[メイン2] DL : その晩、琴子がCSを開くと、画面には可愛らしい黄色い魔女が手紙を届けているアニメーションが流れる。そして、「物語が交換されました」というメッセージが表示される。

[メイン2] DL : 同時に、不意に携帯を持つ手に痒みを覚える。見ると、親指の爪ぎわの皮あたりが僅かに出血している。ささくれでも触ってしまったのだろうか

[メイン2] 岩永 琴子 : ソファーに座りながら、スマホからCSを開き

[メイン2] 岩永 琴子 : 少し遅れて、本当に僅かだが出血してしまっていることを視認する

[メイン2] 岩永 琴子 : 「……消毒しないといけませんね」
と言いつつも、今は読み進めていった方がいいのだが

[メイン2] DL : 物語の送り主は竹取輝夜だった。

[メイン2] DL : 輝夜からの伝誦には、「あぎょうさん さぎょうご いかに」という手書きの文字が書いてある。(盤面右)
送って来た魔女は黄色を基調とした魔女。どうやら相手の魔女が表示されるらしい。

[メイン2] 岩永 琴子 : 「面白いシステムですね、今更ですけど」
魔女の姿が表示される日記のようなアプリ、確かに惹かれる人がいるのも頷ける
輝夜さんとか

[メイン2] 岩永 琴子 : 「しかし……」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「なんですかこれは。ミステリー研への挑戦のつもりなんですかねこれ?」

[メイン2] 岩永 琴子 : 送られた手書きの文字を読み進めて、一言。

[メイン2] 岩永 琴子 : そして、何度か頭の中でこれの意味することを考えるが

[メイン2] 岩永 琴子 : 「必要なパーツが少なすぎる!」
つまり今はお手上げです。

[メイン2] DL : そんな伝誦に困惑しつつ、メイン画面に戻ると

[メイン2] DL : メイン画面で浮いていた灰色の本が黒く染まっていた。
すると、ページが独りでにパラパラとめくられていく。

[メイン2] DL : あるページで止まり、そこから女の子が飛び出すように現れた。二つに束ねた銀色の髪、人形のような白い肌、黒のブラウスに赤色のフリルジャンパースカート。少女はよろめきながら危なげに着地すると、本を拾い上げ挨拶をする

[メイン2] ドロシー : 「私は、ドロシー。」

[メイン2] DL : 吹き出しのようなメッセージウィンドウが出現し、そのように表示された。

[メイン2] 岩永 琴子 : 「……はて?」

[メイン2] ドロシー : 「あの、この『CS』ってゲーム。やってるとよくないことが起きると思うの。だから、その原因を調べてほしい…。調べて、どうにか…どうすべきか教えてほしい。」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ふむ??」
唐突に唐突が重なって何から聞くべきなのやら

[メイン2] 岩永 琴子 : 「成る程、ドロシーさんは嫌な予感がするから『CS』というものを調べてほしいと」

[メイン2] ドロシー : 「そう、きっと…もう、よくないことが起こってる」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「……記憶が飛んでしまう、だとか?」

[メイン2] ドロシー : 「具体的には…わからない、けど」

[メイン2] DL : 人工知能にしては会話があまりに自然、故に不気味に感じるだろう

[メイン2] ドロシー : 「もし、そんなことが起きてるのなら……このアプリが怪しいと思う。原因はわからないけど、そんな気がする。何かわかったら…教えてほしい、私も一緒に考えるから。」

[メイン2] 岩永 琴子 : とても自然、故に不自然
こうもスムーズに人工知能との会話が進むだろうか

[メイン2] 岩永 琴子 : 極秘裏に開発された何かしらがあるのならば話は別なのだが。
ならばそれはそれで私の元に来る必要はないだろう、違和感は拭えない……が

[メイン2] 岩永 琴子 : 「二つほど聞きたい事が」

[メイン2] ドロシー : 「……どうぞ」

[メイン2] 岩永 琴子 : ぺこりと礼をして

[メイン2] 岩永 琴子 : 「仮に今の私みたいな状況に置かれた人を『協力者』としましょうか
 『協力者』は私以外にもいますか?」

[メイン2] ドロシー : 「……いない。 私の協力者は、あなただけ」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ではもう一つ」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「もしもこの『CS』というものと関連付けられた事象に真相があるとしましょう。それらを突き詰めた場合、今のドロシーさんはどうします?」

[メイン2] 岩永 琴子 : どうすれば教えて欲しい、と言う事は
『何もわからない』のか何か考えこそあるが『悩んでいる』かのどちらかに絞られる

[メイン2] ドロシー : 「私は…これ以上、哀しい出来事が起きないようにしたい。」

[メイン2] 岩永 琴子 : ふむふむと頷いて

[メイン2] 岩永 琴子 : 「……わかりました」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ではこの私、岩永琴子
 少しばかり一人ぼっちの『魔法使い』として協力いたしましょう」

[メイン2] ドロシー : 「…ありがとう、琴子」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「これからよろしくお願いします、魔女"ドロシー"さん」

[メイン2] ドロシー : 「よろしく。」
ペコリとお辞儀をして返した

[メイン2] 岩永 琴子 : 漸く考えも纏まった。
今は彼女と協力をしつつ、記憶断裂現象を調査する形になるだろうか。

[メイン2] 岩永 琴子 : そうして、そろそろ寝るかと思う段階でやっと

[メイン2] 岩永 琴子 : 本日割と貧乏籤しか引いてないような気がして気が滅入ったが

[メイン2] 岩永 琴子 : まあいいでしょう。
飽きないので。

[メイン2] 岩永 琴子 :  

[メイン2] 岩永 琴子 :  

[メイン2] DL : オカ研の扉には「ノックして あいことば」と書かれた張り紙がしてあり、鍵がかかっていた

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ミス研の岩永です」
数度ノック

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「あいことばを述べよー」
と輝夜の低い声が返ってくる

[メイン2] 岩永 琴子 : うげえ。

[メイン2] 岩永 琴子 : 「昨日送ってきた暗号と関係ありますか?」
まあ知りたいのは中身ではなく意図なんだが

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「そうだよー。 さてさてミス研に解けるかな~?」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ん〜〜〜………」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「あぎょうさん さぎょうご いかに……」

[メイン2] 岩永 琴子 : ふーーむ。

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ア行3……サ行5…」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「『嘘』とかです?」

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「………」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「……」

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「大正解!! どうぞ入って入って~」

[メイン2] DL : ガラガラと扉が開く

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ふふん」

[メイン2] 岩永 琴子 : そのまま入らせてもらう。

[メイン2] DL : オカ研の中はミス研の部室よりやや広い。突き合せた4つの机に、本やファイルが詰まった本棚、あとどこから持ってきたのか古いソファが置いてあった

[メイン2] DL : そこに竹取輝夜の他に2人の生徒がいた。背の低い女子生徒はソファに寝転がっており、もう一人の男子生徒はこちらを訝しむように見てこう言った。

[メイン2] 小波 絵本 : 「竹取、どういうつもりだ?」

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「この子は大丈夫だって」

[メイン2] 小波 絵本 : 「………チッ。そうかよ」
それだけ言うと、奥の椅子に座って本を読み始めた

[メイン2] 岩永 琴子 : 「あちらの方々は?」

[メイン2] 岩永 琴子 : 初めて知った彼らについて名前くらいは聞き出そうかと、輝夜の方を見る

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「あっちのムスっとしてるのが3年で部長の小波絵本くん」

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「んでこっちの子が~」

[メイン2] 御伽 雀 : 「私は御伽雀!2年だよ~!」
ソファから飛び起きて

[メイン2] 御伽 雀 : 「君がいつも輝夜が話してるミス研の子? よろしくね~」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「岩永と申します、宜しくお願いします」
ぺこりとお辞儀をして

[メイン2] 岩永 琴子 : 「自己紹介はこのくらいにして……幾つか聞きたい事が」

[メイン2] 御伽 雀 : 「おー、いいよいいよ何でも聞いちゃって~!」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「では一つ目…昨日いきなりそこの輝夜さんにこの暗号を送られて何故かと思いまして……」

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「あれ? 送ったのは結月ちゃんのほうにしたつもりなんだけど…」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ふむ……」

[メイン2] 岩永 琴子 : 少し考えた後、これはこれで都合がいいと思い

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ではオカ研寄りの話を……つい最近『CS』をやっている間に記憶喪失になった人がミス研に来まして」

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「昨日の鶴乃ちゃんのことだねー」

[メイン2] 御伽 雀 : 「何それ? おもしろっ! オカ研案件っしょそれ!」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「何かしらのオカルトに巻き込まれたのかと思いまして
 何かその件やCSの話などで知っている事があるならば教えてもらってもよろしいでしょうか?」

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「私は昨日も言った通り何も知らないな~。雀ちゃんは?」

[メイン2] 御伽 雀 : 「ん~~、CSは半年前まではマジはまってたんだけど今はやってないんだよねぇ」

[メイン2] 御伽 雀 : 「CSで記憶喪失って話は聞いたことないけど~、記憶喪失は何か聞いたことある気が…」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ふむ……?」

[メイン2] 御伽 雀 : 「えーと、多分そこにある本のどれかに載ってたと思う! 本棚勝手に使っていいよ!」

[メイン2] DL : と、様々な本やファイルの詰まった本棚を指差す

[メイン2] 岩永 琴子 : 流石オカ研割となんでもありますね。

[メイン2] 岩永 琴子 : そう思いつつ、本棚の方を見ながら

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ああそうだ」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「CSについてなんですが……」

[メイン2] 岩永 琴子 : スマホを取り出して、件のアプリを起動する
今の間に少しばかり、このドロシーについても知っておかないといけない

[メイン2] 岩永 琴子 : 「魔女?でしたっけ。こう言ったタイプの魔女がゲーム初期段階からいる…なんて事はあり得るんですかね?」

[メイン2] ドロシー : ぺこりとお辞儀する

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「なっ…!?」

[メイン2] 御伽 雀 : 「ええ~~!? マジすごーい!こんなの見たことないよ!」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ふふん」
何故かドヤ顔

[メイン2] 岩永 琴子 : 「しかし見た事が無い……と。何かこう特別だと色々と気になりますね」

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「私も初めて見たなー。 すごいね、こりゃ」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「激レアですよドロシーいい事です」

[メイン2] ドロシー : 「確かに…私は激レアかも…」

[メイン2] 岩永 琴子 : ふむ。ドロシーはそれこそヘビーユーザーですら見た事が無いと判断するようなものか。

[メイン2] 岩永 琴子 : 「そう言えば」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「CSの開発者って誰か知っていますかね?この手の人工知能まで開発できる人がいる事に興味が少し出てきまして」

[メイン2] 御伽 雀 : 「ごめーん、知らないや」

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「私も知らないなぁ」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「……ありがとうございます」

[メイン2] 岩永 琴子 : この線はオカ研では当たれなさそうだ。ゲーム部の方ならば話は別か?

[メイン2] 御伽 雀 : 「絵本は何か知ってる~?」
椅子に座っている青年に声をかける

[メイン2] 小波 絵本 : 「…知らん。そもそも僕がお前より詳しいわけないだろ」

[メイン2] 岩永 琴子 : 成る程。

[メイン2] 岩永 琴子 : そのまま本棚の方を見て、何かそれらしい本を探しつつ

[メイン2] DL : 本棚には、伝説、伝承、怪談、妖怪辞典、フォークロア、ネットロア等様々の本に加え、いくつかのファイルが敷き詰められている

[メイン2] DL : 〈検索〉判定あるいは〈*調査〉判定で目的の本を見つけられる

[メイン2] 岩永 琴子 : 1DM<=7 〈検索〉 (1DM<=7) > [9] > 0 > 成功数0 失敗!

[メイン2] DL : 🌈

[メイン2] 岩永 琴子 : お……思ったより本が多い……!

[メイン2] DL : では1行動目は失敗ということで
2行動目に雀、輝夜の協力のもとボーナスダイスを2つ増やして判定を行える

[メイン2] 岩永 琴子 : 結構悪戦苦闘。
伝承周りの本についつい意識が向けられてしまうのが9割悪い。

[メイン2] 岩永 琴子 : 「……ああ、もう少しだけ話す事が」
本を探す視線は変わらず
「オカ研寄りの話だと思うんですが、八雲さんがどうもお化けらしきものを見たと言う話を持ってきまして」

[メイン2] 御伽 雀 : 「そーいえばそんな話もあったねぇ。 半年ぐらい前からだっけ?」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「それなりに前ですね」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「オカルト研究部として調査とかしたりしたんです?」

[メイン2] 御伽 雀 : 「ん~、あんましなかったよね。 最近はここで本読んでばっかだし」

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「そうそう、だから退屈でよくミス研のほうに行くんだけどね」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「退屈って……」
と思い口に出したがよく考えたらミス研も似たようなものだった

[メイン2] 岩永 琴子 : 「あっこの本は……」
適当な本を読んで暫く興味津々である 時間はどんどん過ぎていく

[メイン2] 岩永 琴子 : そうして何しに来たのかよくわからないまま適当に本を読み漁っていたが

[メイン2] 岩永 琴子 : 埒が開かないので

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ひじょーに申し訳ないのですが……本探しを手伝ってもらえませんか…?」

[メイン2] 御伽 雀 : 「ん、暇だしいいよ~!」

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「私も迷える後輩のために手伝ってあげよう」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ありがとうございます」

[メイン2] 岩永 琴子 : (1+2)DM<=7 〈検索〉 (3DM<=7) > [8, 1, 10] > 1 > 成功数1 成功!

[メイン2] DL :


[メイン2] 岩永 琴子 : 数は力なり。

[メイン2] DL : 本棚から、A・S ファイルという個人がまとめたスクラップブックを見つける。

[メイン2] 御伽 雀 : 「あ! あったー!これこれ!」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ふむふむ」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「A・Sファイルとは?」

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「人の名前だよ。伝説的なオカ研OBの。詳細は知ってるけど…教えてあげなーい!」

[メイン2] 岩永 琴子 : 伝説的。

[メイン2] 岩永 琴子 : 「成る程……これの中身はどうなっているのやら」

[メイン2] DL : 捲るとそれは、都市伝説や怪異についての切り抜きに独自の考察を加えた帳面だ。その中で気になるページを見つけるだろう。

[メイン2] DL : 《怪異:ワスレモノ》
 黒くて巨大な、歪な人型の怪異。万物の哀しみや辛い記憶を喰らう。
 魂の記録や死の概念の一部をも喰らうとされる。死人の死の記憶を喰らい、幽世に向かうことなく現世に留まる存在、彷徨う魂を意図的に作り出すことができる。この彷徨う魂が《怪異:無垢なる死者》、死を自覚しないようプログラムされた行動をとる。
 またワスレモノは別の存在と接続し、幽世を見せる力も持っている。《怪異:ワスレモノ》を呼び出すおまじないがある。まず、ワスレモノとのパイプとなる印を描く。描く方法は問わない。その後、印に呼び出す者の血液を与え、しばらく待つ。これだけでもワスレモノとコンタクトを取れるときがある。そして、人が寝静まる頃に印の前で悲しい記憶、辛い記憶を心の中で強
く思い浮かべながらこのように唱える。

ワスレモノ ワスレモノ かなしいを あげます ワスレモノ ワスレモノ つらいを あげます
ワスレモノ ワスレモノ いたいを あげます ワスレモノ ワスレモノ わたしを あげます。

 すると、目の前の印からワスレモノが現れ、嫌な記憶を喰らってくれる。
 この際に頭を齧り、脳を喰らい、呼び出した者を殺してしまうという説もある。
⇔《怪異:オトギビト》

[メイン2] DL : (印は盤面右上)

[メイン2] 岩永 琴子 : ………。

[メイン2] 岩永 琴子 : 待て 黒い怪物だと?
私は確かにそれを知っているぞ どこで知った?

[メイン2] 岩永 琴子 : …………厭鳥 咲か。

[メイン2] 岩永 琴子 : そのまま、意味深に記されている怪異について調べようとページを捲っていく

[メイン2] モブ四郎 : だが、オトギビトの頁は何故か見つからなかった。
代わりに、無垢なる死者の頁を見つけた。

[メイン2] DL : 《怪異:無垢なる死者》
 自身の死を自覚していない、幽世と現世の境界を彷徨う魂。幽世の者の性質でありながら、現世に留まる存在。故に常人の目には映らないが、霊感の強い者は見ることができるかもしれない。
 現世の残滓である彼らは違和に対して鈍感だ。これは“ 自分が死んだことを認識してしまう ”と、今まで霧散していた “ 死 ” が収束し、現世から拒絶され消滅してしまう。その現象に対する無意識の防衛機制が働いており行動範囲が限定的なことが多い。
 もう一つ、《怪異:無垢なる死者》には特徴がある。無垢なる死者がすでに死んでいることを知らずに接触すると、存在しているという認識が固定され不可逆となる。後にその者がすでに死んでいるという事実を知ったとしても、その姿は見えたままとなる。姿を消すには無垢なる死者にすでに死んでいることを伝えるか、自身の霊感をなくす必要がある。
 また《怪異:無垢なる死者》を目撃する前に、対象がすでに死んでいるという確信がある場合、霊感があったとしても無垢なる死者の姿は見えない。

[メイン2] DL : さらにスクラップブックの最後のページにこう書いてある。

 怪異は怪異を呼び寄せる。

[メイン2] 御伽 雀 : 「私この本好き! 一番好きなのは怪異を狩ってその力を奪った生き物は、怪異の最初の三文字にバラシってくっつけて〇〇〇バラシっていう怪異に変質しちゃうって記事!」
覗き込んできてそう言う

[メイン2] 御伽 雀 : 「めっちゃ漫画っぽくてよくない? そーゆーの好きなんだよねー! あれ?でもその記事なくなってる…? なくしちゃった…?」
ペラペラと頁を捲るもその頁も見つからず。意気消沈する

[メイン2] 岩永 琴子 : 「……ふむ」
普段通り、何かを納得するように頷く。
背筋が凍るような、初めて知る感覚に見舞われるが

[メイン2] 岩永 琴子 : 「結構気になるだけに……残念ですね。色々と続きも気になるのですが…」

[メイン2] 御伽 雀 : 「うーん…残念…」

[メイン2] 岩永 琴子 : そのまま本を読み進める。怪異とやらに多少の興も湧いてきた。

[メイン2] 岩永 琴子 : 暫く読み進めて

[メイン2] 岩永 琴子 : 頁を無くしたというのであれば、ここか忘れ物入れのどちらかだろうかと
ゴミ箱の方をチラリと見る

[メイン2] 岩永 琴子 : 何も無いとは思うが、念には念を。
普段のように緩くやる訳にはいかなさそうだと、思考を回転させながら

[メイン2] DL : では、琴子はゴミ箱の中にクシャクシャに丸められた1枚の紙が入っていることに気が付く

[メイン2] DL : 僅かに覗いている文章により生徒会からの書類だとわかる

[メイン2] 岩永 琴子 : 拾って、軽く何が書かれているかを見ようとする

[メイン2] DL : 手に取って広げてみると、生徒会からの部室明け渡し通告のようだ。
部と認定するには部員が3人必要だが、オカルト研究部は現状2人以下なので認められない、といった内容だ。

[メイン2] 岩永 琴子 : 「…………」

[メイン2] 岩永 琴子 : チラリと、部室を見回す

[メイン2] 岩永 琴子 : 何かを探すわけではない
どちらかと言うと何人いるかを改めてこの目で見る為に

[メイン2] 岩永 琴子 : 竹取 輝夜
御伽 雀
そして小波 絵本

[メイン2] 岩永 琴子 : 3人のはずだ。2人以下などあるはずがない

[メイン2] 岩永 琴子 : 「…………オカ研の部員は今いる3人なんですかね?」

[メイン2] 御伽 雀 : 「……? そだよー」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ああいえ、変な意味があるとかではなく」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「"ここ"にはいない、所謂幽霊部員がいたりするのかな、と少しばかり気になりまして。
 失くした頁をその人が持っているとかもありそうじゃないですか?なので少し」

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「幽霊部員はいないね~。 だからその頁もどこに行ったのかわかんないや」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「成る程」
お手上げといったように、手を動かして

[メイン2] 岩永 琴子 : 「本日は突然の来訪、申し訳ございません」

[メイン2] 御伽 雀 : 「ん、全然いいよ~! 暇だったし!」

[メイン2] 小波 絵本 : 「良くない。要件が終わったのならさっさと帰れ」

[メイン2] 御伽 雀 : 「もー、絵本はケチなんだから」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「(絵本さんいつもこんな感じなんです?)」
ひそひそ。雀にこっそりと話しかける

[メイン2] 御伽 雀 : 「いつもこんな感じだよ~。 オカ研に人を入れたくないみたい」

[メイン2] 竹取 輝夜 : 「今のハーレム状態がいいのかもね~」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「(ふむふむ現金で助平な人と」
最後らへんはわざとヒソヒソしていない。

[メイン2] 小波 絵本 : 「……無駄話をしてないで早く帰れ」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「はいはい」
言われたので帰っておこう。

[メイン2] 岩永 琴子 : 軽い口調とは裏腹に、少なくともその怪異に当てはまりそうな人物を知ってしまっている事
そして、それによって生じる彼女の容態に対し何処かで自身でも呆れるような冷徹な式が組み上がっていることを自覚しつつ

[メイン2] 岩永 琴子 :  

[メイン2] 岩永 琴子 :  

[メイン2] DL :  

[メイン2] DL :  

[メイン2] DL : その夜、琴子はドロシーに語りかけられる

[メイン2] ドロシー : 「ねえ…あなたはこの事件、何が悪いと思う…?」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「何が悪い……ですか」

[メイン2] ドロシー : 「うん…この事件の、元凶になっているもの…それは何だろうって」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ふむ……」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「最初は『CS』が怪しい……と怪しんでいた割には結構弱気ですね?どうしましたか?」

[メイン2] ドロシー : 「……少なくとも、『CS』以外に怪異も絡んでるわけだから…琴子がどう思うか気になったの」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「そうですね」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「確かに怪異が元凶……なのかもしれませんが」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「同時にこうも思えるんですよね」
紅茶が入ったコップを口につけて

[メイン2] 岩永 琴子 : 「誰も彼も悪意を持っているわけではない、と
 まあつまるところ元凶なんてモノは実はいない」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「と言うのはどうです?」
とても探偵とか名乗るが不敬罪レベルの発言である

[メイン2] ドロシー : 「……なるほど。それが、琴子の考え方…なんだね」
少し笑顔を浮かべる

[メイン2] ドロシー : 「私は、変わらず『CS』が元凶だと考えてる」

[メイン2] ドロシー : 「『CS』に何か魔術的な力があったとすると、力の供給源を絶てば機能を失うと思う。それが何なのかは…わからないけど」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「……ふむ」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「それも一理ありますね。不可思議な事は全て『CS』の周りで起きていますし」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「力の供給源……と言うのは今のところあまり見当はつきませんがね」

[メイン2] ドロシー : 「うん…だから、まだどうしようもないことなのだけど…」

[メイン2] ドロシー : 「琴子は、怪異が元凶かもしれないけど…悪意はないかもしれない。そう言った」

[メイン2] ドロシー : 「琴子は、怪異に悪意がなかったとしたら、怪異を許す?
 彼らが何を考えているのか…会って、話をしたいと思う?」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「はい」
即答である

[メイン2] 岩永 琴子 : 「登場"人物"全てと一通り会話だけはしておくことが」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ミステリーの基本だと思いますしね?」

[メイン2] 岩永 琴子 : くすくすと笑いながら、そう返す

[メイン2] ドロシー : 「…そういうもの、なのかな…?
 うん、わかった」

[メイン2] ドロシー : 「私は怪異と接触する方法を知ってる。怪異を目の前にすれば、私が彼らの意思を代弁できる。」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「……わお」
素で驚いたようで

[メイン2] 岩永 琴子 : 「……方法は?」

[メイン2] ドロシー : 「…ワスレモノをCSの中に呼び出そうとすれば、あなたはワスレモノと接続することで、幽世の世界を見ることができる。
 この力の発現を『幽世の目』と呼ぶことにする。」

[メイン2] ドロシー : 「これを起動すれば、本来なら見ることのできない…いや、見えるべきではない者を視野に収めることができるようになるの」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「……へぇ」

[メイン2] ドロシー : 「あとは、私が怪異の言葉を翻訳するだけ。
 こうすれば、あなたは怪異と会話をすることができる」

[メイン2] ドロシー : 「……でも、少し嫌な予感がする。『CS』のアップデートされた機能として、この感覚も他の『CS』に伝播してしまうかもしれない。」

[メイン2] 岩永 琴子 : 眼を細め、続きを促す
ただ話をするだけであればともかく、こうなれば他者を巻き込むリスクが高い

[メイン2] ドロシー : 「そうなると、『CS』をしている学校の生徒全員にその風景を見せる可能性がある。そんなことがもし起こったら、この現世はパニックになる。
 だから、人が寝静まる夜に起動したほうがいいと思う。そうすれば、見ることになる人はほとんどいないはず」

[メイン2] ドロシー : 「あと感覚はなるべく早く閉じる。多分30分もすれば、あなたは正気を保てなくなる。」

[メイン2] ドロシー : 「それに……これは最後の手段。2回目の起動はできない。
 だから、その間に見極めてほしい…何が正しくて、何が間違っているのかを。」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「……私に判断しろと」

[メイン2] 岩永 琴子 : これまた随分と大役を任されたものだと思いながら

[メイン2] ドロシー : 「…うん。私は、琴子の判断が知りたいし…それに従う」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「…………」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「わかりました」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「善悪の二元論は好ましくありませんが、識りたいと言うのであれば」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「……なんてカッコつけてはいますが、結構驚いてるんですよ?こんなモノ用意できるだなんて」

[メイン2] ドロシー : 「……まあ、私はそういうものだから」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「あまりそうやって価値や意味を決めておくのもよくありませんよ」
くすりと笑いながら

[メイン2] 岩永 琴子 : 「……ちなみにですが、貴女はどこまで見れるんです?」
具体的には活動範囲などである。怪異について知っている事から、恐らく……

[メイン2] ドロシー : 「このスマホの周囲ぐらいなら、いつでも」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「成る程」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「つまり結構狭いと。それはよくありません」

[メイン2] ドロシー : 「…えっ、そうなの…?」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「見える範囲が狭いって寂しいじゃないですか」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「それに……その名前に対しても」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「な の で」
スマートフォンを手に取って、日記を書き始める

[メイン2] ドロシー : 「…?」

[メイン2] 岩永 琴子 : そこに書かれたものは人名などを暈した観察日記のようなものである
このドロシーと出会ってから共に見たものではあるが、こうして文章として書き出し

[メイン2] 岩永 琴子 : 「身体の都合で見れる場所が狭まるのなら、せめてこうして記して互いに見た方がいいでしょう?」

[メイン2] ドロシー : 「……フフ、ありがとう」

[メイン2] ドロシー : 「これで私も、色んなことを知って…見れた、かな」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「勿論」
そうして、ひとまず見た分を書き終えた後に

[メイン2] 岩永 琴子 : 『追記:最近私の手伝いをしてくれる協力者はとても勤勉で真面目な方です』

[メイン2] 岩永 琴子 : 「これでよし」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「貴女の事を見れるのは今のところ私だけですから」

[メイン2] ドロシー : 「…ありがとう。嬉しい」

[メイン2] ドロシー : 「私も、出来る範囲で協力する。だから…この事件を、解決しよう」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「勿論」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「出来れば……全員が納得するような解決を」

[メイン2] 岩永 琴子 : 「ではそろそろ寝ますね。また明日」

[メイン2] ドロシー : 「うん。また明日」

[メイン2] 岩永 琴子 : 消灯し、そのまま目を閉じて─────

[メイン2] 岩永 琴子 :  

[メイン2] 岩永 琴子 : これは余談だが先程調子に乗って紅茶を飲んだせいで寝るのに時間をかけてしまったというがそれを知る人は誰1人としていないだろう多分。

[メイン2] 岩永 琴子 :  

[メイン2] 岩永 琴子 :