[ある少女の日常] 不破茜 :
[ある少女の日常]
不破茜 :
ピピピピ、という目覚ましタイマーの音で目を覚ます
剣道部の部長というだけはあり、彼女の朝は早い
[ある少女の日常]
不破茜 :
朝目を覚まし、顔を洗い
家庭内の細々とした家事を軽く済ませたり…etc
[ある少女の日常]
不破茜 :
私は、真面目で堅物だと思われている
実際どうかは自分でもよく分からないが、その方が部長という立場からして色々と都合がいいのも確かだ
[ある少女の日常]
不破茜 :
それに、家でも外でも趣味以外ではだらけている次女はさておき
外面はしっかりものの家族も家では似たようなものなのだ
[ある少女の日常]
不破茜 :
誰かがやらなければならなくなり、
結果として私にお鉢が回ってきたのだろう
[ある少女の日常]
不破茜 :
とはいえ、苦痛ではない
家族がお金を稼いでくれているから部活に打ち込める、というのもある
[ある少女の日常] 不破茜 : ―――そして、私にはもう一つ日課がある
[ある少女の日常] 不破茜 : それは、人助けだ
[ある少女の日常]
不破茜 :
身の回り、軽い困りごとを抱えている人々にそれとなく手を貸し
落とし物を探してあげたり道案内をしたりといった小さな事を積み重ねている
[ある少女の日常]
不破茜 :
正直なところ、
自分でも何故こんな事をしているのかは分からない
[ある少女の日常]
不破茜 :
だが、
部活で疲労困憊し、何をするのも辛かった時でも
――――この日課は、いつだろうと続けている
[ある少女の日常]
不破茜 :
……何故だろう、
関わりなど微塵もないはずの、赤い少女の顔が頭に浮かぶ気がする
[ある少女の日常]
不破茜 :
何か、大切な約束を交わした気がする
それが何なのかは思い出せないが
[ある少女の日常]
不破茜 :
……不思議と、それは悪い約束ではないのだという
奇妙な確信と、懐かしさにも似た安堵があった
[ある少女の日常] 不破茜 : そして
[ある少女の日常]
不破茜 :
F a t e
聖盃戦争を越え
[ある少女の日常] 不破茜 : 少女は、やがて新たな運命と出会う
[ある少女の日常]
不破茜 :
それがいつになるのか
どのような物語を紡いでいくのか
[ある少女の日常] 不破茜 : ――――それは、また別のお話
[ある少女の日常] 不破茜 :
[ある少女の日常] 不破茜 :