[メイン] 譲崎ネロ : 「あ~~~~~~~~~~」

[メイン] 譲崎ネロ : 「なんかこう……!!」

[メイン] 譲崎ネロ : 「効率よくお金稼ぐ方法……無いかな~~~~~~!!!」

[メイン] 譲崎ネロ : 人混みの中、街を歩く一人のボーイッシュな少女。

[メイン] 譲崎ネロ : 名は譲崎ネロ。
探偵による、探偵のために、探偵の養成学校─────『ホームズ探偵学園』に通う学生である。

[メイン] 譲崎ネロ : 何の変哲もない休日の最中。んまい棒を齧りながら、求人票を見つめながら
文句を垂れ流しながら、ぶらぶらと街を歩く。

[メイン] 譲崎ネロ : どうして探偵学園の生徒が求人票と睨めっこしているかって?

[メイン] 譲崎ネロ : それはもう、海よりも深い事情があるのさ……。

[メイン] 譲崎ネロ : ─────昔、僕はこう見えても、ホームズ探偵学園の中でも、特に優秀な生徒だったのさ!

[メイン] 譲崎ネロ : 『トイズ』って呼ばれてる、選ばれし者しか得られない不思議な力を使って、このヨコハマに蔓延る怪盗どもを懲らしめてきた!……わけだけど。

[メイン] 譲崎ネロ : ある日、僕ら『ミルキィホームズ』の天敵である、怪盗アルセーヌを追っていたら……。

[メイン] 譲崎ネロ : もう少しで捕まえられる!!ようやく決着がつく!!!と思った、そんな時に

[メイン] 譲崎ネロ : ズドーーーン!!……って、雷が落ちちゃって、ね。

[メイン] 譲崎ネロ : その日から僕は、『トイズ』を失っちゃったんだ。

[メイン] 譲崎ネロ : それからもう『ミルキィホームズ』は大変だ。これまでは異能を使って色んな事件を解決してきたわけだけど、それが使えなくなってしまった今となってはもう

[メイン] 譲崎ネロ : 完全にダメダメ探偵になっちゃったわけ!

[メイン] 譲崎ネロ : くーーやーーーしーーいーーー!!

[メイン] 譲崎ネロ : 優等生専用の寮からも追い出されて、僕らは古い学生寮の屋根裏で暮らしてるんだけど……。

[メイン] 譲崎ネロ : とにかく!お金が!無い!!

[メイン] 譲崎ネロ : 「お金お金お金~~~~!!何か、ドッカ~~~ンとお金を得られる何か!!!無いの~~~~!!!」

[メイン] 譲崎ネロ : ─────その時だった。

[メイン] 譲崎ネロ : 首に何か、ちくりと痛みを感じた。

[メイン] 譲崎ネロ : 「っ………!?」

[メイン] 譲崎ネロ : 背後に誰かが気配を殺し、忍び寄り……僕に、何か、注射器のようなものを、刺した……?

[メイン] 譲崎ネロ : とっさに後ろを振り向こうとするも、体から力が抜けていき
視界も、段々とぼやけていき……。

[メイン] 譲崎ネロ : 「ぅ……ぁ………ぁぁ………」

[メイン] 譲崎ネロ : その正体を掴めないまま、僕は……深い眠りについた─────。

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ : 鳥の声が、聞こえた。

[メイン] 譲崎ネロ : ほっぺに、湿っぽい感じと、鼻の奥に土臭さを感じながら

[メイン] 譲崎ネロ : 「ん……んん……?」
むくりと起き上がり、辺りを見渡す。

[メイン] 譲崎ネロ : そこは、高層ビルが立ち並び、人混みで溢れていた街と対照的な場所。

[メイン] 譲崎ネロ : どこまでも木々が生い茂る森の中だった。

[メイン] 譲崎ネロ : 「……え……?……ここ、どこ……?」

[メイン] : 「良いお目覚めです」
背後から一言。

[メイン] 譲崎ネロ : 「っ……!?!」
咄嗟に後ろを振り向く。先程背後を取られたこともあり、過敏な反応を示し。

[メイン] 譲崎ネロ : 「だ、誰だ……!?」

[メイン] 譲崎ネロ : 冷や汗が首筋を伝う。

[メイン] 御坂妹 : 「……」

[メイン] 御坂妹 : 「…とミサカは少女の覚醒を確認します」
そう、表情のない声色で続ける。

[メイン] 譲崎ネロ : ………? ……女の子……?

[メイン] 譲崎ネロ : 敵意の無いような、虚ろな目を見て、少し不気味さも感じながらも。

[メイン] 譲崎ネロ : 「……い、いい目覚め……なのか、な……?……いや、それよりも!」

[メイン] 譲崎ネロ : 「君は誰なんだ!?ていうか……ここ!どこだよ!!」

[メイン] 譲崎ネロ : ミサカに一歩詰め寄り、まくしたてる。

[メイン] 御坂妹 : 「……」

[メイン] 御坂妹 : 「ちゅんちゅん」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……鳥?」

[メイン] 御坂妹 : 「……と、ミサカは目覚めた頃には鳥の声と少女の影を確認しました」

[メイン] 譲崎ネロ : 不思議そうな目で、御坂を見つめ。

[メイン] 譲崎ネロ : 「………」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……もしかして……君"も"……?」

[メイン] 譲崎ネロ : ─────まだ状況は把握しきれていないけど、おそらくは……。

[メイン] 御坂妹 : こくん、と。

[メイン] 譲崎ネロ : 僕は、攫われた。誘拐された。

[メイン] 譲崎ネロ : そして、おそらくは……この子も。

[メイン] 譲崎ネロ : 「……そっ、か……」

[メイン] 譲崎ネロ : 険しい表情を浮かべながらも、腕を組み考える。

[メイン] 御坂妹 : 「……?」

[メイン] 譲崎ネロ : 全く以って理解が及ばない。どうしてこんなことになったのか……。
そもそも誘拐するにしても、もっとこう……狭いところに閉じ込めたりするでしょ!

[メイン] 譲崎ネロ : 「……あ、ああ!いや、大丈夫!考え事してただけだから!」
手を振りながら。

[メイン] 譲崎ネロ : 「えっと、そうだな…… ………うっし」

[メイン] 譲崎ネロ : ─────僕は、『トイズ』を失った、ダメダメ探偵だ。

[メイン] 譲崎ネロ : それでも、僕は─────『探偵』だ!

[メイン] 譲崎ネロ : 「……僕の名前は、譲崎ネロ!『ミルキィホームズ』って、聞いたことあるでしょ?ソレの一員!」
ドヤ顔しながら。

[メイン] 譲崎ネロ : 「『探偵』として……この誘拐事件、僕がズバッと解決してみせるよ!それと、君もおうちに帰れるように、めっちゃ頑張る!」

[メイン] 御坂妹 : 「……」

[メイン] 御坂妹 : 「ネットワークに情報を付け足しておきます、とミサカは己の無知を恥じます」

[メイン] 譲崎ネロ : そうして自身の胸を叩き、またドヤ顔。

[メイン] 譲崎ネロ : 「……あ、あれぇ……!?知らない!?ミルキィホームズ!新聞とかにもよく載ってるんだけどなぁ~……!?ぐぬぬ……」

[メイン] 御坂妹 : 「…成程、ナビゲート役を買って出ていただけるという理解で良いのでしょうか」
そう言って一人頷きつつ

[メイン] 譲崎ネロ : 「あーーーー……そう!つまりは……そういうこと!」
ビシッ!と指を差し。

[メイン] 譲崎ネロ : 「君の名前は……ミサカ、でいいんだよね?」

[メイン] 譲崎ネロ : いかにも名推理をした!ような顔で。

[メイン] 御坂妹 : 「ご賢察です」
軽い拍手を添えながら

[メイン] 譲崎ネロ : えへへ。と照れ笑いしながら。

[メイン] 御坂妹 : 「ミサカでも一〇〇三二号でも、好きにお呼びください」

[メイン] 譲崎ネロ : 「一〇〇三二号……?な、なんか呼びにくいし……ミサカで!ミサカって呼ぶことにするよ!」

[メイン] 譲崎ネロ : ニコ、と無邪気な笑みを見せながら。

[メイン] 譲崎ネロ : 「よーーし……それじゃあまずは……」
辺りを見渡しながら。

[メイン] 御坂妹 : 「はぁ」
戸惑ったような口ぶりでネロの様子を観察する

[メイン] 譲崎ネロ : ポッケから、ダウジングのあの金属の棒を取り出し。

[メイン] 譲崎ネロ : 「よーーし!ミサカ!着いてきて!僕がまず、この森から抜け出す方法を探す!!」
ダウジングの金属棒を構えながら、進んでいく。

[メイン] 御坂妹 : 「お供いたします、とミサカは同意の意を示します……それと」
ネロの後に従いながら

[メイン] 御坂妹 : 「金属探知でしたら、こちらは近づけない方がよいでしょうか…と、ミサカは提案します」
スカートをたくし上げ、銃器の類をばさばさと落とす。

[メイン] 譲崎ネロ : 「………!?!?!?」

[メイン] 譲崎ネロ : 目を真ん丸にする、2回くらい。
スカートをたくし上げた時と、大量の銃器が落ちた時の、2回。

[メイン] 譲崎ネロ : 「ちょっ!?何それ!?!?そんなの持ってたら危ないっしょ!?っていうか、女の子なんだから、そういう、スカート上げるとか、はしたないこともしちゃダメでしょ!」

[メイン] 御坂妹 : 「……?」
スカートを元通りにして

[メイン] 譲崎ネロ : 「ホッ……」
そっと胸を撫で落とし。

[メイン] 譲崎ネロ : 「え、えっと、そうだなぁ……」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……これ、本物?ガチのやつ?」
銃器を一つ持ち。

[メイン] 御坂妹 : それに頷きつつ。

[メイン] 御坂妹 : 「……危ないのは、このような未知の地で丸腰であることではないでしょうか……と、ミサカは困惑を表します」

[メイン] 譲崎ネロ : 「むっ……」

[メイン] 譲崎ネロ : ミサカの言うことは、御尤もであった。

[メイン] 譲崎ネロ : 誘拐の目的が定かではなく、ひと気の無い森の中に送られた今。

[メイン] 譲崎ネロ : 猛獣の一匹や二匹がいつ襲い掛かってきても、おかしくはない。

[メイン] 譲崎ネロ : 「……そ、それは!もちろん!僕もそう思ってたよ!」
見栄を張るように。

[メイン] 譲崎ネロ : 「あと、ほら……銃器とかも、多分……隠して持ち歩けば、セーフでしょ!法律的に!うんうん!」
※アウトです。

[メイン] 御坂妹 : 「ええ。ですので…銃器の扱いに不慣れならば、こちらなど扱いやすく…見つかりにくいかと」
意に介した様子もなく、手頃な拳銃をネロに差し出す。

[メイン] 譲崎ネロ : 「うおっ……」
渡された銃器の重さに、戸惑いを隠しきれず。

[メイン] 譲崎ネロ : 「………な、なるほど、ね……うん、ありがとう、ミサカ!」

[メイン] 譲崎ネロ : なんとか笑みを作ってみせる。

[メイン] 譲崎ネロ : それじゃあ……と、ポッケの中を探し。

[メイン] 御坂妹 : 「ええ、お役に立てたなら何より…と、ミサカは礼を返します」
無表情のまま。

[メイン] 譲崎ネロ : 「─────はいこれ!僕からも、お返し!」

[メイン] 譲崎ネロ : そう言い、んまい棒をミサカに渡す。

[メイン] 御坂妹 : 「……これは?」
少し意外な様子で

[メイン] 譲崎ネロ : 「ふっふ~ん、こういう時もあろうと、僕は常に非常食を持ち歩いてるのさ!」

[メイン] 譲崎ネロ : すごいでしょ~?と言いたげな表情を見せながら。

[メイン] 譲崎ネロ : 「僕からの、友好の証みたいなものでもあるよ! よろしくね、ミサカ!」

[メイン] 御坂妹 : 目を開き、手渡されたものとネロを交互に確認し。

[メイン] 御坂妹 : 「…ありがとうございます。大切にします、とミサカは主張します」

[メイン] 御坂妹 : がさがさとポケットに仕舞い込む。

[メイン] 譲崎ネロ : へへ!と笑いながら。
……あ、それグチャグチャになっちゃう仕舞い方……まぁ、いっか!(←?)

[メイン] 譲崎ネロ : ……ぶっちゃけ、僕一人だけだったら、不安な面も……無くは無かったから。

[メイン] 譲崎ネロ : こうして、誰かが隣にいるのは、心強く思える。

[メイン] 譲崎ネロ : ……べ、べっつにぃ~~??僕一人だけでも~?この誘拐事件、解決できたとは思うけどね~~!!

[メイン] 譲崎ネロ : と・に・か・く!……まずは、ここから脱出を目指さないと……ね!

[メイン] 譲崎ネロ : 「行こうか、ミサカ!」
手を差し伸べ。

[メイン] 譲崎ネロ : ─────探偵として、この事件の『真実』を、見抜くんだ。

[メイン] 御坂妹 : (……友情、ですか)

[メイン] 御坂妹 : 自分が初めてもらったプレゼントの記憶。
ポケットの中で擦れるスナック菓子に、ぼんやりと重ね合わされて。

[メイン] 御坂妹 : 「……はい。」
その手に、温かい出会いとその先の物語を予感させながら。

[メイン] 御坂妹 :

[メイン] 御坂妹 :

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ : そうして、森の中を歩いていくも……。

[メイン] 譲崎ネロ : かれこれ、数十分は経過したはずであろう。

[メイン] 譲崎ネロ : 「……あ、あれぇ~~?おっかしいな~……」

[メイン] 譲崎ネロ : 分け入っても分け入っても、木々、草。

[メイン] 譲崎ネロ : 一向に、森を抜け出せそうにもなく。

[メイン] 譲崎ネロ : あとついでに、手に持ってるダウジングの棒も反応無し。

[メイン] 御坂妹 : 「……どうしましたか?とミサカは顔色を伺います」

[メイン] 譲崎ネロ : 「あ……い、いや!大丈夫!!問題無し!」

[メイン] 譲崎ネロ : 「もうすぐ抜け出せそうだから!─────あ」

[メイン] 譲崎ネロ : その時。

[メイン] 譲崎ネロ : ダウジングの金属棒が、揺れる。

[メイン] 御坂妹 : 「!」

[メイン] 譲崎ネロ : 「!!! 反応あり!!」

[メイン] 譲崎ネロ : その金属棒が指し示す先を向くと─────。

[メイン] 御坂妹 : 「…出口を探すというより、金目のものか鉄鉱が見つかっただけでは?とミサカは━━」
やれやれとした様子で振り向いた先には。

[メイン] ナハト・ナハト : ──とん、と。

[メイン] ナハト・ナハト : ”更地”の土を靴が踏む音がする。

[メイン] 譲崎ネロ : 「………!!」

[メイン] 御坂妹 : 「……」

[メイン] 譲崎ネロ : 人だ!

[メイン] 譲崎ネロ : 「やった!ほら、僕のダウジング、すごいだろミサカ~!」

[メイン] ナハト・ナハト : 草木の密集した森の中で、不自然にその女の周りにだけは空間が開いていた。

[メイン] ナハト・ナハト : 「あら、こんにちは」

[メイン] 譲崎ネロ : 「お~~~~~い!!」
無警戒に、その女へ手を振る。

[メイン] 御坂妹 : 「お待ちを。と、ミサカは牽制します」

[メイン] ナハト・ナハト : 朗らかに手を振り返す。

[メイン] 譲崎ネロ : 「……え?」

[メイン] 御坂妹 : 手でその進路を遮りながら。

[メイン] 譲崎ネロ : ミサカの方を振り向き。

[メイン] 譲崎ネロ : 「ど、どして……!?だって、ほら!優しそうなお姉さんがいるじゃん!」

[メイン] 譲崎ネロ : 「僕らと同じように誘拐されてきた人かもだし……もしくは!この森に詳しい人かも!?」

[メイン] 御坂妹 : 「……少しその場で立ち止まっていただいてもよろしいでしょうか、とミサカは進言します」
その女性から目を逸らさずに。

[メイン] 譲崎ネロ : ミサカの雰囲気が変わったように思え、ごくりと、唾を飲みこむ。
無表情のその顔に、うっすらと浮かぶ警戒の色に、ネロも呑まれていく。

[メイン] ナハト・ナハト : 「?」

[メイン] ナハト・ナハト : 「”止まって”……って、もしかして私に言ったの?」

[メイン] 御坂妹 : 「不都合でしょうか」

[メイン] ナハト・ナハト : 「?」
また疑問符を浮かべたような顔をして。

[メイン] ナハト・ナハト : 「不都合じゃなくてね」

[メイン] ナハト・ナハト : 「不躾なのよ」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……ぶし……ほへ……?」

[メイン] ナハト・ナハト : その瞬間、無数の”箱”が女の周囲に浮かぶ。

[メイン] 譲崎ネロ : 目をぱちぱちとさせながら、この場を包む、ピリピリとした緊張感に圧迫されながら。

[メイン] 譲崎ネロ : 「………っ……!?」

[メイン] 譲崎ネロ : 「『トイズ』か……!?」

[メイン] 御坂妹 : 「……どうやらペースメーカーが引っかかったわけではなさそうですね、とミサカは状況を整理します」

[メイン] 譲崎ネロ : な、何をする気だ……!?

[メイン] 譲崎ネロ : あの『箱』は一体、なんだ……!?

[メイン] ナハト・ナハト : 指を鳴らすと、その箱の一つ一つの中からじゃらりと銃器が展開され。

[メイン] 譲崎ネロ : 「なっ………!?」

[メイン] ナハト・ナハト : 一斉に火を噴く。

[メイン] 譲崎ネロ : おいおい……おいおいおいおいおい……!?!?

[メイン] 譲崎ネロ : 脂汗が滲む。

[メイン] 御坂妹 : 「…安全な場所へ! この程度の対処には慣れています、とミサカは……」
マシンガンを取り出し、素早くネロの手をとって身を引く。

[メイン] ナハト・ナハト : 「私を前に頭を垂れず……あまつさえ命令して……」

[メイン] ナハト・ナハト : 「ふふ、本当に面白い」

[メイン] 譲崎ネロ : 「ちょっ!?ぼ、僕らは!!誘拐犯じゃないよ!?!?─────ミ、ミサカ……!?うわぁあっ……!?」
ナハトに潔白を証明しようと叫びながら、ミサカに手を引っ張られ。

[メイン] ナハト・ナハト : 「あらあらあら」
銃弾の嵐が森に風穴を開けて突き進む。

[メイン] 譲崎ネロ : ずしゃあっ。

[メイン] 譲崎ネロ : 「ぐあぁっ……!!?」

[メイン] 御坂妹 : 「……っ!」

[メイン] 譲崎ネロ : その鉛玉が、ネロの踵を貫く。

[メイン] 譲崎ネロ : そのまま、転倒し、地面へと投げ出される。

[メイン] 譲崎ネロ : いっっってぇえええぇぇっっ……!!!?!?!?!?!

[メイン] 譲崎ネロ : こ、殺す気じゃんっ……!!僕らを……!!!!?

[メイン] 御坂妹 : 「くっ……!」
目の前の敵とネロを交互に見て。

[メイン] ナハト・ナハト : 「…………?」

[メイン] 譲崎ネロ : なんで、どうして……!?!?っつぅ……!!

[メイン] ナハト・ナハト : 素人としか思えない、ネロの様子を見て。

[メイン] ナハト・ナハト : 「弱すぎる……」

[メイン] 譲崎ネロ : 「はぁっ……!!はぁっ………!!!……な、何だとぉ……!?」
ナハトを睨みつけるように見て。

[メイン] 御坂妹 : 「……」

[メイン] ナハト・ナハト : 「うーん。どうしたのかしら、貴女たちは」

[メイン] 御坂妹 : 「…では、やはりあなたも"誘拐犯"ではない、と」

[メイン] ナハト・ナハト : 「まるで迷い込んだ子羊みたい…………」

[メイン] 譲崎ネロ : ドクドクと、足から血が吹き出る感覚、痛みを堪えながら。

[メイン] ナハト・ナハト : 「誘拐犯?」

[メイン] 譲崎ネロ : 「っ………迷い込んだって……ぼ、僕達は……!誘拐されて、それで……!!」

[メイン] ナハト・ナハト : 「はあ…………」

[メイン] ナハト・ナハト : 「そう、そういうことね」

[メイン] ナハト・ナハト : 「”願望器”には生贄が必要だったはずだものね。気の利く誰かさんが生贄の羊を用意してくれたのでしょう」

[メイン] 譲崎ネロ : 「い、生贄……?」

[メイン] 譲崎ネロ : 聞きなれない言葉に、眉を顰める。

[メイン] 御坂妹 : 「……」

[メイン] 譲崎ネロ : 「ていうか、願望器……?……おい!!それ、なんだよ……!!!?」

[メイン] ナハト・ナハト : 「さてね。私もあまり興味が無いから。ただ確かなことは……」

[メイン] 御坂妹 : 「……では、ここでそんな哀れな生贄を殺してそれを叶えられないのは如何なものかと、とミサカは提案します」
ネロを庇うようにゆっくりと前に。

[メイン] 譲崎ネロ : ………!!ミサカ……!

[メイン] ナハト・ナハト : 「願望器……どんな願いも叶える奇跡の器」

[メイン] ナハト・ナハト : 「それを求めて数多の猛者が手を伸ばす、血と戦に濡れた悪意の坩堝」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……?……??……そんなのが、あるのか……?」

[メイン] 譲崎ネロ : ゴクリと、また唾を飲みこみ。

[メイン] ナハト・ナハト : 「噂は噂よ。ふふ……でもね」
血に濡れた海の様子を思い出し。

[メイン] ナハト・ナハト : 「面白そうな役者が集まってるのだけは事実」

[メイン] ナハト・ナハト : 「それと一つ」

[メイン] 譲崎ネロ : 「っ……」

[メイン] ナハト・ナハト : 「私、残念だけど願いには何の興味もないの」

[メイン] 譲崎ネロ : 「………え……?」

[メイン] 御坂妹 : 「……!」
ネロに目配せを。

[メイン] 御坂妹 : 『逃げてください』

[メイン] ナハト・ナハト : 「欲しいのは心の湧く戦い、苦痛に満ちた悲鳴」

[メイン] 譲崎ネロ : どういう、ことだ……?
だって、お姉さんはさっき……願いを叶えるための、生贄がどうだとか……。

[メイン] 譲崎ネロ : ……!

[メイン] 譲崎ネロ : ミサカの視線に気が付き。

[メイン] 譲崎ネロ : 歯を食いしばり。

[メイン] ナハト・ナハト : 「そして何より”恐怖”……」

[メイン] 譲崎ネロ : ─────嫌だッ……!!君を、置いていけるか!!

[メイン] 譲崎ネロ : そういう視線を、送る。

[メイン] ナハト・ナハト : 「内緒話、温かい友情。実に結構ね」

[メイン] 御坂妹 : 「…………っ」

[メイン] ナハト・ナハト : 「貴女達の物語を血で染めてあげればきっと素敵なものになるでしょう」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……!!……う、うるさい……!!」

[メイン] 譲崎ネロ : 「ぼ、僕は……僕らは……!!お前なんかに、"恐怖"なんて、しないし……!!」

[メイン] 譲崎ネロ : ビシッ!と、ナハトを指差し。

[メイン] ナハト・ナハト : 再び”箱”が手の中に浮かぶ。

[メイン] 譲崎ネロ : いっ……!?

[メイン] ナハト・ナハト : 「じゃあ、お次をどうぞ」

[メイン] 譲崎ネロ : ま、また、さっきの………!!!

[メイン] 御坂妹 : 「……っ」
ネロに注意が向けられた、今なら…!

[メイン] 譲崎ネロ : くっそ……くそ、くそ……!!!僕に、『トイズ』が、あれば……!!!

[メイン] ナハト・ナハト : 次の箱の中身は”大木”。

[メイン] 御坂妹 : 手に取ったマシンガンで、ナハトの足を狙って……一発!

[メイン] ナハト・ナハト : 「邪魔くさいからって仕舞い込んでたけど、役に立つかしらね?」

[メイン] ナハト・ナハト : 箱から解放された大木がネロに向かって飛び……

[メイン] ナハト・ナハト : 「おっと危ない」

[メイン] ナハト・ナハト : 銃弾が足に触れた瞬間、そこに”箱”が現れる。

[メイン] ナハト・ナハト : そして銃弾を仕舞い込むと、そのまま閉じてなくなってしまう。

[メイン] 譲崎ネロ : ……!?

[メイン] 御坂妹 : 「……っ…!」
ぎり、と歯を食いしばる。

[メイン] 譲崎ネロ : なんだ、今の……!?ミサカの銃弾を喰らったと思ったら……また、あの『箱』が……!?

[メイン] 譲崎ネロ : あれが、アイツの、『トイズ』なのか……!!
まるで、手品みたいだ……!!

[メイン] ナハト・ナハト : 「そんな玩具遊び、通じるわけないでしょうに」

[メイン] 譲崎ネロ : 「ぐっ……!!」
まずい……!この状況は……かなり、まずい……!!

[メイン] 譲崎ネロ : どうする……!一体、どうしたらこの危機を乗り切れる……!?

[メイン]   : ────その両者の丁度中央に

[メイン]   : 黒色のゲートが開かれ

[メイン] うちはサスケ : 『黒』が

[メイン] 譲崎ネロ : 「……っ!!?」

[メイン] うちはサスケ : たまたま向けられていた大木を蹴り飛ばした

[メイン] ナハト・ナハト : 「…………!」
思わず、目を見開く。

[メイン] 御坂妹 : 「…………!!」
増援か……それとも

[メイン] 譲崎ネロ : また、人が……!?……それに、今の『トイズ』も……!?
見たことがない……すごい、強大な……!?

[メイン] ナハト・ナハト : それから三日月のように口が吊り上がり。

[メイン] うちはサスケ : 黒衣を靡かせ

[メイン] 譲崎ネロ : 銃器の嵐を放つ箱を、ぶっ飛ばしてくれたけど……
あのお兄さんは、一体……!……"どっち"だ……!?

[メイン] ナハト・ナハト : 「ああ……やっぱり、来てよかった」

[メイン] 譲崎ネロ : 冷や汗が頬を伝う。

[メイン] うちはサスケ : 背後の少女2人を一瞥し───

[メイン] うちはサスケ : 直ぐにナハトの方を向く

[メイン] ナハト・ナハト : 「こんにちは、素敵な飛び入り参加ね」

[メイン] 譲崎ネロ : ………分からない、でも……僕らを、助けてくれたのは、きっと、『真実』。

[メイン] 譲崎ネロ : 踵の痛みを堪えながら。

[メイン] 譲崎ネロ : ミサカの腕を握る。

[メイン] うちはサスケ : 「……この辺りに、願望器の存在についての噂を聞きつけたが───」

[メイン] 譲崎ネロ : 「─────走るよッッ!!!」

[メイン] 御坂妹 : ……幸か不幸か、こちらに興味はないらしい。ならば━━

[メイン] 譲崎ネロ : ……怖そうな、黒いお兄さん、ありがとう……!!

[メイン] うちはサスケ : そういえば大筒木カグヤの資料の中に一つ、生贄を求めるとの文章も存在していた

[メイン] ナハト・ナハト : 「ああ、逃げてしまうのね……」

[メイン] 御坂妹 : 「っ…!」
素早くその手に応じ。

[メイン] うちはサスケ : となれば、先ほどの少女達が?

[メイン] うちはサスケ : 疑念は尽きないが──

[メイン] 譲崎ネロ : 必死に、その場から離れるために突っ走ろうとする。

[メイン] ナハト・ナハト : 思わぬ横槍が入りはしたけれど。

[メイン] ナハト・ナハト : 逃走は”恐怖”を醸造する。

[メイン] ナハト・ナハト : 精々子羊は逃げ惑っているといい。

[メイン] ナハト・ナハト : 今はもっと……

[メイン] ナハト・ナハト : 「ね、貴方」

[メイン] ナハト・ナハト : 突然現れた黒衣の男に声を向ける。

[メイン] うちはサスケ : 逃走する少女達を見送った後

[メイン] うちはサスケ : 「……なんだ」

[メイン] ナハト・ナハト : 「ねえ、貴方のせいで2人も素敵なレディを逃がしてしまったの」

[メイン] うちはサスケ : 「そうか」
素っ気ない返事

[メイン] うちはサスケ : 理由は明白
───この女、殺意が桁違いだ

[メイン] うちはサスケ : そんな女と無駄話に興ずる必要もないが、念の為耳を傾ける

[メイン] ナハト・ナハト : 「貴方はその2人分、もしかしたらそれ以上に……」

[メイン] ナハト・ナハト : 言中に”箱”が周囲に浮かび。

[メイン] ナハト・ナハト : 「私を楽しませてくれるのでしょうね?」

[メイン] ナハト・ナハト : ”箱”の中から無数の火線が走る。
数多の銃撃の嵐がたった1人に向けて集中して放たれる。

[メイン] うちはサスケ : 己の背中に手をかけ

[メイン] うちはサスケ : 刀を

[メイン] うちはサスケ : ───抜刀

[メイン] うちはサスケ : 更に、無数の銃撃を

[メイン] うちはサスケ : "自らに直撃"するモノだけを

[メイン] うちはサスケ : まるで『視え』ているように

[メイン] うちはサスケ : 叩き落とす

[メイン] ナハト・ナハト : 「…………!!」

[メイン] ナハト・ナハト : 先ほどの少女たちのような、素人のような大振りの回避とは違う。

[メイン] うちはサスケ : いつしか、黒目は紅く染まり

[メイン] ナハト・ナハト : 何が戦闘に影響に及ぼすか理解した、戦いに場慣れた者に特有の”無駄のない”動き。

[メイン] ナハト・ナハト : 「ふふ…………ふふふふふ!!」

[メイン] うちはサスケ : 「……何がそこまでお前の琴線に触れた」

[メイン] うちはサスケ : この中で笑ってられるなど、正気ではない

[メイン] ナハト・ナハト : 「そんなに見事に踊られてしまったら……心躍るなという方が無粋!」

[メイン] うちはサスケ : 先程の能力
恐らく鍵は『箱』

[メイン] ナハト・ナハト : 「お名前をお聞きしましょうか、貴方はこの舞台の主演になりうる器」

[メイン] うちはサスケ : 無機物有機物問わず収納出来るのか─?
などと考えつつ

[メイン] うちはサスケ : 「……うちはサスケ」

[メイン] ナハト・ナハト : 主演の名前も知らない舞台なんて寂しくて仕方がないもの。

[メイン] うちはサスケ : 「そう言う、アンタは」

[メイン] ナハト・ナハト : 「ふふふ、ナハト・ナハト」

[メイン] うちはサスケ : その名を聞き

[メイン] うちはサスケ : 何かを決意したかのように眼を閉じ

[メイン] うちはサスケ : 「───ナハト、お前とは闘う必要があるが」

[メイン] うちはサスケ : 「それは今では無い」

[メイン] うちはサスケ : そう言い放ち

[メイン] ナハト・ナハト : 「あら……連れないのね」
再び”箱”が手元に。

[メイン] うちはサスケ : 眼を再び開ける

[メイン] うちはサスケ : 眼の色は同じく紅

[メイン] ナハト・ナハト : 箱を開く

[メイン] うちはサスケ : ────描く紋様は

[メイン] ナハト・ナハト : 赤い火線が放たれる。

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 『直巴』

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 三つ巴の勾玉とは一線を画した、秘奥の一つ

[メイン] うちはサスケ : 日本神話の神の一柱
その名を冠する技は────

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 『天照』

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 黒炎が、火線を飲み込み

[メイン]   : ───男は姿を消した

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン]   :

[メイン] ナハト・ナハト : 「……一人ぼうけじゃないの」

[メイン] ナハト・ナハト : 「ふふふ。でも、素敵な出会いがあったことですからね」

[メイン] ナハト・ナハト : 黒衣の男──うちはサスケ。

[メイン] ナハト・ナハト : そしてその男の放つ”黒炎”。

[メイン] ナハト・ナハト : ぱちり。

[メイン] ナハト・ナハト : 手の中で箱が開いて──

[メイン] ナハト・ナハト :

[メイン] ナハト・ナハト :

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : ───さて

[メイン] うちはサスケ : まずは状況の分析

[メイン] うちはサスケ : 生憎と自分は感知タイプでは無いのだが

[メイン] うちはサスケ : それでも尚この島にいる『強者』のチャクラは探知できる

[メイン] うちはサスケ : 1.2…いや、数えるのは野暮だ

[メイン] うちはサスケ : 人間の力の限界など、決まりはないのだから

[メイン] うちはサスケ : まずここに人と言えるチャクラは少ない

[メイン] うちはサスケ : 次に願望器の場所
それに関してはこの島でほぼ当たりだ

[メイン] うちはサスケ : 理由は前述の通り

[メイン] うちはサスケ : ここまで猛者が集うのはそう言った場以外では考えられない

[メイン] うちはサスケ : だからこそ───

[メイン] うちはサスケ : まだ子供であるもの達を巻き込んだこのふざけた計画は理解出来ない

[メイン] うちはサスケ : 無論、願いの天秤を揺らがせるつもりはないが

[メイン] うちはサスケ : ────今は状況の見極めが先か

[メイン] うちはサスケ : そうして、離脱した方を見る

[メイン] うちはサスケ : ───何?

[メイン] うちはサスケ : 莫迦な

[メイン] うちはサスケ : 消えない炎が

[メイン] うちはサスケ : 何故消えている────?

[メイン] うちはサスケ : いや、心当たりはある

[メイン] うちはサスケ : 『箱』の女

[メイン] うちはサスケ : 恐らくはアレの能力によるものだろう

[メイン] うちはサスケ : 消えない炎すら収納可能とは…

[メイン] うちはサスケ : ………厄介極まりない

[メイン] うちはサスケ : それと同時に、もう一つの懸念が

[メイン] うちはサスケ : 万が一黒炎を使い熟せた場合、下手をすればこの島の全てが変わりかねない

[メイン] うちはサスケ : ……裏であの女の捜索も進めるべきか

[メイン] うちはサスケ : そうして、再び歩み始めようとして───

[メイン] 譲崎ネロ : ─────古びた小屋から出ると。

[メイン] 譲崎ネロ : 「………あ」

[メイン] 譲崎ネロ : つい、言葉が口の中から飛び出る。

[メイン] 譲崎ネロ : 先程の窮地を救ってくれた、怖そうな黒いお兄さん!!

[メイン] 御坂妹 : 「……!」

[メイン] うちはサスケ : 小屋の方を向く

[メイン] うちはサスケ : 向くだけ。
返事はしない。

[メイン] 譲崎ネロ : 推理しろ、僕……!!さっきは、優しそうなお姉さんに声をかけて、そうして……痛い目に遭った。

[メイン] 譲崎ネロ : だから、冷静に、慎重に考えろ……!!

[メイン] 譲崎ネロ : あのお兄さんは、僕らを救ってくれた……だから、悪い人ではないはず!!

[メイン] 譲崎ネロ : それに、この公式も成り立つんじゃないか……!?

[メイン] 譲崎ネロ : 優しそうな人→実はこわい
怖そうな人→実は優しい

[メイン] うちはサスケ : その様子を見て

[メイン] 譲崎ネロ : ……ふっふっふ、僕、もしかして名推理しちゃった……!?

[メイン] 御坂妹 : (……こちらの方に窮地を救ってもらったのは事実ですが、味方と言い切れる状況でないのも同様です。あくまで、非力な我々に興味がなかっただけで……)

[メイン] うちはサスケ : 「何か用か」
と、一言だけ声をかける

[メイン] 譲崎ネロ : サスケの言葉に、ニッ、と笑い。

[メイン] 譲崎ネロ : 「さっきは、ありがとうございました!」

[メイン] 御坂妹 : 「あ」

[メイン] 譲崎ネロ : 勢いよく、頭を下げる。

[メイン] 御坂妹 : 「……」

[メイン] 御坂妹 : 「ありがとうございました、とミサカも同様に謝辞を述べます」
同じく丁重に頭を下げて

[メイン] うちはサスケ : 「………」

[メイン] うちはサスケ : 「構わん、射線上に攻撃があったからはじいただけだ」
と、照れ隠しのつもりでも何でも無いただの事実を淡々と述べる

[メイン] 譲崎ネロ : 「な、なるほど……」
……なんか、めっちゃ……カッコイイ……!!

[メイン] 譲崎ネロ : 少し目をキラキラとさせながらも。

[メイン] 譲崎ネロ : 一歩ずつ、サスケの方へ近づいていき。

[メイン] 譲崎ネロ : 「……あの!僕ら、ここに来て……色々と、ワケが分からないことばかりなんだけど……お兄さん、何か知ってないかなー?って!」

[メイン] 御坂妹 : 「……」
あくまで若干の警戒を残しつつ

[メイン] うちはサスケ : だからこそ本気で謝辞を述べられたのが理解できなかったのだが───

[メイン] うちはサスケ : 「……ある程度は」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……!!」

[メイン] 譲崎ネロ : ミサカを目を合わせ、頷きながら。

[メイン] 譲崎ネロ : 「本当!?じゃあじゃあ!事情聴取!!色々教えて!!」

[メイン] 譲崎ネロ : 「えっと、えっと、そうだな……えっと……」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……何から聞いたら、いいんだろう……!?」
ミサカの方を向きながら。

[メイン] 御坂妹 : 「……はぁ」

[メイン] 譲崎ネロ : ネロは。
おバカである。

[メイン] うちはサスケ : このままお前や貴様だけで会話するのも流石に無理じゃないか?
そう思い

[メイン] うちはサスケ : 「名前は」

[メイン] うちはサスケ : 「サスケだ」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……!……僕は、譲崎ネロ!探偵だよ!」
えっへん、とポーズを取りながら。

[メイン] うちはサスケ : 空気を読まずに
本来なら相手から聞くべきなのかもしれないがそんな事この男には知ったこっちゃなかった

[メイン] 御坂妹 : 「……ミサカは端的に代弁します。『願望器』とはどういった代物でしょうか」

[メイン] うちはサスケ : 「ネロに…ミサカか」

[メイン] うちはサスケ : 「その名の通り」

[メイン] うちはサスケ : 「願望器とはあらゆる願いを叶えることが出来るもの」

[メイン] 譲崎ネロ : 「え……マジで……???……あのお姉さんが言ってたことも、本当だったの……!?」

[メイン] うちはサスケ : カグヤの資料に書いてあった情報
恐らくは万が一の大筒木侵攻に向けてのものなのだろうと予想しながら

[メイン] うちはサスケ : 「その会話については存じていないが」

[メイン] うちはサスケ : 「恐らくは正しいだろう」

[メイン] 御坂妹 : 「……ネットワークにも同様の記載があります。真偽は不明でしたが、あなたの解答によってある程度の確信が得られました」

[メイン] 譲崎ネロ : ……なるほどぉ~~~~……。

[メイン] 譲崎ネロ : 願い……願いかぁ~~~~~~~。

[メイン] 譲崎ネロ : 僕は……お金持ちになりたい!……っていうのは、もちろんだけど。

[メイン] 譲崎ネロ : 誰よりも、立派な探偵になりたい!!……っていうのが、一番にあるからね~。

[メイン] 譲崎ネロ : ちょっと、いや……かなり、気になる!

[メイン] 御坂妹 : …何やら考えている様子の少女を横目で見ながら。

[メイン] 御坂妹 : 「…では、それを目当てにここに乗り込んでいる方が何人かいると?」

[メイン] うちはサスケ : 「恐らく」

[メイン] 譲崎ネロ : 「はいはい!!僕からも、質問!!」
手を上げる。

[メイン] うちはサスケ : 「───いや、あの女のように戦闘が目的でこの場にいるものも、いるか」

[メイン] 譲崎ネロ : 「その願望器って……どこにあるの!?ていうか、僕らが見つけたら、それで願いとかも叶えられたり!?」

[メイン] 御坂妹 : 「……成程、とミサカは納得を返します」

[メイン] うちはサスケ : 「居場所はこの島にあることしか知らん」

[メイン] 御坂妹 : 「……」

[メイン] 譲崎ネロ : 戦闘……は……ちょっと、今の僕だと……キツいものがあるなぁ……。

[メイン] うちはサスケ : 大筒木カグヤの瞳力なら、無理矢理引っ張れるかもしれないが
生憎とあの兎の女神ほどオレは化け物でも無い

[メイン] うちはサスケ : 「願いは、叶うだろうな」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……!!」

[メイン] うちはサスケ : 「ただ───」

[メイン] 御坂妹 : 「!」

[メイン] 譲崎ネロ : 目をキラキラとさせるも……。

[メイン] うちはサスケ : 一歩、近付き

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 「あらゆるものを蹴落として…の話だがな」

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : これまた事実を、淡々と述べる

[メイン] 譲崎ネロ : 「…………あ……そう、か……」
……さっきのお姉さんは、願いに興味がないって言ってたけど。
でも、ここにはもしかしたら……願いのために、一生懸命な人も、いるかもしれない。

[メイン] 御坂妹 : 「……それは、あなたも含めて……ということでしょうかと、ミサカは追及します」

[メイン] 譲崎ネロ : そんな人達を押し退けてまで、叶えたい夢……僕に、あるの……?
……いや、違う……!!
  ・・・・
……ズルしてでも叶えたい夢なのか……!?僕の、夢は……!!

[メイン] うちはサスケ : 「そうだが?」

[メイン] 譲崎ネロ : 「…………なる、ほど……」
サスケを、見て。

[メイン] うちはサスケ : ミサカの質問に、何の感慨も抱かないまま

[メイン] 御坂妹 : 「はい。諦めた方が身のためである、とミサカは少女に忠告します」

[メイン] 譲崎ネロ : 「んなっ……!?ちょ、ミサカ!?僕の心読んだの!?」

[メイン] 譲崎ネロ : 慌てた様子を見せながらも、コホン!と一息つけ。

[メイン] 譲崎ネロ : 「……えっと、えっと、そう、だね……うん、僕はまず……ここから脱出……いや……!」

[メイン] 譲崎ネロ : 「この"事件"を、解決したい!!」

[メイン] 譲崎ネロ : それはつまり─────願望器の……

[メイン] 譲崎ネロ : 破壊。

[メイン] うちはサスケ : 「………」

[メイン] 御坂妹 : 「……」

[メイン] 譲崎ネロ : 願望器さえ無ければ、互いに傷つけ合うことも無くなる。
刃を向け合う動機は、全て無くなる。

[メイン] うちはサスケ : 「───それは」

[メイン] 御坂妹 : 「……えっと」

[メイン] うちはサスケ : 「オレの意志を踏み躙ってまでもか?」
僅かに紫色の陽炎を展開しつつ

[メイン] 譲崎ネロ : その漆黒の瞳を、じっと見つめ。

[メイン] 御坂妹 : 「……失礼しました、こちらは身体能力だけでなく頭も弱いもので……と、ミサカは……」

[メイン] 譲崎ネロ : 探偵帽の位置を少し、調整しながら。

[メイン] 御坂妹 : 「……!」

[メイン] 譲崎ネロ : 「─────そうだよ、だって……」

[メイン] 譲崎ネロ : 「誰かの命を奪ってまで願いを欲するっていうなら……僕は、絶対にそれを、食い止めるッ!」

[メイン] 譲崎ネロ : 「─────僕は、『探偵』だからね!!」
ニッ、と笑みを作って見せる。

[メイン] うちはサスケ : 「オレは」

[メイン] 御坂妹 : 「……お待ちください、とミサカは……っ!」

[メイン] うちはサスケ : 「世界に侵略する者達を殺す為にも」

[メイン] うちはサスケ : 「1を切り捨てる」

[メイン] 御坂妹 : びくり、とその形相に…足が動かず。

[メイン] うちはサスケ : そう言い放ち

[メイン] うちはサスケ : 紫色の陽炎は

[メイン] うちはサスケ : 一時霧散

[メイン] うちはサスケ : 代わりに、男の右手に現れるは

[メイン] うちはサスケ : 青白い、雷

[メイン] 御坂妹 : 「……ここで闘うのは双方の目的に合致しません!人質として我々を連行し、その後でも…!」

[メイン] 譲崎ネロ : ………!!!

[メイン] うちはサスケ : 名は、その音から連想されたその名は

[メイン] うちはサスケ : 『千鳥』

[メイン] 御坂妹 : やっとのことでそれだけ言い放ち、ネロの前に立ち塞がる……も。

[メイン] 譲崎ネロ : やべっ……!?あの雷…………!!!出力が……エグいッ……!?

[メイン] 譲崎ネロ : ………!!! ミサカ─────!?

[メイン] うちはサスケ : その雷が

[メイン] うちはサスケ : 一歩前に出たミサカに向け

[メイン] 御坂妹 : ……大丈夫、大丈夫、大丈夫。雷の扱いには━━

[メイン] うちはサスケ : ────穿たんと

[メイン] 御坂妹 : ━━━━その意識を、操作に当てる間も要せないまま。

[メイン] 譲崎ネロ : あ──────────。
─────ま、ず、い。

[メイン] 譲崎ネロ : 僕は……言った、口に出した、言い切った。

[メイン] 譲崎ネロ : 必ず、ミサカを守る、って。

[メイン] 譲崎ネロ : でも、このままじゃ……このままじゃッッ……!!

[メイン] 譲崎ネロ : クソッ……!!!カッコつけたクセに、これかよッッ……!!!

[メイン] うちはサスケ : 「───散れ」

[メイン] 譲崎ネロ : おい……!!!僕の『トイズ』……!!!なんとか、言えよッッ……!!!

[メイン] 御坂妹 : 「……ぁ」

[メイン] 譲崎ネロ : 頼むから……!!!僕に──────────

[メイン] 譲崎ネロ : ──────────この"幻想”をぶっ壊すだけの、力をッッ……!!!

[メイン]   : トイズ、それは選ばれし者の心に膨らむ奇跡のつぼみ。

[メイン]   : ある者は清浄の花を咲かせ、ある者は毒の花を咲かせる。

[メイン]   : 大探偵時代、美しさを競いあう二つの花。

[メイン]   : その名を『探偵』と『怪盗』といった。

[メイン]   :  

[メイン] 譲崎ネロ : ─────花が、開く。

[メイン] 譲崎ネロ : 目の奥に、光が灯される。

[メイン] 譲崎ネロ : 青白い光が、揺れ動く。

[メイン] 譲崎ネロ : そうして僕は─────ミサカに渡された銃器を、握り締める。

[メイン] 譲崎ネロ : 「うおおおおおおおおおッッ……!!!!」

[メイン] うちはサスケ : ミサカの心の臓まで、残り僅か

[メイン] 譲崎ネロ : その銃器が、『トイズ』によって、変形。

[メイン] うちはサスケ : その変形を、見て

[メイン] 譲崎ネロ : そうして、それは大きく、大きく変化、質量を無視し。

[メイン] うちはサスケ : 僅かに動きが緩慢になる

[メイン] 御坂妹 : ━━━━嗚呼。これが、走馬灯……というものなのでしょうか。
いくつもの光が、重なり合うように揺れて━━━━

[メイン] 譲崎ネロ : 小型ロケットミサイルとなったそれは、ネロの怒号と共に、勢いよくサスケの『雷』の元へと、発射される。

[メイン] 譲崎ネロ : 電気よりも速く、音よりも速く。

[メイン] 御坂妹 : 胸ポケットに入った麩菓子が、くしゃり……と渇いた音を立てたところで。

[メイン] うちはサスケ : ─────!

[メイン] うちはサスケ : 雷が、そのミサイルに

[メイン] 譲崎ネロ : 「ぶっ飛べェェエエエエエエッッ!!!!!」

[メイン] うちはサスケ : ……マズイ

[メイン] うちはサスケ : そうして

[メイン] うちはサスケ : 男の雷は

[メイン] うちはサスケ : そちらに急遽矛先を変え

[メイン] うちはサスケ : 打ち消された

[メイン] 譲崎ネロ : 「ハァッ……!!ハァッ………!!!」

[メイン] 譲崎ネロ : 汗を拭いながら、走り出し、ミサカの腕を掴む。

[メイン] 譲崎ネロ : あと数刻遅れていれば……ミサカは………。

[メイン] 譲崎ネロ : ……本当に、危なかったッ……!!

[メイン] 御坂妹 : 「……っあ……」

[メイン] うちはサスケ : ──あの一撃に、オレの千鳥が?

[メイン] 御坂妹 : 引っ張られる腕の軽い痛みに、現実へと意識を引き戻す。

[メイン] 譲崎ネロ :
トイズ
"奇跡"が花開いてくれなかったら、きっと僕は……失っていた。

[メイン] うちはサスケ : 馬鹿な、力量差が違うと言うのに

[メイン] うちはサスケ : 何故だ…?

[メイン] 譲崎ネロ : 「……悪いけど、サスケ!!」

[メイン] うちはサスケ : ……いや、推測はできる
影分身でチャクラを等分したのと

[メイン] 譲崎ネロ : それでも、僕の悪い癖。
決めたことは、何でも、真っ直ぐやり遂げようとする。
それで衝突してしまう。

[メイン] 譲崎ネロ : でも、これが─────僕の、『探偵』としての生きざまだから。

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ : 「僕が諦めるのを……諦めろ!!」

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ : そう吐き捨て、ミサカを連れて、猛ダッシュで逃げる。

[メイン] うちはサスケ : ……

[メイン] うちはサスケ : 情が湧いたのか?

[メイン] うちはサスケ : まさか

[メイン] うちはサスケ : 娘より少しだけ上の子供に手を掛ける事を……

[メイン] うちはサスケ : いや…

[メイン] うちはサスケ : ───オレに最初からその気が無かっただけか

[メイン] うちはサスケ : ……覚悟を持って戦えとは、よく言ったものだが

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 「オレには出来なかったものをアイツは持っていた、か」

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : そのまま、逃げ去った方角の方を見て

[メイン] うちはサスケ : 「その先は地獄だぞ」

[メイン] うちはサスケ : そう、低く呟き

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 「………」

[メイン] うちはサスケ : 「露払いくらいは、してやるか」

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] 雷の異形 :  

[メイン] 雷の異形 :  

[メイン] 雷の異形 : 轟音、旋風

[メイン] 雷の異形 : 鳴子は唸る、久しい雨乞いに

[メイン] 雷の異形 : 鳴子は良く知っている、嵐は諍いを止める

[メイン] 雷の異形 : なので、嵐を呼び起こす

[メイン] 雷の異形 : 嵐は争いを喰らう

[メイン] 雷の異形 : しかし人は喰らわない

[メイン] 雷の異形 : つまり、こーしておけば万事OKなのである

[メイン] 雷の異形 : そう思いながら

[メイン] 雷の異形 : 遥かなる龍は雷雲の中を泳ぎ続ける

[メイン] うちはサスケ : ───嵐の中、黒衣の男はその身を濡らしつつも佇む

[メイン] うちはサスケ : 露払いをすると決めたのなら

[メイン] うちはサスケ : 強大な戦闘能力の持ち主を片付け無ければならない

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 嵐の中、静謐な瞳は揺るがず
リズムを一切崩さずに、刀を携えた騎士が歩いて来る

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「……」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : しばし、サスケに目を向け、意図を察すると刀を構える

[メイン] うちはサスケ : それを横目で見て、身体を振り向かせ

[メイン] うちはサスケ : 「───何者だ」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「ウィリアム・ベルグシュライン。願望器へと用がある」

[メイン] うちはサスケ : 「……」

[メイン] うちはサスケ : 「悪いが、それはさせない」

[メイン] うちはサスケ : 「やると決めたことがあるからな」

[メイン] うちはサスケ : 「貴様が願望器を求めるのならば、ただこう返そう」

[メイン] うちはサスケ : 「引け」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「……貴公が。どのような思いを胸に願望器を欲するのかは知らない、が」
「私もまた、引けぬ理由がある」

[メイン] うちはサスケ : ──道が交差したのであれば

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 是非も無し

[メイン] うちはサスケ : 取るべき手段は、一つ

[メイン] うちはサスケ : 背中の鞘から刀を取り出す

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 剣を抜き放ち、構える

[メイン] うちはサスケ : 草薙の剣、その一振りを構え

[メイン] うちはサスケ : 「行くぞ」

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 雷光一閃

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 一瞬で距離を詰め、その刀を首先に振るう

[メイン] うちはサスケ : 瞳の色は邂逅時の黒から紅に

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「なるほど、これが噂の……なら、其方の逸話にも倣うとしよう」
目にも止まらぬ速さの敵を前に、刀剣の冴えは鈍らない

[メイン] うちはサスケ : ───獲っ

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 千鳥、それを上回る雷切
かつて雷霆を切り裂いた事を由来とする渾名

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 今。これより貰い受ける

[メイン] うちはサスケ : ……イヤ、ダメだ───!

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 雷鳴の如く迫る敵へ、カウンター代わりの剣撃を一気に解き放つ

[メイン] うちはサスケ : 軽く舌打ちし

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 雷さえも斬ったという名刀があるならば、神威の携わる刀剣とて再演しよう。
この身は刀剣なれど……

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「主人の敵を数多と切り裂く、絶対剣。そう簡単に討たれる訳にもいかないのでな」

[メイン] うちはサスケ :

[メイン] うちはサスケ : 「………」
そのまま、再び音と共に消え

[メイン] うちはサスケ : 通った地面の先が

[メイン] うちはサスケ :  嵐の中僅かに赤熱し

[メイン] うちはサスケ :    弧を描き

[メイン] うちはサスケ : ウィリアムの背後から、奇襲を仕掛ける

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 背後に迫る敵の気配を待ち構え、背を向けたまま身を深く落とし、迎撃の剣閃を背後へ向かい振りかざす

[メイン] うちはサスケ : 再び、交差

[メイン] うちはサスケ : 互いが優れた技量の持ち主で、名刀を振るっていなければ既に三度破壊されていてもおかしく無い

[メイン] うちはサスケ : ………

[メイン] うちはサスケ : 剣術では、こちらが不利

[メイン] うちはサスケ : 幾ら大蛇丸との修行により剣術を身に付けたとしても、それが師を超えることがあれど師を逸脱する事はない

[メイン] うちはサスケ : しかしながら赤い眼は、その動きを捉え

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 剣戟の中、音速に近い蹴りを

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 相手の意図をある程度察し、その上で蹴りを受ける、敵の速さには慣れ始めたが……
“眼”に対して、警戒を露にし、距離を取ることをまず優先する

[メイン] うちはサスケ : その意図通り

[メイン] うちはサスケ : 視線をウィリアムの胴体に合わせ

[メイン] うちはサスケ : 再び雨戸岩の封印は開かれる

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 『天照』

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : ピントを合わせた消えない炎による一撃

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「グッ…!?」

[メイン] うちはサスケ : ……僅かなデメリットとし、その右眼から血が流れ

[メイン] うちはサスケ : 数瞬、瞑る

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 視線から逃れる為、全身の筋肉を緻密に操り真芯を捉えられる事は防ぐが、鎧の表面をあっという間に蒸発させて、黒焔が上がる

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 鎧を脱ぎ捨て、地面へと放り距離を取る

[メイン] うちはサスケ : ───この者相手に数瞬、与えてしまった

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「……決着を、急がねばならないか」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 相手の瞑目をインターバルと認識し、全力で刀を構え突撃する

[メイン] うちはサスケ : 右目を瞑ったまま

[メイン] うちはサスケ : 体に雷を纏わせ驀進

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「雷切、承る!!」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 居合の構えを保ちながら、遅れて速度を上げ風に姿を溶かす

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 高速の世界で、白衣と黒衣がぶつかり合う刹那──

[メイン] 雷の異形 : 巨大な落雷が、二人の間に撃ち落とされる

[メイン] うちはサスケ : それに気が付き

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「ッッッ!?」

[メイン] 雷の異形 : 同時に、嵐が激しく吹き荒れて

[メイン] うちはサスケ : 髪の奥の、薄紫の眼が開かれ

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 心を驚嘆に染めながら、絶対剣に揺らぎはない
捨て身で真っ向から雷を切り裂こうと刀を構えれると──

[メイン] うちはサスケ :  次に男が立っていたのは、剣戟を行おうとする驀進地点

[メイン] うちはサスケ : 「───引け!」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「…是非も無し」

[メイン] 雷の異形 : 雷雲、暴風、そして雷雲

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 雷霆の幾つかを割き、迎撃するが、密度の差もあり、刀ではリーチが足りない

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 取りこぼした雷に体の各所を焼かれながら、ベルグシュラインは大きく後退した

[メイン] 雷の異形 : 稲妻は、直接的なダメージよりも

[メイン] 雷の異形 : 地盤を砕き、そして

[メイン] うちはサスケ : アレは

[メイン] 雷の異形 : 暴風で揚げ攫うように

[メイン] うちはサスケ : 『災害』そのものか

[メイン] 雷の異形 : 地盤を風が浮き上げる

[メイン] うちはサスケ : 脳裏に浮かぶは今回の発端とも言える兎の暴君

[メイン] うちはサスケ : アレと同じ理外の存在

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : まさしく荒神

[メイン] うちはサスケ : 素早く印を結び

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : かつて大和の民が描いたという雷神の有り様を体現しながら、大きな鯨のような怪異がそこに存在していた

[メイン] うちはサスケ : 地盤から身を守るように己の周りに土塊を展開する

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : が、それでも主命を受けた以上、神殺しにさえ戸惑いはない
邪魔をするなら……

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「切り裂くのみ…!」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 刀を構え、怪物へ向けて走り出す

[メイン] 雷の異形 : 唸りを上げて、出力も跳ね上がる

[メイン] 雷の異形 : 電磁波を激しく放ち、電撃が伝導体を伝うと

[メイン] 雷の異形 : 金属、人体、地面、水

[メイン] 雷の異形 : 全てが、高速で震える

[メイン] うちはサスケ : いや、悪手か

[メイン] うちはサスケ : 雷を止めるのに、土の印は五行陰陽説を基にするなら───

[メイン] うちはサスケ : 今度は、強く舌打ち

[メイン] 雷の異形 :

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 揺れ動かし、壊す。
コレは、大地を打ち崩すための力

[メイン] 雷の異形 : 震える電磁波は

[メイン] うちはサスケ : その音が嵐に掻き消され

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 国を罰するための神威

[メイン] 雷の異形 : 所謂"電子レンジ"のように

[メイン] 雷の異形 : 辺りを高熱で埋め始める

[メイン] うちはサスケ : 流石に眼を見開く

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「グッ…!?」

[メイン] うちはサスケ : 雷のケタが段違いだ

[メイン] うちはサスケ : そのまま、紫の骸骨を展開するも

[メイン] うちはサスケ : 肋骨程度では、到底凌げる者でもなく

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 突撃を阻まれた挙句、目玉が沸騰して激痛が走る、咄嗟に剣を振るい、電磁波を切り払うが、体の末端は爆ぜ散った

[メイン] 雷の異形 : 降り注ぐ雨が瞬時に蒸発し

[メイン] うちはサスケ : 「グ………ッ!!」

[メイン] 雷の異形 : 高熱と落雷の炎で

[メイン] 雷の異形 : 爆発を引き起こす

[メイン] うちはサスケ : いつしか黒衣の外套は吹き飛び

[メイン] うちはサスケ : 須佐能乎の外骨格は、容易く吹き飛び

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 迫る爆炎を切り裂き、地を這う虫のように逃げ惑う、直撃すれば蒸発必須の一撃を
神域の技巧でかわし続ける

[メイン] うちはサスケ : そのまま、爆風にて吹き飛ぶが───

[メイン] うちはサスケ : 「天照!」

[メイン] うちはサスケ : 狙いは、雷の発生源となる現象そのもの

[メイン] うちはサスケ : 消えない炎のピントは、太陽神が如き威光を用いて狙いを定め────

[メイン] 雷の異形 : 浮き荒れる巨体に、黒い炎が点火する

[メイン] うちはサスケ : 消えない炎であれば

[メイン] うちはサスケ : 風さえ点火できれば

[メイン] うちはサスケ : 「燃え尽きろォ!!」

[メイン] 雷の異形 : 巨体は、その炎の特異性に異常を覚え

[メイン] 雷の異形 : 居心地悪そうに、うめき声をあげたのち

[メイン] : 無数の稲妻にその身を変えて、飛散する

[メイン] : そして、燃え盛る雷だけは雷雲のなかに還元し

[メイン] うちはサスケ : 「………!」

[メイン] うちはサスケ : 逃げた?
いや違う

[メイン] 雷の異形 : 残りの稲妻が再び巨体を形作る

[メイン] うちはサスケ : 体を霧散させた

[メイン] うちはサスケ : 水月と同じ体質
その形作る物体さえあれば不死と言っていい

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「なるほど、コレはタチが悪い」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「消えぬ炎は交わされ、恐らく切り裂いたところで致命傷にはなるまい」

[メイン] 雷の異形 : そして唸りを上げて、再び雷雲が嵐の役目を遂行する

[メイン] 雷の異形 : 暴風、そして今度は

[メイン] うちはサスケ : 「………さて、どう考える?」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 神威が飛び交う戦場において、ただ剣撃のみで対応し続けてはいるが……

[メイン] 雷の異形 : 視線を遮るように黒雲が巨体を包む

[メイン] うちはサスケ : 「奴の突破方法」

[メイン] うちはサスケ : 「……対策されるか」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「是非も無し、あの炎を一度味わえばそうするだろう」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 溶け残った鎧と肉体が、火傷と共に混じり合った腹部を見て、低く呟く

[メイン] 雷の異形 : 攻撃的な雷雨は鳴りを潜めた代わりに

[メイン] 雷の異形 : 視線を眩ますように、閃光を放つ雷が降り注ぐ

[メイン] うちはサスケ : その雷を見て

[メイン] うちはサスケ : 髪の奥の薄紫の目が、怪しく輝く

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 『神羅天征』

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 閃光が閃光となり得る直前に、圧倒的斥力にて霧散させる魂胆

[メイン] 雷の異形 : ぐにゃりと、稲妻が弾けて

[メイン] 雷の異形 : 見えざる力に飛散する

[メイン] うちはサスケ : ────これに対して打てる隠し球も、残り僅か

[メイン] うちはサスケ : ……

[メイン] うちはサスケ : 『覚悟』を決めるしかないか

[メイン] うちはサスケ : 「そこの剣士」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「何か、策があるようだな」

[メイン] うちはサスケ : 「ここで死ぬ気はあるか?」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「否だ、私が仰ぐ神は奴ではない」
「天罰と受けるのならば、我が主からのみだろう」

[メイン] うちはサスケ : 「ならアレを野放しにして、その主はどう思うか…」

[メイン] うちはサスケ : 「決めた、オレはここで死ぬ気でアレを潰す」

[メイン] うちはサスケ : 「差し違えることになってもな」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「そうか……では、支援する」
「貴公が先に討たれれば……」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 言わずもがな、刀剣とて島諸共に海の藻屑にされるだろう

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「……では、策を聞かせてくれ」
「こちらも無闇に斬りかかれる程は若くはない」

[メイン] うちはサスケ : 「策か」

[メイン] うちはサスケ : 「アレは身体を雷に霧散できる」

[メイン] うちはサスケ : 「だが───」

[メイン] うちはサスケ : 「本体の攻撃と同時に霧散は不可能と見た」

[メイン] うちはサスケ : 「そうでなければあんな防護壁は用意しない」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「……なるほど」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「血が流れるならば死ぬ、身を守るのならば、攻撃を受ける余地がある」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「それは神であれ、変わらぬか……見事な観察眼だ」

[メイン] うちはサスケ : 「その為には、奴から、奴自身の手で攻撃を引き出す必要がある」

[メイン] うちはサスケ : 「………」

[メイン] うちはサスケ : 無言になった後、少し笑みを浮かべて

[メイン] うちはサスケ : 「暫く隙が出来る、それまで何とか捌いてくれ」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「了承した、この身、神威を退ける一時の盾としよう」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 一歩前に踏み出すと、刀を構え。
体内から、自らの異能を現世へと映し出す

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 身体から溢れる星屑の様な粒子の渦
星を内蔵したかのようなエネルギーが、ベルグシュラインの周りを覆っていく

[メイン] 雷の異形 : 意図を知ってか、それともそんな意識もなしか

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「創生せよ、天に描いた星辰を──我らは煌めく流れ星」

[メイン] 雷の異形 : 雷光、再び周囲の高熱化を引き出すように震える

[メイン] うちはサスケ : ────ありっきたりを、くれてやる

[メイン] うちはサスケ : 右手に、雷を宿し

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 敵の威光を前にして、一切怯まず言葉を綴る

[メイン] うちはサスケ : 「雷鳴と共に散れ」

[メイン] うちはサスケ : 「麒麟」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「剣の閃き、限りなく。黄金の柄に鋭き刃、鋼を両断する度に」
「王器を彩る栄光が地平の果てまで鳴り響く。」
「三度振るえば訪れる破滅の波など知りはしない」

[メイン] うちはサスケ : 本来は

[メイン] 雷の異形 : チャージ、周囲を熱するが

[メイン] うちはサスケ : 曇天を利用し

[メイン] うちはサスケ : 自然の雷を放つ技

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 言葉を語りながらも、絶対剣を振るい、溢れたように迫る雷撃を振り払う

[メイン] うちはサスケ : それを

[メイン] うちはサスケ : 雷の発生源に無理やり供給したのであれば

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「我が所有者こそ絶対神。侏儒の鍛冶が遺せし呪怨など、至高の神威は跳ね除けん。」
「断ち切る魔物を御示しあれ。八つ頸唸る邪竜とて、語らず、逸らず、粛々と」

[メイン] うちはサスケ :
 

[メイン] うちはサスケ : 無理にでもやらざるを得ないだろう?

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 霧散すると言うことは、その形状は不安定

[メイン] うちはサスケ : 故に

[メイン] うちはサスケ : 外部から力を与えれば、全力の一撃は誘導できる

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : ただただ淡々と、殺戮指令を自らの異能に下していく

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「一切斬滅。唯其れのみ。此れより神敵、調伏致す」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 準備完了、後は……迫る神威を切り裂くのみ
楽な仕事だ

[メイン] 雷の異形 : 膨れ上がる自身のものだった"はず"の雷光が

[メイン] うちはサスケ : ────チャクラを、充填させろ

[メイン] うちはサスケ : チャンスは一度

[メイン] うちはサスケ : 乾坤一擲、ここで仕留めねば後はない

[メイン] 雷の異形 : 再び放つはずだった赤熱電磁に混ざり合い

[メイン] 雷の異形 : グン、と

[メイン] 雷の異形 : 本来引き出すはずがなかった、正しく厄災の電光へ跳ね上がり

[メイン] 雷の異形 : 雷雲が全て雷光に弾かれ

[メイン] 雷の異形 : 青空の元、巨大な稲妻の塊が発生する

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 青を染める白の群れ

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : その正体はエネルギーの塊

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 一瞬さえ防ぎそこなえば、後ろの忍び諸共に己は消える

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 迫る

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : それを、見据えると──

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン :  

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 𝐌𝐞𝐭𝐚𝐥𝐧𝐨𝐯𝐚──𝐎 𝐫 𝐨 𝐭 𝐢 𝐧 𝐨 𝐚 𝐫 𝐚 𝐦 𝐚 𝐬 𝐚 𝐓 𝐲 𝐫 𝐟 𝐢 𝐧 𝐠
『超新星──抜刀・天羽々斬空真剣ッ!!』

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン :  

[メイン] 雷の異形 : 極光、炸裂

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 視界全てを埋め尽くす白へ、逆さに塗りつぶしように剣戟を行う

[メイン] 雷の異形 : 光線、或いは光の柱と言える稲妻の帯が

[メイン] うちはサスケ : ────紫の陽炎は

[メイン] 雷の異形 : 二人の元に降り注ぐ

[メイン] うちはサスケ : 自然と形を持ち

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 身体機能を120%までフル稼働
一秒たりとも刀を同じ場所には置いては置けない

[メイン] 雷の異形 : しかし、その帯は

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 迫る雷撃を切り返す、奔る電磁波を力場諸共両断して、真っ向から神威と切り結ぶ

[メイン] うちはサスケ : ────再び形を保ち

[メイン] 雷の異形 : 絶技を持ってして、命中することなく

[メイン] うちはサスケ : その上半身を、形───

[メイン] 雷の異形 : 逸れて、その先の大地を一瞬にして融解させる

[メイン] うちはサスケ : まだだ

[メイン] うちはサスケ : それは、二本の脚を持ち

[メイン] 雷の異形 : 無論、当たれば必殺だ、だが

[メイン] うちはサスケ : 更に、形を崩れさせ

[メイン] 雷の異形 : 嵐を一点に収束し、尚且つ雷雲をたった一撃にするのならば

[メイン] 雷の異形 : その天を突く異形とて

[メイン] 雷の異形 : "解れていく"

[メイン] うちはサスケ : 「───よく凌いだ」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「……任せたぞ」

[メイン] うちはサスケ : そこに立つは、須佐能乎尊の如き化身

[メイン] うちはサスケ : その左手には

[メイン] うちはサスケ : 『加具土命』

[メイン] うちはサスケ : そして

[メイン] うちはサスケ : 『千鳥』

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 黒炎と、青電

[メイン] うちはサスケ : それが、重なり────

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  
『建御雷神』

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : そのまま、雷雲に向けて左手を構え

[メイン] うちはサスケ : 飛翔する

[メイン] うちはサスケ : 必殺が如き一撃を───真っ向から

[メイン] 雷の異形 : 今度は、分散する肉体はない

[メイン] うちはサスケ : 粉砕せしめんと、鎧の武者は雷神と炎神を携え舞う

[メイン] 雷の異形 : 真正面から、拒みようの無い雷と

[メイン] うちはサスケ : 須佐能乎が、融解する

[メイン] うちはサスケ : しかして、威力は落ちず

[メイン] 雷の異形 : 消すに叶わぬ黒炎を喰らい

[メイン] うちはサスケ : 否、否否!!

[メイン] うちはサスケ : 須佐能乎から、そのまま男が飛び出て

[メイン] うちはサスケ : 師で、先生でもある男の秘技の由来のように

[メイン] うちはサスケ : その右腕に宿し雷で、雷の全てを喰らう

[メイン] うちはサスケ : その術の名は

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :
   ライキリ
  『千鳥』

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 「うおおおおおおォォォォ!!!!」

[メイン] うちはサスケ : 異形に、黒炎と蒼雷を浴びせ

[メイン] 雷の異形 : 稲妻を持ってして、稲妻を打ち破る音

[メイン] 雷の異形 : 嵐の雷音は

[メイン] 雷の異形 : 啼き荒ぶ千の鳥に埋め尽くされて

[メイン] 雷の異形 : 散りゆく閃光を、炎が焼き潰す

[メイン] 雷の異形 : 青空の中心にて

[メイン] 雷の異形 : 雷なる異形は

[メイン] 雷の異形 : 万の稲妻を降らせて尚

[メイン] 雷の異形 : 一筋の雷に、貫かれた

[メイン] : 飛散する稲妻は、先ほどのように意思あるものでなく

[メイン] : 弱々しく、力を失くすように

[メイン] : 青空に、ちちちと消える

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「……相打ち、か?」
激しい力の衝突の、あっけない幕切れに対し、思わず言葉を溢す

[メイン] : そして、その中で

[メイン] : 一本、消失しなかった稲妻が

[メイン] 神木 鳴子 : ひゅるると、森の中に人影に変わってぽとんと落ちていった

[メイン] うちはサスケ : 宙にいた男は

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「!」

[メイン] うちはサスケ : それを視認し

[メイン] うちはサスケ : 「…………じゃあな」

[メイン] うちはサスケ : その森の中へと突っ込んでいった

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「……ケリはついた、が」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 手足を見つめ、帯電するように弾ける電撃へと視線を落とす

[メイン] うちはサスケ : あんな能力を用いても、人であるのなら
見捨てる理由にはならんだろう
少なくとも、オレの知る光は絶対に

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 「これでは、追撃しても不利か……今度こそは、と思ったのだが」

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン : 雷撃を糧とする相手二人に、これ以上は部が悪い……仄かな口惜しさを感じながら
絶対剣士は、傷を癒すためその場を離れた

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン :  

[メイン] ウィリアム・ベルグシュライン :  

[メイン] ナハト・ナハト :

[メイン] ナハト・ナハト :

[メイン] ナハト・ナハト : 踏み固められた道を靴が踏んで、堅い音が響く。

[メイン] ナハト・ナハト : 元々は人が住んでいたのであろう──尤も今は放棄されているようであるが。

[メイン] ナハト・ナハト : つまるところ市街地。

[メイン] ナハト・ナハト : 「…………」

[メイン] ナハト・ナハト : 「匂う。戦いの匂い…………」

[メイン] ナハト・ナハト : 先ほどまで行われていたであろう戦いの気配。

[メイン] ナハト・ナハト : さて、その役者は何処にあるか。

[メイン] ナハト・ナハト : 感覚を尖らせて──

[メイン] フィズ : パリン、と窓ガラスの割れる音がする。

[メイン] ナハト・ナハト : 視線をそちらへ──

[メイン] フィズ : バクリ!!!

[メイン] フィズ : 足元には、鋭利な牙が今にも彼女の足の骨を噛み砕かんと食いついている。

[メイン] ナハト・ナハト : ああ、不意打ち。

[メイン] ナハト・ナハト : 「ッ!!」

[メイン] ナハト・ナハト : 脚を捕らえるように食いつかれている以上箱詰めは不可。

[メイン] ナハト・ナハト : また、諸々の制圧力の高い攻撃も不可、とあらば。

[メイン] ナハト・ナハト : 瞬間、掌の中で箱を開く。

[メイン] フィズ : (……なるほどね)

[メイン] ナハト・ナハト : 飛び出すのは牽制程度でしかない銃弾の一発。

[メイン] ナハト・ナハト : 足元、自分を巻き込まない範囲ではこれが限界。

[メイン] フィズ : 「きゅううううう!!!!」

[メイン] フィズ : 鮫の奏でる、超音波のような音が静寂に包まれた街中に響く。

[メイン] フィズ : その弾丸は、シャークの左目を貫通。

[メイン] ナハト・ナハト : 鮫ね……

[メイン] ナハト・ナハト : 「そういえば海が赤く染まっていたかしら」

[メイン] ナハト・ナハト : この島に訪れる際の、海の様子を思い出して呟く。

[メイン] ナハト・ナハト : 叫ぶということは口を開いたということで……

[メイン] ナハト・ナハト : 開いた口から足を引き抜き──

[メイン] ナハト・ナハト : 「……チッ!」

[メイン] ナハト・ナハト : ──伴う痛みに構わず、足元を蹴り抜く。

[メイン] フィズ : その足元には既に鮫の姿は無く。

[メイン] フィズ : ただ、硬いコンクリートの地面が広がるのみだった。

[メイン] ナハト・ナハト : 「……一張羅が台無しだわ」

[メイン] ナハト・ナハト : 牙に貫かれ、血に濡れた足を見下ろすことも無く。

[メイン] ナハト・ナハト :
         トリックスター
「さて、次の役者は詐欺師と言ったところかしら」

[メイン] ナハト・ナハト : 「戦とは『嘘』と『嘘』が牙を交わすもの。実に結構だけれど」

[メイン] ナハト・ナハト : 「──顔も見せないのは不遜が過ぎるな」

[メイン] ナハト・ナハト : ”箱”を開いて……その中身は”黒炎”。

[メイン] ナハト・ナハト : 対象を焼き尽くすまで消えることの無い炎を、手あたり次第周囲の遮蔽物に投げかける。

[メイン] フィズ : ……戦闘のイニチアシブは、高所から始まる。

[メイン] フィズ : 高く、ビルの頂点から彼女を見下ろす。

[メイン] フィズ : 「行くぜ」

[メイン] フィズ : 小声でそう呟く。

[メイン] フィズ : ストン……と音もなく落下。

[メイン] フィズ : それと同時に、彼女の付近に存在する壁に黒い影を投射。

[メイン] フィズ : ダイブする時に音を立てちゃいけねぇ。獲物は僅かな音にでも反応して姿を晦ませるからな。

[メイン] ナハト・ナハト : 周囲に燃え盛る炎、燻る煙。

[メイン] フィズ : そのまま彼女の脳天にトライデントを……

[メイン] ナハト・ナハト : 煙が──揺らいだ、空気の流れ。

[メイン] ナハト・ナハト : 後ろから。

[メイン] ナハト・ナハト : ふわりと体を横にズラす。

[メイン] ナハト・ナハト : 脚に傷を負った以上、大振りな回避は出来ないが……

[メイン] ナハト・ナハト : ……直撃さえ避ければいい。

[メイン] フィズ : ……風か。

[メイン] フィズ : 左肩にトライデントの右部分を突き刺して引き抜き、そのまま煙の中に紛れる。

[メイン] フィズ : これで左に関しては動きが鈍るだろう。

[メイン] ナハト・ナハト : 「…………」

[メイン] ナハト・ナハト : 脳内麻薬が回りだしたのか最早痛みさえ訴えずに呟く。

[メイン] ナハト・ナハト : 降りてきたな。

[メイン] ナハト・ナハト : 右手をさっと振れば。空中に”箱”が居並ぶ。

[メイン] ナハト・ナハト :
兵器
玩具の入ったおもちゃ箱。

[メイン] ナハト・ナハト : 逃げ場所など与えないと言わんばかりに、展開された銃器が全方位に弾幕を浴びせかける。

[メイン] フィズ : トライデントが地面に刺さる。

[メイン] フィズ : そして、翻した身体を向けた先は……彼女の背中。

[メイン] フィズ : 箱には口があり、武器はその口からしか出てこない……

[メイン] フィズ : そして、その口が向けられた先は彼女の周囲。

[メイン] フィズ : 懐に潜り込むのは、漁師の得意技……だもんな

[メイン] フィズ : 銃弾の雨をすり抜け、彼女の背中にその長柄を刳りこみ……!

[メイン] ナハト・ナハト :

[メイン] ナハト・ナハト :

[メイン] ナハト・ナハト : 「もう見飽きた」

[メイン] ナハト・ナハト :

[メイン] ナハト・ナハト :

[メイン] ナハト・ナハト : 足元で”箱”を開く。

[メイン] ナハト・ナハト : 中身は先ほどのハンサムと戦った際に仕舞い込んだ”大地”。

[メイン] ナハト・ナハト : 足場を押し上げ、跳んで。

[メイン] ナハト・ナハト : 空転。

[メイン] ナハト・ナハト : 背後を突く一辺倒。

[メイン] ナハト・ナハト : 弾幕で手ごたえが得られないのならば来る先の読みようなどたやすい。

[メイン] ナハト・ナハト : 空中で逆さになって背後を見た。

[メイン] フィズ : その時、全身が炎に包まれる。

[メイン] フィズ : 「あ……あちいぃぃぃぃぃい!!!!!」

[メイン] フィズ : 全身の皮膚が焼けていく。先程まで眠って回復していた表皮がバチバチと火を吹く。

[メイン] ナハト・ナハト : 次いで大地から吹き上がる黒炎。

[メイン] ナハト・ナハト : 開けた箱は一つではなかった、ということ。

[メイン] ナハト・ナハト : 飛び上がると同時、黒炎を封じた箱も開いていたのだ。

[メイン] フィズ : 「あち、あちぃぃぃいい!!!」

[メイン] フィズ : 堪らなない、と言わんばかりに飛び退き、そのまま煙の中に姿を消す。

[メイン] ナハト・ナハト : 「さっきから鬱陶しい……」
すたり、と黒炎の無い地面に着地しつつ。

[メイン] ナハト・ナハト : 「かかった魚は逃がさない。すぐに釣り上げてあげましょう」

[メイン] フィズ : その時、再び足元に魚影。

[メイン] フィズ : 口を大きく開けた鮫が彼女を飲み込まんと飛び上がり……

[メイン] ナハト・ナハト : ぱちん。

[メイン] ナハト・ナハト : 今日二度目の、”大地”の箱詰め。

[メイン] ナハト・ナハト : 潜影の浮かぶ大地もろとも、纏めてしまって一つの箱に。

[メイン] ナハト・ナハト : 「……まず一匹──」

[メイン] ナハト・ナハト : ……が、それはつまり自分の足場まで箱詰めにしてしまったということで。

[メイン] フィズ : 「……ありがとよ、相棒!!」

[メイン] ナハト・ナハト : ぐらりと一瞬、体勢が大きく揺らぎ──

[メイン] フィズ : 今までの事が走馬灯のように思い出される。
群れから逸れたあいつを拾い、1人で過ごしていたおれは友達を得た。

[メイン] フィズ : でもよ、俺たちはやっぱり面白い事をしたい……だろ?

[メイン] フィズ : またいつか……会おうぜ!!!

[メイン] フィズ : 箱を『すり抜け』、トリックスターが彼女の眼前に現れる。

[メイン] ナハト・ナハト : 「──」

[メイン] フィズ : 「言葉は要らない……だろ?」

[メイン] ナハト・ナハト : 「……残念ね」

[メイン] ナハト・ナハト : ここまで傷つけられて、悲鳴の一つも聞かせてくれそうにないだなんて。

[メイン] ナハト・ナハト : お前たちはつまらない事をしたがるばかりだ。

[メイン] フィズ : そのまま、彼女の胸を『シートライデント』が貫き……!

[メイン] ナハト・ナハト : どうせもうまともに動かない左手を矛先に当て。

[メイン] ナハト・ナハト : 刃が手首を滑り。

[メイン] ナハト・ナハト : 流血の線が走って。

[メイン] ナハト・ナハト : 柄を軽く左に押してしまって。

[メイン] ナハト・ナハト : 体の僅か横を槍が滑っていって。

[メイン] ナハト・ナハト : そのままその、鱗の光る体が手元に迫ってくるから。

[メイン] ナハト・ナハト : 腱の切れたらしい左手の中で”箱”を開く。

[メイン] ナハト・ナハト : 何の変哲もない銃器が飛び出して、ぱぁんとあっけない銃声が響く。

[メイン] フィズ : 「か……はっ―――」

[メイン] フィズ : 白い胸元に真紅の鮮血が滲み出す。

[メイン] ナハト・ナハト : 「”これ”は返してもらいましょうか」

[メイン] ナハト・ナハト : フィズの体に纏わりつく黒炎だけを”箱”に仕舞い込む。

[メイン] ナハト・ナハト : 死体は残るだろう。別にそうしようと思ってしたことではないけれど。

[メイン] フィズ : バタリ、とコンクリートの冷たい床に倒れる。

[メイン] フィズ : 血は中心部からドクドクと流れ出し、白い床をまるで彼岸花のように真っ赤に染め上げていく。

[メイン] フィズ : 瞳からは生気が失われ、焦点も虚ろになっている。

[メイン] ナハト・ナハト : 「あっけない終りね」

[メイン] ナハト・ナハト : 手を変え品を変え、不意から襲いかかってきたこのトリックスター。

[メイン] ナハト・ナハト : その死に際にしてはあまりに簡素なもの。

[メイン] ナハト・ナハト : ふと言葉が零れる。聞こえるか聞こえないかも定かではなかろうが。

[メイン] フィズ : …… ……

[メイン] フィズ : 言葉は返らない。

[メイン] フィズ : 何故なら、俺は敗者だからだ。敗者に言葉は必要ない。

[メイン] フィズ : だが、悔いはない。

[メイン] フィズ : こんなにも強いヤツと、戦えた。

[メイン] フィズ : それだけで……最高に楽しかったもんな。

[メイン] フィズ :  

[メイン] フィズ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ : そうして、遂に見つける。

[メイン] 譲崎ネロ : この島を混沌の渦へ陥れた、全ての元凶。

[メイン] 譲崎ネロ : そこにぽつりと存在し、誰もが見てもそれが『願望器』であると認識できる。
円盤状の物体。

[メイン] 譲崎ネロ : 「ミサカ……!!あれ!!」

[メイン] 御坂妹 : 「……はい、間違いないでしょう…と、ミサカは肯定します」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……あれを壊せば……もう、この戦いは……終わる」

[メイン] 譲崎ネロ : 「『事件』が、『解決』する……!!」

[メイン] 譲崎ネロ :
               ジケン
「─────一緒に、このふざけた"幻想"……!!終わらせちゃおう!!」

[メイン] 譲崎ネロ : ミサカに、ニッ!と笑みを見せながら。
願望器のもとへ走る。

[メイン] 御坂妹 : 無表情のままその後を追うも……どこかに、拭いきれない……まるで、獣の檻に囲まれた生贄のような━━そんな息苦しさを感じて。

[メイン] ナハト・ナハト :

[メイン] ナハト・ナハト : 「終わらない──」

[メイン] ナハト・ナハト :

[メイン] 譲崎ネロ : ぞわり。悪寒が迸る。

[メイン] ナハト・ナハト : 願望器、その空中。

[メイン] 譲崎ネロ : この声は、この感情は─────。

[メイン] 譲崎ネロ : 空気が、一気に冷たくなるような、そんな錯覚を覚えながら、宙に浮かぶ者と対峙する。

[メイン] ナハト・ナハト : 二人とほぼ同時に見つけたのであろう、その影は舞い降りるようにその場に現れる。

[メイン] 譲崎ネロ : ──────────"恐怖"。

[メイン] 譲崎ネロ : 「っ………!!お、お前は……!!」
ミサカの前に立ち。

[メイン] 譲崎ネロ : 「……"そいつ"には、興味無かったんじゃないのかよ……!?」

[メイン] 譲崎ネロ : 願望器を指差し。

[メイン] ナハト・ナハト : 「戦いとは、”恐怖”とは」

[メイン] ナハト・ナハト : 「いつだって幻想が生み出すもの」

[メイン] ナハト・ナハト : 「ふふふ……そう簡単にこの事件に”真実”だなんてものを決定づけられたら」

[メイン] ナハト・ナハト : 「台無しでしょう」

[メイン] 御坂妹 : 「…………っ…」

[メイン] 御坂妹 : 聞くだけで眼前に光景が蘇り、足の竦むような━━━━"恐怖"。

[メイン] 譲崎ネロ : 「くっ………!!」

[メイン] 譲崎ネロ : 冷や汗が一気に滲み出る。背中がびっしょりだ。

[メイン] 譲崎ネロ : 足も竦む、自然に、一歩分下がってしまいそうになる。

[メイン] 譲崎ネロ : ─────でも、堪えるッ……!!

[メイン] ナハト・ナハト : 「それにしてもまさか、最後に現れるのが貴女達とはね……ふふふ、大誤算」

[メイン] 譲崎ネロ : 「─────それでも、『真実』を探求するのが……!!」

[メイン] 譲崎ネロ : 「『探偵』だ!!」

[メイン] ナハト・ナハト : 「ふぅん……」

[メイン] 譲崎ネロ : 痩せ我慢と言えば、その通りだ。
負け犬の遠吠えにも近いと言えば、近い。

[メイン] 譲崎ネロ : それでも………。

[メイン] 御坂妹 : 「『窮鼠猫を噛む』━━古い日本の諺ですよ、とミサカは知識を誇ります」

[メイン] ナハト・ナハト : 「その”恐怖”に屈すること無い勇気に敬意を表して」

[メイン] ナハト・ナハト : 「名前を聞いてあげましょう、レディ?」

[メイン] 譲崎ネロ : その問いに、目の奥に力を込め。

[メイン] 譲崎ネロ : 「………譲崎ネロ。 ……『真実』を暴く探偵の名だッ!!!」

[メイン] 御坂妹 : 「……ミサカ。……『真実』を照らすその助手の名です」

[メイン] ナハト・ナハト : 「ネロ、ミカサ」

[メイン] ナハト・ナハト : 名前を反芻するように呟き。

[メイン] ナハト・ナハト : 「私も名乗って差し上げましょうか」

[メイン] 譲崎ネロ : 「………!」

[メイン] 御坂妹 : 「!」

[メイン] ナハト・ナハト :
     縫い目無し
「我が名はNahtnaught。天衣無縫を宿命づけられた戦場と恐怖の女王!」

[メイン] ナハト・ナハト : 「さあ、『嘘』で駆け引きする戦場で踊りましょう!」

[メイン] ナハト・ナハト :
    ミルキィホームズ
「勇敢で意気地なしの探偵さんたち?」

[メイン] 譲崎ネロ : 「っ………!!やって、やるよ……!!!お前に、教えてやる……!!!人は……恐怖を……」

[メイン] 譲崎ネロ : 「─────乗り越えられるんだッ!!!」

[メイン] 譲崎ネロ : 目の奥に、青白い光が揺れ動く。
そうして、ネロの『トイズ』の花が開く。

[メイン] 御坂妹 : 「…………ええ。たとえ、一人では乗り越えられなかった恐怖でも」

[メイン] 譲崎ネロ : ナハトと初めて対峙した、無能力の彼女とは違う。
─────『探偵』の、ネロの姿。

[メイン] 御坂妹 : 「ミサカは、もう…一人じゃないって、気付きましたから」

[メイン] 譲崎ネロ : そうして、横へ駆け出し。
近くにあった自販機に手を触れると。

[メイン] 譲崎ネロ : 変形。物理法則を無視するように、大きく変形。

[メイン] 譲崎ネロ : そうしてそれは、戦車の形となり。

[メイン] ナハト・ナハト : 「貴女というおもちゃ箱に押し込められた楽しい玩具、見せてもらいましょう」

[メイン] 譲崎ネロ : 狙いを、ナハトへ向け。

[メイン] ナハト・ナハト : だらり、あまり動かない左手を垂らしてそれでも悠然と立つ。

[メイン] 御坂妹 : その戦車の動きを読むように、直下に構えて電撃を充填し。

[メイン] 譲崎ネロ : まずは一発。根性の一撃。決死の砲弾を爆音と共に、ナハトへ放つッ!!

[メイン] ナハト・ナハト : 「甘い!」

[メイン] ナハト・ナハト : 所詮は飛び道具、触れた瞬間”箱”に詰めてしまえばよい。
右手を砲弾にかざし、即座に箱詰め。

[メイン] 譲崎ネロ : 「だったらッ!!!こうだッッ!!!!」

[メイン] 譲崎ネロ : 目の奥が、さらに光る。『トイズ』の輝き。

[メイン] 譲崎ネロ : その砲弾が、炸裂する。

[メイン] ナハト・ナハト : 「……っ!?」

[メイン] 譲崎ネロ : そうして、細かなミサイルと化し、無作為な軌道を描きながら、ナハトへと囲みこむように。

[メイン] 譲崎ネロ : 「当たれぇぇええええええええッッ!!!!」

[メイン] ナハト・ナハト : 閉じかけた箱が開いて、また飛び出すおもちゃの数々。

[メイン] ナハト・ナハト : 「良い『嘘』だわ、探偵さん」

[メイン] 譲崎ネロ : ……っ……!?なんだ、その、余裕な笑みは……!?

[メイン] ナハト・ナハト : 無数の”箱”が。
これまでにない数の”箱”が。
刹那にしてナハト・ナハトを取り囲む。

[メイン] 御坂妹 : 「……っ…!?」

[メイン] 譲崎ネロ : 「なっ………!?!?き、規格外だ……!!?ズルだろ、それ……!?」

[メイン] ナハト・ナハト : 数多のミサイルの全てを箱詰め。
見えている飛び道具など相手にならない。

[メイン] 譲崎ネロ : 攻撃が、当たらない……!!!?ちょっとした小細工程度じゃ、通用しない……!!!

[メイン] ナハト・ナハト : 「鉄と火薬がお好きなのかしら?」

[メイン] 御坂妹 : 「……では、見えていない飛び道具はどうでしょうか」

[メイン] 御坂妹 : 手をかざし━━ミサイルの間に電流の『網』を展開する!

[メイン] 御坂妹 : 「一弾一弾は避けられても…!この網は掻い潜れまいッ!」

[メイン] ナハト・ナハト : 「…………!」

[メイン] ナハト・ナハト : 不意に不意を重ねた攻撃に、一瞬体が焼けこげ。

[メイン] 譲崎ネロ : !! やった……!!当たった……!!

[メイン] 譲崎ネロ : へへ……!さすが、僕の助手!!

[メイン] 御坂妹 : 「……っし!」
反射的に拳を握る

[メイン] ナハト・ナハト : 次の瞬間、巨大な”箱”がナハトの周囲を覆う。

[メイン] 譲崎ネロ : 「………え……!?」

[メイン] ナハト・ナハト : ”空気”の箱詰め。

[メイン] 譲崎ネロ : な、なんだ、あれ……!?で、でっけぇっ……!?

[メイン] 御坂妹 : ……は……?

[メイン] ナハト・ナハト : 「……っ、げほ」
呼吸が一瞬出来なくなって。

[メイン] ナハト・ナハト : そして同時に、電導に必要な物質を悉くなくした空間からは、電撃が失せる。

[メイン] 譲崎ネロ : 「ぐっ……!!これ……マジで……どうしたら、いいんだ……!?」

[メイン] ナハト・ナハト : 「どうしようもないから、恐怖にひれ伏して跪け!」

[メイン] ナハト・ナハト : 無数の”箱”が周囲に浮かぶ。

[メイン] 譲崎ネロ : ずらりと並ぶ、"箱"の群、その圧倒的物量に、目を見開く。

[メイン] 譲崎ネロ : 「んなっ………!?」

[メイン] 御坂妹 : 「……っ!?」
あれだけの出力を込めた電撃が……無力だなんて……

[メイン] 譲崎ネロ : 開いた口が、塞がらない。

[メイン] ナハト・ナハト : どうやら両者、電子的な制御に長けた能力のようで……

[メイン] ナハト・ナハト : 「アナログな鉄火、いかがでしょう」

[メイン] ナハト・ナハト : 開いた”箱”から飛び出すただの鉛玉の雨あられ。なんの工夫もない速度と硬度の弾丸。

[メイン] 御坂妹 : ………まずい…ッ!
危険信号が反射的に脳を叩く

[メイン] ナハト・ナハト : 初戦で見せたのと同じ、でも。

[メイン] ナハト・ナハト : 効いていたのは見ているし。

[メイン] 譲崎ネロ : 「ッ……!!!マジか………!?」
咄嗟に、『トイズ』を発動しようとするも……。

[メイン] 譲崎ネロ : ま、間に合わないッ……!?このままだと、蜂の巣………!!

[メイン] 譲崎ネロ : く、そぉぉおおおおおッッッ……!!!!

[メイン] ナハト・ナハト : 「ふふふ……やっぱり初戦と何も変わりがない」

[メイン]   : ────突如

[メイン]   : 弾丸に囲まれ

[メイン]   : 窮地に陥っていた2人の姿がブレ

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン] うちはサスケ : 男が、代わりに出現し

[メイン] ナハト・ナハト : ──!

[メイン] うちはサスケ : 紫の巨腕でその弾丸を全て叩き潰し

[メイン] 譲崎ネロ : 「………!!!」

[メイン] 御坂妹 : 「……っ!!」

[メイン] うちはサスケ : 「初戦と」

[メイン] うちはサスケ : 「何も変わらないな」

[メイン] 譲崎ネロ : 「あ、あなたは………!?」

[メイン] ナハト・ナハト : 「……ふふ……ふふふふふ」
思わず目を見開く。

[メイン] うちはサスケ :
甘ったれた理想論
『MILKY HOLMES』の為に

[メイン] うちはサスケ : 男が、傷だらけの身体で現れ、ナハトの方を見る

[メイン] ナハト・ナハト : それからやはり三日月のように口が吊り上がり。

[メイン] ナハト・ナハト : 「やはり……来てくれてよかった」

[メイン] ナハト・ナハト : 「メインディッシュの無い食卓なんて、退屈が過ぎるもの」

[メイン] 譲崎ネロ : ミサカを、手に掛けようとした男……!!
でも、助けて、くれた………!?

[メイン] うちはサスケ : 「怪我は無いか?」
後ろの2人の方を振り向いて、尋ねる

[メイン] 譲崎ネロ : 「っ……!!……お、おう……!……ありが、とう」

[メイン] ナハト・ナハト : お互い傷だらけね──
ナハト自身、殴打され、打撲の傷が残る腕。
健の切れた左手、刺し貫かれた左肩に両足。
万全とは言い難い。

[メイン] 譲崎ネロ : ……敵意は、完全に……無い、僕達を、守ってくれた。

[メイン] 御坂妹 : それに辛うじて頷きつつ。
「……理解不能。……なぜ、あなたに相反する思想を持っていたミサカたちを━━」

[メイン] 譲崎ネロ : どうしてか、分からない。
でも─────心強い。

[メイン] 譲崎ネロ : "恐怖"が、和らぐ。

[メイン] うちはサスケ : 雷霆に撃たれ、所々焦げた傷跡を晒しつつも
左腕の無い男は、同じく万全じゃないまま

[メイン] うちはサスケ : 「何故か…そうだな」

[メイン] うちはサスケ : 「友達や娘にバカにされない為に…だろうな」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……………へへ……そ、っか」

[メイン] 御坂妹 : 「………!」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……カッコイイじゃん」

[メイン] うちはサスケ : 「大人が子供に手を掛けるなど、言語道断なのだろう?」

[メイン] ナハト・ナハト : 「下らないわね」

[メイン] 譲崎ネロ : そう言い、またナハトと対峙する。

[メイン] うちはサスケ : ナハトに向け、言い放つ

[メイン] うちはサスケ : そのまま、雷を放ち

[メイン] うちはサスケ : それを、己自身に

[メイン] 御坂妹 : 「…!?」

[メイン] ナハト・ナハト : 「……!?」

[メイン] うちはサスケ : 「電気の使い方が成っていない、この様な用途もある」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……!!」

[メイン] ナハト・ナハト : 「予想外……」

[メイン] うちはサスケ : 雷による細胞活性

[メイン] 譲崎ネロ : そうか……!えっと、確か人間は……筋肉を、電気信号で動かして……
だから……!!

[メイン] うちはサスケ : 幾つあるのか数えることすら困難な細胞一つ一つを、電撃によって限界まで強制稼働させ

[メイン] ナハト・ナハト : 「そういう玩具もあるわけね、ふふふ」

[メイン] うちはサスケ : 「…………モノに向けて撃つだけが電気では無い、そう言うことだ」

[メイン] 御坂妹 : ……っ……しかし、万が一それが実現可能だったとしても……!
その制御には膨大なエネルギーとそれに耐えうる体力が……!

[メイン] うちはサスケ : その思考を察し

[メイン] うちはサスケ : 「1人でやろうとするな」

[メイン] うちはサスケ : 「お前達は2人で1人の」

[メイン] うちはサスケ :

[メイン] うちはサスケ : 「『探偵』なんだろう?」

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : それだけを言い

[メイン] うちはサスケ : 男があらゆるものを置き去りにするかの様に消える

[メイン] うちはサスケ :  脚を高速で動かし

[メイン] うちはサスケ :  雷の如き疾走により

[メイン] うちはサスケ :  地面は赤熱、岩塊がわずかに浮かび上がり

[メイン] うちはサスケ : 急コントロールでナハトの背後に狙いを定め

[メイン] うちはサスケ : 次に現れるのは、ナハトの背後

[メイン] ナハト・ナハト : あまりに速い。気配だけは察しているのに、あらゆる動きが間に合わない。

[メイン] うちはサスケ : 刀を、振り下ろす

[メイン] ナハト・ナハト : 動きは間に合わないけれど。

[メイン] ナハト・ナハト : ”箱”を開く時間だけはある。

[メイン] 譲崎ネロ : 瞬きの間に、男の姿は、ナハトの後ろにいた。
圧倒的な光景、理解のために目で追うので精一杯で。

[メイン] ナハト・ナハト : 今回の”箱”は……

[メイン] ナハト・ナハト : 先ほど詰めたばかりの、”大気”の塊。

[メイン] 御坂妹 : ミサカたちはただ息をするのも忘れて、眼前の後継に釘付けにされていた。

[メイン] ナハト・ナハト : 圧縮された大気が開放されると、爆発するような暴風が巻き起こり、それに身を乗せ。

[メイン] ナハト・ナハト : 無理やり前方へ飛びのく。

[メイン] ナハト・ナハト : 前方と言えばもちろん……二人の探偵がいるわけで。

[メイン] 譲崎ネロ : 「っ……!?!僕らの方に、来たッ……!?」

[メイン] 御坂妹 : 「……っ!?」
しまっ…!!

[メイン] 譲崎ネロ : 迎撃しようと、ミサカより託された銃器を取り出そうとし。

[メイン] ナハト・ナハト : 「この箱詰め、あんまりやらないのだけれどね」

[メイン] ナハト・ナハト : 「生き物も詰められるの」

[メイン] 譲崎ネロ : 「………え……?」

[メイン] うちはサスケ : 男の判断は至って冷静のまま────

[メイン] ナハト・ナハト : 暴風に身を任せた勢いそのままに右手をかざす。

[メイン] ナハト・ナハト : それをネロに伸ばし──

[メイン] 譲崎ネロ : ま、間に合わな─────!?

[メイン] うちはサスケ : 何を犠牲にして何を取るべきか

[メイン] 御坂妹 : 「……っ……!! ネロ……っ!?」

[メイン]   : 紅蓮の赤が、辺り一帯を包み込む。

[メイン] ナハト・ナハト : 「…………!!」

[メイン]   : 寒気で冷えた全ての木々、そこにある体を焦がすように放たれたその炎。

[メイン]   : 箱へと積み込まれたのは、獣の”恐怖”への根源ともいえる。

[メイン]   : 火。

[メイン] うちはサスケ : 自分の分だけは餓鬼道で吸収しながら、その火の発生源を特定しようとする

[メイン] ナハト・ナハト : 手ごたえの無い、無形……炎をしまい込む感覚。

[メイン] 譲崎ネロ : 「……!?な、何だ………!?」

[メイン] 大庭 樹里 : 「────楽しそうなことしてんじゃねえか。ええ?」

[メイン] 御坂妹 : 「…………っつ……」
吹き荒ぶ火の粉の中に、一人の影を。

[メイン] ナハト・ナハト : 傷ついた足で無理やり勢いを殺し、ネロの至近距離で隙を晒す前に踏みとどまる。

[メイン] 譲崎ネロ : 「っ……!?き、君は………?」
陽炎の中、揺らめくその姿を、じっと見ながら。

[メイン] ナハト・ナハト : 「そうね、お生憎様であまりいい気分ではないのだけれど」

[メイン] うちはサスケ : 「……」

[メイン] ナハト・ナハト : いいところで横やりばかり。

[メイン] うちはサスケ : 敵か、味方かわからないが

[メイン] うちはサスケ : 子供であるならば

[メイン] 大庭 樹里 : 「悪いね、だが”願望器”は樹里サマに必要なんでな」

[メイン] ナハト・ナハト : 「……あら。よく見れば、さっき見た顔ね?」
樹里の顔に見覚えを感じて。

[メイン] 譲崎ネロ : 状況が、混沌へ満ちていく。
次から次へと放り込まれる、『トイズ』の嵐。
まさしく……大混戦。

[メイン] 大庭 樹里 : 「そのために、”怖がって”気分悪くなってくれねえか?」

[メイン] 譲崎ネロ : ……そうだ、こんな大きな戦いを、市街地でやってるんだ。
だから……いつ、誰がその音に気付いてやってきても、おかしなことじゃない。

[メイン] 大庭 樹里 : 「ああ……?樹里サマは樹里サマだ、んで…こっちは見覚えない訳だが?」

[メイン] ナハト・ナハト : 「『敬意』が足りないわね。私から逃げ延びた幸運に『感謝』して大人しく『退転』していればよかったものを」

[メイン] ナハト・ナハト : ”箱”からテンガロンハットをぱさりを取り出す。

[メイン] 御坂妹 : ……完全なる味方、ってわけじゃなさそうですが……この状況、助けられたのは確か。

[メイン] 大庭 樹里 : ネロへと目をやり、ナハトナハトへと声を掛けつつ。

[メイン] 譲崎ネロ : 「……ネロ、だよ ……僕は、願望器を─────壊しに来た。」

[メイン] 譲崎ネロ : 樹里へ、そう告げ。

[メイン] 譲崎ネロ : また、ナハトへと向く。

[メイン] 大庭 樹里 : 「────ッ」

[メイン] ナハト・ナハト : 「立ち向かえば、こんな風になっちゃうのだから」
戦利品、敗北の証、テンガロンハット。
それを手の中でちらつかせる。

[メイン] 御坂妹 : 「また、相談も無しにそういうことを……と、ミサカは呆れ返ります」

[メイン] 譲崎ネロ : 「………言いたいことはお互いあると思うッ!でも……今は、アイツを……!!」

[メイン] 大庭 樹里 : 願望器を壊す?ああ、今はそんな事関係ねえ。

[メイン] 譲崎ネロ : ご、ごめん。と言いたげな表情をミサカに向けながら。

[メイン] 大庭 樹里 : その帽子は、見覚えのあるものだから、こそ。

[メイン] うちはサスケ : 「………」

[メイン] ナハト・ナハト : 「二人が三人、三人から四人。忙しくて仕方がないわ」

[メイン] 大庭 樹里 : 「────うっせえッ!!!!!!!」

[メイン] 御坂妹 : ……まぁ、そんなのにももう慣れてしまいましたが。

[メイン] ナハト・ナハト : 「火遊びはいけません、教わらなかったかしら」

[メイン] ナハト・ナハト : 手の中に”箱”を生み出す。

[メイン] 大庭 樹里 : ”こうなる”、その末路を見せられたこと……
風来坊、その彼の行き先を見てしまった事で、我慢は。

[メイン] ナハト・ナハト : ”箱”の中身は最早お馴染み、全てを燃やし尽くす黒炎。
手の中、箱の中で燻る。

[メイン] うちはサスケ : 「───やはりか」

[メイン] 大庭 樹里 : 「そんなもん、火に”恐怖”を覚えてるからそうなるんだよ」

[メイン] 大庭 樹里 : 「火は、炎は」
かちり、火炎放射器を掲げて。

[メイン] 大庭 樹里 : 恐怖は服従。
恐怖は永遠。
恐怖こそが信頼できる唯一のもの。

[メイン] 大庭 樹里 : 違うね。

[メイン] 大庭 樹里 :  

[メイン] 大庭 樹里 :  

[メイン] 大庭 樹里 :  

[メイン] 大庭 樹里 : 「────”怒り”と共にあるんだよッッッ!!!!!!」

[メイン] 大庭 樹里 :  

[メイン] 大庭 樹里 :  

[メイン] 大庭 樹里 :   

[メイン] レッド : 「よく言ったな」

[メイン] 大庭 樹里 : 怒りは抵抗。
怒りは短期。
怒りこそが身を任せられる唯一のもの。

[メイン] うちはサスケ : 流石に人数が多すぎるか

[メイン] うちはサスケ : そう判断し、僅かに後退

[メイン] 大庭 樹里 : 火炎球が、黒炎ごと飲み尽くさんと────

[メイン] 大庭 樹里 : 「────!?カラスのおっさん……」

[メイン] ナハト・ナハト : 「……終わりから苦しんで死ね!」

[メイン] うちはサスケ : 「ナハト」

[メイン] うちはサスケ : 「盗人猛々しいぞ」

[メイン] レッド : 「───何のことだか、俺は……
 広い銀河の地球の星に
 ピンチになったら現れる!イキでクールなナイスガイ!

[メイン] うちはサスケ : 次に開かれる眼は

[メイン] ナハト・ナハト : 箱から火球に負けじと黒炎を放ち……

[メイン] レッド : 「愛と正義の戦士……レッド参上───」

[メイン] うちはサスケ : 日本神話の神の1柱

[メイン] うちはサスケ : 名を

[メイン] うちはサスケ :
 カグツチ
『加具土命』

[メイン] うちはサスケ : その能力は

[メイン] 譲崎ネロ : 「……!?また、誰かが……!!………ぇ……?何、あの恰好……?」

[メイン] 大庭 樹里 : 「────レッド?」

[メイン] レッド : 遥か後方で謎の爆発を巻き起こし
サスケと、樹里に続く───。

[メイン] うちはサスケ : 太陽の神を、従える

[メイン] ナハト・ナハト : 五人目──!?

[メイン] 大庭 樹里 : そこに在った、燃えるような怒りは消え失せて。
ぽかん、と口を開いたまま。

[メイン] ナハト・ナハト : そして何より、あの忍が何か狙っている……!

[メイン] うちはサスケ : 黒炎は、ナハトの支配下を離れる様に飛び散り

[メイン] ナハト・ナハト : 「なっ……」

[メイン] 御坂妹 : ……あれは……ヒーロー?

[メイン] うちはサスケ : 逆に、黒い不死鳥を描きナハトに飛び掛かる

[メイン] ナハト・ナハト : 黒炎と、火球。
予想外の反抗にその近くが間近まで迫って。

[メイン] ナハト・ナハト : 「ちィイ…………」

[メイン] 大庭 樹里 : だが、その呆気にとられた顔は、すぐに戻る。

[メイン] 譲崎ネロ : 「………!!」
ピコーン。

[メイン] ナハト・ナハト : 辛うじて赤と黒の炎、両者箱詰め。

[メイン] レッド : ───レッドは、炎による酸欠空間の中を
平気で駆け、ナハトに接近する。

[メイン] 譲崎ネロ : 「……ミサカ……ちょっと、ごめん……!!」
そう言い、後方へ駆け出し。

[メイン] ナハト・ナハト : しかし薄くなった空気で僅かに揺らぐ意識。
だから火は近寄せたくないのだ……!

[メイン] 大庭 樹里 : 「んなら、ヒーローレッド!!」

[メイン] 譲崎ネロ : 何かを閃き、走り出す。
材料を得るために。

[メイン] 御坂妹 : 「……っ…!なっ…」

[メイン] レッド : 「何だい、樹里───!」

[メイン] ナハト・ナハト : 迫るヒーローに反応が遅れる……!

[メイン] 大庭 樹里 : 「でっかい『ホームラン』、”ナイスガイ”として打ってみせろッッ!!!」

[メイン] レッド : 「───ああ」
宙に一回転

───このフォームは…………

[メイン] レッド : 体重を全て乗せた

[メイン] レッド : 「必殺キック………!」

[メイン] 譲崎ネロ : 目の前で、怒涛の攻防が繰り広げられてる今なら……!!

[メイン] 譲崎ネロ : そうして、自販機、室外機、車、ありとあらゆる機器に手を触れ。

[メイン] 譲崎ネロ : 『トイズ』を発動。

[メイン] 大庭 樹里 : ────この樹里サマが、今日昨日あった奴を『仲間』だと思っちまうなんてな。

[メイン] ナハト・ナハト : この男も、は、こ……いや、集中が、できない……!

[メイン] 大庭 樹里 : 全く、甘くなったもんだ────まァ。

[メイン] ナハト・ナハト : かろうじて腕だけを、キックの盾に……

[メイン] レッド : 赤い軌跡が虚空を裂き
───ナハトの腕の寸前で止まると、再び『回転』ッ!

[メイン] レッド : 「左ストレートだ、二度目だぞ」

[メイン] 大庭 樹里 :                      甘い真実
現実ってのは、味付けがくどいくらいの『ミルキーホームズ』らしいからな。

[メイン] 譲崎ネロ : ─────そうして組み立てられる。
『熱量』により、タービンを回転させ、膨大な電気エネルギーを生成することを可能とする、小型発電機。

[メイン] レッド : ドゥンッッッ!!! と鐘が落ちたような音が鳴り響くッ!

[メイン] ナハト・ナハト : 「…………ふ、ふ」

[メイン] ナハト・ナハト : 勲章なんて、偉ぶれない。

[メイン] 御坂妹 : 「……これは…!」

[メイン] ナハト・ナハト : 「か、はっ…………!!」

[メイン] ナハト・ナハト : 直撃した拳。
距離を取るためではなく。

[メイン] うちはサスケ : 「……お前たち」

[メイン] うちはサスケ : ミサカやネロの方を見て

[メイン] うちはサスケ : 「電気が必要か?」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……!!」
サスケの方を見て。

[メイン] ナハト・ナハト : 純粋な被弾。
運動エネルギーを身に受けた証拠として大きく吹き飛ぶ。

[メイン] 譲崎ネロ : 強く、頷く。

[メイン] うちはサスケ : すぐさま、ネロの方に向かう

[メイン] 大庭 樹里 : 「ッ、ははは……!!!!!レッドォ、お前の真っ赤な”炎”、ウェルダンに焼けるじゃねえか!!!」

[メイン] 御坂妹 : 「……!」

[メイン] うちはサスケ : さて

[メイン] うちはサスケ : ここまで炎が吹き荒れる戦場

[メイン] うちはサスケ : 嘸し天候は

[メイン] うちはサスケ : 暗く、暗く染まるだろうな

[メイン] ナハト・ナハト : 吹き飛んだ先で大きく息を吸って、意識をハッキリとさせながら……
初めて膝をつく。

[メイン] うちはサスケ : 天空が光り

[メイン] うちはサスケ : 雷が、2人の元に
形を作ったまま

[メイン] 大庭 樹里 : 天が照らす、その天候。
先ほどまで真っ赤なものが、色が、変わり変わり。

[メイン] 譲崎ネロ : 「っっ……!!ぐ……!!……強い、力……!!!……でも、ありがとう……!!!」

[メイン] うちはサスケ : ───鳴子と呼ばれる少女の神の技術

[メイン] レッド : 「ああ! ウェルダン……良い響きだっ!
 "一緒に遊んでくれてありがと"な……樹里っ!

 さて───…………最後の主役は、"眩しい眩しい夢がある"『子供たち』さ
 俺みたいなヒーローは、その最後を守ろう」

[メイン] ナハト・ナハト : 「は、は。今日は本当に良い天気だわ……」

[メイン] 譲崎ネロ : バチ、バチバチバチバチ。とネロとミサカの体中に迸る電撃。

[メイン] うちはサスケ : それを部分的に
コピー
再現

[メイン] 譲崎ネロ : それは、鳥の囀り声のようで。

[メイン] 御坂妹 : 「………ッ……!!!」
身に浴びる雷の渦を、辛うじて自分たちのもとに形成する。

[メイン] ナハト・ナハト : もう自身の体力も残り少ない。
そしてどうやら、向こうも決める気のようで。

[メイン] 譲崎ネロ : 「はぁぁあああああああッッッ……!!!……ぐッ………!!!」

[メイン] 譲崎ネロ : 片手を発電機へ、そしてもう片手には。

[メイン] 譲崎ネロ : 硬貨が。

[メイン] 御坂妹 : …ぎゅ、と。

[メイン] 大庭 樹里 : ……ニヒッ、いいヒーローショーだったぜ。
ぐっと指を掲げ。目は二人へと向けて。

[メイン] ナハト・ナハト : 「やれるものなら、やってみるがいい!」

[メイン] 譲崎ネロ : でも、立つのに精一杯で、狙いが……定まらな……

[メイン] 譲崎ネロ : ………!!

[メイン] ナハト・ナハト : 無数の箱。箱。箱。箱────

[メイン] ナハト・ナハト : 来る一撃に備え、周囲の物、手あたり次第の箱詰め。

[メイン] うちはサスケ : ─────男が、駆ける

[メイン] 御坂妹 : 「最後の鍵。その技の名前は━━」

[メイン] ナハト・ナハト : 何が来ようが質量で押しつぶしてしまえ……!!

[メイン] 譲崎ネロ : 「ミサカ……!………うん……!!」

[メイン] 譲崎ネロ : ミサカの温もりを感じ。

[メイン] 御坂妹 : 最後の言葉を告げ、改めて正面に向き直る。

[メイン] 御坂妹 : 視界の外でも、隣にいることが━━わかる。

[メイン] うちはサスケ : 「────」
その表情は、緩く笑みを浮かべて

[メイン] 譲崎ネロ : 君がいるから、僕はこうして立てている。

[メイン] 譲崎ネロ : "恐怖"を……乗り越えられる。

[メイン] ナハト・ナハト : 「戦場の『嘘』は尽きない……!!万策尽くして”恐怖”で殺す!」

[メイン] うちはサスケ : 嘘を穿つのは

[メイン] 譲崎ネロ : 僕らにも……燃える"炎"は、あるッッ……!!!

[メイン] うちはサスケ : いつだって、強い覚悟だ

[メイン] うちはサスケ : 男は構わずナハトの方に向かって直進する

[メイン] 譲崎ネロ : 「………そうだよッッ!!!世の中は、嘘だらけだ!!!」

[メイン] うちはサスケ : ────嘘か

[メイン] 譲崎ネロ : 「『真実』がどこにあるかなんて、本当は……分からない!!!」

[メイン] 譲崎ネロ : 恐怖こそが信頼できる唯一のもの。

[メイン] 譲崎ネロ : 怒りこそが身を任せられる唯一のもの。

[メイン] うちはサスケ : ……だよな
オレも、嘘の世界を否定したのだから

[メイン] 譲崎ネロ : そうかもしれない。

[メイン] 譲崎ネロ : でも──────────

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ : ─────正解は、ひとつじゃないッッ!!!!

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ : 「ミサカッッ!!!!」

[メイン] 御坂妹 : 「ネロ……!!!!」

[メイン] 譲崎ネロ : 拳に、電撃が集中する。

[メイン] ナハト・ナハト : 接近戦なら箱詰めで終わりだ。
迫るサスケに対して右手を自由にしながら、ネロの方に意識を向ける。

[メイン] 御坂妹 : ぎゅ、と指先に力を込め。

[メイン] 譲崎ネロ : 「これが、僕らの──────────!!」

[メイン] 御坂妹 : 「これが、私たちの━━━━━━━━!!」

[メイン] 御坂妹 :

[メイン] 御坂妹 :

[メイン] 御坂妹 :

[メイン] 御坂妹 :    レ ー ル ガ ン
「「『超 電 磁 砲』っ!!!!」」

[メイン] 御坂妹 :

[メイン] 御坂妹 :

[メイン] 御坂妹 :

[メイン] 譲崎ネロ : 「"恐怖"はッッッ!!!!!!」

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ : 「もうお払い"箱"なんだよッッッッ!!!!!!」

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ : 一直線上に、眩い電撃の閃光が突き抜ける。

[メイン] 譲崎ネロ :
     ナハト
狙いは、"恐怖"。

[メイン] うちはサスケ : その前方に走る、男

[メイン] ナハト・ナハト : 何をと思えば肩透かし。

[メイン] ナハト・ナハト : 飛び道具ほど箱詰めにしやすい物はない。

[メイン] うちはサスケ : ………そうして、男の至高の眼を再び

[メイン] ナハト・ナハト : 「残念ね、残念な結果になるわ……きっと」

[メイン]   :  ある神話にて

[メイン]   :  太陽神である天照は、隠れ潜んだと言う

[メイン]   :  しかし

[メイン]   :
   希望
  『天照』が顔を覗かせたとき

[メイン]   :   それを掴む、神が1人

[メイン]   :   名を

[メイン] うちはサスケ :   

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  『天手力』

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 己と

[メイン] うちはサスケ : ナハトの位置を

[メイン] うちはサスケ : 『入れ替え』

[メイン] うちはサスケ :
ウソ
箱も何もない

[メイン] うちはサスケ :
『真実』に

[メイン] うちはサスケ : 引き摺り出す

[メイン] うちはサスケ : 箱を背に、男はナハトの方を振り向き

[メイン] うちはサスケ : 「残念な結果だったか?」

[メイン] うちはサスケ : 「それは、誰にとってだ?」

[メイン] うちはサスケ : 超電磁砲を眼前にするナハトに向け、最後に言い放ち

[メイン] ナハト・ナハト : 「────」

[メイン] ナハト・ナハト : 刹那ですらない。

[メイン] ナハト・ナハト :
   岩戸
0秒で 箱 から引きずり出されてしまった箱詰め女王。

[メイン] ナハト・ナハト :
             Radio noise
耳元に響く、バチバチという  雑音  。

[メイン] ナハト・ナハト :
          トイズ
迫る、箱に収めきれない玩具。
 

[メイン] ナハト・ナハト : 何処で間違えたものかと、ふと考えて。

[メイン] ナハト・ナハト : ああ。

[メイン] ナハト・ナハト : ヴィランはヒーローの正義の炎で焼かれるものでした、と。

[メイン] ナハト・ナハト : 子供でも知ってることを思い

[メイン] ナハト・ナハト : 出して

[メイン] ナハト・ナハト :
  光
『真実』

[メイン] ナハト・ナハト :

[メイン] ナハト・ナハト :

[メイン] ナハト・ナハト :

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ : そうして僕らは─────全ての元凶となった、『願望器』を

[メイン] 譲崎ネロ : 破壊した。

[メイン] 譲崎ネロ : この戦いで失われた命は、きっと多くある。

[メイン] 譲崎ネロ : 事件解決……と言っても、円満解決とは、程遠いかもしれない。

[メイン] 譲崎ネロ : そう、だから……まだ、事件は、終わってないんだ。

[メイン] 譲崎ネロ : そうだよね、助手。

[メイン] 譲崎ネロ : ……この『儀式』を誰が、どうして始めたのか。

[メイン] 譲崎ネロ : その『真実』を探求するために、僕は……まだ終わらない、進み続ける。

[メイン] 譲崎ネロ :
          トイズ
……ひっくり返した、玩具"箱"は、元に戻さないと、だからね。

[メイン] 譲崎ネロ :   

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 先程の戦闘を終わらせ、顛末を見届けた後

[メイン] うちはサスケ : 海岸沿い、浜辺にて月の光を背に男は佇む

[メイン] うちはサスケ : やる事が終わった以上、輪廻眼で撤退を────

[メイン] うちはサスケ : 「ッチ……瞳力の回復は上手くいかないか」

[メイン] うちはサスケ : 天照に須佐能乎、天手力と瞳力を短時間で酷使した為か、世界線すら超える空間移動は現在使用不可となった

[メイン] うちはサスケ : ……まあ

[メイン] うちはサスケ : こんな所で回復を待つだけでいいのだが

[メイン] うちはサスケ : 最後に一仕事くらいはしてやるか

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 男が印を結び、その周囲から現れたのは大量多大な水

[メイン] うちはサスケ : それは
海の水を上書きしていき

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ : 続いて、旋風が海に

[メイン] うちはサスケ : 忽ち、上書きされた水の上には

[メイン] うちはサスケ : 一面の氷世界

[メイン] うちはサスケ : 何という事はない
島の周囲の海を全て凍らせたのだ

[メイン] うちはサスケ : こんな事をするとチャクラそのものの回復も時間が掛かるが

[メイン] うちはサスケ : 帰り道を作ってやるのも仕事のうちだろう

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] うちはサスケ :  

[メイン] 譲崎ネロ : そうして僕らは、無事帰路に着くことができた。
日は沈み、夕刻となり、橙色の光が、僕とミサカを包み込んでいた。

[メイン] 譲崎ネロ : 携帯電話の電波も通じるようになり、もうお互いの在るべき場所へ帰ることができるといった状況だ。
そして、二つの別れ道を前に

[メイン] 譲崎ネロ : ニコりと、ミサカへ笑ってみせる。

[メイン] 譲崎ネロ : 「ミサカ、改めて……ありがとうね」

[メイン] 譲崎ネロ : 「でも……ここからは─────僕は、『探偵』として……あの『事件』を、本当の意味で、解決しなくちゃいけない。」

[メイン] 譲崎ネロ : 「もう二度と、悲しい目に遭う人を作らないためにも……『真実』を、見つけ出す。」

[メイン] 譲崎ネロ : そうして、二つの別れ道のうちの、右側へ足を一歩進め。

[メイン] 譲崎ネロ : 「………もう、ミサカは自由、だからね、それに……」

[メイン] 譲崎ネロ : 「ここからは……もっと、もーっと、危険、かもだから」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……ここでお別れ……かな?」

[メイン] 譲崎ネロ : 少し振り向き、悲しげな表情をミサカへ向ける。

[メイン] 御坂妹 : 「……?」
無表情のまま、小首を傾げ。

[メイン] 御坂妹 : 「度重なる戦闘の中で記憶まで抜け落ちてしまったのでしょうか、とミサカは心配の言葉を掛けます」

[メイン] 譲崎ネロ : 「うぇっ……!?!そ、そんなこと、無いよ!! ただ、ほら……」

[メイン] 譲崎ネロ : 「……ミサカにさ、もう……痛い目とか、遭ってほしくないし……」

[メイン] 譲崎ネロ : ─────ウィリアムより託された、鞘に納められた刀を握り締める。

[メイン] 譲崎ネロ : 記憶にあるは、"恐怖"や、"波"との戦いで傷ついた、"助手"の姿。

[メイン] 譲崎ネロ : 僕は、大探偵ミルキィホームズの一員。でも、それでも……まだまだ、至らないことばかりだ。
僕一人の力では、どうすることもできない、そんなことばかりだ。

[メイン] 譲崎ネロ : 事件解決に身を乗り出すということは、今回以上に大きな危険が襲い掛かってくるかもしれない……今度こそ、死んじゃうかもしれない。

[メイン] 譲崎ネロ : ………ミサカはもう、僕の……大切な、"助手"だから。
だからこそ、失いたくなくて……。

[メイン] 譲崎ネロ : ネロなりの、"滅私奉公"。

[メイン] 御坂妹 : 「ですから。」

[メイン] 御坂妹 : そんな思考を……真っ二つに切るように。

[メイン] 御坂妹 : すい、と踏み出した先は━━もちろん。

[メイン] 譲崎ネロ : 「……!」

[メイン] 御坂妹 : 「ミサカだって、あなたに痛い目に遭ってほしくありませんし……そのために、二人で助け合えるのでしょう?…と、ミサカは問いかけます」

[メイン] 譲崎ネロ : 「………ミサカ……」
その言葉に、唇を噛み締める。

[メイン] 御坂妹 : …すぅ、と息を吸って。

[メイン] 御坂妹 : 「『真実』を、見つけ出すのでしょう。」

[メイン] 御坂妹 : 「あなたが探偵を続ける限り、私の生きる意味は━━━━そこにあるのですから。」

[メイン] 譲崎ネロ : 「………!!!!」

[メイン] 御坂妹 : 「……辞表を出した覚えは、ありませんが。」
と。

[メイン] 御坂妹 : 最後に皮肉っぽい笑みを、ネロに浮かべてみせる。

[メイン] 譲崎ネロ : 強く、頷く。翠色の瞳が潤む。
夕日の色で誤魔化しながら。

[メイン] 譲崎ネロ : 「………へへ……そ、っか」

[メイン] 譲崎ネロ : 声も、少し震わせながら。

[メイン] 譲崎ネロ : 「………いいん、だね……?僕……自分で言うのもアレだけど……ダメダメ探偵、だよ?ミサカに迷惑、かけちゃうかもだよ?」

[メイン] 譲崎ネロ : ─────こんな言葉で、僕は、誤魔化してしまう。
普段のガサツな僕は、どこへ行ってしまったのやら。

[メイン] 譲崎ネロ : 僕は、本当に……本当に本当に、ミサカのことが大切だからこそ……。
………『嘘』を……吐いてしまう。

[メイン] 譲崎ネロ : 本当は、着いてきてほしい。『助手』でいてほしい。
傍にいて欲しい。

[メイン] 御坂妹 : 今までとは違うそんな弱々しいネロの姿に、まばたきをふたつ返して。

[メイン] 御坂妹 : 「……ええ。探偵を支えるのが、助手の役目ですから。━━それに」

[メイン] 御坂妹 : 「あなたは決して、ダメダメ探偵なんかじゃない……

[メイン] 御坂妹 :

[メイン] 御坂妹 :

[メイン] 御坂妹 :

[メイン] 御坂妹 : 私の大好きな、最高の探偵です。

[メイン] 御坂妹 :

[メイン] 御坂妹 :

[メイン] 御坂妹 :

[メイン] 御坂妹 :
今までとは違う、精一杯の━━笑顔で。

[メイン] 譲崎ネロ : とくん。

[メイン] 譲崎ネロ : その笑顔に、胸の奥で跳ね上がる。想い。

[メイン] 譲崎ネロ : ミサカの言葉に、また唇を噛み締め
探偵帽を深く被る。

[メイン] 譲崎ネロ : 目元を覆うように、涙を見せないように。

[メイン] 譲崎ネロ : 「………あ゛りがとうっ……!」

[メイン] 譲崎ネロ : 肩を震わせながら、深呼吸をし

[メイン] 譲崎ネロ : 帽子を少し上げ、ミサカの瞳を、じっと見る。

[メイン] 譲崎ネロ : そうして、手を伸ばし─────。

[メイン] 御坂妹 : 「━━━━!」

[メイン] 譲崎ネロ : 「………僕と一緒に……来て……!!!」

[メイン] 譲崎ネロ : 「─────あの事件だけじゃない……この世界の『謎』……いっぱい……!!僕達、二人でッ……!!!」

[メイン] 御坂妹 : 「ええ。……二人で、必ず……!!」

[メイン] 御坂妹 : ぱしり。
確かな音が、夕焼けの空に響いて。

[メイン] 譲崎ネロ : 二人のシルエットが、繋がる。

[メイン] 譲崎ネロ : 橙色の光を隣に、にへらと笑い。

[メイン] 譲崎ネロ : 「……へへ、僕達二人の探偵団も、立ちあげちゃおう!!……実は、もう探偵団の名前も……決めてあるんだよね!」

[メイン] 御坂妹 : 「……成程。是非、お聞かせ願いたい……と、ミサカは探究心を示します」

[メイン] 譲崎ネロ : うん!、と頷き、口を開く。

[メイン] 譲崎ネロ : 「─────僕達二人で……」

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ : 「──────────"ミルキィシスターズ"!!」

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :  

[メイン] 譲崎ネロ :