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陸八魔アル

教えるわ

陸八魔アル

出港よォ〜〜〜〜〜！！！

陸八魔アル

「ここ……で間違いないわね、古物万華堂。」
パラ、と片手に携えたスケジュール帳を閉じ、振り向く。

陸八魔アル

数日前に突然事務所にかけられた不審な電話。
まあ、そのくらいならうちでは日常茶飯事なのだけれど……まあどうも、普通の狙撃依頼だとか、間違い電話だとか、そういう類のものではないらしいようで。

陸八魔アル

それだけ告げて、プツリと音声が途切れる。
……しかしまあ、ここのところウチの会社も依頼人不足に喘いだところでもあったし……受けるかどうかは内容やら報酬やらの詳細を聞いてからも遅くないだろう。

陸八魔アル

──とまで考え、実際に足を向けてみたまではいいものの。

陸八魔アル

「……なんであなたたちまで一緒に来てるのよ。……星、茄子」

陸八魔アル

「どんな理由よ！ 遠足なんかじゃないのよ！？」
「……にしても、"古物万華堂"ね……外観もまさしく古物商って感じ」

陸八魔アル

「……これはまた、奇妙な歓迎を受けたものね。あなたが電話の主？」

陸八魔アル

（鎧がしゃべったーーーー！！！？！？！？！！？）

陸八魔アル

「…………こほん！」
「よろいちゃん、よろいちゃんね……失礼、便利屋68の陸八魔です。私たち、"古物万華堂"から依頼を受けてここに来たのだけれど」

陸八魔アル

「…………。」
「依頼人を待たせても良くないし、処遇はあなたに任せてもいいかしら……星？」

陸八魔アル

「そ、そういう問題なのかしら……いえ、社長たるもの協力者にはきちんと報酬を支払うつもりではいるけれど……」

陸八魔アル

（死んだ鎧の中身が喋ってることにはどうして誰も疑問を持たないのかしら……）

陸八魔アル

！？！？！？

陸八魔アル

「……。」
「ま、待ちなさい星！ ここで消耗戦は良くないわ、どうやらよろいちゃんの方もこちらには友好的なようだし」

陸八魔アル

（大昔の機械は叩いたら壊れるのよ！）

陸八魔アル

「ちょっとぉ！？」

陸八魔アル

「…………そ、そうね……！」
「……そうよ！そもそも、こんな鎧を常駐させている古物堂の方にも問題があるわ！ 私からガツンと言って聞かせなきゃ！」

陸八魔アル

（……ウチの会社の残金、どれくらいあったかしら……）

陸八魔アル

「（……星！ 分かってるとは思うけれど……間違っても置物なんかを壊さないようにしなさいよ！）」

陸八魔アル

「あなたに言われたくないわよ！？」

陸八魔アル

「……コホン！お騒がせしてすみません、お電話いただいた便利屋68の陸八魔です」

陸八魔アル

……茄子だけが良心ね。
「で、電話口で簡単なご用件は伺っておりますが……あなたが依頼主ということで間違いないかしら」

陸八魔アル

「『自分が何者なのか教えてほしい』とは、具体的にどのようなことを？」

陸八魔アル

「……確かに私は美人社長ではあるけれども、その話は後みたいよよろいちゃん」

陸八魔アル

「記憶が？」

陸八魔アル

「……」

陸八魔アル

なんであなたが決めてるのよ！？

陸八魔アル

「よ……余計なお世話！」
「……悪いけど、ウチはそっちの鎧ちゃんとは違って、きちんとした契約がモットーなの。……それで、こちらに見返りはあるのかしら」

陸八魔アル

「い……いいわよ！モテるためにやってるんじゃないものこの仕事！！」

陸八魔アル

「……」

陸八魔アル

「──その言葉が聞きたかっただけよ。いいわ、受けましょう」

陸八魔アル

「（大丈夫よ！ いざとなったらこう……そっちのよろいちゃんとかをどこかえ売っ払えばいいわ！）」

陸八魔アル

「便利屋68！」
「……まあいいわ、さっそく状況確認といきましょう」

陸八魔アル

「（…………。……そ、そんなことないわ！ 無慈悲で孤高、我が道を如く魔境を行く百戦錬磨のアウトローよ！？）」

陸八魔アル

「家探し……ねぇ、由良はここに住んでいるの？」
よろいちゃんの言葉に、改めて室内に目を移すわ

陸八魔アル

「よろいちゃん、あなた初対面よね！？」

陸八魔アル

「二人とも落ち着きなさい！ お団子作ってもらえなくなっても知らないわよ！」

陸八魔アル

……一呼吸おいて。
「精神性のトラウマ的なものなのか、あるいは以前の記憶が断片的に残っているのかもしれないわね……後者の可能性がある以上、ひと段落つくまで無理はしない方がいいと思うわ」

陸八魔アル

🌈

陸八魔アル

「！？！？！？」

陸八魔アル

「誰よ！！！！！！」

陸八魔アル

「魔を払う……ふぅん、払えるものなら払ってみなさいよね」
「……っと、急に手渡さないでよ！」

陸八魔アル

花瓶に＜考古学＞振るわね

陸八魔アル

ccb<=75 骨董品警護経験（考古学） (1D100<=75) ＞ 9 ＞ スペシャル

陸八魔アル

「……大正後期あたりのものかしら。前に骨董博覧会の警護をやってた時に似たようなものを見た記憶があるわ」

陸八魔アル

「明治、大正、昭和、平成……令和のX年だけれど」

陸八魔アル

……躊躇ないわね！？
もしかしたら、真のアウトローってああいう感じなのかしら…

陸八魔アル

「ううん……まあ、いざとなったらインターネットで調べれば住所でも出てくるでしょ」
「……こっちの電話は使われてないのかしら？」

陸八魔アル

一緒に【黒電話】を見てみるわね……
うちの型と同じものかしら

陸八魔アル

「…………。」
……便利屋の評判を聞きつけてじゃなかったの！？

陸八魔アル

「……そ、そうね！ まったく、私のような逸材を引き当てるだなんて！」

陸八魔アル

そのまま上機嫌で【スタンドライト】も確認しておきましょうか！

陸八魔アル

ううん……GM、これも骨董らしいのかしら？

陸八魔アル

「かもしれないわね…いずれにせよ、手がかりを一つずつ潰していくしかなさそう」

陸八魔アル

一旦借りて読みながら来ればいいんじゃない？

陸八魔アル

（……うち、大丈夫よね？ 社員にちゃんとお休みあげてるわよね？）

陸八魔アル

「大丈夫よ星、いざとなったら無関係を装えばいいわ」

陸八魔アル

「えっ？」

陸八魔アル

「そうね……少なくとも、ただこの件から手を引いたってわけじゃなさそう」

陸八魔アル

「最後の着信履歴も3年前……一致するわね」

陸八魔アル

「！」

陸八魔アル

「……。やっぱり初対面じゃ、推して測ることも難しいと言ったところかしらね」
ふぅ、と息をついて。

陸八魔アル

「いい？ 覚えておきなさい……便利屋68は受けた依頼は必ず遂行する。それが芝犬の散歩であろうと、失踪者の存在する難事件であろうとね」

陸八魔アル

「ふふふ、もっと褒めてもいいわよ！」

陸八魔アル

「……さて、社長たる以上同行者の身の安全は保証するつもりだけど」
あなたたちも大丈夫？ と、確認するように星と茄子を振り返っておく。

陸八魔アル

「重畳ね、私が見込んだだけのことはあるわ。」
「それじゃ、よろいちゃんの言う通り……？ よろいちゃんでいいのかしら？」

陸八魔アル

「どういう仕組みよ！？」

陸八魔アル

……くるり、と由良に向き直って。
「……そういうわけだから。くれぐれも私たちのことは忘れないよう、ちゃんと書き残しておくのよ……いい？」

陸八魔アル

「！？」

陸八魔アル

全伏線、回収開始。

陸八魔アル

3d6 (3D6) ＞ 7[1,1,5] ＞ 7

陸八魔アル

「……。受けるとか受けない以前に、もう始まっていた……ということかしら」

陸八魔アル

「し、しょうがないじゃない！ ほら、さっさと向かった向かった！」

陸八魔アル

「ええ……よろいちゃん。」
目で合図を送り、玄関の扉を示す

陸八魔アル

「いいの、死人に口なしよ。……いや、死んだって決まったわけじゃないけれど」

陸八魔アル

「ともかく、ここで手こずっているわけにもいかないし……さっさとお邪魔しましょうか」

陸八魔アル

「ええ、うちの事務所にいいかもしれないわね。どうせ使ってないんだし……」

陸八魔アル

「あ……そ、そういう事？」

陸八魔アル

「なんで急に逃げ腰なのよ！」

陸八魔アル

「えっ……えっ！！？」

陸八魔アル

「だ……大丈夫よ！ 鎧に人間の法は適用されないはず！」
「それより……綺麗に掃除されてるってことは、ここで待っていたらくだんの探偵にも会えるってことじゃない？」

陸八魔アル

「…………」

陸八魔アル

「…………そ、そう……ね……？」

陸八魔アル

「……え、ええ！！！ ……逃げるわよ皆！！！」

陸八魔アル

うぅぅ……毎回毎回、なんでこうなるのよ〜〜！！？

陸八魔アル

陸八魔アル

陸八魔アル

少し前によろいちゃんが美人って言ってくれてたから美人なのかもしれないわね

陸八魔アル

res(14-20) (1d100<=20) ＞ 9 ＞ 成功

陸八魔アル

ccb<={SAN} SAN

陸八魔アル

🌈

陸八魔アル

ccb<=35 SAN (1D100<=35) ＞ 59 ＞ 失敗

陸八魔アル

1d4+2 (1D4+2) ＞ 1[1]+2 ＞ 3

陸八魔アル

陸八魔アル

3d6 (3D6) ＞ 14[6,2,6] ＞ 14

陸八魔アル

ccb<=50 アイデア (1D100<=50) ＞ 89 ＞ 失敗

陸八魔アル

「へぇ、鎧も夢を見るのね……」
「……じゃなくて！ まさかあなた達も見たの！？」
少し怯えるように

陸八魔アル

「笑い事じゃないわよ！ 他人に取り込まれようとしているのに、まるでそれが自然なことのように……！」

陸八魔アル

「…………。」
「ま、まぁ……そうね、悪かったわ……」

陸八魔アル

「とにかく、今日こそはあの相沢とかいう探偵と会わなきゃ……よね」

陸八魔アル

「だ、大丈夫！ どっしり構えてればいいわ……大丈夫よ、大丈夫！」

陸八魔アル

「それなんだけど……」
「ほら、昨日は確か鎧着たまま向かってたじゃない。」

陸八魔アル

「ええ。脱いじゃえば案外バレないんじゃない？」

陸八魔アル

「そ……そうよ！ 星は私より十分可愛いんだし……」

陸八魔アル

「……そ、そうかしら？」

陸八魔アル

「現役アイドルが言うと重みが違うわね……」
「……いずれにせよ、そろそろ着くはずよ……ほら」

陸八魔アル

ビルの一角、事務所の玄関のあった方を指差す。

陸八魔アル

「……ええ、逆に考えればこれはチャンスかもしれないわよ」
「自分たちも同じ依頼を受けていると伝えれば、いわば私たちも同じ被害を被るかもしれない仲間と映るはず……」

陸八魔アル

「……それに何より、猶予は三日間。今を逃すと次はないわ」

陸八魔アル

とん、と女性の方へ足を踏み出す。

陸八魔アル

「ええ……突然すみません、便利屋68の陸八魔です。」
「こちらに相沢という探偵がいらっしゃると伺って……」

陸八魔アル

……うん？ 『相沢誠』って……男性の名前よね？

陸八魔アル

「…………。『今はおりません』？」
「……私たち、彼と関係のあるかもしれない事件を調査しておりまして。……よろしければ、中でお話……伺ってもいいかしら」

陸八魔アル

「（ふふっ、これが世を渡り歩く社長の話述……）」

陸八魔アル

「そっ、それは大変でしたね！？ お気をつけて……」

陸八魔アル

「では失礼して……き、綺麗なお部屋ですねぇ……」

陸八魔アル

「…………。」
「その口振り、やはり相沢さんはしばらく……いえ、"三年前"から戻られていないのかしら」

陸八魔アル

「病院…」

陸八魔アル

「！」

陸八魔アル

ノートから神崎の方へ視線を移して
「……失礼ですが、中を拝見しても？」

陸八魔アル

頷きを返して。
……それじゃ、全員から見えるように手帳とノートを順に開いてみるわね

陸八魔アル

「……悪い想像が当たったみたいね」
「『古物店に入った以上、俺もこのままでは魂を取られるだろう』……」

陸八魔アル

ううん……とりあえず判定するだけ判定しておいていいかしら？

陸八魔アル

ccb<=75 骨董品警護経験（考古学） (1D100<=75) ＞ 26 ＞ 成功

陸八魔アル

ノートのページをめくる中で内容が少し専門的に感じたのか、自分は解読に集中するから、残りの聴取はお願い……と言うように、三人に目配せする。

陸八魔アル

（あなたもやるのよ！？）

陸八魔アル

「そ、そこまでしてくれなくても大丈夫だから！？」

陸八魔アル

「えっ……そ、それはちょっと悲しいんだけど……！」

陸八魔アル

「……そ、そうね。いざという時の社員の責任を取るのも社長の役割だし」

陸八魔アル

「！？」

陸八魔アル

「ま、待って！？ 確かにアウトローは憧れだけど、そういうアウトローは想定していないっていうか……！」

陸八魔アル

（なんでこういう話だけとんとん拍子で進んでるのよ！？）

陸八魔アル

「そ、そうだったわ……ええ！ 連絡先を教えておくから、いざという時は私たちを呼んでちょうだい……」

陸八魔アル

「行くって……ほ、本当にやるの！？」
「全然違うわよ！！！？」

陸八魔アル

「ええ、約束するわ！ 便利屋社長の名にかけて！」

陸八魔アル

「ひゃ……ひゃいっ！？」

陸八魔アル

（こんな辱め……全部終わったら覚えてなさいよ、由良……！！！！）

陸八魔アル

陸八魔アル

陸八魔アル

「ハァ、ハァ……大正時代でも珍しいでしょうこんなの！！？」

陸八魔アル

「お、お疲れ様……図書館だもの、ゆっくり座って休むといいわ……」
……まあ、頼んだわけじゃないんだけれど……

陸八魔アル

「（わ、わかってるわよ！！！言われなくたって！！）」
声を張り上げそうになって、慌ててトーンを抑える

陸八魔アル

（どういう仕組みなのよ…）

陸八魔アル

「ひぃ！？」

陸八魔アル

「よ、読むから……！ ちょっとその……バットの音は抑えていただけると……！」

陸八魔アル

「…………。」
心なしかページを読む速度が速くなる

陸八魔アル

「ひっ！？ わ、わかったから……！ ありがとね！」

陸八魔アル

「ぜぇ、ぜぇ……こ、これでいいでしょ……！」
要約を書いたメモを星たちに見せる

陸八魔アル

「きゃ……！？」

陸八魔アル

こ、これは……デキる社長の管理術その12、『アメとムチ』……！？

陸八魔アル

……あ、でも……何だか悪い気はしないかも……

陸八魔アル

「……ふっ、ふふっ……もっと……♡」

陸八魔アル

「……ふぇっ！？ そ、そうね……！？」

陸八魔アル

「なにせ大正時代だものね……」

陸八魔アル

！？

陸八魔アル

🌈

陸八魔アル

ccb<=35 幸運 (1D100<=35) ＞ 80 ＞ 失敗

陸八魔アル

！！

陸八魔アル

「……っとと……ご、ごめんなさい」

陸八魔アル

慌てて携帯を取り出し、応答。
「はい！ こちら便利屋68、陸八魔──」

陸八魔アル

「あら、由良じゃない！ どうしたの？」

陸八魔アル

……他の三人にも話している内容が聞こえるよう、スピーカーに。

陸八魔アル

「…………。」
「ごめんなさい、ちょっと待っててね」

陸八魔アル

……声を出して話しても問題ないよう、三人を図書館の外に連れ出す。

陸八魔アル

「…………。で、そうね……調査過程だったわね」
……ううん。私たちが聞いたこと、正直に伝えていいのかしら……

陸八魔アル

小さく頷き、二人は？ と星と茄子の方を向く。

陸八魔アル

「……！」

陸八魔アル

…………星、あなた……

陸八魔アル

「…………。」
「…………まったく。頼れる同僚たちを持ったものね……私も」

陸八魔アル

電話口に直り。
「──ええ、すぐに向かうわ。便利屋68の調査手腕を楽しみにしていてちょうだい」

陸八魔アル

────ぴっ。

陸八魔アル

「……次の目的地が決まったわ。出発するわよ」

陸八魔アル

「騎馬戦ではないわよ！？！？」

陸八魔アル

「ね……ねぇ！？ 何も言ってないんだけど！？！？！？」

陸八魔アル

「きゃああ！？ ちょっ……どこ触ってるのよ星！？」

陸八魔アル

ひぃぃ……！！？
きっ……騎馬戦はもうコリゴリよぉ〜〜！！！！！

陸八魔アル