Ccfolia Log

ソーンズ

出航だ……！

ソーンズ

ccb<=70 アイデア (1D100<=70) ＞ 3 ＞ 決定的成功/スペシャル

ソーンズ

ほう　幸先がいいな

ソーンズ

「…………」

ソーンズ

「寝ていたのか？」

ソーンズ

「何をやっていたんだったか……　また研究に没頭していたのか？」

ソーンズ

それにしては頭の中に何のアイデアも残っていない
加えて素直にベッドの上で目覚めるとは

ソーンズ

「いつもなら焦げた床の上で野ざらしになっていてもおかしくないが……」

ソーンズ

研究には犠牲がつきものだ　犠牲とは爆発だ
薬学の研究の結果として　部屋ではしょっちゅう爆発が起きていた

ソーンズ

「……まあ　いい」

ソーンズ

軽く身だしなみを整える
その最後に内ポケットに試験管を差し込める構造の白い上着を羽織った

ソーンズ

「夏が終わる前にまだ一つ仕事が残っていたな」

ソーンズ

「…………」
メティスのスクリーンに目を向ける

ソーンズ

GM、メティスとはなんだ？
俺が古くから買ったものか？

ソーンズ

「寝すぎたか 少し急ぎ足で出るとしよう　助かる」
一瞥して忠告を無駄にしないよう早足で玄関へ向かった

ソーンズ

──”花火”。
この国では遠く失伝したという文化。かつて、俺の国では夏の祝いの日……空では色とりどりの火が花になって舞っていたらしい。

ソーンズ

俺の故郷は今、黄金期を終えて少しずつ衰退しつつある。
”花火”を調剤出来れば、閉塞的な空気も変わるかもしれない。

ソーンズ

夏の終わりまでに成功させねばならないのだ。

ソーンズ

ccb<=70 (1D100<=70) ＞ 70 ＞ 成功

ソーンズ

「……うん？」
こんな鍵を付けただろうか

ソーンズ

とりあえずガチャガチャと弄り回すがやはり開かない

ソーンズ

「鍵だからな　鍵なら開かないか」

ソーンズ

それはそうだ
開く鍵なら付いてる意味がない

ソーンズ

そして開かない鍵が内側に付いてるということは？
数テンポ遅れて結論に辿り着いた

ソーンズ

「閉じ込められたか……！！」

ソーンズ

なぜいつの間にか鍵がかかっているのか
なぜ閉じ込められているのか
疑問は絶えないが……すべては後にしよう　約束の時間は10分後だ

ソーンズ

「速戦即決で行こう　俺の貴重な時間を無駄にしない為にもな」

ソーンズ

切り替えも早く扉を見る　来い

ソーンズ

「……4桁？　鍵穴？　パスワードを探せと言わんばかりだが」
挑戦的で謎解きのようだ　
……寝ぼけている間に自分で鍵を付けた疑惑が浮かんできた

ソーンズ

自分で鍵をかけて自分で閉じ込められていたら笑えないな
そうでないことを祈ろう

ソーンズ

次は靴箱の方に目を向けるとしよう

ソーンズ

ccb<=70 (1D100<=70) ＞ 68 ＞ 成功

ソーンズ

ccb<=69 (1D100<=69) ＞ 100 ＞ 致命的失敗

ソーンズ

「………………」
やはり……俺がかけたのか……

ソーンズ

顔が青ざめてきたが認めるには早い　早いのだ
俺は笑えないアホになるのは嫌だった……

ソーンズ

エリジウム……お前と同じレベルのアホになるのだけは認めたくない……！
想像の上でも白い歯を煌めかせながら笑う友人の顔を思い浮かべながら　強く思うしかなかった

ソーンズ

「……さて　状況は分かった
　最悪の状況がな」

ソーンズ

玄関に扉を開ける鍵の類は見当たらない
仮に自分でかけた鍵だとしてもそうでないとしても　
頼りは自分の部屋の中を調べるしかなさそうだ

ソーンズ

ソーンズ

「と　いうわけなんだが
　玄関のことについて何か知らないか？」

ソーンズ

ひとまず寝室に戻ることにした
この状況を知っているとして相談できる相手は一人しかいない

ソーンズ

「メティス」

ソーンズ

「………………」

ソーンズ

「その可能性は排除して考える
　俺が設定していてもしていなくても何れにせよ俺が鍵を知らないのは同じことだ
　なのでこれ以上痛いところを突くのはやめろ」

ソーンズ

「いつも通り面倒をかけるつもりでいる」

ソーンズ

「ふむ……」

ソーンズ

「俺もお前も何一つ知らない内に事態が進行していたというわけか
　ますます見通しが立たないな……」

ソーンズ

マスター相手に話し口が軽いな
まあ　こんな状況だと心の頼りになって助かる

ソーンズ

敬われてるんだからそうでないんだか分からなくなりつつ

ソーンズ

「気持ちだけでもありがたい
　少し部屋を見回ってみるか……」

ソーンズ

ではベッドから

ソーンズ

ccb<=60 探索 (1D100<=60) ＞ 90 ＞ 失敗

ソーンズ

🌈

ソーンズ

メティスも起動したし少し整えておくか
自分がシワを作ったベッドをあまり目に晒すのもなんだ

ソーンズ

ccb<=70　幸運 (1D100<=70) ＞ 94 ＞ 失敗

ソーンズ

最初のクリティカルに運がすべて持っていかれた気がするな……！

ソーンズ

ならば消費し相殺しよう　最初のクリティカルを使うぞ

ソーンズ

「…………」
そういえば眠る前の記憶が曖昧だったな
ヒントがあるかもしれない

ソーンズ

スマホを確認しよう

ソーンズ

ccb<=68 (1D100<=68) ＞ 56 ＞ 成功

ソーンズ

「……何？」

ソーンズ

「これは　俺の……？
　記憶は無いが　これは……確かに俺のやろうとしていたことだ」

ソーンズ

それにこの日付は数年後の……
何が起きているんだ？

ソーンズ

「メティス　今の年月日を教えてくれ」

ソーンズ

「そうだな　間違ってはいないか」

ソーンズ

自分の時間感覚を疑うだけの異常事態
重なる疑惑に冷汗が一つ流れる

ソーンズ

「……このメールや投稿にも やはり覚えはないか？」
メティスにスマホの画面を見せる

ソーンズ

「……なるほど
　思っていたよりもずっと不可解なことに巻き込まれているらしい」

ソーンズ

そしてメティスの表示されている端末に手を伸ばす

ソーンズ

「今までのことから踏まえれば
　俺の記憶には大きな障害があるらしく俺一人の判断には不安がある」

ソーンズ

「なのでお前という外部の視点に手を貸してもらうことにする
　俺の記憶 判断 推測に誤りがあれば指摘してくれ」

ソーンズ

「助かる お前のことは信用しているからな」

ソーンズ

ではテーブルを確認する

ソーンズ

ccb<=70 探索 (1D100<=70) ＞ 92 ＞ 失敗

ソーンズ

「……この紙袋は何だったか」

ソーンズ

紙袋を見るぞ

ソーンズ

ccb<=60　”錬金術” (1D100<=60) ＞ 97 ＞ 致命的失敗

ソーンズ

が……がぁっ……！！！

ソーンズ

ccb<=68 (1D100<=68) ＞ 49 ＞ 成功

ソーンズ

「ぐ」
突き刺さってトゲのように痛みをもたらした
悪意は無かったがその分だけ素直な言葉だった

ソーンズ

「……夏だからな ああ
　この薬は何の薬だったか？」

ソーンズ

「……お前には分かるんだろう？」
トゲを刺された分だけの当てつけを込めた笑みを浮かべ

ソーンズ

ccb<=67 (1D100<=67) ＞ 71 ＞ 失敗

ソーンズ

1d2 (1D2) ＞ 2

ソーンズ

「そう か……」
ポーカーフェイスで

ソーンズ

「……なに？　抗不安薬だと？　俺がか？」

ソーンズ

「覚えていない」
(ので知っていることがあるなら話してくれ)

ソーンズ

「通院……？」

ソーンズ

「…………」

ソーンズ

話の続きを待っている顔

ソーンズ

「無理には話さなくていい」
見るなり素早く手を振って

ソーンズ

「俺のせいだったか すまない」

ソーンズ

「俺が矛盾した命令をしているせいで お前の仕事がスムーズに行っていない
　これは俺の責任だ」

ソーンズ

「だが謝る必要が無いと言ってもらえるなら俺もこれ以上謝ることはやめよう」

ソーンズ

不毛なやり取りにならないのは助かる
謝意を果たすためにも記憶の”欠け”……俺に纏わりつくこれを見つけないとな

ソーンズ

本棚を見よう

ソーンズ

ccb<=80　探索（目星） (1D100<=80) ＞ 77 ＞ 成功

ソーンズ

図書館も別途で振れるのか？

ソーンズ

では振ろう

ソーンズ

ccb<=90 探索（図書館） (1D100<=90) ＞ 6 ＞ スペシャル

ソーンズ

では生物学だ

ソーンズ

ccb<=70 "錬金術" (1D100<=70) ＞ 38 ＞ 成功

ソーンズ

「これも未来の日付か……」

ソーンズ

「やはり 俺が長期的な記憶を失っていると考えるべきか」

ソーンズ

おっとコンピューターも別途で振れるのか？

ソーンズ

振ろう

ソーンズ

ccb<=50　コンピューター (1D100<=50) ＞ 26 ＞ 成功

ソーンズ

「……？」
紙を拾い上げる　何となく大事なものの気がするな……

ソーンズ

「VRか……お前も電脳の住人だな」
メティスに目を向ける

ソーンズ

「いや　単なる興味だ 俺とメティスが同じ空間上に立てるかどうかのな」

ソーンズ

「立ってもらった方が多くの仕事を任せられるからな」

ソーンズ

「ほう　まあ 仕事を抜きにしても助けられている仲だ
　液晶越しでなく話せるなら話してみたいところだな」

ソーンズ

テレビを見るか

ソーンズ

ccb<=70 (1D100<=70) ＞ 80 ＞ 失敗

ソーンズ

🌈

ソーンズ

テレビの日付も未来でいいか？

ソーンズ

わかった

ソーンズ

「テレビ……見ている時間はないな」

ソーンズ

「…………」
リビングはおおよそ見終えたが……
俺の身に何が起きているのか未だに分からない

ソーンズ

メティスは唯一空白の時間についてある程度知っているようだが
過去の俺が口を閉ざさせてしまっているらしい

ソーンズ

「メティスからすれば 今の状況はとんだ茶番だろうな」
俺が埋め立てた何かを俺自身が必死に掘り返そうとしている

ソーンズ

「そうか 助かる」
ある種 非生産的な行動だが不満もなくついてきて貰っている……ありがたい友人を得たものだ

ソーンズ

ベランダに出るとしよう

ソーンズ

ccb<=100　探索 (1D100<=100) ＞ 45 ＞ 成功

ソーンズ

「……？」
抱え上げて見てみよう

ソーンズ

ccb<=70 (1D100<=70) ＞ 49 ＞ 成功

ソーンズ

玄関の方を振り返る
「暗証番号……玄関の鍵のものだろうか？　
　これは俺の筆跡……？」

ソーンズ

「…………！！！」

ソーンズ

「もし……俺の予想が当たっていれば……」
戦慄を顔に浮かべながら

ソーンズ

「俺は──」

ソーンズ

「──本当に自分でかけた鍵に自分で閉じ込められているアホだったのか……！！」

ソーンズ

ベランダは土埃で汚れているが……膝をついてしまった
俺は……アホだったのか……

ソーンズ

「……大丈夫だ」
大丈夫ではないが大丈夫ということにしないと心が壊れる

ソーンズ

「ハァ……ハァ……！」
「そして……ベランダからの脱出は最終手段としよう
　外に出れても最悪 脚を痛めて現場まで向かえなさそうだ」
手すりを頼りに立ち上がる

ソーンズ

フラつきながら浴室・脱衣所へ向かおう

ソーンズ

ccb<=100　探索 (1D100<=100) ＞ 21 ＞ 成功

ソーンズ

ccb<=65 (1D100<=65) ＞ 35 ＞ 成功

ソーンズ

「…………」
「今日はやけに心地の良い日だな」
それだけに異様　それだけに不気味さがある

ソーンズ

風鈴の音を背に改めて浴室へ向かおう

ソーンズ

！？

ソーンズ

ccb<=70 (1D100<=70) ＞ 28 ＞ 成功

ソーンズ

ゾッ！！！！！！！！？？？？？？？？

ソーンズ

「汗ばんできたが……シャワーを浴びている余裕はないな」

ソーンズ

開けた浴室を簡単に覗いてから雑多な脱衣所を見回す

ソーンズ

ccb<=100　探索 (1D100<=100) ＞ 79 ＞ 成功

ソーンズ

「これも俺が書いたのだろうか……？」
カードを取り出しながら

ソーンズ

「俺にしては迂遠で回りくどい手法だ　
　……考え方を変えるだけの出来事があったようだな」

ソーンズ

「俺の変化については何か分かるか？」
メティスに問いかける

ソーンズ

「教えてくれ」
(不安はあるが話を聞かないことには何も得られはしない)

ソーンズ

言われた通りに、ゆっくりと鏡の方を見よう

ソーンズ

ccb<=64 (1D100<=64) ＞ 7 ＞ スペシャル

ソーンズ

「見間違いかもしれないが 蒼白な顔をした俺が見えた」

ソーンズ

ccb<=80 "錬金術" (1D100<=80) ＞ 94 ＞ 失敗

ソーンズ

「なるほど」

ソーンズ

「もう遠慮は要らない」
(ショッキングな事実だったが、俺の心理状態を考慮して黙っていてくれたんだな？気遣いしてくれてありがとう。だが、今の俺の状況を考えれば一つでも判断用のピースが欲しい、これからはこういうことは遠慮せずに言ってくれ)

ソーンズ

「……」
（迅速な理解をしてくれてありがたい。これからも頼りにさせてもらう）

ソーンズ

それではトイレに行くか

ソーンズ

ccb<=100　探索 (1D100<=100) ＞ 38 ＞ 成功

ソーンズ

「この鍵は……これも玄関用のものだろうか？」

ソーンズ

周到に隠されていたな　念のため来ておいて正解だった
鍵を回収する

ソーンズ

キッチンに向かうか

ソーンズ

冷蔵庫を調べよう

ソーンズ

ccb<=64 (1D100<=64) ＞ 59 ＞ 成功

ソーンズ

「食材が減っていない……？」

ソーンズ

「食事は取った はずだが……」

ソーンズ

「……うむ やはり茹でたはずのパスタがそのまま残っているな」

ソーンズ

頭を捻りつつコンロの方を見よう

ソーンズ

ccb<=100　探索 (1D100<=100) ＞ 75 ＞ 成功

ソーンズ

「……む」
スマホを片手に記事を怪訝な目で見つめる

ソーンズ

「夏が消えた……？」

ソーンズ

考え込み 何度か壁にぶつかりながら歩く内 気付けば玄関まで足を運んでいた

ソーンズ

ccb<=50 黄金時代の知識 (1D100<=50) ＞ 19 ＞ 成功

ソーンズ

「…………」
「鍵と 暗証番号は手元にある
　この扉は開けられる」

ソーンズ

「だが…………」

ソーンズ

言葉を一度切る
そしてこれまで同伴してくれた相棒に視線を向ける

ソーンズ

「今日は良い日だな メティス」

ソーンズ

「そうか それならもっと連れまわしてやればよかったな」

ソーンズ

「窓の外からは心地よい熱気が流れ込み
　汗を流せば涼やかな風が肌を撫でる
　手元には冷たい飲料と 陽気の中で楽しむにはちょうどいい娯楽がある……」

ソーンズ

「良い夏の日だ
　もう少しお前と一緒に楽しむべきだっただろうか」

ソーンズ

「そうか……まあ 俺は不思議と口が下手だと言われることが多いからな
　メティスも楽しめているならよかった」

ソーンズ

「……そして 俺も十分楽しんだと思う」

ソーンズ

「夏……お前は夏についてどう思う？」

ソーンズ

「……そうか それもそうだな」
機械的な返答におかしくなってしまった

ソーンズ

「それは”メティス”の感想か？
　それとも”AIスピーカー”の感想か？」

ソーンズ

「ならメティス　お前自身に改めて聞こう
　夏は好きか？」

ソーンズ

「なら俺とお前はどうやら気が合うようだ」

ソーンズ

「夏は好きだ
　人は各々が熱狂の中にいて 日々に力強い笑みを浮かべて生きる季節だ」

ソーンズ

「そして……それは過ぎ去ったとしても心に残る
　彼の”花火”はほんの一瞬夜空に咲いただけで 人の心に永遠の思い出を刻み付けたらしいな」

ソーンズ

「この夏も俺には良い思い出になった　お前のおかげだ」

ソーンズ

「フ……」
小さく笑った。また一つ、決して消えない夏が心の中に生き続ける。

ソーンズ

「だからもういいんだ
　俺が世話を掛けたなメティス」

ソーンズ

「ああ　俺は今から別れを言う
　夏に──夏の終わりに」

ソーンズ

メティス。”AIスピーカー”である彼女の姿を正面に見ながら。

ソーンズ

「”夢と知りせば覚めざらましを”」

ソーンズ

「…………」

ソーンズ

ccb<=64 (1D100<=64) ＞ 62 ＞ 成功

ソーンズ

「停止してくれ──」

ソーンズ

俺はいつの間にか忘れてしまっていたらしい。
だが、去り行くからこそ胸を打つものがこの世界にはある。
それを無理に留めるよりも、限りあるものを楽しんで記憶に焼き付けることの大切さを思い出せたのは、お前が一緒にいたからかもな……

ソーンズ

「──メティス」

ソーンズ

目を閉じ、体から力を抜いて倒れ込む。
暗闇の中で背がカプセルベッドのスプリングを押し込む感触が伝わった。

ソーンズ

「おはよう」

ソーンズ

「寝すぎた　夢見が良すぎるのも考えものだな」

ソーンズ

体を伸ばすと筋が固くなっているのが分かった。
「……しばらく運動が必要そうだ」

ソーンズ

「お前の体が羨ましくなるな」
（ありがたい提案だ、拒否はしない。検索を進めてくれ）

ソーンズ

「心配をかけたな」
画面越しなので意味はないとはわかっていたが、メティスの映る端末を撫でた。

ソーンズ

「それはすまなかったな」
少しの皮肉を込めて。

ソーンズ

「……世界は変わって夏は失われた　
　だが変わらないものもあった」

ソーンズ

記憶に少しの混濁があるのは自分でも分かっていた。
なので、ここからの話は単なる推測になる。
その認識は共有できていると確信しているので前置きはせず話すが。

ソーンズ

「VR世界 俺の家には鍵がかかっていた……不本意だが俺のものだろう」

ソーンズ

「何故そんなことをしたのか？
　……”俺”が目覚めの必要があると思っていたからじゃないかと 俺は信じる」

ソーンズ

つまり、抗不安薬を服用するような、狂気に蝕まれた精神の中にあっても。
俺自身に目覚めを促すだけの執着が、俺を現実に繋ぎとめようとしていたということだ。

ソーンズ

「まあ……こうして暗い外を見ると 少しの未練も無いのは嘘になる」

ソーンズ

「楽しめるかどうかは判断しかねるな」
冗談と分かるよう笑って。

ソーンズ

「だがメティスが楽しもうとするなら 俺も楽しむようにしよう」

ソーンズ

「俺は約束は守るものだと思っている」

ソーンズ

「だが こうにも暗い空じゃあな」
一度言葉を切って、医師に声をかける。

ソーンズ

「長い夢を見たが おかげで良いインスピレーションが湧いてきたんだ
　この薬剤は調達出来るか？」
と、爆発性及び可燃性の危険な薬剤の名前を並べ上げる。

ソーンズ

「ありがたい」

ソーンズ

「では頼む 薬剤はすぐでなくとも構わない
　ああ 紙とペンはすぐに欲しいが」

ソーンズ

「ありがとう」
すぐに没頭するように紙に化学式と数式を書き連ねていく

ソーンズ

ふと手を止めて。

ソーンズ

「メティス 好きな色はあるか？」

ソーンズ

「む……」
唸って、困った顔を浮かべる。

ソーンズ

「いや 構わない
　なら俺の独断で決めることにしよう」

ソーンズ

「──青と黄色がいい　基本色はそれにする」

ソーンズ

「夏を思い浮かべた時 青空の下に立つメティスの姿が思い浮かんだ」
金色の髪を揺らすメティスのインターフェースを見て。

ソーンズ

「それなら……こうで こうだな」
一つ決まって、また紙の上でペンを走らせる。

ソーンズ

暗雲が立ち込める空を見上げ、
紙面と照らし合わせる。

ソーンズ

「俺とお前がこの季節を楽しめるよう俺も努力する
　まずはその一環だ」

ソーンズ

「あの空に打ち上げるとしよう」

ソーンズ

「夏を肌に感じさせる──そんな”花火”を」

ソーンズ

宴だ……！