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ティアラメンツ・シェイレーン

「ここがハゥフニスから報告のあった館ね……」
怪しい館がペルレイノに出来たと聞いてやってきた

ティアラメンツ・シェイレーン

「む？」
私の他に人が…？

ティアラメンツ・シェイレーン

「違うわ。私は外部からこの館を調べに来たの」

ティアラメンツ・シェイレーン

「……貴女も？」

ティアラメンツ・シェイレーン

「ふむ…目的を同じとするならば…」

ティアラメンツ・シェイレーン

「よければ私と一緒にこの館へ入りませんか？」

ティアラメンツ・シェイレーン

正直に言って、渡りに船だった
単身で乗り込むのはほんの少し怖かったから
この少女もまた私と同じく普通ではないのだろう
そんな子がついてきてくれるとありがたい

ティアラメンツ・シェイレーン

「……わかりました」

ティアラメンツ・シェイレーン

「感謝いたします。私はティアラメンツ・シェイレーン。貴女の名前もうかがっていいかしら」

ティアラメンツ・シェイレーン

「……むぅ」
眉を少し顰めつつ、彼女の後について侵入する

ティアラメンツ・シェイレーン

「ふむ…」

ティアラメンツ・シェイレーン

「！」

ティアラメンツ・シェイレーン

「やはり…ただの館ではありませんか」

ティアラメンツ・シェイレーン

「……進みましょう。どの扉を選ぶか迷っている時間は惜しいです」

ティアラメンツ・シェイレーン

「黒幕がどこかにいるはず…」

ティアラメンツ・シェイレーン

「…？」

ティアラメンツ・シェイレーン

「なにもない？」
ふらふらと不用意に侵入して、探索しようとする

ティアラメンツ・シェイレーン

「…………っ、ぅ………」

ティアラメンツ・シェイレーン

喉が……痛い

ティアラメンツ・シェイレーン

いくら私が水に住まうモンスターだからといって、これは……

ティアラメンツ・シェイレーン

「ヤミ…さん。だいじょうぶ…で゛す゛か゛」
けほけほと咳をしながら、隣の少女を気遣う

ティアラメンツ・シェイレーン

どこかに水や、水分を補給できるものはないか
そう思って部屋を見渡して
机のメモに目を通す

ティアラメンツ・シェイレーン

「…………なんで、そんな」

ティアラメンツ・シェイレーン

それを取り上げ、ヤミにも見せる

ティアラメンツ・シェイレーン

「えっ…」

ティアラメンツ・シェイレーン

「えぅ。は…始めるって、なにを」

ティアラメンツ・シェイレーン

「ふぁ……っ」
困惑しながらもヤミの意図を察知して……

ティアラメンツ・シェイレーン

「ん……」
大人しく彼女に唇を奪われた

ティアラメンツ・シェイレーン

「んむ！？ ちゅぅ…ちゅっ。ちゅぷ…ぷぇぁ」
自分よりも小さいのに、自分よりもずっと積極的なヤミに驚きつつ

ティアラメンツ・シェイレーン

「ちゅっ。ちゅぅ…れる。れろ…ちゅぅ」
その舌を受け入れ、私の方からもヤミの唾液を少しずつ啜っていく

ティアラメンツ・シェイレーン

「ん…ん。ちゅっ。んぢゅ…ぢゅるぅ」
お互いの口の周りが涎でべとべとになるのも気にせず
一心不乱に互いを貪り、舌を引き合い
水分の確保に努める

ティアラメンツ・シェイレーン

そう、これは喉を潤わせるための行為で
別にやましくないはずなのに

ティアラメンツ・シェイレーン

（頭が…ふわふわします。こんな小さい子との接吻なのに…）
私は仄かに興奮し始めてしまっていた…

ティアラメンツ・シェイレーン

「むぇ」
彼女の手で押しのけられて、間抜けな声が漏れる

ティアラメンツ・シェイレーン

「…………」

ティアラメンツ・シェイレーン

「わかっています」

ティアラメンツ・シェイレーン

こちらもまた、ツンとした態度をとりつつ

ティアラメンツ・シェイレーン

次の扉へと進もうとする

ティアラメンツ・シェイレーン

1d52 (1D52) ＞ 6

ティアラメンツ・シェイレーン

「？？？」

ティアラメンツ・シェイレーン

「様相が一気に変わった……」
見慣れない部屋に落ち着かない様子の人魚

ティアラメンツ・シェイレーン

後退するという選択肢はあるんですの？

ティアラメンツ・シェイレーン

「私も…その。情けないのですが………怖いです」

ティアラメンツ・シェイレーン

同じく、ヤミについていくようにその部屋へと

ティアラメンツ・シェイレーン

「……うぅ」

ティアラメンツ・シェイレーン

震える足をなんとか前に出して、部屋を乗り切ろうとする

ティアラメンツ・シェイレーン

「や、み…さん。待って」

ティアラメンツ・シェイレーン

「手…繋いで。こわい…こわいの…」

ティアラメンツ・シェイレーン

今にも泣き出しそうな眼で、彼女に縋る

ティアラメンツ・シェイレーン

ぎゅ、と
強く握り返して

ティアラメンツ・シェイレーン

「うんっ」

ティアラメンツ・シェイレーン

少しだけ和らいだ恐怖心とともに
ヤミに引っ張られて前進

ティアラメンツ・シェイレーン

「う…ふぅぅ…っ」
冷や汗をびっしょりとかきながら、床にへたりこむ

ティアラメンツ・シェイレーン

「あ、ありがとうございました…」

ティアラメンツ・シェイレーン

「そんな…ヤミさんが居なかったら、私さっきの部屋抜けれてないわ」

ティアラメンツ・シェイレーン

「ありがとう…」

ティアラメンツ・シェイレーン

（なんだかんだ言いながら助けてくれたの…やっぱり、優しい。いい子なんだ…）

ティアラメンツ・シェイレーン

照れているヤミの様子を、慈愛に満ちた眼差しで見守る
なぜだか彼女の可愛らしい声が、私の心の奥まで浸透してくる

ティアラメンツ・シェイレーン

「この部屋は…何をすれば抜けられる部屋なのかしら？」

ティアラメンツ・シェイレーン

「……？」

ティアラメンツ・シェイレーン

「どうしました？」
彼女とほっぺたがくっつくのも躊躇わず、そのメモを一緒に覗き込む

ティアラメンツ・シェイレーン

（なんだ…さっきの部屋よりずっと簡単そうだ）

ティアラメンツ・シェイレーン

「とりあえず…やってみるかしら…」

ティアラメンツ・シェイレーン

ソファに座ったまま
直ぐ隣にいるヤミの顔を真っ直ぐに見据えて

ティアラメンツ・シェイレーン

「好き」

ティアラメンツ・シェイレーン

「好き……。好きよ、ヤミさん。好き……好き……」

ティアラメンツ・シェイレーン

「お互いに、なので。貴女からも私に言って貰わないと」

ティアラメンツ・シェイレーン

好き、好き…と
呪文のように彼女の耳へ唱えつつ
そちらからも言葉を紡ぐように求める

ティアラメンツ・シェイレーン

「……………………………………ぇ」

ティアラメンツ・シェイレーン

その言葉が耳に届いた瞬間
私の胸があたたかいものでじんわりと満たされていく

ティアラメンツ・シェイレーン

「……………あ、あの」

ティアラメンツ・シェイレーン

ぽかぽかと叩いてくる彼女の身体を、優しく抱きすくめて

ティアラメンツ・シェイレーン

「もう一回……言って？」

ティアラメンツ・シェイレーン

「そっちじゃなくて…」

ティアラメンツ・シェイレーン

きゅ…と
互いの身体が密着するように抱っこして

ティアラメンツ・シェイレーン

「”好き”…って。もう一回…ね？」

ティアラメンツ・シェイレーン

「……あ、は……♡」

ティアラメンツ・シェイレーン

全身を包む多幸感に破顔し

ティアラメンツ・シェイレーン

「私も…好き。大好き…」

ティアラメンツ・シェイレーン

追撃するように何度か呟いて
ヤミの頭を優しく撫でた後に、彼女を解放した

ティアラメンツ・シェイレーン

「まって～」

ティアラメンツ・シェイレーン

ぱたぱたと追いかける

ティアラメンツ・シェイレーン

1d50 (1D50) ＞ 9

ティアラメンツ・シェイレーン

安定の一桁

ティアラメンツ・シェイレーン

なっなんだあっ

ティアラメンツ・シェイレーン

「……！？」

ティアラメンツ・シェイレーン

「ヤミさん！？」

ティアラメンツ・シェイレーン

周囲を見渡しても、誰も居ない…！

ティアラメンツ・シェイレーン

「この部屋はいったい…」
とりあえずモニターを覗くぞ

ティアラメンツ・シェイレーン

「あれは…ヤミさん？」

ティアラメンツ・シェイレーン

「………………」

ティアラメンツ・シェイレーン

私にも仲間たちが居るように
あの子にも掛け替えのない友達がいるんだ…

ティアラメンツ・シェイレーン

（でも…さっきの部屋で私たち仲良くなれたと思ったら、次の部屋ではこれを見せつけられるなんて…なんだか複雑なような…）

ティアラメンツ・シェイレーン

「……しかしこれで私に一体何をしろと……？」

ティアラメンツ・シェイレーン

「！」

ティアラメンツ・シェイレーン

パッと振り返って、その姿を見る

ティアラメンツ・シェイレーン

「ヤミさん。今までどこに…？」

ティアラメンツ・シェイレーン

なんとなく察する
おそらく彼女もペルレイノで過ごしている私を観測したのだろう

ティアラメンツ・シェイレーン

「……私も」

ティアラメンツ・シェイレーン

「貴女が…同じくらいの年の子と、仲良くする映像を見たわ」

ティアラメンツ・シェイレーン

「………？」

ティアラメンツ・シェイレーン

「どうしたの？何か嫌なものでも見たの？」

ティアラメンツ・シェイレーン

「ヤミさん」

ティアラメンツ・シェイレーン

彼女の前まで、ずいと迫り

ティアラメンツ・シェイレーン

その手を握る

ティアラメンツ・シェイレーン

「……一度冷静になって欲しいのだけど」

ティアラメンツ・シェイレーン

「私と貴女は、今日出会ったばかりだわ……」

ティアラメンツ・シェイレーン

その頬に手を添えて
優しく撫でながら諭す

ティアラメンツ・シェイレーン

「ええ。確かに当然……だけれど」

ティアラメンツ・シェイレーン

頬に添えていた指を
今度は彼女の小さな顎に持ってきて
くい、とその顔を持ち上げる

ティアラメンツ・シェイレーン

「今この瞬間……この館での時間は……」

ティアラメンツ・シェイレーン

「私たち二人だけのものだわ。それはティアラメンツの仲間たちや、貴女のお友達には決して共有し得ない特別なモノ」

ティアラメンツ・シェイレーン

「……それに、この館を出てからだって、きっといつでも会えるわ？」

ティアラメンツ・シェイレーン

「これから紡いでいきましょうよ」

ティアラメンツ・シェイレーン

「ふふ……」

ティアラメンツ・シェイレーン

その顎を手に取ったまま
私から唇をヤミの顔に近づけて＿＿＿＿

ティアラメンツ・シェイレーン

「……ちゅっ」
そっと、重ね合わせた

ティアラメンツ・シェイレーン

「……うふふ」
ほんの数秒ほど、じっと唇を触れ合わせる感触を楽しんだ後

ティアラメンツ・シェイレーン

「そっちが難しいならこっちから会いに行くわ……世壊（セカイ）を跨いでの移動すらも可能な知り合いがいるもの」

ティアラメンツ・シェイレーン

「だからまずは……この館を出ましょうか」

ティアラメンツ・シェイレーン

「…………行きましょう　ヤミ」

ティアラメンツ・シェイレーン

その手をきゅっと握って
並んで立つ

ティアラメンツ・シェイレーン

数時間ぶりの太陽の光が私たちを包む
この後我々は元の場所へと帰るのだろう
でも、きっとまた逢いに行く

ティアラメンツ・シェイレーン

（この館の魔力のせいじゃない……嘘にはしないわ、ヤミさん）

ティアラメンツ・シェイレーン

（好きよ……好きになっちゃった）

ティアラメンツ・シェイレーン

そう決意しながら、ヤミとともにその扉を潜り抜けた