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津島 善子

堕天！

津島 善子

出航よ～～～～～～～～～！！！

津島 善子

黒いマントに身を包みながら、妖艶に笑う。

津島 善子

「魔の者が住まうには……絶好の地！」

津島 善子

クックック、と笑いながら。
右目を覆うように、手を顔に被せ。

津島 善子

「リトルデーモン達よ！！」

津島 善子

「いざ！！魔の者が現る館へ！！」

津島 善子

あーーっはっはっは！！とご機嫌な様子で
遠く山に向かって叫ぶ。

津島 善子

山の向こうから、善子のあーーっはっはっは！！という声が
山彦となって返ってくる。

津島 善子

「ヨハネよ！！善子じゃなく！ヨハネ！」

津島 善子

春香に子どもっぽく怒りながらも
アイシャに頷き。

津島 善子

「くくく……まさしく、清流！
　人間界の、束の間の安息地と言えよう！」

津島 善子

いつもよりもハイテンションな様子の善子。
みんなで一緒に旅行気分な事に、どこか嬉しそうな顔が隠せない。

津島 善子

「……きっと、いる！！」

津島 善子

「私の、第六感がそう囁いているわ！」

津島 善子

と、出鱈目を言う。
善子は、ただの厨二病なのだ。

津島 善子

「そして、鬼を見つけた暁には……闇魔術の儀式の
　悪魔召喚の儀の贄にしてくれるわ！リトルデーモンカレラ！
　その拳で、鬼を見つけ次第！断罪よ！！」

津島 善子

ギラン！と瞳を輝かせるように、カッコつける。

津島 善子

春香の言葉に、ふふ～ん！とどこかご満悦な様子の善子。
そのままご機嫌な様子で、スキップしながらどんどん進んでいく。

津島 善子

カレラの第七波動という単語に、ヨハネの厨二病心が擽られ
ますますテンションが上がりながら。

津島 善子

「ほら！リトルデーモン達！早くしないと置いていくわよぉ！」

津島 善子

「くっくっく………！」
肩を震わせながら、小さく笑い。

津島 善子

「……ついに到着ね……！"いわくつき"の、闇の館！」

津島 善子

「だからヨハネ！！！」

津島 善子

頬を膨らませながら、ムキになって即答しつつ。

津島 善子

「それに、怖くなんかないわ！むしろワクワクしてるもの！」

津島 善子

「廃病院、それは────」

津島 善子

「……魔が集いやすい場所よ！！」

津島 善子

ギラン！と、片目に手を宛がい。カッコつけのポーズ。

津島 善子

「ふっふっふ！そういう春香に……それに、アイシャ！
　アンタ達こそ、ビビってるんじゃないのかしら～？」

津島 善子

調子乗った表情で、ニヤニヤとする。

津島 善子

「いざという時の盟友！カレラよ！」
信頼の視線を、隣に立つカレラに向けつつ。

津島 善子

「そして……この私も！堕天使ヨハネとしての力を解放すれば！
　噂の鬼も、イチコロよ！！あーーっはっはっはっは！！」

津島 善子

善子の笑い声が響く。
遠く、カラスの群れが、鳴き声の協奏曲を奏でながら、飛んでいく。

津島 善子

カレラの言葉に、すっかり良い気分になり。
ふふ～ん！とドヤ顔しながら、扉前へと進んでいき。

津島 善子

「いざ！ラグナロク！」
その扉を開けようとする。

津島 善子

………ふ、ふぅ～～ん？
ちょっとは、雰囲気あるじゃない……！

津島 善子

少し冷や汗が垂れながらも、館内へ続く闇を見つめながら。

津島 善子

「……い、行くわよぉ！リトルデーモン達！」
突っ走らずに、一緒に、同時に中に入るように催促する視線を
春香、アイシャ、カレラへ向ける。

津島 善子

ええい！ままよ！
4人いれば！こ、こ、怖くなんか、ないわよぉ！

津島 善子

「………は、廃病院、って聞いたけどぉ……」
辺りを、目だけ動かしながら、ごくり、と喉を鳴らす。

津島 善子

"人"がいる形跡を見て、少し困惑する。

津島 善子

「！　そ、そうね！私達以外にも、魔に挑戦せし者達がいた……
　そういうことね！」

津島 善子

「リ、リトルデーモンアイシャ！火種をちょうだい！
　こうも暗いと、足元が危ないわぁ！」

津島 善子

「…………！？」

津島 善子

ばっ、と後ろを振り返る。

津島 善子

「ちょ、ちょっとぉ！？なんで閉めたのよぉ！」

津島 善子

「………え゛っ……！？」

津島 善子

ごくりと、唾を飲み込む。

津島 善子

「カレラでも、開けられない………」

津島 善子

「……！！　そ、そうね！きっとそうよ！
　何よ、この堕天使ヨハネを驚かせて……！」

津島 善子

内心、超ビビり散らしながら。

津島 善子

「……………？」

津島 善子

「……ちょっと、待って……今の声……」

津島 善子

「───だ、誰……？」

津島 善子

芯まで響くような、野太い声。

津島 善子

春香、アイシャは当然として……
カレラとも、違う……。

津島 善子

おそるおそる、その声が聞こえた方へ、ゆっくりと視線を動かす。

津島 善子

「ひぃぃいっっっ！？！？！？！？！？」

津島 善子

目を大きく開け、その圧倒的存在を視界に入れ、身が縮こまる。

津島 善子

「な、な、なっ……！？！？！？？」

津島 善子

身長も、私よりも……カレラよりも、全然大きいし……！！
横も、縦も！！何倍も………！？！

津島 善子

ガチガチガチガチガチと、上と下の歯を当てながら。
体を震わせ。

津島 善子

「……！！」

津島 善子

「き、今日のところはッ！！……た、退散！ね！！」

津島 善子

「リ、リトルデーモン達！！こ、ここは！
　戦略的撤退よぉ～～！！！」

津島 善子

「…………！」

津島 善子

掴まれた手の強さに、ハッとし、春香の後姿を見つめながら。
体を縛っていた恐怖心が、ほんの少しだけ解れ。

津島 善子

春香の笑み、にへらぁと、踏ん張るように善子も、なんとか笑みを作りながら。
果敢に走ろうとする。

津島 善子

【スクールアイドル】活動で鍛え上げられた肉体能力で
何とか身に鞭を打つ。絶対に、"アレ"に捕まらないように。

津島 善子

2d10　【強さ：スクールアイドル】 (2D10) ＞ 12[9,3] ＞ 12

津島 善子

「はぁ……！はぁ……！！……な、なんとか、撒いた……みたい……？」

津島 善子

肩で息をしながら、両膝に手を置き、呼吸を整えていき。
後方を少し振り返る。

津島 善子

「……ありがと、春香」
ぼそりと、そう呟きながら。
すぐに視線を逸らし。

津島 善子

「……鬼……にしては……あまりも、異形な姿、だったわね……」

津島 善子

「……！？カ、カレラ……！？」

津島 善子

「……え゛っ！？」
汚い声で反応。

津島 善子

「そ、それは！ダメよ！！……い、いえ、カレラのこと、カレラの強さ
　信頼してないわけじゃないけどぉ……」

津島 善子

「……あんな巨体の、化け物！！……見たこと、ないっていうか……
　ていうか、本当に……鬼がいるだなんて……聞いてないっていうか……」

津島 善子

段々と声が小さくなっていきながら
アイシャの言葉に、こくりと頷き。

津島 善子

ひとまず、この中で最も知恵が回るであろう春香の方を向き。

津島 善子

「……は、春香！……この先、どうしたら、いいのかしら……！」

津島 善子

「出口とか、もう分かんなくなっちゃったしぃ……」

津島 善子

……カ、カレラは、すごいわね……本当に……！
こんな状況でも、笑っていられるだなんて……。

津島 善子

くぅ……私は、なんて情けないのかしら……！！
私は！堕天使ヨハネよ……！！そうよ、こんなところで挫けてたまるかっつーの！！

津島 善子

春香の案に、善子も頷きながら。

津島 善子

「カ、カレラ！ストップ！ストーーップ！！
　その音でまたアイツ来ちゃうから～～～！！」
あわあわと、カレラと止めようとする。

津島 善子

「いっ……！？」
かすかに聞こえた、低い声に。

津島 善子

「いやぁあああ～～～～～！！！」

津島 善子

ばたばたと走り、そして無我夢中に部屋の中へと走って行った。

津島 善子

ガタガタガタガタガタガタ。

津島 善子

食堂内の片隅で、まるで携帯がバイブしているように
縮こまって震えてる善子。

津島 善子

「…………ハッ！！」

津島 善子

春香の声に意識が戻り、少し背筋をピンと伸ばす。

津島 善子

春香と、そしてその後方に見えるカレラとアイシャの姿を見て。
我に返り。

津島 善子

シュバッ！と立ち上がり、片目を手で覆い隠し
カッコつけのポーズを取りつつ。

津島 善子

「さ、さっきのも！戦略的撤退ってやつよ！
　だ、大丈夫に決まってるわ！……大丈夫、大丈夫……！」

津島 善子

アイシャに、首をかくかくと縦に振りながら。

津島 善子

「………いっ……！？」
隣に立つ像に、少しギョッとしながらも
カッコつけのポーズを続ける。

津島 善子

「………こ、ここって……え？何の、部屋……？」

津島 善子

「……ぶ、不気味なくらい、赤、赤、赤ばっかだけど……
　……え、スープ……？」
カレラの方へ歩き、そのスープを見て、これまたギョッとした表情になる。

津島 善子

ちょんちょん、とスープに指を突っつき入れる。

津島 善子

「……ど、どうだっていいわ！早く次の場所へ行きましょ！」
扉の方へ向かい、ドアノブをガチャガチャと回す。

津島 善子

「………んなっ！？あ、開かない……！？」

津島 善子

「ちょ、どうなってるのよ！……んもう！！
　……？　扉に、変な穴があるけど……これ、何かしら……？」

津島 善子

こういう時の知恵袋、春香に聞く。
「ちょっと春香！こっち来て！
　これ、なんだと思……　……！」

津島 善子

「カレラ！それよ！！多分それ！！！」

津島 善子

カレラを指差しながら。

津島 善子

「じゃあじゃあ……あれよ！物は試し！
　そのスープ、ここの穴に入れちゃいなさ……」

津島 善子

「…………！？」

津島 善子

また、春香でも、アイシャでも、カレラでもない。
得体の知らない、謎の声。

津島 善子

「なっ……！？え！？ア、アンタ！誰よぉ！？」

津島 善子

目を大きくひん剥き開け、わなわなと震えながら
この部屋にいた"5人目"の少女へ話しかける。

津島 善子

「堕天使ヨハネが契約の瞳を以てして命ずる！！
　さっさと！名乗りなさぁい！！　……え？そ、そうなの！？」
カレラの方を向き。

津島 善子

んがっ！？　と笑う少女を見て、狼狽する。

津島 善子

「も、勿体ぶって……！い、いいから！アンタは！
　一体、何者なのよぉ！」
びしぃ！と、静かに笑う少女を指差しながら。

津島 善子

「────！？」

津島 善子

「え゛っ」

津島 善子

赤いスープの方へ、目を動かし。

津島 善子

「……え、ど、どうして！なんで飲まなきゃ……！？
　……そうしないと、先に進めない、とでも言いたいわけ……！？」

津島 善子

「んなぁあっ……！？」

津島 善子

冷や汗が頬を伝いながらも。
おそるおそる、スープの方を見て、ごくりと、唾を飲み込む。

津島 善子

そして、入ってきた扉を見つめながら
いつまたやってくるかも分からない、あのブルーベリー色の巨人への
恐怖心が、また目を醒ましつつ。

津島 善子

「………え！？は、春香が……！？………そ、そんなの、そんなの……！」

津島 善子

ダメ、と言いたいところだったが。
声が詰まる。

津島 善子

「んなっ……！？それは！！バカ！！！」

津島 善子

「バカバカバカ！！バカ春香よ！！！
　そんなの！堕天使ヨハネが許さないわよ！」

津島 善子

ずんずんと、春香の横へと移動し。

津島 善子

「死ならば諸共、よ！！」

津島 善子

「……冥界への切符は、この堕天使ヨハネも、買うわよ！」

津島 善子

春香の瞳を、じっと見つめながら。そう叫ぶ。

津島 善子

そうして、アイシャにも頷き。
ぷるぷると震える腕を、そっとスープの入った皿へと伸ばし
一滴も溢さないように持ち上げ、皿の端に口をつける。

津島 善子

「………さっき、春香には助けてもらったから」

津島 善子

そう小さな声で返しながら、目をぎゅっと瞑り。

津島 善子

「……デッドオアアライブ！」

津島 善子

そのまま皿を傾け、自身の口の中に、血のように赤いスープを
体の中へ注ぎ入れる。

津島 善子

「……………！？」

津島 善子

善子の顔が、みるみる内に赤く染まっていく。

津島 善子

静かで、どこか寒気を感じるような、そういった部屋にも関わらず。

津島 善子

まるで善子がいる空間だけ、陽炎ができているように。

津島 善子

「ぎゃらあああああああああああああああ！！？？！？！？！？！」

津島 善子

絶叫。部屋内に響き渡る絶叫。

津島 善子

舌にじわじわと侵蝕する辛さ、いや、辛さというよりもこれは
痛みッッ！！！！

津島 善子

ジンジンジンジンと押し寄せて止まらない！！！

津島 善子

痛み！！！！！

津島 善子

「水！！！！！誰か！！！水！！！！！！！」

津島 善子

「ひぃぃいいいいいいんっっ！！！！！！」

津島 善子

ばたばたと両腕を振り回しながら、その場で意味もなくぐるぐると回る。

津島 善子

「支゛配゛人゛！！水゛！！！！」

津島 善子

「じゃあお茶！！！！牛乳！！！！！なんでもいいけど！！！！！！」

津島 善子

「舌を洗い流させて！！！！！！！！！！！！！！！！！！！」

津島 善子

「！！！！！！」

津島 善子

「ギブミーミルク！！！清めの！白！！！」

津島 善子

ああ……！！！天の川より垂れ流れし、希望の白……！！！！

津島 善子

「支配人！！！私は！！！！！！」

津島 善子

すぐに受け取り、口の中に垂らしこみ。
ハムスターのように、ほっぺを膨らませながら
口内を浄化していく。

津島 善子

そして、一気に、ごくりっ。

津島 善子

「……っぷはぁ～～～～～……！！
　………あ゛あ゛ぁ～～～～～～～……！！ヨハネ、君臨……！！！」

津島 善子

ふひぃ～、と落ち着くように、テーブルにもたれ掛かり。
一息つく。

津島 善子

「………このドS支配人……」
少女を、ジト目で睨みながら、なんとか立ち上がり。
まだ辛さが残っているのか、頭に手を当てながら、扉の方へ歩いていく。

津島 善子

んな……！？なぁにお礼言ってるのよ！
全部、アイツが仕組んだことだろうに……！
お人よし春香！

津島 善子

「……わかんないけど、これでもし開かなかったら……
　その時は、承知しないわよぉ！」

津島 善子

そうして、扉の穴に、空っぽになった皿を入れてみる。

津島 善子

「……………！？」

津島 善子

その超常現象に、驚きを隠しきれない様子を見せながらも。

津島 善子

「……ん、きっとこの先に進めって、ことね……」

津島 善子

「……闇魔術蔓延る魔の館を期待して……実際に、やばい鬼はいたけど……
　激辛スープ飲まされるだなんて、たまったもんじゃないわ！
　もう十分！私は脱出口を探すわ！来なさい！リトルデーモン達！」

津島 善子

春香に、強く頷き。

津島 善子

「ほぉらアイシャにカレラ！とっとと次！行くわよ！
　もうこんな部屋、懲り懲りだもの！」

津島 善子

少しプンスカと怒りながら、扉が失せて消えた通路へ進んで行く善子。

津島 善子

「……………！？」

津島 善子

あんぐりと口が開く。

津島 善子

「な……え……へっ……！？ど、どう、して……！？」

津島 善子

「だって！さっき、後ろにいた、のに……！？
　先回り、された……！？」

津島 善子

「………！？」
標的は、春香………！？

津島 善子

「バ、バカぁ！！そんなこと……させるわけないでしょぉ！！」
超ビビりながらも、友達を守ろうとするためにそう叫ぶ。

津島 善子

盟友を守るためなら、私は何にだってなる。
さっきだって、助けてもらったんだから。
だから今度は、私が助ける番！

津島 善子

──────【堕天使ヨハネ】として！！

津島 善子

2d10<=15　【美しさ：堕天使ヨハネ】 (2D10<=15) ＞ 9[3,6] ＞ 9 ＞ 成功

津島 善子

あ、逆だった🌈
私失敗してる🌈

津島 善子

え？

津島 善子

！

津島 善子

宴よ～～～～～～～～～～～！！！

津島 善子

「！　ナイスよカレラ！！」
変貌に驚きつつも、その健闘(?)にお礼を言い。

津島 善子

春香の腕を引っ張りながら、隙間を突き進んでいく。

津島 善子

今度は、私が導く番！

津島 善子

「春香！！大丈夫だった！？」

津島 善子

とっさに、春香の両肩を掴み、心配するように瞳を覗き込む。

津島 善子

「…………アイツ、なんで春香の名前を……ったく、本当に、ヤバいったら
　ありゃしないわ……！
　………って、わわぁあっ……！！？」

津島 善子

そのまま、おっとっととバランスを崩しそうに、後方へ下がるも。
アイドルとして鍛え抜かれた体幹で耐え、受け止める。

津島 善子

「…………ん、春香が無事で、良かったわよ」
なんとなしに、春香の頭を撫でながら。

津島 善子

「………っと、まだ安全地帯って、わけでもないわね……」

津島 善子

汗が額を伝いながらも、未だ緊張感は緩まず。
辺りを見渡す。

津島 善子

「………………」

津島 善子

「………？」

津島 善子

片方の眉をへし曲げながら、小首を傾げ。

津島 善子

「……何も、無いわね……？」
ツカツカと、そのまま進んで行き、ひとまず出口を探す。

津島 善子

「びひゃあぁあああっ！！？！？」

津島 善子

冷たい水に打ち付けられ、あっという間にビショビショの
グショグショになる。

津島 善子

「ちょっ……！？と、止まらない……！？！？何よこれぇえっ！？！？」

津島 善子

場所を移動しようと、部屋の隅の方へ走っていく。

津島 善子

「ぎにゃあぁあああぁあぁぁあ～～～～っ！！！？
　ぶえっくしょん！！ぶぇーーーっくしょん！！！」

津島 善子

盛大にくしゃみをし。体を震わせる。
部屋のどこへ行っても、どこからか現れる雨に体を濡らされる。

津島 善子

「スイッチ！！そうよ！この部屋のどこかにスイッチがあるはずよ！！」
春香達にそう叫び、壁際に沿いながら、調べていく。

津島 善子

「むぎ～～～！！探してもないじゃない！！」

津島 善子

「…………………？」

津島 善子

ぴたりと止んだ、雨。
一瞬だった。自分の周囲だけ雨が、無くなる。

津島 善子

目を丸くさせ、ぱちぱちと瞬きしながら。
まだ他3人の頭上に振る雨を見ながら。

津島 善子

「さ、さぁ……？」

津島 善子

首を傾げる。

津島 善子

「って、ぎゃああぁぁああぁぁ～～～～～～っ！？！！？」

津島 善子

またびしょ濡れになる善子。
ホッとしたのも束の間。また水の世界へと誘われる。

津島 善子

「あああああーーーー！！もう！！！？
　これじゃあ風邪ひいちゃうじゃない！？！？！」

津島 善子

「………いっ……！？ま、またぁ！？なんで！？どうして！？」

津島 善子

天井を見上げ、降り止んだ雨の正体を探ろうとするも。
何も、分からず。
ただただ困惑した様子を見せるだけだった。

津島 善子

「た、たまたま……？どう、して……？
　なんで、私だけ雨が、降ってないわけ……！？」

津島 善子

「上には何もないし……一体、どうなってるのよこれ……！？
　このままじゃ、本当に春香に、アイシャ、カレラが……！！」