる、怒りに満ちた男もいる
秦こころ : そして…得体の知れない存在に付き従う………女の子を見る目がちょっと危ないやつも
秦こころ : 「……私も」
秦こころ : 「この世界で、何かを遺したい」
古明地こいし : 「くすくす……」
古明地こいし : 「じゃあやっぱり……やるの?」
秦こころ(怒) : 「ああ。」
秦こころ(怒) : 「挑んでみようと思う」
秦こころ(怒) : 言い出しっぺは、私だものな
秦こころ(怒) : 「獲りに行くぞ……最強の称号!!!」
古明地こいし : 「おおーっ♪」
秦こころ(怒) :  
秦こころ(怒) :  
古明地こいし :  
古明地こいし :  
古明地こいし : と、こころちゃんが意気込む、その前夜
古明地こいし : 「くすくす……♡」
古明地こいし : 少女の手に握られた鉄鎖のリードがじゃらりと響く
暁美ほむら : 「………………」
古明地こいし : 「ふふ…………ほむらちゃん…………♡」
暁美ほむら : 一体……どうしたらいいんだろう……私は………
暁美ほむら : 「えっと…その………」
  : 困惑する貴女の前から、突如として妖怪の姿が消えたかと思えば
古明地こいし : 「ふ~~~~っ♪」
暁美ほむら : 「………!?」
古明地こいし : 突然あなたの背後に現れ、耳元に熱い吐息を吹きかけた
暁美ほむら : 「ひぁぁぁっっ!??!」
古明地こいし : 「ふふ♪かーわいい」
暁美ほむら : 「や……やめてください………!!」
古明地こいし : 「あらあら……ごめんね?びっくりさせちゃって」
古明地こいし : 妖怪少女は素直に貴女を距離をとる
……しかしその笑顔は保ったまま
暁美ほむら : 「…………」
身をすくませながら、警戒の目をじっと向けて
古明地こいし : 「くすくす……♡うふふっ、あははぁ♡」
古明地こいし : 何が面白いのやら、妖怪はけらけらと笑っている
古明地こいし : ずっと、ずっと笑っている
古明地こいし : 「ねーえ、ほむらちゃん…」
暁美ほむら : 「………な、なんですか…?」
古明地こいし : 「うふふ。あの問答の場でも言ったけど…」
古明地こいし : 首輪につながるリードを手繰り、貴女の身体を無理やりにこちらへ抱き寄せる
暁美ほむら : 「あう……………っ」
強引に引っ張られて
古明地こいし : 「よっと♡ ……ふふ、軽いわ。もう貴女がこの世界から”外れかけてる”証拠ね」
古明地こいし : 優しい手つきで貴女の背中を撫でさする…が
妖怪の腕力により決して貴女を逃がさない
暁美ほむら : 「ぐっ………うう…………」
暁美ほむら : 確かに、実感はあった。
暁美ほむら : さっき引っ張られた時もそうだった。
暁美ほむら : 油断してると、そのままふわっと飛んじゃいそうで…
古明地こいし : 「くす。いい子いい子、安心して……?♡」
古明地こいし : 少女の小さな手が貴女の頭をゆったりと撫でる。
……自分の新たなペットを、大事に大事に、愛おしむように
古明地こいし : そのまま耳元で囁く
古明地こいし : 「……私がずぅーっと飼ってあげるわ?」
古明地こいし : 「ずっと、ずぅーっと…ね」
古明地こいし : 「ふふ」
古明地こいし : 「幻想郷って、いいところよ」
暁美ほむら : 「…………」
古明地こいし : 「貴女をお姉ちゃんに自慢するのが楽しみ…♡」
暁美ほむら : この人が何を考えてるのか……全然分からない……
暁美ほむら : 幻想郷って………何……?
暁美ほむら : どうなっちゃうんだろう……このまま……私……
古明地こいし : (ああ……だめよ。だめよ、こいし……)
古明地こいし : (怯えてる姿が可愛いなんて思っちゃ……あぅぅ、でも……♡)
古明地こいし : 小動物のように縮こまろうとする貴女の顔を、翡翠のような異彩の瞳が覗き込む
古明地こいし : その瞳には
古明地こいし : そこに映るものは
  :
Nothing There.
何もない。

古明地こいし : この存在は心の中に”何もない”。
古明地こいし : この存在は
古明地こいし : 何も考えてすらいない。
古明地こいし : そのことを貴女は本能的に察知するだろう。
暁美ほむら : 「…………っっっ!!!?!!??」
暁美ほむら : この目……いやだ………
暁美ほむら : 何を考えて…………
暁美ほむら : ……………違う…
暁美ほむら : 多分そんなのじゃない………
暁美ほむら : ただ………わからない……………
暁美ほむら : ………………見ないで……
暁美ほむら : 「………っ」
暁美ほむら : 視線を合わせないよう顔を逸らし
暁美ほむら : そして頭を覆うように、その場でうずくまった。
暁美ほむら : 明らかに異様で、異常なその光景を、誰も気にする事はなかった。
暁美ほむら : そもそも
暁美ほむら : こうしている彼女たちに強く意識を向けられる者は
暁美ほむら : そういないだろうから。
古明地こいし : 「………………」
古明地こいし : 少女の笑顔が
古明地こいし : 初めて、歪む
古明地こいし : (なんで?)
古明地こいし : (私…)
古明地こいし : (心、読めないよ?)
古明地こいし : (そんなに怯えなくてもよくない?)
古明地こいし : (お姉ちゃんじゃないよ?私は)
古明地こいし : (ずっとずっと飼うって言ってるじゃん)
古明地こいし : (なんで?なんで?なんで?)
古明地こいし : 衝動のまま、妖怪は貴女を押し倒す
暁美ほむら : 「………っっ!?」
古明地こいし : 「思い出させないでよ」
古明地こいし : 「”昔”のこと」
古明地こいし : 微笑は保ったまま、凍り付きそうな視線が貴女をじっと捉える
暁美ほむら : 今そこにいるのは、自分より体格の小さいはずの少女。
暁美ほむら : だけど全く押し退ける事もできず、ただ一方的に組み伏せられて
暁美ほむら : 「……………っっっ」
古明地こいし : 「素直になれないペットちゃんには」
暁美ほむら : 発言の意味が分からない。
そして今こうしている行動の意味も。
古明地こいし : 「お仕置き」
古明地こいし : 少女は有無を言わさぬまま
古明地こいし : リードをぐっと手繰り寄せ、無理やりに貴女の顔を地面から起こして
  : その唇を奪った
暁美ほむら : 「……………!!?!???」
古明地こいし : 「……んふ」
古明地こいし : choice ゆるす ゆるさない(choice ゆるす ゆるさない) > ゆるさない
古明地こいし : 「まだ…」
古明地こいし : 「覚え込まさなきゃ…ね?」
暁美ほむら : 「あ………あ………………っ」
古明地こいし : 少女はちろり♡と舌なめずりをすると
古明地こいし : 再び貴女を”奪った”
  : その夜
  : 貴女は魂に刻み込まれるレベルで
  : 妖怪少女による躾を受けた…
  :  
  :  
古明地こいし : 「………………………………」
古明地こいし : 「すごい……」
古明地こいし : ぼそり、と
古明地こいし : 少女は呟いた
古明地こいし : 「…………」
古明地こいし : こころちゃんのこと みんなが見てる
古明地こいし : この場所は
古明地こいし : 「希望の感情」に満ち溢れてる
古明地こいし : 「………………わ」
古明地こいし : 「私……これ……」
  : わすれたくない
  :  
古明地こいし :  
古明地こいし : 「……あら」
古明地こいし : 「店じまい?」
古明地こいし : 朝、商店街にある彼の拠点へ行き、そして
古明地こいし : 「からっぽだ~。くすくす」
古明地こいし : 「………………」
古明地こいし : 買いたいものを買えなかった妖怪は
  : そのまま街の喧騒に姿を消していった
  :  
  :  
  : 「……はぁ……」
  : 「アンタねえ……」
  : 「何でそんな危ない遊びに参加してるのよ…もう」
古明地こいし : 「でも楽しかったもん!」
古明地こいし : 「……すっごくいいお土産、貰えたし」
  : 「ふぅん?ならいいけど」
  : (私としては、貴女に覚としての力を取り戻して、使いこなしてもらうのがベストなんだけどね)
  : 「ともかく」
古明地さとり : 「私が出る幕は無いようで安心したわ」
古明地こいし : 「う~ん…みんなにお姉ちゃんの事紹介してあげたかったような…やっぱしたくないような…」
古明地さとり : 「どういう意味よ」
古明地こいし : 「とにかく…すごかったんだから!あのね、それでね紗雪ちゃんがゴルドバーンと合体してェ…」
古明地さとり : 「ええ…」
古明地さとり : 妹の話は意味不明で
途中から出てくる数値の桁がインフレしすぎてるようにも思えたが
どうやら嘘ではないようだ
古明地さとり : (……実に興味深いわね)
古明地さとり : (ふむ……)
古明地さとり : (機会が許されれば、私も旅行に行ってみようかしら?なんてね、ふふっ)
古明地さとり : それにしてもこの妹は、戦争遊戯に参加することで何か変わったようだ
古明地さとり : …………とても微細だし、具体的になにがあったのかは分からないけどね
古明地さとり : 「こいし」
古明地こいし : 「なぁに?」
古明地さとり : 「おかえりなさい」
古明地こいし : 「…………うんっ」
  : ただいま!
  :  
  :  
秦こころ : 「イサンは…私の能楽を気に入ってくれていたな」
秦こころ : 「もう一度、巫女にお願いしてみるか」
秦こころ : 幻想郷に帰ってからの面霊気に、特に大きな変化はなく
秦こころ : いつものようにぶらぶらし、時折頼まれて踊る日々だった
古明地こいし : 「やっほー☆」
秦こころ : 「うわっ!お前か…こいし。急に出てこないでよ~」
古明地こいし : 「もうマスターとは呼んでくれないの~?」
秦こころ : 「もう終わっただろうがー!」
秦こころ : 「ったく…そもそもなんで私がサーヴァントでお前がマスターだったんだよ…ぶつぶつ…」
古明地こいし : 「くすくす♡」
古明地こいし : 相棒であるサトリの少女も…………こちらも大きな変化はなく
古明地こいし : スキルの1つ獲得したところで、少女の性質が大きく変わる訳ではなかった
古明地こいし : 今でも存在はかなり薄い上に 心の揺れ動きも希薄であるが
古明地こいし : 「…………♪」
秦こころ : 「ん?おまえ何持ってんだ?それ」
古明地こいし : 「ないしょー♡」
古明地こいし : 時折少女は、その手の中で光る不思議な金属を、ニマニマと笑いながら眺めている
古明地こいし : オリハルコン。
古明地こいし : 彼女が戦争に居た、証。
古明地こいし : 大切な思い出。
古明地こいし : (ルシードさん……ご友人と再会できてる……よね?)
古明地こいし : (ふふっ……♪)
古明地こいし : ただ1つだけ残しておいたそれを、大事そうに懐にしまう。
古明地こいし : 少女の性質は変わらない
だけど
古明地こいし : あの9日間の出来事は
古明地こいし : 少女の決して忘れられない「思い出」になった。
  : 古明地こいし&秦こころ陣営 脱落
  : 彼女たちの聖盃戦争の物語はここで終わる
  : 元の世界に、彼女たちが居た痕跡は何も残らないだろう
  : 突如としてライブが開かれなくなったことに街の住民は困惑しただろうが
じきにそれも忘却される
  : すべては幻想に消えたのだ
  :  
  :  
  : 強い”人間”が欲しい。
  : 古明地こいしの別世界への旅行を許したのは他でもなく
  : インフレし続ける神妖側に対して、人間の勢力を少しでも増強するため
八雲紫 : 「暁美ほむらの潜在能力も興味はあったけど…」
八雲紫 : 「イサン」
八雲紫 : 「じきに貴方も”見つかる”可能性があるわ」
八雲紫 : 「せいぜい自分が天才だとバレない様にしなさい…平穏を保ちたければね」
八雲紫 : 「ふふ…」
八雲紫 : 聖盃戦争…実に面白い遊戯だわ
八雲紫 : 一匹の妖怪の性質にすら影響を及ぼしてしまうなんて
八雲紫 : そしてもっと驚くべきは、幻想郷への渡来を成し遂げてしまいそうな存在が複数人確認されたこと
八雲紫 : 「私は幻想郷を”保つ”」
八雲紫 : 「そのためにあらゆる手を尽くすわ」
八雲紫 : いずれ出会うかもしれない強敵たちとの邂逅を警戒し
  : 胡散臭い妖怪は、自らのスキマへと引っ込んでいった
  :  
  :