Ccfolia Log

琴葉茜

「はしゃいどるなあ」
グレーテルを見て

琴葉茜

「来とるでー」

琴葉茜

「グレーテルの彼女の茜やでー。よろしくー」
適当なノリで冗談をかます

琴葉茜

「あーんなことまでしといてそりゃないわーグレーテル」
口からでまかせ。

琴葉茜

めーっちゃ、真に受けとる。
おもろいなあこの子。

琴葉茜

「……せやなぁ」

琴葉茜

「あんときのグレーテルときたら…うちの事助けるために……きゃー」

琴葉茜

「ま、そんなとこや」

琴葉茜

「ごめんてごめんて」

琴葉茜

「まあ見ての通りこの子真面目でええ子やろ？仲良くしたってな」
グレーテルを指して

琴葉茜

ほんまおもろいなあこの子

琴葉茜

「おう興味津々やんなグレーテル」

琴葉茜

「よーわからんけど」

琴葉茜

「ま、そうしたいからそうするんと違うん？」

琴葉茜

(………！)

琴葉茜

(せや)

琴葉茜

ふと何か思いつき潜る

琴葉茜

そしてこっそりルキナの背後に回り

琴葉茜

(……気づいてへんな)

琴葉茜

(もうちょい待っとくか)

琴葉茜

つーっ、と
人差し指でルキナの背中をなぞる。

琴葉茜

「せいこ～う」

琴葉茜

「いえい」

琴葉茜

「だって反応いちいちおもろいし」

琴葉茜

「ん～？グレーテルも楽しんどったん？」

琴葉茜

「ほーん？」

琴葉茜

「そらええことやなぁ…」

琴葉茜

「ほんほん………」

琴葉茜

「欲しがるから、なぁ……」

琴葉茜

「ほんほん」

琴葉茜

「せやなあ…うちはその辺深くは考えとらんかったけど…」

琴葉茜

「ルキナちゃんはどう思う？」

琴葉茜

ほんま楽しそうにしとるなぁ…グレーテル。

琴葉茜

「………どしたん？」

琴葉茜

「せやせや、この子ちょっとはしゃいどるだけやし」

琴葉茜

「ルキナちゃん真面目やからなあ…だからこの子しっかり受け答えしてもらえるのが嬉しいねん」

琴葉茜

「まー彼女やし」
悪ノリ続行

琴葉茜

「なっ」

琴葉茜

「にゃあああ～～～～っっっ」

琴葉茜

「ちょいちょいちょいちょい」

琴葉茜

「あかんてグレーテル」

琴葉茜

「ふぎっ」

琴葉茜

「もぎゃあああーーーーーーーーーっっ」

琴葉茜

「あかんグレーテルがピンチや」

琴葉茜

「ルキナちゃん助けに行ったってや」

琴葉茜

「ほらはやく」
どんと押して

琴葉茜

さーて、うちは………

琴葉茜

他の部員が持ち込んでた……おっ、あったわ

琴葉茜

えーっと……負けす劣らずの物騒な見た目やなあ……

琴葉茜

てか剣やんこれ
まあええわ

琴葉茜

こーやって、と……
マックスキャリバー、ジョイント

琴葉茜

「一網打尽にしたるでえ」

琴葉茜

そうして掲げたのは変わった形をした水鉄砲

琴葉茜

「ギガストリーマー・マキシムモード」

琴葉茜

「ほーれ、くらえ」

琴葉茜

ズガガガガガガガガガガ、と

琴葉茜

ガトリングのごとく打ち出される水

琴葉茜

「ん？」

琴葉茜

「……ふふふん」

琴葉茜

「まっ、ここらへんで」

琴葉茜

「まあ弾切れただけやねんけど」

琴葉茜

「ちょっーと、やりすぎたわ」

琴葉茜

「むえ」

琴葉茜

「あかんわグレーテル、うちら叱られるで」

琴葉茜

「おあっ」

琴葉茜

グレーテルを目隠し

琴葉茜

「……いやー」

琴葉茜

「ごめん」

琴葉茜

「……今ここうちらだけやから…」

琴葉茜

「いやまあほんと、ごめんな」

琴葉茜

んー…ここはあれやな…

琴葉茜

うちのせいやし、まあちょっと休憩もかねて

琴葉茜

「結び直したら一旦上がらん？」

琴葉茜

「うちんとこ何故か冷蔵庫とアイスあんねん」

琴葉茜

「ま、休憩も兼ねてなー」

琴葉茜

「ま、実際スポドリ入れるためやな大元は」

琴葉茜

「アイスはうちも知らん。いただいとるだけやで」

琴葉茜

「んじゃ、うち取ってくるから、欲しいのあったら言ってな」

琴葉茜

「ルキナちゃんはアイス何が欲しい？」

琴葉茜

「はいはーい、グレーテルはあれやな、いつもの。喉かわいたんなら麦茶も持ってくるわ」

琴葉茜

「わがままなんて思っとらんよー」

琴葉茜

「そもそもこれ勝手に持ち込まれたもんやし」

琴葉茜

「ほーんほん」

琴葉茜

「ほーん」

琴葉茜

「あっ」

琴葉茜

「ちょっ、ちょいグレーテル！？」

琴葉茜

「いやまああのその」
あかんうちも持ち込んどる事さらっとバラされた

琴葉茜

「ま、まあそういうわけやから、ルキナちゃん好きなもんとかはある？」

琴葉茜

「………んー」

琴葉茜

「おう」

琴葉茜

「ほんほん」

琴葉茜

「あれやな、わーったで」

琴葉茜

「んじゃ行ってくるわ」

琴葉茜

「………んーと、あとそうやな」

琴葉茜

「うち実は勉強ちょっーと詰まってる所あってな」

琴葉茜

「普段はグレーテル頼ってるんやけど、最近頼りすぎだって言われてなあ」

琴葉茜

「ルキナちゃんそのうち勉強付き合ってくれん？」

琴葉茜

「ん、ありがとなー」

琴葉茜

「じゃ、改めて行ってくるわ」

琴葉茜

プールから上がって部室に向かう

琴葉茜

「ほーれ茜ちゃんのご帰還や」

琴葉茜

「はーいアルトリアちゃんはかき氷」

琴葉茜

「まあ…せやなー」

琴葉茜

「スタイルめっちゃ良っ、て思ったわうちも……」

琴葉茜

「出るで」

琴葉茜

「ほいルキナちゃんこれ」
要望のあれ

琴葉茜

○リ○リくん。

琴葉茜

「んで、後は………」
手に持ってるアイスは2つ

琴葉茜

自分がしまってたハーゲンダッツと、もうひとつ適当なの

琴葉茜

「………………」

琴葉茜

「…………………………………………」

琴葉茜

「…ほいグレーテル」

琴葉茜

「ハーゲンダッツ」

琴葉茜

手に持ってたハーゲンダッツを渡す

琴葉茜

「あとこれ」

琴葉茜

「喉も乾いとったやろ」
麦茶も渡して

琴葉茜

はーパルムうま

琴葉茜

渡したやん！！！！

琴葉茜

「もうおかわりー？ふふっ」

琴葉茜

「シャリシャリ感ちょっとちゃうもんなー」

琴葉茜

「えーっと、二人はグレーテルとクラス同じなんやっけ」

琴葉茜

「グレーテルってクラスだと普段の様子どうなん？」

琴葉茜

ちょっとニヤニヤしながら

琴葉茜

「ほーんほん…」

琴葉茜

「せやろせやろ～」

琴葉茜

「つーん、としといて結構かわいい所あんねん」

琴葉茜

「今日もちょっとはしゃいどるし」

琴葉茜

「結構素直な所あるしなー」

琴葉茜

「ふふっ、いい事言うわ」

琴葉茜

「あっちょ…グレーテル！？」

琴葉茜

「はいちゃうわ」

琴葉茜

「あむぐっ」

琴葉茜

「あーもう気にせんでええのに」

琴葉茜

「ん、そらよかった」

琴葉茜

齧られたパルムをそのまま食べる

琴葉茜

「んー？」

琴葉茜

「真面目やなあ…」

琴葉茜

「頑張ってなー」

琴葉茜

「こっちも二人っきりやなー」

琴葉茜

「…ふふ、クラスの方でもよくやれてるようで安心したわ」

琴葉茜

「ええ子やなあ…二人とも」

琴葉茜

「んー？まあ大した事やないけど」

琴葉茜

「ま、グレーテルの良さ分かってくれる子おって嬉しいのはあるわ」

琴葉茜

「まあ……でも…せやな」

琴葉茜

「…なーんか、ちょっと寂しい」

琴葉茜

「…何故やろなあ」

琴葉茜

「…クラス別れて一緒にいる機会減ったしなあ」

琴葉茜

「あの2人がちょっと羨ましいのはあるかもしらんわ」

琴葉茜

「……ふふっ、そう思ってくれてたん？」

琴葉茜

「まあ、せやなー…」

琴葉茜

「なーんか、グレーテルと一緒にいるのに慣れすぎたんかな」

琴葉茜

「………………」

琴葉茜

「…………逆」

琴葉茜

「………今までより減ったから」

琴葉茜

「…………まあ、」

琴葉茜

「………………寂しいわ」

琴葉茜

「……ふふっ」

琴葉茜

「そんじゃ来週末、二人っきりでどっか行こか」

琴葉茜

「んー、せやなあ」

琴葉茜

「水族館でもどうや？」

琴葉茜

「ふふっ、そらよかったわ」

琴葉茜

「たまには泳ぐだけやなくて、泳いでる側見るのも楽しそうやろ」

琴葉茜

「色んな泳ぎ見れるでー」

琴葉茜

「ふふっ、ほーんと、泳ぎに関して真摯やね」

琴葉茜

「グレーテルのそういう所、好きやで」

琴葉茜

「はははっ、ブレへんなー」

琴葉茜

「…………」

琴葉茜

「…せやなー」

琴葉茜

「………………………………」

琴葉茜

「素直で正直に、なー……………」

琴葉茜

「………」

琴葉茜

「…うちもそうした方がええんかな」
ボソリ、と

琴葉茜

「…」

琴葉茜

ほんの少しだけ、身を寄せる

琴葉茜

……大丈夫なんかな

琴葉茜

もうちょっと……行っても………

琴葉茜

………………ちょっと、ちょっとだけ

琴葉茜

怖いわ

琴葉茜

……………………

琴葉茜

「………」

琴葉茜

今日のグレーテルの言動を思い返す

琴葉茜

「へっ？」

琴葉茜

き、気付かれた！？

琴葉茜

いや気付かれるに決まっとるわ！！！

琴葉茜

「あー…まあせやな」

琴葉茜

「そろそろ上がるのもええかもなー」

琴葉茜

素直に正直に、なー………

琴葉茜

…………

琴葉茜

正直、

琴葉茜

今日のグレーテル見てて、モヤモヤする所あったわ。

琴葉茜

仲良くしてくれる子いるってのは嬉しい
嘘やないけど

琴葉茜

それでも

琴葉茜

……

琴葉茜

正直…怖さはあるわ

琴葉茜

でも、今後ずっとこんな思いして

琴葉茜

不安になって

琴葉茜

「………グレーテル」

琴葉茜

ああ、せや

琴葉茜

うちはグレーテルが

琴葉茜

「……ふふっ」

琴葉茜

「心配してくれるん？嬉しいわ」

琴葉茜

「…せやなー」

琴葉茜

「うちはグレーテルの事よく巻き込んで、そんでグレーテルはよく付き合ってくれて」

琴葉茜

「まっ…なら」

琴葉茜

「……2人っきりでこの後どっか行かん？」

琴葉茜

「2人っきりで」

琴葉茜

「ん、もう遅いしな」

琴葉茜

「適当に回って、適当にご飯食べて」

琴葉茜

「……2人っきりで話したり」

琴葉茜

「ふふんっ」

琴葉茜

「じゃ、着替えよか」

琴葉茜

そしてそのまま二人で学校を出て

琴葉茜

「せやなー」
二人きりで歩いて

琴葉茜

ちょっと長めの階段を登って

琴葉茜

「ここら辺ちょっと評判になっててな」

琴葉茜

「目立つ場所ちゃうけど、うちのクラスで話題に出ててなー」

琴葉茜

夜も更けてきたこの時間に行く場所は

琴葉茜

町全体が一望できそうな、ちょっとした展望場所。

琴葉茜

頂上、その展望場所の付近だけ証明が抑え目になっていて

琴葉茜

その暗さが、目に見える光を際立たせる。

琴葉茜

「どや」

琴葉茜

見下ろした先を示して

琴葉茜

夜の闇で際立たせられた、その照明で敷き詰められた町の輝きが一望できる

琴葉茜

「ふふふー……綺麗やろ？」

琴葉茜

「まあうちも初めてやけど」

琴葉茜

「……葵と来るのもええけど」

琴葉茜

「今回は……そういうのとはまた別や」

琴葉茜

「………………」

琴葉茜

「ほら、グレーテル」

琴葉茜

「今度は上」

琴葉茜

「普段よりは、結構はっきり見えるやろ」

琴葉茜

満天、とまでは言えずとも
周囲の光が少ないお陰で、よりハッキリと星が浮かぶ夜空を見て

琴葉茜

「ここだと普段じゃ見えない星もちょっと見えそうやしなー」

琴葉茜

「………あっ」

琴葉茜

流れ星が見えた。

琴葉茜

「…………」

琴葉茜

「……珍しいもん見たわー…」

琴葉茜

「んー…？気になるん？」

琴葉茜

「………せやなあ」

琴葉茜

「………………」

琴葉茜

「ずっと」

琴葉茜

「……………ずっと、一緒にいたい」

琴葉茜

「…そんな願いや」

琴葉茜

「……なあグレーテル」

琴葉茜

「うちな」

琴葉茜

「グレーテルの事が好き」

琴葉茜

「ふふっ」

琴葉茜

「………ふーん？？」

琴葉茜

「………せやなぁ…」

琴葉茜

「…………」

琴葉茜

「……グレーテル」

琴葉茜

「目、閉じてな？」

琴葉茜

そっと近づいて

琴葉茜

顔を少しだけ見つめた後

琴葉茜

自分も瞼を閉じて

琴葉茜

唇をそっと重ねて

琴葉茜

「っ」

琴葉茜

そっと、顔を離す。

琴葉茜

「……………………」

琴葉茜

顔にはほんのり、だけど分かりやすく紅潮が見えて