noname
x5 3d6 #1
(3D6) ＞ 9[2,2,5] ＞ 9
#2
(3D6) ＞ 11[3,2,6] ＞ 11
#3
(3D6) ＞ 13[4,5,4] ＞ 13
#4
(3D6) ＞ 8[3,1,4] ＞ 8
#5
(3D6) ＞ 6[2,3,1] ＞ 6
GM
GM
GM
GM マキマは月明かりのみが照らす海にいた。
マキマ 「そろそろかな」
GM 海面が盛り上がる。黒い海が激しく飛沫を挙げ、まるで主の帰還を祝う拍手を奏でるかのように騒がしく波立った。
GM 海を割って現れたのは──山だ。山がよろめきゆっくりと動き出したことで、それが山でないことがようやくわかった。
GM 無数の触覚で顔を覆い、濡れたゴムのようにぬらぬらと光る鱗に覆われた肉体が、一歩一歩と進むたびに海を震わせ、大地を絶望させる。
マキマ 「何の悪魔だろうね」
GM 最早人々は手を合わせ、ただ呆然と見上げることしかできない。
GM かの存在はそれだけ──存在するだけで生命を諦めさせる力があった。
GM 心の臓が中心から冷え、固まっていく感覚。呼吸が浅く小刻みになる。
マキマ キメハラ失せろと言いなさい
GM
キメハラではないので効果はなかった。
悲しいだろ。
GM しかし幸いなことは、頭の芯も同じように機能が失われていくことを感じられることだ。
GM 海の王は触手を広げ、大地を絶望とともに血で染め上げるだろう。
GM 矮小な生命を悲観せよ。偉大なる神を仰ぐのだ。
GM 最早この大地に進化も発展も不要である。恒久たる絶望が満ちる星で、死のみが唯一の救済と知るがいい。
マキマ 「まぁ死んでも地獄に行くだけなんだけどね」
GM
GM
GM 汗が滲んでいた。
GM マキマは最近、悪夢をよく見る。冷たい汗を纏わせ、鈍い頭痛と共に起床するのが日課だ。
マキマ 「おはようございます」
デンジ 「ワン！」
マキマ 「デンジくんおはよう、よく眠れたかな」
デンジ
デンジはメンタルブレイクしていたのでワンしか言えません。
悲しいだろ。
デンジ 「ワン！」
GM 北極より迫る青白い光に飲まれ息絶える、緑の一つ目に睨まれながら無数の触手に飲み込まれる、風に弄ばれ空で蹂躙される、生姜焼きにされて食われる……数えきれないほどの恐怖が、夢を介して脳に深々と刻まれていた。
マキマ 「へ〜」
GM ともあれ、夢で日常生活をおろそかにするわけにもいくまい。マキマは日常生活を開始する。
マキマ 「じゃあお散歩に行こうかデンジくん」
デンジ
「ワン！」
すぐ着替えに向かって散歩の準備をする。
マキマ 「まずはアキくんの家に行こうかな」
GM それでは向かった。
GM そして着いた。
マキマ 「まずはチャイムを鳴らそうかな。」
GM チャイムを鳴らして少し待つと、ドアが開く。
アキ 「マキマさんじゃないですか」
マキマ 「久しぶりだね、アキくん。何か最近気になることはないかな」
アキ 「気になることですか……」
アキ 「悪魔とは多分関係ないんですけど、明日の夜に珍しい星の配列が見れるみたいですよ」
マキマ 「へぇ…パワーちゃんの様子はどうかな」
アキ 「ニュースで何千年に一度の配列だと知ったら『ワシは何千回も見たことある』とか言ってましたね」
アキ 「まあいつもの戯言ですね」
マキマ 「何千年に一度か、気になるね」
アキ 「星の配列については昴ドームで天体観測が行われるそうです」
アキ 「入場無料だそうなので気になるなら行ってもいいかもしれませんよ」
マキマ 「じゃあ行こうかな、アキくんもどうかな」
アキ 「えっいいんですか！？」
アキ 「是非行かせてもらいます」
マキマ 「デンジくんも一緒にね」
デンジ
アキがいるのでワンと言いにくくかった。
そのぐらいの理性が残っていたみたいですね。
マキマ 悲しいでしょ
アキ 「まあいいでしょう」
アキ 「明日の夜ですね。いつのどこで落ち合うとかあればここで決めますか？」
マキマ 「現地集合でいいよ」
アキ 「わかりました」
マキマ 「他に何か変わったことはあったかな、アキくん」
アキ
「他ですか……」
少し考える。
アキ 「他は……特にないと思います。まあいつも通り忙しないのはありますけど」
マキマ 「そうなんだ、ありがとう。じゃあまた明日ね、アキくん」
アキ 「はい、また明日」
マキマ 「じゃあ行こうか、デンジくん」
デンジ 黙ってついていく。
アキ
デンジについては疑問に思ってないのは多分マキマに洗脳的なことされて盲信してるからでしょう。
原作と一緒。
GM
GM
GM マキマは夜に目が覚める。悪夢を見ない、久しぶりの目覚めだ。
マキマ 「よく眠れたかな」
デンジ デンジはまた寝ているように一瞬見えたが、すぐに異常なことに気づくだろう。
デンジ 眠っているようにしか見えない安らかな顔は、呼吸をすることはない。しかし触ると体温は感じられる。
デンジ 体温はあるのに、息絶えていた。
マキマ 「うーん、デンジくんが死んじゃった」
デンジ 窓から淡い灯りが差し込む。
マキマ 「またロープ引っ張らないと」
GM 天体観測のイベント会場であるはずの昴ドームだけがほんのりと明るいことに気がつく。
マキマ 「おや、彼処だけ明るいね」
GM マキマは支配の悪魔で格が違うので、そのドームに何か得体の知れない何かがいることがわかるでしょう。
GM その灯りも、ドームの設備ではなく『何か』が起こしていることも。
マキマ じゃあデンジくん持っていきながらドームまで向かおうかな
GM
GM 向かう道中でわかったことがある。
GM 隣人、野良猫、街のすべてが、世界のすべてが沈黙している。活動している人間がいないため、街はとっぷりと暗い。
GM そして全てが息絶えているということは……。
マキマ 「まるで私以外時間が止まってるみたいだね」
GM マキマが契約している数多の人間も息絶えているということになる。
マキマ 残機0だね
GM 今のマキマは誰も支配していないし、支配を恐れる者もいない。
GM つまり、悪魔としての力がなくなっていることを意味する。
マキマ ただの人間で確定
GM 契約者が誰もいないまま昴ドームへ進む。
GM
GM 昴ドームへつくと、淡い灯りが更によく見える。
GM 周りには誰もいない。
マキマ 「やっぱり誰もいないね」
GM 誰もいないので中に入れそうだ。
マキマ じゃあ入ろうかな
GM 中に入ると、そこでは。
燃彦 炎のようにたゆたう衣を着た友彦と。
冷彦 氷のように透き通った衣を着た友彦が碁を打ち、ぬるいジュースを交わしていた。
GM あの灯りは、この二人から放たれていることに気がつく。
マキマ 「へぇ、なんかすごいね」
GM 二人はマキマに気がつくと、至極穏やかに、一連のことを説明する。
燃彦 「星の並びが変わることは人間たちも気づいているのだろう」
燃彦 「星辰が揃いし時、眠っている神々の夢は終わり、破壊と絶望の限りを尽くす未来が来る」
燃彦 「地球は生命の終わりを憂いた。そして愛されたのがあなた、だ」
マキマ 「へぇ、私が愛されたんだね」
燃彦 「然り」
燃彦 「地球は近い未来を夢に乗せてあなたに届け続けた。しかしあなたは力を失った悪魔だ、どうすることもできはしない」
冷彦 「だから私達が手を貸すことにした」
冷彦 「地球に愛された悪魔ならば、空に召し上げるに相応しい才覚だ。ならば単純な話、あなたを星にして星図を書き換えてしまえば良い」
マキマ 「ファイアパンチで確定」
冷彦 「……しかしそれは、友彦の系譜に連なることを意味する。悪魔であることを捨て、愛したチェンソーマンと違う時の流れで恒久を生きることを強いはできまい」
冷彦 「これを最期の時と定め、わずかな時間を慈しみ地球とともに果てることもまた、生命に許された道である」
冷彦 「であればせめて、暴虐な神々に最期を恐怖で踏み潰されぬようこのまま穏やかに眠らせてやることもできる」
冷彦 「私達にできることは、あなたを空に召して友彦星にすること。あるいは優しい最期を迎えさせてやることだ」
マキマ 「名前をナユタ星に変えられるなら空に召されても良いかな」
燃彦 碁を進め、少し思案する。
冷彦 碁石の音が数分響いた後に答えが出る。
燃彦 「それは残った人間の想い次第だ」
マキマ 「想い、か」
冷彦 「あなたを見て、何を想うか。それによってあなたの存在が揺らぐだろう」
マキマ 「女神星になる可能性もあるし空に召されてみようかな」
燃彦 「生きてくれるか」
燃彦 「愛した人々の笑顔が最早、寄り添うものではなく見守るものになっても」
冷彦 「愛した人々の命が終わっても尚、何ひとつ支障をきたさないまま回っていく世界を見つめることになっても」
マキマ 「チェンソーマンがまた私を助けてくれることを信じてるからね」
GM 友彦らは傾けていたものと同じぬるいジュースをマキマにも勧める。その中には無色透明の液体に、星のような粒が無数に輝いていた。
マキマ 「綺麗だね」
燃彦 「それを飲み干すことで、天に召される資格を手にする」
マキマ 「じゃあ飲もうかな」
冷彦 「ただし、チェンソーマンが助けてくれるかは、あなた次第だ」
マキマ 「チェンソーマンなら助けてくれるよ、彼はデンジ君だからね」
燃彦 「成程」
冷彦 「では、飲むといい」
マキマ 「いただくね」
冷彦 マキマがぬるいジュースを傾けると、友彦らも柔らかく微笑み、それに倣う。
GM ぬるいジュースを飲み込んだマキマの体は光を放ち、ゆっくり浮き上がり──
GM 姿が徐々に変わっていく。
マキマ 「おや…」
GM そう……姿が段々と友彦に……。
GM いや友彦っぽい何かになった。
マキマ 「びっくりだね」
GM マキマは偽彦になった。
GM そして、夜空へと昇っていった。
マキマ 「空に登るのは気持ちいいね」
マキマ 「でもこの姿は不服かな、あの姿になりなさい。」
マキマ 「出来たかな」
GM 偽彦はナユタになった。
マキマ 「遠くから見守ることになるなんて思わなかったけど、これはこれでいいかな」
GM マキマは偽彦になった後にナユタとして生まれ変わった。
GM そして遥か光年の彼方まで昇っていった。
マキマ 「ファイアパンチでも見てる気分だね」
GM
GM
GM 朝、何時も通り目を覚ました人々は口を揃えて「今日の夜に！」と言葉を交わす。
GM マキマはもういない。目覚めたときには人々はマキマのことを覚えていないだろう。
GM そして揃って見上げた星空が期待を裏切ったことに、肩を落とし不満に口を尖らせるかもしれない。
GM しかし、そこには悠久の時から頭上を照らしてきた美しい星々があるのだ。人はあっけなく、宝石箱をひっくり返したような星空の虜になることだろう。
GM 人々は指を指し、星をなぞる。綺麗だね、そう口にして、やがて笑顔を浮かべる。あなたを見つめながら。
GM END 431光年先の君へ
GM
GM
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