[メイン3] 美樹さやか : 「……ふう、よいしょっと」
[メイン3] 天江衣 : 「な、なんだいきなり引っ張って!藪から棒だぞ!」
[メイン3] 美樹さやか : 仕事終わり、誰も…否、二人以外いない通り廊下で
[メイン3] 天江衣 : 静寂な時の中、冷たい床の上で二人は見つめ合い
[メイン3] 美樹さやか : 「…ね、衣」
[メイン3] 天江衣 : 「……な、なん、だ……?」
[メイン3] 美樹さやか : 薄く、というよりはにっこりと…笑いつつも
[メイン3] 美樹さやか : 顔をぐいっと近づけて
[メイン3]
天江衣 :
「……っ……!」
バクン、と心臓が跳ねる
[メイン3]
天江衣 :
「あうぅ………………」
目を左右キョロキョロさせながらも……
[メイン3]
天江衣 :
「…………」
ぎゅっと閉じ
[メイン3]
美樹さやか :
その様子を見て。
あ、可愛い…とか思いながらも
[メイン3] 美樹さやか : 唇を奪うようにキスをする
[メイン3]
天江衣 :
「んっ…………」
重なる唇
[メイン3] 美樹さやか : 熱を熱で覆う様な情熱的な行為に、した自分ですら虜になってしまいそうで
[メイン3] 天江衣 : さやかの口に比べて、衣の口は小さく、簡単に覆われる
[メイン3] 美樹さやか : 「んむ……ちゅ……」
[メイン3] 美樹さやか : 自分も目を閉じて、その熱の感覚を味わう
[メイン3]
天江衣 :
「ちゅっ……ちゅ〜……!」
唇を少し尖らせ、衣が知り得るやり方でキスをする
唇だけを合わせるソフトなキス
[メイン3] 美樹さやか : (……ちっちゃくって可愛い、あーもう……傍から見ても見なくても事案だけどさ……)
[メイン3]
美樹さやか :
「んんっ、ちゅっ…!」
そのソフトキスを受け入れて、唇だけでキスをし合わせる
[メイン3] 天江衣 : 「んちゅ……んふぅ……ふぅ………」
[メイン3] 美樹さやか : 「んんむぅ……ぷはぁっ……」
[メイン3]
美樹さやか :
「……ごめんね、いきなりやっちゃって」
あはは、と笑みを崩さずに
[メイン3]
天江衣 :
「ぷは………」
すっかり紅潮し切った顔で、さやかを上目遣いで見つめる
[メイン3]
天江衣 :
「………………初めて、だったんだぞ」
さやかの服をきゅっと摘む
[メイン3] 美樹さやか : 「う、それは……ごめん」
[メイン3] 美樹さやか : きゅっと摘んだその手の上から手を被せるように合わせて
[メイン3] 天江衣 : 「………!」
[メイン3] 美樹さやか : 「あたしさ、ずーっと言えなくてモヤモヤしてたんだ」
[メイン3] 美樹さやか : 「……でもさ、言うべきなんだって…少女の今のまま、今だけなら」
[メイン3]
天江衣 :
「………う、うん……」
潤んだ瞳で見つめ
[メイン3] 美樹さやか : 「…好き、好きだよ衣」
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天江衣 :
「〜〜〜〜〜〜っ………!!」
湯気が出る、顔を真っ赤っかにし俯く
[メイン3] 天江衣 : 「………そんなのっ、狡いぞ……!」
[メイン3]
美樹さやか :
「……あーもう!」
ぎゅーっと抱きしめる
[メイン3] 天江衣 : 「あうぅっ……!」
[メイン3] 美樹さやか : 「そういう所が可愛くって……大好きなんだもん…」
[メイン3]
美樹さやか :
「…ごめんね、あたしは魔法少女のくせに小狡いんだ」
舌をてへ、と出しつつ
[メイン3]
天江衣 :
「……好きって言葉は……簡単に人に言っていい言霊では無いぞ……!!」
[メイン3] 天江衣 : 「…………………」
[メイン3] 天江衣 : 「……衣も、さやかのこと………」
[メイン3] 天江衣 : 「……す…………す………き、嫌いじゃないぞ!」
[メイン3] 美樹さやか : 「……また、狡いこと…言うね」
[メイン3] 美樹さやか : じっと、目を見つめて…
[メイン3]
美樹さやか :
「嫌いじゃないかぁ…あたしはね…
衣の事しか好きじゃないし、こんなこと衣にしか言わない」
[メイン3] 天江衣 : 「………さや、か………」
[メイン3] 美樹さやか : そこにいつものおちゃらけた様子はなくて、真剣に衣の顔を見つめて
[メイン3]
天江衣 :
「うぅぅ〜………」
そんな様子のさやかに心乱され、すっかり縮こまる
表情には羞恥と、僅かながら歓びが顔を出していた
[メイン3] 美樹さやか : 「……だからその……もし良ければさ……」
[メイン3]
美樹さやか :
「あたしと…付き合う〜……なんて、あはは、どうかなぁ」
しかし気恥しさからか、それとも言いきれない自分の質からか。
真剣に言えずに笑顔で取り繕いながら、誤魔化しながら。
[メイン3] 天江衣 : 「…………………」
[メイン3] 天江衣 : 「………衣は、気難しいぞ、それでも良いのか……?」
[メイン3] 美樹さやか : 「……!」
[メイン3]
美樹さやか :
「……別に気難しくなんてないよ!そういう所がその……可愛いって思ってるし!」
思わず両手で握りしめて
[メイン3] 天江衣 : 「うぅぅ………!!……そんなに可愛い可愛いばかり言われては……恥ずかしくて爆発してしまいそうだ……!」
[メイン3]
美樹さやか :
「……だって」
ちょっと顔を背けて
[メイン3] 美樹さやか : 「……こんなこと面と向かって言えるの、衣だけだし」
[メイン3]
天江衣 :
「……その言葉、信じるに値するな……?」
[メイン3]
美樹さやか :
「……うん」
それでも、顔を赤らめながらも
[メイン3] 天江衣 : 「……………分かった……」
[メイン3]
美樹さやか :
「…………衣…」
思わず顔を向けて
[メイン3] 天江衣 : 「………衣と付き合え……美樹さやか」
[メイン3] 美樹さやか : 「………!!!」
[メイン3]
美樹さやか :
「…えへへ〜…嬉しい……」
笑いながら嬉し泣きしてしまう
[メイン3] 天江衣 : 背伸びをし、さやかの涙を指で掬い取る
[メイン3] 天江衣 : 「ふ、ふん……!そこまでか!」
[メイン3] 美樹さやか : 「……うん、言われたらすっごく嬉しかった」
[メイン3]
美樹さやか :
「……はぁ、今度は気が抜けちゃった」
「……一緒に帰ろっか、衣」
ぐす、と涙声になりつつも手を引いて静かな廊下を渡っていった
[メイン3] 美樹さやか :