元は自分用に書いた奴なんで見づらくても許してくれ(^^) あらすじ 貴方たちは赤髪高校に通っている文芸部という名の実質TRPG部所属の高校生だ。 部長の様子がおかしいのでお見舞いに行こう。 (どんなキャラだろうと高校生として扱うんで好きなキャラで来てください) 推奨技能 POWは8以上欲しいので無条件に2d6+6で振りなおしてもいい。 回避(最重要)・目星・図書館・戦闘技能(いらんといえばいらんかも) 特に推理要素などはない真面目半分ネタ半分って感じの推理要素はないシティシナリオだな。 フランクに話しかけてくる神話生物とかがいやだったらやめた方がいいかも… 場合によっては強制ロストするエンディングもあるが即死トラップの類はないのでガンガン探索してくれ。 ちなみにこの世界の日本では男女ともに17歳で結婚できるということになっている。 かかる時間 前回は6時間半ぐらいかかりました 推奨人数 3人ぐらい? 以下PCたちが知っているNPCの情報 〇八木 成実(やぎ なるみ) 文芸部部長。二年生。APP18ぐらいの美人。 富豪のお嬢様だが唯一の肉親の父親が一年前に病死して以来一人暮らし中。 〇内藤 文芸部副部長。二年生。APP18ぐらいの美人。 親元から離れて現在一人暮らし中。 〇モブ部員 話には関わらないけどPC一人とかだと部員少なすぎるんで 〇イントロダクション いつか見た夢 貴方は夢を見た。満天の星空が見える海岸で話しかけてくる女の夢だ。 女の顔はおぼろげだ。ただなぜか、諦め、倦怠、安心、罪悪感、それら全てを混ぜ合わせたまどろむような表情をしていることだけはわかる。 「誕生日おめでとう。あそこでやる結婚式まであと一年ね……このままでいいの?」 遠くの方に見える社を指さしながら女が言う。 そのけだるげな言葉に返事をしようにも口が動かない。いや、動いてはいるようだが己の思う通りに動かず勝手に口が動く。 「たとえ嫌でもどうしようもないだろうって? そうね。お父様は異常者だもの。もし逃げたりしたら財力にものを言わせてきっと地の果てまで貴方と貴方の家族を追い詰めるでしょうね」 「というか私にそう言っていたわ。とんでもない人よね。結婚やめたいなら殺すしかないと思うわ」 「そんなことより私はどうなのかって? 一応反対ではあるけど……本当に嫌なら今頃お父様を殺しているだろうから……多分そんなに嫌じゃないんだと思うわ……」 「貴方は私が嫌がるようなことはしないでしょうし……貴方のことは愛せないけど友達だから一緒にいるのは楽しそうだし……うん、面倒だけれど私にとっちゃいい話かもね」 「それならいいって……本当にいいの? あなた都合よく使われるだけよ? 自由とか貴方のことちゃんと愛してくれる人とか欲しくないの?」 「私はいいのよ。結婚しようがしていまいが私が私として生きることには何の関係もないからね。私は私の好きなように人を好きになって愛するつもり」 「でも貴方は……真面目だからそういうのできないでしょう? こんなひどい結婚で縛り付けられていいの?」 「……貴方が望むなら私、お父様を殺してもいいと思っているのよ?」 女の言葉には重みがあった。本気でそう言っていると貴方は感じる、 そして口はまた勝手に動く。 「そう……いいんだ……まあそりゃあ人を殺してまで欲しいものってそうそうないわね。それじゃあ今まで通りよろしくお願いするわ」 「……………………ごめんね」 女が悲しそうにぽつりとつぶやいた言葉を聞いた瞬間、貴方の意識は闇に落ち、目が覚めるといつもの朝だった。 〇プロローグ 貴方たちは赤髪高校に通っている文芸部という名の実質TRPG部所属の高校生だ。 今日も貴方たちは連休前の放課後にTRPGをやるべく部室に集まっている。 そこに浮かない顔つきで拳に包帯を巻いている成実がやってきた。 「貴方たち……蕃を知らない?」 そう問われるが貴方たちに心当たりは全くない。 「私は知りませんね。というかなんですか蕃って?」 「そう……貴方たちも知らないのね……みんなそう言うのよ……一昨日まで確かにいたはずなのに……」 「尾上 蕃(おのうえ ばん)この部の副部長で、私の……友達よ。本当に知らない?」 「そんな人知りませんよ。というかこの部活の副部長は私ですよ部長?」  その言葉を聞いた成実に絶句の表情が浮かぶ。 「……ごめんなさい。疲れているみたい。私、今日部活休むわ……とてもそんな気分じゃないの……」 そう言って成実は帰って行った。 (もしPCが追おうとしたら内藤が引き留める) 「部長……昨日も欠席してましたし体調崩しているみたいですから無理に引き留めるのはやめておきましょう」 「それはそれとして今日やるゲームはPLが一人減っても何とかなるので皆さんは楽しんでくださいね」 「それじゃあ始めましょう。出航だァ~~~!!!」 そう内藤が言った瞬間貴方たちの意識は遠くなる。 あらゆる生き物に死を与えんとする暴力的な嵐が吹きすさぶ、冒涜的なまでの毒々しい野生の色をした樹海。 それが今あなたたちが立っている場所だ。 自分たちを取り巻く異常な状況に(0/1d6)の【SANチェック】 空を見上げるとドロドロと泡立つヘドロのような黒雲から幾多の雷光と大雨が降り注いでいる。 そして、山羊の鳴き声に似た狂気の叫びと共に唐突に地面が割れ、貴方たちは深淵の闇へと吸い込まれていった。 しばらくして…暗闇から声が聞こえてきた。おぞましい闇に生きるものが無理やり人の声を出さんと絞り出しているような声だ。 「つぶさないでくれ…つぶさないでくれ……どうかどうか……」 「そこに……いるのは……? そうか……お前たちに……託す」 「返事をしなくてもいい……ただ俺の話を聞いていくれ」 「先ほど見たのは未来だ……放っておけば近いうちに……この街は死の世界と化す」 「俺はもうここから動けない……頼む……街を救いたければ……を……ここに連れてきて……」 最後まで聞き終わらない内に貴方たちの意識は再び遠くなる…… 「宴だァ~~~!!!」 「セッションお疲れ様です」 ちりんちりんとした水晶が鳴るような音がした後、内藤の声が聞こえた。 気が付くと、貴方たちは部室の中にいた。 「いやー楽しいセッションでしたね」 内藤はまるで何事もなく平穏にセッションが終わったかのように振舞っている。 だが貴方たちの脳内には確実に先ほどの記憶が残っている。 不思議な気分にとらわれたまま今日の一日は終わる。 翌日、貴方たちは駅に集まる。なぜなら副部長である内藤に呼び出されたからだ。 そこに不安げな顔つきの内藤がやってくる。 「実は昨日、部長の家にお見舞いに行ったんですけど部長いなくて……その時は出かけただけかなと思ったんですけど……メールとかしても連絡つかないんですよ」 「部長昨日はなんか様子おかしかったですし……なんか嫌な予感がして胸騒ぎしますから部長の家に今から一緒に行きません?」 そんなこんなで貴方たちは八木成実の住所へと向かう。 そこは家というより屋敷と呼ぶ方がふさわしそうな建物だった。 ※この時、チャイムを押したりノックしても反応がない。 「……うーん……反応がないですね。……玄関空いていますし……中に入っちゃいましょう」 〇内部 家の内部は明かりがついておらず暗いが電気をつければ普通につく。 探索場所は以下の通り ・玄関(ここ) ・八木成実の部屋 ・寝室・書斎 (以下目星もしくは聞き耳情報) 家の中はとても静かであり人の気配がまるでしない。 どうやら今現在この家には誰もいないようだ。 ・八木成実の部屋 女の子らしい部屋だ。 机の上には古い日記がある。 ●古い日記 『きょうはばんくんとおままごとでなかよくあそびました。たのしかったです。これからもずっとなかよくしたいな』 『ばんくんがほしがみえるうみにつれていってくれました。みたこともないぐらいにきれいであたまがぐらぐらとゆれるようでした。あいことばは、いしのまえで ふんぐるい むぐるうなふ はいあはみ よちあまなーね やかへなたぼ いあ いぶ いざなみ』 『おとうさまがばんくんをわたしのいいなずけにしました。しょうらいけっこんするらしいです。たしかにばんくんとはなかがいいけど、きがはやすぎるんじゃないかとわたしはおもいました』 この日記を読み終わった探索者はなぜか頭がぐらぐらと揺れるような感覚を覚える。 (0/1)の【SANチェック】 ●一年ぐらい前の日付の日記 『お父様が来年の式についての話をしてきた。相変わらずお父様は本気で私と蕃を結婚させるつもりのようだ。私は女の方が好きだし、高校生で結婚とか早すぎると反対しても、実態はどうあれ名目上だけでも結婚してもらうの一点張りで全く私の意見を聞いてくれない。その上もし逃げたりしたら私だけでなく蕃の家まで破滅に追い込むとまで言い出した。……どうしよう』 『色々悩んだ末に蕃に相談して……このままでいくことにした。私にとってはお父様を殺すことにならなくてよかったと言えばよかったが、蕃はそれでいいんだろうか? ……あんなひどい二択しか提示できなくて申し訳ない』 ●日記の内容 四日前の日付にこう書いてある。 『明日の蕃の誕生日で高2にして結婚だ……形だけのものなので家族しか呼ばないが蓬莱島で祝詞を挙げてくれるらしい。面倒ではあるがあのキレイな場所でやると思うとちょっとワクワクする気持ちもないではないのが正直な気持ちだ。でもやっぱり面倒だなァ……』 二日前の日付 『気が付いたら蕃の家で起きた。何が起きたか全くわからない……誰もいなかったし、蕃はどこに行ったのだろう……よくわからないが手が痛い……今日は休もう……』 昨日の日付 『友人に聞いても誰も蕃のことを覚えていない。というより蕃という存在がまるでいなくなったかのようで頭がおかしくなりそうだ……お父様も一年前に病死していたことになっていたし……私は一体何を信じ、何を疑えばいいのだろう……明日はあそこに行ってみよう』 ・寝室・書斎 豪華な雰囲気の寝室と書斎であるが女の子の一人暮らしには不要そうな部屋だ。 書斎には世界文学全集などといった仰々しい本が並んでいる。 (図書館成功) 『大神の秘儀』というタイトルの本の中に何やら古びた手帳のようなものが挟まっていることに気が付く。 (図書館失敗) 適当に取った本の中に何やら古びた手帳のようなものが挟まっていることに気が付く。 ※もし本のタイトルなどを聞かれたら教える。 ●手帳の内容 前の方にかすれた筆跡で 『今日、偉大なる角を持つ御方と出会い、妻をささげて娘と莫大な富を授かった。だが、真の幸福とはあの御方に会えたことそのものである。恐れ多くも叶うならばあの方にもう一度会いたい』 『あれから幾度となく儀式を重ね、何人も生贄をささげたがあの御方には一向に会えない……諦めるしかないのだろうか?』 『幼い娘が友達を連れてきたのを見た瞬間、私に唐突に天啓が降りた。なるほど、あの御方は眠っているだけで既に私のそばにいたのか。ならば目覚めさせねばなるまい。だが今はまだ時期が早い、機を待たねば……』 と書いてある。 最後の方には比較的新しい筆跡で 『いよいよ明日、蓬莱島の社にてわが長年の計画を実行に移す。強引にでも娘と尾上の家との結婚を推し進めた甲斐があったというものだ。神聖なる場にて生贄を捧げればきっと目覚めてくれるだろう』 と書いてあった。 ●『大神の秘儀』 英語で書かれた本。 (英語もしくは図書館などで辞書を持ってくれば読める。時短する場合は書斎にあるということにしてもいい) どうやら詩集らしくパンという神を称えるよくわからない詩が延々と続いている。 唯一意味がわかるのは序文だけだ。 『大神の真の姿、決して見るべからず。不敬にも神の姿を目にしたものには死があるのみ』 (クリティカルでさらに以下の情報がわかる) 頭の中に声が響く 『生と死、全て表裏一体、聖なる地にて死した贄を捧げよ。さすれば生ける大神現る』 ◎パンの大神の招来/退散(シュブ=ニグラスの招来/退散の改変) 聖なる地にて1D10の正気度ポイントと任意のPOWと適切な犠牲を捧げる。 成功すれば捧げた任意のPOW×10の確率でパンの大神がやってくる 〇一通り家の探索が終わった後 「どうやら部長いないみたいですねえ……めぼしいものもなさそうですし出ましょうか」 貴方たちは部長は家を出た。 「部長。どこに行ったんでしょうか。蓬莱島の社って場所が怪しそうですけど……検索しても出てきませんし……」 その時、携帯の着信音が鳴る。 「あっ、これ私です」 「もしもし、内藤です……あっお母さん……? えっ!? あっ、はい、わかりました……すぐそっちに行きます」 「ごめんなさい、私、すぐにでも行かないといけない用事が出来てしまいしました……部長の事頼んでもいいですか?」 「一応携帯は繋がりますからなんかわかったら連絡くださいね。では」 そう行って内藤は去って行った。 〇探索場所 ・図書館 ・PCの友人のモブ生徒へ聞き込み ・その他(自由) 〇図書館 そこそこの大きさの図書館でまあまあ人がいる (図書館もしくは司書の説得などに成功) 『蓬莱島について』というタイトルの本が見つかる。 内容は以下の通り 『蓬莱島とは不老不死の仙人が住む東の海にある理想郷とされており、豊穣をもたらす常世の国とも言われる。面白いことにこの常世の国は死の世界の入り口である黄泉比良坂がある根之堅洲國と同一視されるときもあり、古代において生の豊穣は残酷なる死と表裏一体のものであったことがうかがえる』 (もう一度図書館もしくは司書の説得などに成功) 17年前の新聞が目に留まる。 『比良坂山にて謎の爆発、原因は隕石か?  先日、比良坂山で謎の爆発が発生した。光るものが空から落ちてきたとの証言から隕石が落ちてきたのではないかと付近では噂されているが肝心の隕石は見つかっておらず原因は謎に包まれている。幸いけが人などは無く、山の持ち主である比良坂神社神主の尾上さんはこれも神様の思し召しですねとのんびりしたご様子だ』 〇モブ生徒 「おれに何か用か?」 「蓬莱島の社……? そんなもんおれに聞かれても知らねえな」 「比良坂山か? そういえばあそこって地下に大空洞があるって噂を聞いたことがあるような……」 「比良坂神社か……最近神主さんが夜逃げしたって噂で聞いたな……ありゃご利益ねえな……」 「八木さん? 見てないな……それにしても美人だよな。あれで彼氏とかいないのが信じられ……ん、あれ、なんかそれっぽい奴いたような……?」 「内藤さん? 不思議ちゃんだな。時々何を言っているのかわからなくなるときあるぜ」 「尾上? 誰だそれ? そんな奴聞いたこともないぞ」 〇内藤の家(隠し探索場所) 内藤の住所に向かうと、古びたアパートが見つかる。 辺りからはなぜか髪の毛を燃やしたような匂いが漂い、ぶつぶつと何かを唱えているような声や叫び声が聞こえる。 鍵がかかっている。 (鍵開けや大家を言いくるめて鍵をもらう、登攀や跳躍して窓から入る、内藤に鍵の隠し場所を聞くなどで開けられる) 部屋の内装はちゃぶ台と布団があるだけというシンプルなものだ。 (目星) 布団の下にノートが隠されているのがわかる。 『世界観が壊れようともなお真実を求めるものへ』と書いてある ●ノートの内容 『最近何を言っているのか回りくどくてわかりづらいという評判が立っているので人間に化けて生活し、言語力の向上と人間への理解を図ってみましたが思ったより楽しいですね。這い寄る混沌が人間によく化けるのも納得です』 『大神の狂信者の行いのせいで蕃神が目覚めるとかとんでもないことが起きました。まさかお友達の尾上君が蕃神だったとは……人じゃないですけど人は見かけによりませんね。どうやらこの姿の時はいまいち勘が働かないようです。とはいえ狂信者の人が儀式の最中に死んだために大神は目覚めませんでしたし、尾上君も蕃神にも関わらず話の通じる方で、地下に引っ込んでもらえるようですから安心です。ですけどこれでよかったんでしょうか……? 仕方ないとはいえちゃんとお別れもせず記憶を消すのはなんだか嫌ですね』 『八木さんだけなぜか尾上君の記憶がありますね。なんででしょう? 尾上君の記憶を消し、当面の八木さんの面倒を見るというのは尾上君との約束ですし……今から見舞いに行きますか』 『まずい、尾上君の覚醒に引っ張られたせいか八木さんが大神になりかけています。一応尾上君を亡き者にして止めるという方法もありますが、友達にそんなことをやるのは嫌ですし、ここは皆さんの力を借りますか。今日一日私が大神の復活を止めている間に八木さんを探してもらいましょう』 ちょうど読み終わった貴方たちの後ろでガチャリとドアが開く音がする。そこには内藤がいた。 (別の場所で読んでいた場合は突然背後に出現させる) 「忘れ物を取りに来ましたが……見られちゃいましたか」 「仕方ありません。私の正体をお教えしましょう。私は炎を燃え立たせるもの、ヴォルヴァドス。人に助言を授け、助ける神です」 「まあ正体を知ったのも何かの縁ですし、せっかくですし崇拝してくれません? 今なら特別サービスで呪文だって教えてあげますし」 内藤が水晶が鳴るような声で言うと貴方たちの頭に以下の内容が入ってくる。 ◎陽炎の加護(肉体の保護の改変呪文):1D4の正気度ポイントと6までのPOWを注ぎ、 注いだPOWの数だけHPを1d6セッション終了時まで増やす。 異常な体験をした貴方たちは(0/1d4)の【SANチェック】 「どうです役に立つでしょう?」 「まあノートの内容見たらわかっているでしょうけど私は今もこうして覚醒を止めて疲れているんで、後はよろしくお願いします。なんかあったら呼べば来ますんで」 「蕃神ってのが蕃くんで、大神が八木さんですね。でも、そんなことより早く八木さんを探してください」 (説得されたら) 「うーん……直接動くってのは私の流儀ではないんですけどね……まあ彼にも頼まれたしいいでしょう。人間にできる範囲のお手伝いならできます」 (成実を探してどうするつもりかと聞かれたら) 「彼女がどうしたいかによりますかね。尾上君の記憶を失っているのであればそのままにしたいですし、会いたいというならば会わせてあげたいです」 〇比良坂神社 小高い山のような参道の入口の鳥居の奥には石段があり頂上へと続いている。 そこを登った先の境内からはなにか不気味な呪文のようなものが聞こえる。 (目星) 山羊の頭をした異様な風体の男が拝殿の中でなにかを唱えているのが見える。また誰かが拝殿内で寝かされているようだ。 山羊男の異常な姿を見た貴方は(0/1d4)の【SANチェック】 (聞き耳) いあ しゅぶ にぐらす と聞こえる  ◎山羊男 大神に祝福されしもの STR10 CON25 SIZ13 INT10 POW16 DEX10 移動8 耐久力19 DBなし 角笛で叩く 50 1d3+3 拳銃 50 1d8 見た人は(0/1d4)の【SANチェック】 ※ここでこれを放置してもエンドには行けると告げる。 どうします? 放置しても一応エンドには行けます 一応ね 戦闘でも、誰かが気を引かせている間に八木を連れて逃げるとかでもいいんでとにかくどうにかする。 逃げる場合は囮になる人が山羊男に追いかけられるが、DEX対抗ロールで逃げ切れる。逃げ切れなかったら囮になった人は戦闘になるが、格ラウンドの終わりにDEX対抗ロールで逃げることができる。 救出されて一段落したら八木成実が目を覚ます。 「あ、あなたたち……どうしてここにいるの」 「そう……蕃を探しに神社に来たら……不気味な山羊男に襲われて気絶しちゃったの……」 「そうだ貴方たち、蕃を見ていない? 一昨日からずっと見ていないの」 「そう……一緒に探してくれないかしら? またさっきの男みたいなのがいるかもしれないし」 ※ここでついていかずに帰るともやもやエンド。 (目星) 神社の裏手に獣道のようなものがあることに気付く。 ※ここで神社の拝殿を探索すると以下のものが見つかる (目星) ご神体が収められている所に鏡が見つかる。 見た瞬間、醜く死体となった自分の姿が見え、次の呪文が頭に浮かぶ。 ◎ 黄泉へのいざない(萎縮の改変呪文): 詠唱しながら50以上の任意のマジックポイントを注ぎPOW対抗で勝利したら、 注いだマジックポイントの数×マジックポイントを注いだ人数の数だけのダメージを与える。 黄泉以外では使えない。 詠唱は手番消費で難易度50以下で判定。 判定するごとに難易度が10ずつ上がっていきやりやすくなる。 ファンブルしたら舌を噛んで1ダメージ 鏡を見た探索者は(1/1d6)の【SANチェック】 神社の裏手にある獣道のような所を進んでいくととその先には大きな岩がある。 「ふんぐるい むぐるうなふ はいあはみ よちあまなーね やかへなたぼ いあ いぶ いざなみ」 成実が呪文を唱えると岩が音もなく動き、その下に地下へと続く坂道が出現する。 しばらく暗い地下を降りた貴方たちの前に現れたものは煌々と輝く星空と広大な海、そして鳥居がある島だった。 月こそ見えないが、星々の輝きがゆったりとたゆたう水面と向こう側にある島を照らす。 「きれいでしょう? 昔はよく蕃とここに来ていたなァ……」 「っと、思い出に浸っている場合じゃないわね。蕃の気配があの島からするわ」 「近くに船があるはずよ。向こうにわたりましょう」 (目星)で船が見つかる。 (水泳)でもいい 波もなく穏やかな海を行き、貴方たちは島にたどり着く。 島の鳥居の奥には比良坂山と同じく石段があり頂上へと続いている。 登った先には暗黒の宇宙の闇を閉じ込めたような真っ黒な拝殿があり、 そこから漏れ出た漆黒の光のように境内へと伸びている影の先に額に目を宿した冒涜的な姿の男が立っていた。 変わり果てたとはいえその顔を見た瞬間貴方たちは思い出す。 文芸部の副部長である尾上蕃、それが彼の事だと。 変わり果てた蕃の姿を見た貴方たちは(1/1d3)の【SANチェック】 「来たか……」 かつて聞いた絞り出すような声を蕃が出す。 ※ここで成実が付いてきてないとロストエンド 「蕃、貴方そこにいたのね……どうして突然いなくなったりしたの? 何があったの?」 「……説明をするからこっちに来てくれ」 「わかったわ」 「……すまん成実」 近づいた成実を蕃が凝視すると成実は気絶する。 「これから先の話は成実には聞かせたくない。だから眠らせた」 「さて…色々聞きたいことはあるだろうがその説明をする前に今の銀河の状況を理解する必要がある 少し長くなるぞ」 「この宇宙には人間が知らない、いや知るべきでない神々がいる。俺も末席ながらその一柱だった」 「17年前、当時の俺は何を考えていたかはわからないが隕石のようにこの星に降り立った。……そしてどういうわけか記憶を無くして人間として生きていた」 「だが、つい先日、この常世の社にて行われた結婚式で……成実の父親が、俺の両親と俺を拳銃で撃った」 「あの親父は異常なカルトに傾倒していた。恐らくは俺と俺の家族を贄として使って成実を神の依り代にするつもりだったのだろう」 「この目もその時の傷が元でできた」 額の目を指さしながら蕃はそう言った。。 「俺の両親はそのまま死んでしまったが……俺は人間として死したことで神として再び生き返った……その後のことはよく覚えていないな」 「気が付いた時にはあの男の死体と気絶している成実がいたよ。そして俺はこの事件をなかったことにすることにした」 「幼いころから勝手に結婚相手を決められた上に式当日に三人も人が死んだ。あまりにもひどすぎる話だろ? こんなこと……成実には覚えて欲しくないと思った」 「そういわけで、みんなの記憶を改変させてもらったんだが……肝心の成実だけは忘れてくれなかった」 「それどころか予知夢でとんでもないものまで見えた、成実が神の化身となり……地下にいる俺を探すためにこの街を滅ぼす夢だ」 「普通は神というものはそう降臨しないはずなんだが……どうも俺に引っ張られる形でやりやすくなっているみたいでな。俺が覚醒した際に死んで海に葬った成実の父親も理由はわからないがいつのまにか異形の姿と心になって蘇ってしまった」 「このままだと成実の人生がめちゃくちゃになる。とはいえ、俺が出てきてもそれはそれで地上がめちゃくちゃになるんでな。そこでお前たちに成実を探すように言ったわけだ」 「今度こそ成実には俺のことを忘れてもらった後……俺が死んでつながりを断ち切る。それで成実は人間として生きていけるはずだ」 その言葉を聞いた瞬間、成実の目がかっと開き、起き上がる。 「蕃、貴方、何言っているの……? もしかして死ぬ気……? そんなのやめてよ……」 「寝たふりをしていたか……なら」 蕃が何やらムニャムニャと唱えだすと再び成実が気絶する。 「……これはそう長くは効かない。すまないが早く記憶を消す儀式を済ませたいので成実を社に入れてくれないか? そこに俺の本体がいる。いまの俺の手だと成実に傷をつけずに運ぶ自信がない」 「俺だって死ぬのは嫌だが……他に方法が思いつかん。どうしたらいいんだろうな」 「成実が俺を大事にしているならなおさら成実にはつらいことになる。もう二度と俺には会えないんだ。覚えてない方がいいだろう。本当はお前たちにも思い出して欲しくなかったぐらいだ」 「成実の親父はな……俺に成実と週に一度は遊べだの色々注文を付けてやがった。そのせいで成実の交友関係を縛ってしまった」 「それに…あんな奴とは言え俺のせいで成実の親父は死んだ…もうこれ以上俺がいることで成実に迷惑はかけたくない」 「友達だ。それ以外の成実が迷惑がる感情なんか抱きたくない」 ※ここで内藤の家に行っていると内藤が突然出てくる。 「ちょっと待ってください。貴方は物事を焦りすぎです尾上君」 まるで最初からそこにいたかのように突然内藤がぬっと出てきた。 「成実さんが嫌って言っているのに無理やりやろうとするなんてあなた最低ですよ」 「しかし他に方法が……」 「あります。幸いここは根之堅洲國つまりカダスに繋がりやすい場所です」 「成実さんの記憶を忘却させた後、私が夢の門を作ります。そこを通って尾上君がカダスに行けばつながりは切れて成実さんは覚醒しなくなるでしょう」 「それともう一つ選択肢はありますよ。二人でカダスに移住すればいいんです」 「あそこなら神しかいませんし最悪覚醒しても問題ないでしょう」 「問題は成実さんの意志ですね。行くかどうかを決めるのは彼女です。起きるまで待ちましょう」 「だが……そんな決断をさせるのは……」 「貴方いいんですか? ちゃんとお別れもしないなんて? 二度と会えないんですよ?」 「……」 「とにかく待ってあげましょうよ」 「……そうだな」 ※蕃を戻したいと探索者が言った場合 「すまんな…俺はもう人間としては死んだんだ…いくら神でもできないことだってある。お前たちのそばにはもう戻れない」 「そうですね…ただの人間ならば復活もできなくはないんですが…尾上君は神ですし……ん……?」 「なんだ?」 「いえ、やめておきましょう。確証もないですし危険です」 「聞いたからと言って後悔しないでくださいよ」 「必要なのはパンの大神の力と…人になることに長けている神、這い寄る混沌の肉です」 「パンの大神は豊穣なる生をつかさどる神、そしてこの場は生死が表裏一体となっている場所、ならばこの場で成実さんを神として目覚めさせて……なおかつあの神の肉があればどうにかなるかもしれません」 「どうにかって……お前正気で言っているのか?」 「言ったでしょうやめておいた方がいいと。はっきり言いますがこの方法は成功する保障なんてどこにもありません」 「私がおすすめする方法としては成実さんの記憶を忘却させた後、私が夢の門を作ります。そこを通って尾上君がカダスに行けばつながりは切れて成実さんは覚醒しなくなるでしょう」 「それならまあ……」 「もしくは二人でカダスに移住するかですね。あそこなら神ばかりですから成実さんが神になっても問題ないでしょう」 「いずれにしても成実さんが起きてからの話ですね。二度と会えないかもしれないんです、お別れぐらいちゃんと済ませましょう」 「……そうだな」 「そうですね…………って大変です! 大勢の山羊男が向こう岸から来ますよ」 探索者たちがやってきた海岸から船に乗って大勢の山羊男が向かってくるのが見える。 「まずいな……俺一人ならなんとかなるだろうがお前たちが危険だ」 「ひとまずあなた方を転移しますか。ほとぼりが冷めたらまた呼び戻しますので」 「しゅしゅしゅごまる今日も元気~」 何も起こらない。 「あれ……? 転移できませんね……? なんででしょう? しゅしゅしゅごまる今日も元気~」 何も起こらない。 「……まずいですね。何かに妨害されてます。本気の全力を出せば転移できるでしょうが……私の抑えが外れて成実さんが神になってしまいます」 「早急に決断をお願いします。成実さんの記憶を忘れさせてこの場から逃げるか、あの集団をどうにかして成実さんが起きるのを待つか。ぶっちゃけ後者は命の保証ができません。前者ならまだ間に合います!」 「……背に腹は代えられん。死ぬわけじゃないんだ。成実の意志は無視して俺を忘れさせて済ませよう」 悔しそうに蕃が言う。 ※ここで忘れさせるを選ぶとノーマルエンド 「よくぞ言ってくれました! さああいつらをどうにかしましょう」 「……ありがとうなお前ら。こっちでもできるだけ片付ける」 蕃がそういうと社から伸びた黒い影が次々と上陸した山羊男たちに突き刺さっていく。 しかし、何人かはそれらをかいくぐり境内に到達する。 PCと同じ人数の耐久力5の山羊男との戦い。(量産型だから耐久力が低い) 戦闘終了後 「案外大したことなかったですね。よかったです」 「うーん……」 その時、成実が起きてくる。 「起きたか、眠らせてすまなかったな」 「まあ謝ってくれるんならいいけど……さっきの話はどうしたの? 死ぬなんてやめてよ」 「ああ、それはしなくてよくなった。俺がカダスって世界に行った後、お前が俺を忘れてみんなと楽しく生きるか、俺と一緒にカダスってよくわかんない所にお前が一緒に行くかのどっちかだ」 「何言っているのかよくわからないけど……じゃあ蕃と一緒にいる方にするわ」 「いいのか? お前の好きなものなんもない世界かもしれないんだぞ?」 「そうだったらなおさら蕃一人で行かせるわけにもいかないでしょう。貴方強がっているけど本当は一人で行くの不安なんでしょ?」 「……お前には何でもかんでも見抜かれてしまうな」 「決まりましたね…では夢の門を作るとしましょうか。しゅしゅしゅごまる今日も元気~」 内藤がやる気のない呪文を唱えるが何も起こらない。 「は?……まだ妨害されて……え?……いやいや、あれは……」 そう言って内藤が指さした先からは海を埋め尽くさんばかりの数の山羊男が島に向かってくるのが見える。 「さっきの100倍ぐらいはいるんじゃないでしょうか。どんどんこっちに向かってきますよ」 「俺でも手に余るぞあんな数は」 「……何あれ」 「貴方のお父様が増えたものですかね? よくわかんないです」 「そう……死んでまで迷惑かけるなんてひどい父ね」 「とにかくあれをどうにかしないといけませんがどうしましょう……私がいい方法思いつくまで時間を稼いでください」 戦闘開始 PCと同じ人数の耐久力5の山羊男との戦い。さらに1ラウンド立つたびにPCと同じ人数体増えていく 3ラウンドぐらいしたら内藤が思いつく。 「思いつきましたさっき殺した山羊の死体を私の所に集めてください」 「ありがとうございます。それでは成実さんこちらにお願いします」 「? これでいいのかしら」 「他の皆さんは私がいいと言うまで絶対に後ろを見ないでくださいね」 「闇より出でて闇より黒くその穢れを禊ぎ祓え」 内藤が呪文を詠唱すると同時に何かとてつもなく恐ろしいものが後ろの方に出現したことを貴方たちは目以外の五感で感じる。 (1/1d4)の【SANチェック】 恐ろしいものを正面から見た山羊男たちは一匹を除いて全員息絶えた。 「はい、もういいですよ」 「……内藤さん? なにこれ、私どうなったの?」 恐ろしいものから成実の姿に戻った存在が声を発する。 「貴方の意識を残したままパンの大神として覚醒させたんですよ。もうカダスに行くこと決めたみたいですし、あの山羊たちに貴方の真の姿を見せて殺しました」 「そう……元がお父様かと思うと少し複雑だけど……まあいいか、はっきり言って頭おかしい人だったし」 「まだ安心するのは早いですよ。恐らく転移できないのはあいつのせいです」 内藤が指さした山羊男が見る見るうちに体を膨らませ、地獄の深淵から這い出た鬼神のごとき禍々しい姿を現す。 「まさか這い寄る混沌…あなたまでここに来るとは」 「それはこちらのセリフだ。まさか貴様がここまでするとはな……おれ自身が直接手を出すつもりはなかったが、そちらがそう出るならおれも本気になるとしよう」 「さあ……楽しもうか……神々の争いを!」 冒涜的な叫びをあげながら闘争に興じようとする恐ろしい神の姿を目撃した貴方たちは(1/1d6)の【SANチェック】 戦闘開始 本来の手番とは別にラウンド終了ごとに角を持つ男行動 角を持つ男のHPが100減ったら以下の台詞を言わせる 「ハァ…ハァ…楽しくなってきた…!」 「グビッ!」 酒を飲んでHP100回復 「まだまだ楽しませてくれよ!」 軍荼利龍盛群 雷鳴八卦 ◎角を持つ男(ニャルラトホテプ) STR35 CON780 SIZ20 INT50 POW50 DEX20 移動10 耐久力400 角 90% 4d6+ダメージボーナス2d6 (1/1d6)の【SANチェック】 ※探索者一人の時のデータ。人数が一人増えるごとに耐久力を100増やす。 NPCのデータは一応用意しているがいちいち振っているとダレるのでラウンド終了ごとに15d6振って角を持つ男にダメージ ◎ヴォルヴァドス STR45 CON42 DEX20 POW75 INT50 HP42 こぶし 5d6 ◎蕃神 STR80 CON120 DEX14 POW50 INT20 HP50 触肢 5d6 ◎パンの大神 STR18 CON24 DEX16 POW70 INT21 HP70 こぶし 5d6 ※この戦闘では死んでも一回は復活できる。 ※2ラウンド目の終わり 「あいつとまともにやり合ってもこっちが先に殺されるな……俺にいい考えがある」 そう蕃が言うと貴方たちの頭に以下の呪文が浮かぶ ※探索者たちが言い出した場合 「その手があったか!」 ◎ 黄泉へのいざない(萎縮の改変呪文): 黄泉へと入る呪文を詠唱しながら50以上の任意のPOWを注ぐ。その後、POW対抗で勝利したら、 注いだPOWの数×詠唱に成功した人数の数だけのダメージを与える。 黄泉以外では使えない。 詠唱は手番消費で難易度50以下で判定。(NPCは確定成功) 判定するごとに難易度が10ずつ上がっていきやりやすくなる。 ファンブルしたら舌を噛んで1ダメージ 「俺がこれを使うから全員詠唱してくれ」 「面白そうなことやってんな…いいぜ、やれるもんならやってみな。おれに殺される前によォ!」 「ふんぐるい むぐるうなふ はいあはみ よちあまなーね やかへなたぼ いあ いぶ いざなみ! 生者よ、黄泉へと沈め!」 蕃が呪文を唱え終わると同時に海より伸びてきた幾多の青白い手が角を持つ男を掴む。 「ハァ…ハァ…おれの負けか…久々に楽しめた。覚えておく」 そして手は角を持つ男をバラバラに引き裂き、海へと戻って行った。 (1/1d6)の【SANチェック】 ※もし蕃を戻したいと言っていた場合 カダスエンドに行く 「終わりましたね……それじゃあカダスへと行きましょうか」 気が付けば社の後ろには異邦の地が広がっていた。 夢の門が開かれたのだ。 「ああ、お前たちには苦労を掛けたな。本当にありがとう」 「もう会えないと思うと寂しいけれど、貴方たちの事は忘れないわ」 「まあ私とはまた会えますけどね……では……しゅしゅしゅごまる今日も元気~」 内藤がやる気のない呪文を唱えると、貴方たちはだんだん意識を失う。 その最中、夕映えを受けて黄金色に輝く地へと向かう二人の姿が見えた気がした。 その後貴方たちは家で目覚める。 あれだけのことがあったにもかかわらず日常は何事も起きなかったように平穏そのものだった。 二人がいなくなったことを除いて。 これは貴方たちがある日眠りについた時の話だ 貴方たちは赤髪高校に通っている文芸部という名の実質TRPG部所属の高校生だ。 最近は比良坂山が大規模な地盤沈下を起こして崩れるという事件の話で校内はにぎわっているが そんなことに関係なく今日も貴方たちは放課後にTRPGをやるべく部室に集まった。 「ふふふ、今日は楽しみですよ。なにせ久々の全員集合ですもんね」 おかしそうに言う内藤の言葉に首をかしげていると…扉が開き蕃と成実がやってきた。 「久しぶりだな。向こうでの生活もようやく落ち着いてきてな。ようやくお前たちに夢で逢えるようになった」 「ええ、ここは夢の世界なのよ。住んだらむしろ前より快適だったわね」 「というわけでせっかくだしドリームランド探検シナリオを作ったから今日はこれで遊ばないか」 かくして貴方たちはまた二人と再会できた。 どんな冒険が待っているかはわからないがひとまずは再会を喜んでいいだろう。 再会エンドです。 ルート ・ノーマル 蕃を殺さずにエンディング 蕃だけカダスに行く ・再会エンド 内藤の家に行った後エンディング 二人ともカダスに行く ・ロスト 蕃を殺してエンディング 街壊滅エンド 成実を助け出さずに逃げ出す。街は壊滅するけどしったこっちゃない。 ・もやもやエンド 成実を助け出した後に逃げ出す。 ・人間に戻すエンド 蕃を人間に戻したいとPLが言った場合のエンド ・カダスエンド 〇人間に戻すエンド 「角を持つ男…這い寄る混沌の化身は消えましたね…ちょうど肉も手に入りました」 バラバラに四散したにもかかわらずびくびくと動く肉を内藤が手に取る。 「……できるのか? 俺を人間に戻すことが」 「わかりません。もしかしたら世界が滅ぶかも……」 「……できるわよ。神となった私にはわかる。ここは生と死が交わる場所だもの。蕃を人間として生き返らせるのも多分できるわ」 「でも聞いて頂戴、これには人間である貴方たちの生命力が必要で…もし失敗したら貴方たちは人間でいられなくなって…カダスに行かないといけなくなるわ」 「それでも……いい? 半分ぐらいの確率で失敗するわよ」 「……やめておけ。もう家族のいない俺たちと違ってお前たちには帰りを待ってくれる人がいる」 「そうね、私も正直お勧めできないわ。私は蕃が蕃でいてくれれば人間じゃなくてもいいし」 「やっぱりやめましょう。夢で逢えるんですからそれでいいじゃないですか?」 全員で生命力であるHPを1点でも捧げれば判定できる。一回きり。 choice 成功 失敗で判定 成功したら蕃と成実は人間に戻ってくれる 探索者たちは好きな神話生物になってカダス行きです。 「いいのね?」 「ええいこうなったら私も覚悟決めます。失敗した場合のアフターケアは任せてください!」 「わかったわ。目を閉じてて頂戴」 あなた方が目を閉じている間、何やらボリボリゴリゴリと言った恐ろしい音が聞こえてくる。 そうしていくうちに貴方たちの意識は遠くなっていった。 (成功した場合) その後貴方たちは家で目覚める。 あれだけのことがあったにもかかわらず日常は何事も起きなかったように平穏そのものだった。 ただあの二人はしばらく学校に来なかった。 貴方たちは赤髪高校に通っている文芸部という名の実質TRPG部所属の高校生だ。 最近は比良坂山が大規模な地盤沈下を起こして崩れるという事件の話で校内はにぎわっているが そんなことに関係なく今日も貴方たちは放課後にTRPGをやるべく部室に集まった。 「ふふふ、今日は楽しみですよ。なにせ久々の全員集合ですもんね」 おかしそうに言う内藤の言葉に首をかしげていると…扉が開き蕃と成実がやってきた。 「久しぶりだな。人間に戻った後のリハビリだの…家族の葬儀だの…遺産の整理だの…あの場所の封印だの…諸々のことがようやく落ち着いてお前たちの所に来れるようになった」 「まあねえ……蕃、最初は寝たきりだったから付きっ切りで見てないとあげなくて私も来れなかったのよ」 「その節はありがとうな成実。お前たちのおかげで人間として生きれるようになったが…人間として生きるのも大変だな。あははは」 朗らかに笑う蕃の顔はかつて貴方たちがよく見たものだ。 「まあそんなことよりはだ。せっかく集まったんだ。俺達が行く予定だったドリームランドの探検シナリオを作ったから今日はこれで遊ばないか」 「私もテストプレイに付き合ったんだけど楽しかったわよ」 「へ~楽しみですね」 かくして貴方たちはまた二人と再会できた。 どんな冒険が待っているかはわからないがひとまずは再会を喜んでいいだろう。 再会エンドです。 (失敗した場合) 目が覚めると貴方たちは異界にいた。 荒野が目の前に広がる。 「……ごめんなさい失敗しちゃったわ」 「……すまん」 「その……すみません。こちらが鏡です」 内藤が出した鏡を見ると貴方たちは異形の姿へと変貌していた。 「……で、内藤、カダスってここなのか?」 「殺風景ね……」 「いえ、どうも失敗したせいでズレズレにずれちゃったみたいですね……それもかなり遠くに」 「……というと?」 「こっから頑張ってカダスに行くしかないですね皆さん。頑張りましょう」 「冒険は卓だけでいいのになあ、……」 「え~そうかしら? 私ちょっとワクワクしてきたわ。きっと何とかなるわよ」 「まあ……それもそうか。一緒にがんばろうな」 かくして貴方たちはカダスへの冒険の旅に出ることになった。。 どんな冒険が待っているかはわからないが……まあきっとなんとかなるでしょう。 それはそれとして神話生物になったのでロストです。 〇ノーマルエンド 「じゃあな……覚えてないだろうが俺はお前たちといる時間、好きだったぞ。こんなことに付き合ってくれてありがとうな」 「では行きますよ……しゅしゅしゅごまる今日も元気~」 内藤がやる気の感じられない呪文を唱えると同時に何かが切れたことを貴方たちは感じ、それと同時に意識を失った。 貴方たちは赤髪高校に通っている文芸部という名の実質TRPG部所属の高校生だ。 最近は比良坂山が大規模な地盤沈下を起こして崩れるという事件の話で校内はにぎわっているが そんなことに関係なく今日も貴方たちは放課後にTRPGをやるべく部室に集まった。 そこに浮かない顔つきで成実がやってきた。 「ごめんなさい……これから補習受けに行かないといけなくて……GMできないの」 「またですか……」 「ごめんなさい……最近わけもなくとても悲しくてたまらなくなって……勉強があまり手につかないのよ。不思議よね……もうお父様がいない生活にも慣れたって言うのに……」 「まあそういうこともありますよ。代わりに私がGMやりますから補習頑張ってくださいね」 「内藤さん、ありがとう。だらしない部長でごめんなさいね」 「いえいえー副部長ですから部長を支えるのは当然で……」 「ッ……! ごめんなさい。行ってくるわ」 なぜか涙を浮かべながら成実は補習が行われる教室へと走って行った。 「……今度遊びに行ってあげましょう。一人暮らしですとさびしいですもんね」 「それでは湿っぽい話はここまでにして彼女の分まで楽しいセッションをはじめましょうか」 こうして何事もなかったかのように貴方たちの日常は戻って行った。 成実もその後しばらくして笑顔を取り戻していった。ただ時折何かを思い出そうとするかのように遠い空を見上げるという、いつの間にかついた癖は死ぬまで治らなった。 日常に戻るエンドです。 ○ロストエンド ※番を殺すまでは探索者が戻るとか言い出したら、素直に戻らせてあげる。 「成実はいないのか……仕方ない。俺を殺せ。それですべては片が付く」 「このままだと神が覚醒して街が滅びるんだ」 「俺に引っ張られてとんでもない神が来ようとしている。早くしないと間に合わない」 「……この呪文を唱えてくれ」 ◎ 黄泉へのいざない(萎縮の改変呪文): 黄泉へと入る呪文を詠唱しながら50以上の任意のPOWを注ぐ。その後、POW対抗で勝利したら、 注いだPOWの数×詠唱に成功した人数の数だけのダメージを与える。 黄泉以外では使えない。 「……多分ここにいる全員の精神力を注げばなんとかなるだろう」 唱えると自動成功。 「じゃあな……覚えてないだろうが俺はお前たちといる時間、好きだったぞ。こんなことに付き合ってくれてありがとうな。目は閉じていた方がいいぞ」 見なかった場合 何か恐ろしいものが出てきた気配がした後、気が付いたら境内の社と番がいなくなっていた。 見た場合 そう言って蕃が呪文を唱え終わると同時に海より伸びてきた幾多の青白い手が社にいた黒くおぞましい何かと蕃を掴む。 そして手はそれらをバラバラに引き裂き、海へと戻って行った。 (1d10/1d100)の【SANチェック】 その後、貴方たちが帰って山を下りた後、大きな音を立てて山が崩れた。 貴方たちは赤髪高校に通っている文芸部という名の実質TRPG部所属の高校生だ。 最近は比良坂山が大規模な地盤沈下を起こして崩れるという事件の話で校内はにぎわっているが そんなことに関係なく今日も貴方たちは放課後にTRPGをやるべく部室に集まった。 その時突然内藤からメールが届く 『今すぐ逃げてください』 そこにニコニコした顔つきで成実がやってきた。 「今日やるゲームはとっても面白いわよ。さ、みんな部室に入りましょう」 「それじゃあルール説明をするわね。はじめに私が10秒数えますのでその間にできるだけ遠くに逃げてね」 「10数え終わったら私があなたたちを追いかけて」 「一人一人順番にじっくりと蕃が受けた痛みを100倍にして返して殺してあげるわ」 「全員殺したところでゲーム終了。どう面白そうでしょう。私の友達を殺した貴方たちならきっと楽しんでくれると思うわ」 「親切な人に教えてもらって、全部知っているんだからね。貴方たちが私の大事な友達に何をしたのか……」 「それじゃあ始めるわよ。はい、いーち……」 怒りを露わにしたパンの大神の化身を見た貴方たちは(1d100/即死)の【SANチェック】 その後、赤髪高校文芸部の部員を見たものはいない…… ロストエンドです。 ○もやもやエンド 特に何も起きることはなく貴方たちは無事家に帰りつけた。 その後の日常は何事も起きなかったように平穏そのものである。 成実が転校していなくなったことを除いて。 貴方たちは赤髪高校に通っている文芸部という名の実質TRPG部所属の高校生だ。 最近は比良坂山が大規模な地盤沈下を起こして崩れるという事件の話で校内はにぎわっているが そんなことに関係なく今日も貴方たちは放課後にTRPGをやるべく部室に集まった。 「部長が転校してこの部も少し寂しくなりましたね」 「まあいつまでもくよくよしてもしょうがないですし今日もセッションをやりましょうか」 新しく部長になった内藤が元気そうに声をかける。 「出航だァ~~~!!!」 一体あの後、何が起きたのだろうか? 時たまそのように好奇心がうずくことはあるがきっと知らない方がいいのだろう。そう言い聞かせて貴方たちは今日も日常を生きる 〇街壊滅エンド 貴方たちは逃げ出した。 どこかは知らないがとにかく遠い所だ。 しばらくして貴方たちが住んでいた街で異常気象が発生して滅んだというニュースを聞いたが貴方たちにはもう関係ない話である。 真相  尾上蕃の正体は17年前に宇宙より落ちてきた力と記憶を失って人間として生きている正体不明の神話生物だった。  カルトの狂信者であった八木成実の父親はある日天啓によりそれを察知し、その肉を娘に取り込ませて眠りしパンの大神を呼び覚まそうとする。  決行の日、蓬莱島の社にて八木成実の父は蕃と蕃の両親を殺す。激高した成実が父親を殴り殺した後、神話生物として蘇った蕃を見て発狂して泣き崩れながら気絶する。そこへ神の覚醒の気配を感じ取ったヴォルヴァドスである内藤もやってくる  あんまりにもあんまりな出来事で八木成実の精神が壊れるのとパンの大神の覚醒を防ぐために、蕃と内藤は周囲一帯の記憶と記録を改変させてこの出来事全てと蕃の存在をなかったことにした。  だが、八木成実は蕃のことを忘れなかったために覚醒しかけており、さらに通りすがりのニャルラトホテプが八木成実の父親を神話生物として蘇生させ、パンの大神を復活させようと画策しだした。  それを防ぐためにヴォルヴァドスが探索者たちに未来を見せてどうにかしようとしたのが真相。 ◎尾上蕃 死を振りまく星宙より降りてきたる蕃神。 オリジナル神話生物でシアエガの親戚か何かのイメージ。 17年前に目的不明だが地球に到達。記憶と力を無くし人間として生きてきた。 結婚式の最中に八木成実の父親に拳銃で撃たれて人間として死亡し神として覚醒した。 覚醒後は外に出たただけでどんどん人が死んでいくので外に出れなくなってた。 (夢の中で会うとかなら平気) ◎八木成実 シュブ=ニグラスの化身にして荒ぶる自然の大神、パンの大神。 元々女神だしたまには女になるのもいいかと思って、たまたま出会った八木成実の父親に人間の女性として自分を託して生きてきた。 人間として生きようと考えたので思考レベルも人間並み。 ちなみに女が好きなのはパンの大神としての性質に引っ張られているため。 ヴォルヴァドスの事象操作により結婚式の事は忘れていたが、大事な友達である蕃のことだけは覚えていた。 蕃に引っ張られる形で神として覚醒しかかっている。 ◎内藤 炎を燃え立たせるもの、ヴォルヴァドス。 助言がわかりづらいと言う評判が立ってきたので言語力の向上と人間への理解を図るために人間に化けて生活していた。内藤なんてニャルっぽい名前を使っているのはちょっとしたいたずら心。 蕃の頼みでこの町一帯の記憶と記録を改変させて、蕃という存在がいなかったことにしたが微妙にニャルに妨害されたので記録が残っている。 ◎八木成実の父親 パンの大神の狂信者でかなりヤバい人。 パンの大神に出会った際に完全に狂い、もう一度会うため娘に結婚相手の肉を捧げようと計画する 蕃の覚醒の際に死ぬがニャルラトホテプに生き返されて、今度は娘を殺して無理やり目覚めさせようとする神話生物になった。 ◎角を持つ男 ニャルラトホテプ、 八木成実の父親に天啓を授けたり、蘇生したりしていたのはこいつ。 あと記録が残っているのも実はこいつの仕業。 大神出てきたら大混乱になって面白いだろうなーぐらいの軽い気持ちで動いているため、成実と蕃とのつながりを絶たせた場合は興味を失って別の所に行く。 ◎大神の秘儀 イギリスのゴーツウッド出身の狂気に陥りし詩人が書いた本。 普通の人にはわけのわからない詩集でしかないが、 素質あるものにはパンの大神の知識を得る魔導書となる。 ◎山羊男 大神に祝福されしもの STR10 CON25 SIZ13 INT10 POW16 DEX10 移動8 耐久力19 DBなし 角笛で叩く 50 1d3+3 拳銃 50 1d8 (0/1d4)の【SANチェック】 CCB<=400-250 POW対抗ロール ◎パンの大神の招来/退散(シュブ=ニグラスの招来/退散の改変) 聖なる地にて1D10の正気度ポイントと任意のPOWと適切な犠牲を捧げる。 成功すれば捧げた任意のPOW*10の確率でパンの大神がやってくる ◎陽炎の加護(肉体の保護の改変呪文):1D4の正気度ポイントと6までのMPを注ぎ、 注いだMPの数だけHPを1d6セッション終了時まで増やす。 ◎ 黄泉へのいざない(萎縮の改変呪文): 詠唱しながら50以上の任意のマジックポイントを注ぎPOW対抗で勝利したら、 注いだマジックポイントの数×マジックポイントを注いだ人数の数だけのダメージを与える。 黄泉以外では使えない。 ◎角を持つ男、偉大なる角の御方(ニャルラトホテプ) STR35 CON780 SIZ20 INT50 POW50 DEX20 移動10 耐久力400 角 90% 2d6+ダメージボーナス2d6 (1/1d6)の【SANチェック】 ※探索者一人の時のデータ。人数が一人増えるごとに耐久力を100増やす。 ◎ヴォルヴァドス STR45 CON42 DEX20 POW75 INT50 HP42 こぶし 4d6 ◎蕃神 STR80 CON120 DEX14 POW50 INT20 HP50 触肢 4d6 ◎パンの大神 STR18 CON24 DEX16 POW70 INT21 HP70 こぶし 6d6 パンの大神が顕現する仕組み 殺される(この方法だと暴走して滅びる) 手順にのっとって召喚する(この方法だと成実の意識を残したまま大神として顕現できる) ヴォルヴァドスがあんまり真面目に助けてくれない理由 豊穣の化身たるパンの大神が顕現するというのはそれはそれで人間の利益に繋がる上に カルトとはいえ人間が望んでやっている行いだからあまり手だししたくない。