[メイン] DL : 準備いいかOCLO

[メイン] 岩永 琴子 : 教えます

[メイン] 白石結月 : 教えます

[メイン] DL : では…

[メイン] DL : 出航だァ~~~~~~~!!!

[メイン] 白石結月 : 出航です!

[メイン] 岩永 琴子 : 出航ですね!

[メイン] DL :  

[メイン] DL :  

[メイン] DL :  

[メイン] 竹取 輝夜 : 「いいじゃんいいじゃん!減るモンじゃないし~!」

[メイン] DL : 馴れ馴れしい女性の声が響いている。

[メイン] DL : 6月のある月曜日、放課後のミステリー研究部部室。
4つ突き合せた学習机が部屋の中央を占拠しており、壁際にある大きな本棚はただでさえ狭い部室の息苦しさに拍車をかけている。

[メイン] DL : さて、先ほどから賑やかなこの先輩は二年生の竹取輝夜。なんとこのギャルはミステリー研究部の部員ではない。
お隣さんであるオカルト研究部の部員だ。

[メイン] DL : なんでもオカルト研究部が非常に退屈らしく、ミス研の部長がいないときを見計らっては遊びにやってくる。部長は彼女を邪険に扱い、可及的速やかに追い返してしまうからだ。

[メイン] DL : うちのボスは私用で今日は顔を出さない、それをどこかから嗅ぎ付けてきたのだろう。

[メイン] DL : パーソナルスペースという概念をどこかで振り落としてきたこの女は、携帯の画面を見せつけてこう続ける。

[メイン] 竹取 輝夜 : 「ねえーしようよーー私と『CS』しよーー。」

[メイン] DL : 『CS』というのは今学園で流行っている携帯ゲームアプリのことだ。
日記機能に育成要素を加えたゲームらしい。キャラクターに自分のことを語り聞かせる、つまり日記を書くことで成長し、姿形を変化させる楽しみがあるとのこと。

[メイン] DL : 輝夜曰く、交換日記という機能が育成の際、有利に働くらしい。あと純粋に可愛がっている後輩諸君と日記の交換がしてみたいと供述しており。

[メイン] 竹取 輝夜 : 「これ! 送った URL からこのコードを入れればインストールできるから!」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ふむ…ふむ」

[メイン] 白石結月 : 「交換日記…」
その響きに友情のようなものを感じてしまう

[メイン] 岩永 琴子 : 相槌を打ちながら頬杖を付いているのは、ブロンドヘアーの少女である
さてさて、適当にあしらおうかと思っていたところどうやらゲームの話を持ちかけてきており

[メイン] 岩永 琴子 : 「ああ、じゃあ」
白石の方を見る。何かしら彼女が思うところがあるように感じたのがあり

「取り敢えずインストールしてみたらどうです?」

[メイン] 白石結月 : 「そっ、そうですね!」
琴子さんの後押しもあってか、輝夜さんがおすすめしてくる『CS』をスマホにインストールする

[メイン] 竹取 輝夜 : 「そうそう。そこにこのコードを入れて~」
招待コード『a1007』という表示を見せてくる。

[メイン] 竹取 輝夜 : 「このアプリ招待制なんだ。試作段階?ベータ版?なんかよくわかんないけどそんな感じで。」

[メイン] 白石結月 : 「a、1、0…」
ポチポチと数字を入れていく

[メイン] 白石結月 : 「へぇ…そうなんですね」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ふぅん……」

[メイン] 岩永 琴子 : 試作段階なのにかなり押しが強いな……。
などと考えつつも、その様子を見て

[メイン] DL : 招待コードを入力し、完了を押すと表示が切り替わる。メイン画面だろうか、中央には一冊の灰色の本がふわふわと浮いている。加えて、メニューボタンがいくつかある。

[メイン] 岩永 琴子 : 「どうです?インストールできました?」
顔を覗かせて、白石のスマートフォンの画面を見る

[メイン] 白石結月 : 「はい!これでいいんですよね?」
琴子さんと輝夜さんにスマホの画面を見せる

[メイン] 竹取 輝夜 : 「OKOK!バッチシだよ」

[メイン] 竹取 輝夜 : 「招待コードは1回きりだから~。そしたらまず書庫のボタンを押して、次に招待コードの発行を押して。で、表示されたやつを琴子のスマホに入力して。」

[メイン] 白石結月 : 「は、はい!」
おぼつかないながらも、輝夜に言われたとおりの操作をして

[メイン] 岩永 琴子 : 「えっ私もやるんですか」

[メイン] 竹取 輝夜 : 「いいじゃんいいじゃん、こういうのはみんなでやった方が楽しいし!
 やってみたら案外楽しいかもよ?」

[メイン] 白石結月 : 「えっ?やらないんですか?」
さも琴子さんも当然のようにやると思っていたような口ぶりで

[メイン] 岩永 琴子 : 「えっ」

[メイン] 岩永 琴子 : 「………」
じっと2人を見ておく。折れないかなあ。

[メイン] 竹取 輝夜 : 「………」
期待の眼差しを琴子に送る

[メイン] 白石結月 : 「………」
なにかを訴えるような視線を琴子さんへ向ける

[メイン] 岩永 琴子 : 理由は?と聞いたところで多分『楽しいから』の一点張りとかが来るだろう
そして多分これを今日断ったところで明日明後日とずっと続くのは目に見えている

つまりこのやりとりを続ける事は非常に無駄なのである!

[メイン] 岩永 琴子 : (この間約0.2秒)

[メイン] 岩永 琴子 : 「……これが企業のやり方ですかそうですかこれで◯◯日△△人ダウンロード達成とか出して知名度上げる寸法なんですね見下げ果てたことを」

[メイン] 岩永 琴子 : 折れた。

[メイン] 岩永 琴子 : 渋々言われた通り、ダウンロードの手順を踏む

[メイン] 竹取 輝夜 : 「よしよし、これで二人とも『CS』入れたね」

[メイン] 白石結月 : 「はい!おそろいです!」
嬉しそうにしながら

[メイン] DL : 君たちのインストールが完了すると、竹取輝夜は説明を始める。

[メイン] 竹取 輝夜 : 「『物語』ボタンを押して魔女…魔女ってゆーのはこのキャラのことね、今は本の形してるけど育っていくと人型になるよ。んで、それに語り掛けることで育っていくんだ。」

[メイン] 竹取 輝夜 : 「物語とか洒落た言い方してるけどこれが日記機能だね。」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ふむふむ」
洒落てるなぁ。とは思いつつ

[メイン] 竹取 輝夜 : 「声を認識して文字起こししてくれるモード、普通に文章を打ち込むモード、手書き入力で日記を書くモード、好きなの選んで使って。ようは物語ボタン押してなんやかんやで日記を作るとキャラが育つってこと!」

[メイン] 白石結月 : 「なるほど~」
説明を聞きながら適当にタップしてみたり

[メイン] 竹取 輝夜 : 「物語は日記機能だから一日一回しか押せない。ちなみに育ってくるとメイン画面で魔女がしゃべったりするよ。」

[メイン] 岩永 琴子 : 「この魔女のお喋り目当てでやる人結構いそうですね」
何度かタップをして、機能を把握しながら

[メイン] 竹取 輝夜 : 「そうなんだよ~。魔女も日記の内容で変わってくるらしいよ?」

[メイン] 竹取 輝夜 : んで、とここからが本題とばかりに一息つく。

[メイン] 白石結月 : 「へ~!子供の頃に流行っていた卵形のおもちゃみたいですね」

[メイン] 竹取 輝夜 : 「あー! 確かにそれに似てるかもね!」

「えーと、次に『伝誦』ボタン、これでデンショウって読むんだって。これが交換日記機能、このボタンを押すと一番近くにいる人と最新の記事を交換できるんだ。」

[メイン] 岩永 琴子 : 「洒落てますね」
次は声に出して。

[メイン] 竹取 輝夜 : 「でね!これすると、相手の魔女によってこっちの魔女が姿を変えたり、持ち物が増えたり変化したりするの!と言っても、何も起こらないことが多いけどね。あと伝誦ボタンも一日一回しか押せないよ。」

[メイン] 白石結月 : ふんふんとうなずきながら輝夜の話を聞いている

[メイン] 岩永 琴子 : 「なるほどなるほど」

[メイン] 竹取 輝夜 : では、早速。と、輝夜は結月の方を見て言った。

[メイン] 竹取 輝夜 : 「日記作って! もーなんでもいいから! 今日のお昼は焼きそばパンでした。とかでいいから!」

[メイン] 白石結月 : 「わかりました!」
言われたとおりさささっと物語に記入していく

[メイン] 白石結月 : 『6月×日、T先輩に勧められて「CS」をインストールしました。知人のKさんも一緒にプレイしてくれるようで、これからどうなるのか楽しみです☆』

[メイン] 竹取 輝夜 : 「いいね~、私も楽しみだよ」

[メイン] 岩永 琴子 : 「まぁいい感…一応言っておきますが個人名とかは可能な限り伏せておいてくださいね?」
名前が書かれていない事はわかるが、念の為。

[メイン] 白石結月 : 「あっ…!」
うっかりしていたと修正修正

[メイン] DL : そんなことを話していると、扉の向こう、廊下側から何やら慌しい足音が響いてくる。そして、勢いよく扉が開いた。

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「す、すみません…!」

[メイン] DL : そこには一人の少女が立っていた。肩で息をしており、ただ事ではないといった様子だ。

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「こちらで…学内の事件を解決してくれると聞いてきたのですが!!」

[メイン] 白石結月 : 急に現れた来訪者の方を見て、初めて見る顔だなと思った矢先にそんなことを言われて

[メイン] 白石結月 : 「はい?」
間の抜けた声で返事をしてしまう

[メイン] DL : 一瞬、場が凍り付く。しかし、君たちはすぐに思い出す。

つい先日、部長が「ミステリー研究部だし、事件の依頼でも受けるか。」と世迷言を呟いていた気がする。

まさか本気で言っていたとは。

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………そう言えば昨日部長が変なこと言ってましたね。雑に聞き流してましたが」

[メイン] 白石結月 : 「…えっ?あれ本気だったんですか?」
冗談かと思って今の今まで忘れていました

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「これ、これなんですけど!」

[メイン] DL : と、携帯を突き出してきた。そこには『CS』のタイトル画面が表示されている。

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「このアプリを始めてから記憶がどんどん無くなっていくんです!」

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………錯覚とかではなく?」

[メイン] 白石結月 : 「記憶が…?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「違います!本当に記憶がなくなってるんです!」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……ふむ」

[メイン] 白石結月 : 「えっ…でも…」
つい今し方『CS』をインストールしたばかりで

[メイン] 白石結月 : 不安になって琴子さんと輝夜さんの顔を伺う

[メイン] 岩永 琴子 : 顎に手を置いて、暫し考える

[メイン] 竹取 輝夜 : 「ん~? 私は半年前からやってるけどそんなことないし、そんな話も聞いたことないよ?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「成る程」

[メイン] 岩永 琴子 : 個人差がある。
と結論付けるには材料があまりにも足りなさすぎるか。

[メイン] 岩永 琴子 : 「ではそうですね、少し調べてみます?」

[メイン] 白石結月 : 「そうですね。輝夜さんは大丈夫って言っていますけど、ちょっと不安なので」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「依頼受けてくれるんですか!?ありがとうございます!」

[メイン] 白石結月 : えっと、そういうことになりますよね

[メイン] 岩永 琴子 : 「まぁ、こう言った目に見えるようなのを解決しなければこの部の存在意義が問われるような気もしましたから」

[メイン] 岩永 琴子 : 「輝夜さんは半年間『CS』をしていた、でしたか。
 何か似たようなことを聞いたこととかはありますか?」

[メイン] 竹取 輝夜 : 「聞いたことはないなぁ…勘違いか何かじゃないの~?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「違いますよぉ!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「本当に記憶がないんですぅ!下校してたと思ったら、気がついたら学校に登校してたんですよぉ!」

[メイン] 岩永 琴子 : そうして、再び顎に手を当てる

[メイン] 白石結月 : 「それが本当だとしたらやばいですね」

[メイン] 白石結月 : 「あの…ひとつ気になったんですけど」
依頼人の方を向いて

[メイン] 白石結月 : 「あなた以外に記憶が消えたって言っている人はいるんでしょうか?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「どうなんでしょう…? 私友達がいないので聞いたことないですね…」

[メイン] 白石結月 : 友達がいない…そんな言葉に親近感が湧いてしまう

[メイン] 白石結月 : …でもあれ?ふとした違和感が生まれて

[メイン] 白石結月 : 「このアプリって招待制ですよね?誰から招待コードをもらったんですか?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「クラスメイトの雁鳥咲さんって子にです。一緒にやってみない?って誘われて」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「それで、その後一緒に帰らないかと誘われて…」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「あ、誰かと一緒に帰ったのこれが初めてだったんですよ!」

[メイン] 白石結月 : どんどん親近感が湧いていく

[メイン] 岩永 琴子 : 言ってて辛くないのだろうか。

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「でも、その途中から記憶がなくて…
 気づいたら学校に登校してたんですよぉ!」

[メイン] 白石結月 : 「なるほど。雁鳥咲さんには記憶がなくなっていることについて聞いたりはしましたか?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「いやぁ…それが……
 私の中では雁鳥さんに、記憶がなくなってた頃に失礼なことを言ってしまった説が濃厚でして…」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「まあつまり会いにくくて聞いてないんです…」

[メイン] 白石結月 : あうう…まるで自分を見ているみたいです

[メイン] 岩永 琴子 : 「ふーむ……」

[メイン] 岩永 琴子 : 考えをまとめたのか、わざとらしく唸って

[メイン] 白石結月 : 「う~ん。でも、消えた記憶の手がかりはその人しか知らないと思いますし、話だけでも聞いた方がいいような…」

[メイン] 白石結月 : 自分も友達がいないのでこの人の気持ちは良くわかるため強く言うことはできず

[メイン] 白石結月 : 「…!琴子さん?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「3人ほど心当たりがある人が」

[メイン] 白石結月 : 「3人!?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「もうわかったんですか!?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「話に挙がっていた雁鳥咲さんに」
驚いた2人を見て、ニヤニヤ笑いながら

[メイン] 岩永 琴子 : そして指先を自身に、そして白石に向けて

[メイン] 岩永 琴子 : 「丁度ダウンロードしましたから」

[メイン] 白石結月 : 「…?」
いまいち飲み込めず、ぽかんとした顔を琴子さんに向ける

[メイン] 白石結月 : 「えっと、私にもわかるように説明してもらっていいですか?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「鶴乃さんが『CS』に関わらず突発性の認知症を患った可能性もあるわけで」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「私はお婆ちゃんじゃないですよ!?」

[メイン] 白石結月 : 「まあまあ落ち着いて、最後まで聞きましょう」

[メイン] 岩永 琴子 : 「であるならば、ダウンロードしてしまった私達もそうなる"かもしれない"と言った裏付けが取れてしまえば
 正しさも証明されるわけですし」

[メイン] 岩永 琴子 : 「何より数は力ですから。このゲームもそうなんですけどね」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「なるほど…? つまり、これから被害者が他にも出てくるかもしれない…?」

[メイン] 白石結月 : 「えっ、でもそうなったら…」

[メイン] 白石結月 : 記憶が消えるかもしれないことに対して不安が募る

[メイン] 白石結月 : 「あの、解決には琴子さんが言うような裏付けが必要だってことはわかるんですが…琴子さんはこわくないんですか?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「何を調べていたのかを忘れてしまう、なんてあってしまえば怖いかもしれませんね?」

[メイン] 岩永 琴子 : くすくすと冗談めかすように笑って

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「依頼のことは忘れないでくださいよぉ!!」

[メイン] 白石結月 : こっちは本気で心配してるのに…ちょっとだけむっとした表情をして

[メイン] 白石結月 : 「そうでした。私たちも忘れてしまったら誰も解決できなくなるかもしれないんでした!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「そうなったらどうするんですかぁ!?」

[メイン] 白石結月 : 「そうです!そうです!」
鶴乃さんと一緒になって琴子さんに詰め寄る

[メイン] 岩永 琴子 : 「そんなことより、他に何か身に覚えのあることなどはありますか?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「身に覚え…?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : うーん、と今日の一日を思い出すように首を捻ると

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「あ゛」

[メイン] 岩永 琴子 : 「なんでもいいですよなんで…も?」

[メイン] 白石結月 : 「…!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「そういえば今日の授業の記憶もないですぅ~~!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「私このままだとバカになっちゃいますよぉ!」

[メイン] 白石結月 : その叫びがあまりにも不憫に感じてしまい

[メイン] 白石結月 : 「あ、あの!私のでよければ授業のノート貸しますよ!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「えっ、いいんですか!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「わーい! 誰かにノートを貸してもらったの初めてです!」

[メイン] 白石結月 : 「はい!見づらいかもしれませんが…」
鞄をごそごそしてノートを取り出して

[メイン] 白石結月 : こんなことくらいでそんなに喜んでもらえるんだ…なんて鶴乃さんにノートを手渡しながら思っていた

[メイン] DL : 時間はまもなく19時。最終下校時刻が迫っていた。輝夜はそれに気づくと

[メイン] 竹取 輝夜 : 「ん、じゃあ私は帰るね。ミス研探偵団の諸君は迷える織畑ちゃんのために誠心誠意捜査に励むこと! 以上!」

[メイン] 白石結月 : 「あっ、はい!」

[メイン] DL : 何故か部長面をする部外者は部屋を出る際に、

[メイン] 岩永 琴子 : なぜこの人はリーダーみたいに……。

[メイン] 竹取 輝夜 : 「あ、そだ。さっき伝誦…交換日記しといたから、あとで確認しといてね! んじゃねー!」
と、琴子に告げ去っていった

[メイン] 岩永 琴子 : 「えー……わかりました」

[メイン] 白石結月 : 「さようなら~!」
去っていく輝夜さんに手を軽く振って

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「じゃあ私も失礼しますね。
 また明日もお邪魔していいですか…?」

[メイン] 白石結月 : 「はい!いつでも来てください!」
鶴乃さんが他人とは思えずついつい構ってしまう

[メイン] 岩永 琴子 : 「……ええ、勿論」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「うわ!ありがとうございます!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : そう言うと、嬉しそうに帰って行った

[メイン] 岩永 琴子 : 「さて、と」

[メイン] 白石結月 : 去っていった鶴乃さんに手を振っていたが、琴子さんの声にそちらの方を向いて

[メイン] 岩永 琴子 : 「白石さん」

[メイン] 白石結月 : 「は、はい!」

[メイン] 岩永 琴子 : 「折角なので鶴乃さんを尾けて家に帰ってるのかどうかだけ見てやってください」

[メイン] 白石結月 : 「…ふぇっ?」
思いもよらなかった言葉に変な声が漏れてしまった

[メイン] 白石結月 : あっ…でも、そうか。なにかおかしなことに巻き込まれている可能性もゼロじゃないんだ
関わってしまった手前、ちゃんとしないとだめですよね

[メイン] 白石結月 : 「わかりました!」
真剣な表情でこくりと琴子さんにうなずいて

[メイン] 岩永 琴子 : 「……」

[メイン] 岩永 琴子 : 「私も帰る前に伝誦だけ確認しておいた方がいいですね、一応」
何か忘れて後々ちょっかいかけられるのも困りますし。

[メイン] 岩永 琴子 : スマートフォンを開いて、ダウンロードしたアプリを起動し
輝夜さんから送られたものでも確認しようかと

[メイン] DL : 琴子の画面には可愛らしい黄色い魔女が手紙を届けようとするアニメーションが流れ始める。

[メイン] DL : しかし、その途中で妙な画像が表示される。真っ青な画面の中央に大きな黒い円。

[メイン] DL : その円の内部から腕のようなものが飛び出してきた。

[メイン] DL : その後、画面が一瞬乱れ、元のメイン画面に戻る。

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………なんだ、これは」
眼を見開いて、驚愕するが

[メイン] 白石結月 : すぐに鶴乃さんを追いかけようと部室から出ようとしていたが、琴子さんのつぶやきに足を止めて

[メイン] 白石結月 : 「…どうかしました?」

[メイン] DL : それ以降、画面に変化はない。
そして、輝夜からの伝誦も届いていないようだった。

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………伝誦が届かないなんてこともあるんですね」
話しかけられたことにより、気を取り直し

[メイン] 白石結月 : 「…えっ?届いていない?」
さっき輝夜さんが送ったとたしかに言っていたはず

[メイン] 岩永 琴子 : 「まあ試作段階…とも聞きましたし"そう言うこと"もあるのかもしれません」

[メイン] 岩永 琴子 : 「それより、鶴乃さんの方に。見失ったりすると困りますし」

[メイン] 白石結月 : 「…!そ、そうでした!」
急いで部室の外へと向かう

[メイン] 岩永 琴子 : 出たのを見届けた後、息を吐いて

[メイン] 岩永 琴子 : 「これ、結構嫌な予感がしてきましたね」

[メイン] 岩永 琴子 : さてさて、何から手を付けるべきなのやら

[メイン] 岩永 琴子 : スマートフォンの黒い液晶画面は何も答えず───

[メイン] 岩永 琴子 :  

[メイン] 岩永 琴子 :  

[メイン] DL : 夜道を行く鶴乃を、後ろから尾ける結月
その光景はしばらく続くことになるのだが

[メイン] 白石結月 : コソコソ

[メイン] 白石結月 : 今日初めて会った人を尾行している
端から見たらストーカー染みてるかもしれません

[メイン] 白石結月 : でもミス研一の切れ者の琴子さんが言うことだ、きっと事件解決の手がかりがあるに違いない…はず

[メイン] 白石結月 : なんて責任転嫁をしながら鶴乃さんの後を追いかけていました

[メイン] DL : すると…

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「…………」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 鶴乃が立ち止まる。何もない空間を、虚空を見つめている。反応はない。生気のない目、微動だにしない身体。空っぽだ。

[メイン] 織畑 鶴乃 : 同じシルエットを持ちながら、まるで異なる存在に思えた。周囲に人の気配はなく、自然が織りなす音すら聞こえない。

[メイン] 白石結月 : 彼女が足を止めたのを見て自分も足を止める

[メイン] 白石結月 : 「…!?」
遠目から見てもはっきりわかる。何か様子がおかしい

[メイン] DL : ふと、彼女の視線の先を目で追うだろう。

何もない、何もなかったはずなのに

[メイン] 白石結月 : 鶴乃さんが見ている先を私も見てみる
何もないはずのそこには───

[メイン] DL :  

[メイン] DL : 黒く大きな『何かが』いた。

[メイン] DL :  

[メイン] DL : この後、気づくと共鳴者は自室にいる。

黒い存在については覚えておらず、鶴乃の異変も忘却している。時間は 20 時。記憶の連続性が失われていることに気づく。

[メイン] 白石結月 : 「…あれ?」

[メイン] 白石結月 : ふと気づいたら自室にいて、これまで何をしていたのか覚えていませんでした

[メイン] 白石結月 : たしか、鶴乃さんを追いかけて、それで…

[メイン] 白石結月 : それで…

[メイン] 白石結月 : 頭に靄がかかったようにまったく思い出すことができませんでした

[メイン] 白石結月 : 「…これって鶴乃さんが言っていた」

[メイン] 白石結月 : 半信半疑だったけど、まさか自分の身にも起こるなんて……

[メイン] 白石結月 : 身体が小さく震えていた。こわい

[メイン] 白石結月 : と、とにかく!琴子さんに連絡を入れて…!

[メイン] 白石結月 : 震える指先でスマホを操作して琴子さんへ電話をかける

[メイン] 岩永 琴子 : 「……どうかしました?」

[メイン] 白石結月 : 「こ、琴子さん!私、私…!」
しどろもどろになりながらも、鶴乃さんが言っていたように、自分も記憶の一部がないことを説明します

[メイン] 岩永 琴子 : 「ひとまず落ち着いて」

[メイン] 岩永 琴子 : 「それで、記憶が飛んだ……でしたね?」

[メイン] 白石結月 : 「落ち着けと言われても…!」

[メイン] 白石結月 : 「は、はい!そうです!その通りです」

[メイン] 岩永 琴子 : 軽く舌打ちをする。
こうなるのであれば着いていく方がよかったか?

[メイン] 岩永 琴子 : 「その部分だけ、バッサリと」

[メイン] 白石結月 : 「…はい。鶴乃さんを追いかけていたところまでは覚えているのですが、次に気がついたら自宅にいて」

[メイン] 岩永 琴子 : 「鶴乃さんを尾けていた白石さんだけが
 ………成る程」

[メイン] 岩永 琴子 : 「現状では『鶴乃さんの周りでだけ』何かしらバッサリと『記憶の連続性が切断される』事が起きているとしかわかりませんね」

[メイン] 白石結月 : 「…はい」
電話から聞こえる琴子さんの声はいつも通り冷静でした

[メイン] 白石結月 : 逆に彼女が冷静だったおかげで安心感が生まれてきていました

[メイン] 白石結月 : 「…琴子さん、ありがとうございました。他に連絡出来る人がいなかったので」

[メイン] 白石結月 : 「私は明日また鶴乃さんに話を聞いてみようと思います」

[メイン] 白石結月 : 「おやすみなさい。また明日、部室で」

[メイン] 白石結月 : 琴子さんの返事を聞いて自分も通話を終える

[メイン] 白石結月 : いつの間にか震えは止まっていた

[メイン] 白石結月 : 「起きていてもいやなこと考えるだけだし、もう寝よう」

[メイン] 白石結月 : ベッドに横になって瞼を閉じた

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] DL : 結月のスマホが震える
それに気になって、目を覚ましスマホを取るだろう

[メイン] 白石結月 : …寝ようと思った矢先に…
スマホを手に取る

[メイン] DL : すると、自動的にCSが起動して
メイン画面で浮いていた灰色の本が白く染まっていた。
すると、ページが独りでにパラパラとめくられていく。

[メイン] DL : あるページで止まり、そこから女の子が飛び出すように現れた。美しい金色の長い髪、透き通るような白い肌、青色のワンピースに白のエプロンドレス、まるで御伽噺に出てくるようなキャラクターだ。少女は優雅につま先から着地すると、本を抱えて挨拶をする。

[メイン] 白石結月 : えっ?なんで、勝手に…

[メイン] アリス : 「こんばんは、私はアリス。よろしくね」

[メイン] DL : よくできた音声合成だ。かなり人間的で自然な声に聞こえるだろう。

[メイン] 白石結月 : 「こ、こんばんは?」
なんでか挨拶を返してしまった

[メイン] アリス : 「フフ…素直な人は嫌いじゃないわ」

[メイン] 白石結月 : 「はぁ…」

[メイン] アリス : 「ま、挨拶はこれくらいで。
 さて、賽は投げられた。でも安心して、私がきたからにはワンサイドゲームとはならないはずよ。私は優秀な助手だからね。」

[メイン] アリス : 「まずは明日からの情報収集、頼りにしてるわ、探偵さん。」

[メイン] DL : 人工知能にしては会話があまりに自然、故に不気味に感じるだろう

[メイン] 白石結月 : 「…はい?」

[メイン] 白石結月 : 「それって、どういうことですか?」

[メイン] 白石結月 : 不気味に思いながらも疑問を口にする

[メイン] アリス : 「あら、そのままの意味よ。
 あなたがこの事件を解決するの。」

[メイン] 白石結月 : 「…はい?」
二度目

[メイン] 白石結月 : 「えっと、私は探偵っていう柄じゃないというか…」

[メイン] 白石結月 : 探偵として思い浮かぶのは同じミス研の彼女の方で

[メイン] 白石結月 : 「事件を解決したいのはやまやまなのですが、私には務まるかどうか…」

[メイン] アリス : 「大丈夫、あなたならできるわよ。 まあできないと困るというのが本音だけどね」

[メイン] 白石結月 : 「…困るとは?」

[メイン] アリス : 「だって、そうしないとあなたたち…」

[メイン] アリス : 「……いえ、ここで言うのは無粋ね」
クスクスと笑って

[メイン] 白石結月 : 「…なっ!?気になるじゃないですか!教えて下さいよ!」

[メイン] アリス : 「ダーメ。 今は他に聞くべきこととかあるんじゃない?」

[メイン] アリス : 「私の正体、とかね? 言っておくけど、私はAIなんかじゃないわよ」

[メイン] 白石結月 : 「あれ?そうなんですか?」
普段学業とタレント業で忙しいため最近のゲームなどには触れておらず、今ってこんな風なんだと勝手に思っていた

[メイン] 白石結月 : 「それじゃあなたについて教えて下さい」

[メイン] アリス : 「これも今教えちゃうのは無粋だからダメ♡
 でもその代わり、一回だけチャンスをあげるわ。一度だけ私が何者か告げなさい。その時は正直にイエスかノーで答えてあげる」

[メイン] 白石結月 : なんなんですかこの人…
いや人なんでしょうか…

[メイン] アリス : 「あ、これは今じゃなくてもいいわよ。正体の候補がわかったらにでもしときなさい
 そっちの方が面白いものね」

[メイン] 白石結月 : 「…なんで正体を隠す必要があるんですか?」

[メイン] アリス : 「そうね…これもそっちの方が面白いから、かしらね」

[メイン] 白石結月 : 「あなたは面白いかもしれませんが、こっちは何者かわからない人の話をほいほいと聞くことはできませんよ」

[メイン] アリス : 「聞かなくてもいいけどね。私としては。
 もう今必要なことは言ったから」

[メイン] 白石結月 : 「……むぅ」
自分からふっかけておいてこの人は…

[メイン] 白石結月 : 「…信用していいんですよね?」

[メイン] アリス : 「ええ、もちろん」
ニッコリ笑顔で

[メイン] 白石結月 : 「嘘だったら針千本飲ませますからね」

[メイン] アリス : 「画面の中の私に飲ませられるものならね」

[メイン] 白石結月 : 「そこは嘘でも飲むって言ってください!」

[メイン] アリス : 「しょうがないわね…飲んであげるわよ」

[メイン] 白石結月 : 嘘をつくなと言っておきながら嘘をつかせている現状に

[メイン] 白石結月 : クスリと笑みが漏れてしまう

[メイン] 白石結月 : 「わかりました。それなら信用しますね」

[メイン] アリス : 「フフ……どうもありがとう」

[メイン] 白石結月 : 「こちらこそ、どういたしまして」

[メイン] 白石結月 : そういえば…

[メイン] 白石結月 : 「事件の解決って、私や鶴乃さんの記憶がなくなる件のことでいいんですか?」

[メイン] アリス : 「さあ? もしかしたら、それは事件の一端かもしれないし、全てかもしれない。
 とにかくまずは、調べてみることね」

[メイン] 白石結月 : 「ちょっとくらい教えてくれてもいいじゃないですかぁ~」

[メイン] アリス : 「仕方ないわね…」

[メイン] 白石結月 : やった!

[メイン] アリス : 「記憶喪失のことは正直よく知らないわね、そんなことありえないと思うけど? あるとしたら、何者かが自身の悪事を『CS』のせいにしようとしてるんじゃないかな?」

[メイン] 白石結月 : 「ふむふむ」

[メイン] 白石結月 : ちょっと頼んだら教えてくれる辺り押しには弱いんだろうか?なんて思いつつも

[メイン] 白石結月 : 「その何者かが、さっきあなたが言っていたワンサイドゲームを仕掛けようとしている相手でいいんですか?」

[メイン] アリス : 「それはわからないわ。 言ったでしょう?私も記憶喪失のことは知らないの」

[メイン] 白石結月 : 「むぅ…」

[メイン] 白石結月 : 実際どうなのかは調べてみるしかないって事なんでしょうか

[メイン] 白石結月 : 「他にあなたが私に話せることはあります?」

[メイン] アリス : 「そうね…」

[メイン] アリス : 「話せることとは違うけど、ちょっとしたお願いを1つ。
 まずは『CS』に詳しい人間に話を聞きたいわ。ああ、この詳しい人間っていうのは制作者以外の、ね。」

[メイン] 白石結月 : 「どうして制作者はダメなんでしょうか?」

[メイン] アリス : 「それはね…ひ・み・つ」

[メイン] 白石結月 : 「…そればかりですね」

[メイン] 白石結月 : 「わかりました。詳しい人に心当たりはありませんが、探してみますね」

[メイン] アリス : 「ありがとね、結月」
意外と素直に感謝を述べる

[メイン] 白石結月 : 「誰にだって言いたくないことはありますからね。話せるようになったら話してくださいね」

[メイン] アリス : 「わかったわ。そうさせてもらうわね」

[メイン] 白石結月 : その言葉にニコリと微笑んで

[メイン] 白石結月 : あっ、そうだ

[メイン] 白石結月 : 「あなたのことは他の人に話してもいいんでしょうか?」

[メイン] アリス : 「それは別に構わないわよ」

[メイン] 白石結月 : …いいんだ

[メイン] 白石結月 : 「それなら知り合いに頭がいい人がいるので、話せば力になってくれると思います」

[メイン] アリス : 「あら。それはラッキーね」

[メイン] 白石結月 : 「はい。私もいつも助けてもらっています」

[メイン] 白石結月 : 私だと思いつくことがもうないから、あとは明日にでも琴子さんに話を聞いてもらおう

[メイン] 白石結月 : 「私からの質問はこれくらいですね」

[メイン] アリス : 「そう…なら今夜はもう休みなさい。
 もう深夜だものね」

[メイン] 白石結月 : 「そうします。お仕事もあるので夜更かししたくありませんし」

[メイン] 白石結月 : 「おやすみなさい。アリスさん」
画面の向こうの彼女へそう告げて

[メイン] アリス : 「おやすみ、結月」

[メイン] 白石結月 : そのまま枕元にスマホを置いてまた眠りに落ちた

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] DL : その夜、結月は夢を見る

[メイン] DL : 何の変哲もない道、綺麗な女性の後ろ姿が見える。見えているのだが、輪郭が掴めない。その後ろ姿に少しずつ近づいている。そして、次々と感情が流れ込んでくる。

[メイン]   : 見つけた! みつけた! ミツけた! ミツケタ!
美しく長い髪! 冷淡な目! 蔑む心! もっとも綺麗で! それでいて汚らわしいアナタ!

[メイン]   : 一目でわかったわ! 素敵なアナタ! 親愛なるアナタ! 大好きで、大嫌いなアナタ!
私の存在を肯定してくれる! 私に居場所を与えてくれる! 私を私にしてくれる!

[メイン]   : ああ! ああ! もう我慢できない! やっと見つけた! やっと会える! やっと触れれる!

[メイン]   : ――だから、殺してしまいましょう。

[メイン] DL :  

[メイン] DL :  

[メイン] DL : 結月のみ共鳴判定(強度5/上昇 1D3)∞共鳴感情:[哀しみ(情念)]

[メイン] 白石結月 : 1DM<=5 〈∞共鳴〉 (1DM<=5) > [2] > 1 > 成功数1 成功!

[メイン] DL : ∞共鳴が1d3上昇

[メイン] 白石結月 : 1d3 (1D3) > 3

[メイン] system : [ 白石結月 ] 共鳴 : 1 → 4

[メイン] DL :  

[メイン] DL :  

[メイン] DL : 次の日、ホームルームが終わると忙しい午前中が訪れ
それもまた終わり、昼休みとなる

[メイン] DL : 以降は盤面下の学内マップを使って調査することを教える
基本的に昼休みは校舎、放課後は部室棟マップを利用する。昼休みに1回、放課後に2回の調査が可能。

[メイン] DL : また、放課後が始まったときにミス研の部室に行ける
これは1回とは数えないことを教える

[メイン] DL : ちなみに共鳴者たちは1年A組

[メイン] DL :  

[メイン] DL :  

[メイン] DL : 昼休み、1-Bを訪れると
そこはワイワイと騒がしい、普通の教室だ

[メイン] DL : そこら辺の生徒に声をかければ、普通に返事も返ってくる

[メイン] モブ太郎 : 「何か用か?」

[メイン] 白石結月 : 他の教室なので入るのをためらっていると声をかけられた

[メイン] 白石結月 : 「ひゃっ!?」

[メイン] 白石結月 : 咳払いをして落ち着いて
「私は1-Aの白石って言います。鶴乃さんに用があって来たのですが…彼女はいますか?」

[メイン] モブ太郎 : 「鶴乃…鶴乃……えーっと…」

[メイン] モブ太郎 : 「ああ、織畑か。 あいつなら昨日(月曜日)から来てないぞ」

[メイン] 白石結月 : 「………えっ?」

[メイン] 白石結月 : 「そんなはずは、だって昨日私の部室に彼女来ましたよ?」

[メイン] モブ太郎 : 「えっ、でも昨日いなかったよな?」
クラスの面々に向って

[メイン] モブ次郎 : 「そういや登校してるとこは見たけど教室にはいなかったな」

[メイン] モブ太郎 : 「んじゃあ医務室にでもいたのか…? まあ少なくとも教室には来てないな」

[メイン] 白石結月 : 「………そんな、はずは…」

[メイン] 白石結月 : でも昨日彼女は授業の内容を覚えていないと話していた
もしかして彼らの言うように出席していなかったのでしょうか

[メイン] 岩永 琴子 : 「ふむ」

[メイン] 岩永 琴子 : 白石の背後から、何かを考えるように相槌を打って

[メイン] 白石結月 : 私が困惑していると、琴子さんの声が聞こえた

[メイン] 岩永 琴子 : 「昨日こちらの部……ミス研ですね、そこに用があると言うことで来てもらってたのですが」

[メイン] 岩永 琴子 : 「そちらの話を聞いた限りだと、登校はしてもクラスには来ていない感じですかね?」

[メイン] モブ太郎 : 「そうなるな。」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……少々込み入った話にはなるのですが、鶴乃さんやその周りで何起きているだとか
 些細な情報でもなんでもいいです。知っていますか?」

[メイン] モブ太郎 : 「うーん、そういや金曜日誰かと一緒に帰ってたな」

[メイン] モブ次郎 : 「ああ、雁鳥と帰ってたな」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ふむふむ、ありがとうございます」

[メイン] 白石結月 : 雁鳥さんって、たしか鶴乃さんを『CS』に招待した人でしたね

[メイン] モブ次郎 : 「おーい雁鳥ぃ! 織畑のこと何か知らないか!」

[メイン] 雁鳥 咲 : その声に、ビクリと反応する女子が一人

[メイン] 雁鳥 咲 : 「え、あの……?」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「…………私は知りません」

[メイン] 雁鳥 咲 : そう言って、目を逸らす

[メイン] DL : 〈*交渉〉か〈心理〉判定をどうぞ

[メイン] 岩永 琴子 : 3DM<=8 〈心理〉 (3DM<=8) > [1, 1, 6] > 5 > 成功数5 ミラクル!

[メイン] DL : !?

[メイン] 白石結月 :

[メイン] 白石結月 : 1DM<=5 〈*交渉〉 (1DM<=5) > [6] > 0 > 成功数0 失敗!

[メイン] DL : では琴子は咲の話はまだ続きがあるとわかる

[メイン] 岩永 琴子 : 「……本当に?」

[メイン] 岩永 琴子 : 雁鳥の方を、光が灯らない瞳と
光が灯り、ある意味では狂気と捉えられてもおかしくないもう片方の瞳が向き

[メイン] 雁鳥 咲 : 「……………」
バツが悪そうに、二人を人気のないところへ連れて行き

[メイン] 雁鳥 咲 : 「……本当は、知っています」

[メイン] 白石結月 : 「…!本当ですか!?」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「信じてもらえないと思いますが…。初めてちゃんとお話ができたあの日、一緒に下校したんです。」

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………」
無言、そのまま続きを促すように

[メイン] 雁鳥 咲 : 「その途中で、人通りがない道で、突然…ホント突然に、目の前に黒くて大きな怪物が現れて…私怖くて逃げだしたんです。」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「織畑さんも遅れて、後ろを走ってて…でも後ろから大きな音が聞こえて、でも振り向けなくて…家まで振り向かずに走ったんです。」

[メイン] 白石結月 : 「怪物って、そんなものが…」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「その後、織畑さんに連絡しても繋がらなくて…見捨てたんです私、織畑さんを、友達を、見捨てて逃げたんです。だから織畑さんはもう…死んで……!」

[メイン] 雁鳥 咲 : と言って、静かに泣き出してしまう。

[メイン] 白石結月 : 「…!そんなことありません!」

[メイン] 白石結月 : ハンカチを取り出して咲さんへと手渡して

[メイン] 白石結月 : 「だって昨日、鶴乃さんが私たちの部室に来たんです」

[メイン] 白石結月 : 「そこであなたのことを話していました。友達がいない私と一緒に帰ってくれた初めての人だって」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「……たちの悪い冗談はやめてください。私、今言いましたよね?
 織畑さんは怪物に…その、食べられて死んだって。」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「怪物も、織畑さんが潰される音も本当にあったことです。食べられたから死体が出てこない…連絡もずっとつきません。」

[メイン] 白石結月 : 「なんでそんな…」

[メイン] 白石結月 : 「あなたにとって鶴乃さんは大事な友人だったんじゃないんですか?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「………………成る程成る程」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「…そうです。友人を見捨てて、逃げたんです。私は……」

[メイン] 白石結月 : 「…鶴乃さんもあなたに失礼なことをしたんじゃって悔いてました。だから顔を合わせられないって」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「………たちの悪い冗談やめてくださいと言いましたよね」

[メイン] 白石結月 : 「そうじゃないんです!そうじゃなくて…」

[メイン] 岩永 琴子 : 何が実で、何が虚か。
それを互いが追求したとしても、平行線を辿るだけだろう

[メイン] 白石結月 : 友達って、そんな簡単に諦めてしまえるようなものなんでしょうか
言い返したい気持ちはあっても友達がいない私には何も言えることがなくて…

[メイン] 岩永 琴子 : ならば────

[メイン] 岩永 琴子 : 「少し失礼を。厭鳥さんは『CS』と言うアプリをご存知でしょうか?」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「……はい、知っています。」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ダウンロードは?」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「…しています」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ふむふむ成る程」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ではもう一つ」

[メイン] 岩永 琴子 : 「『CS』の更新とかってここしばらくしています?」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「金曜にしたっきりです」

[メイン] 岩永 琴子 : 「もしよろしければ更新してみるのはどうでしょうか?するだけなら大した問題なども起きないと思いますし」

[メイン] 岩永 琴子 : 「勿論そちらにその気が無いのであれば、無理強いはしませんが」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「…………わかりました。やってみます」

[メイン] 雁鳥 咲 : 辛そうな顔をしながらアプリを開き、日記を更新する

[メイン] 岩永 琴子 : 異常性があるのであればドロシーさんに伝えるべきでしょう。
日記が何かしらのエラーを吐く…なんて事もあり得るかもしれない

[メイン] 岩永 琴子 : 先日の段階では考えもしなかったことだが、ドロシーが悲劇を防ぎたいと願うのであれば
ある程度サンプルケースが無ければ話にならない
今回の場合は『複数日放置してからの更新による影響』だろうか

[メイン] 岩永 琴子 : 「心苦しい事をさせた事は申し訳ありません。それで…どうでしたか?」
何が出る?この際何も起きないと言った現象でも構わないが。

[メイン] 雁鳥 咲 : 「……? 特になにも…」

[メイン] 岩永 琴子 : 「成る程。ありがとうございました」

[メイン] 白石結月 : 「…あの」
咲さんに声をかける

[メイン] 雁鳥 咲 : 「…………はい」

[メイン] 白石結月 : 「ごめんなさい。私、あなたのことを考えず、自分がこう思うからこうって言ってしまって」

[メイン] 白石結月 : 初めてできた友人が急にいなくなるなんて、同じ立場だったら私はきっと耐えられません

[メイン] 雁鳥 咲 : 「いえ……大丈夫です」

[メイン] 白石結月 : 「…でも、ごめんなさい」

[メイン] 白石結月 : 彼女が見た鶴乃さんの姿が本当なのか、私たちが昨日会った鶴乃さんの姿が本当なのか、今の私にはわからない
でも、鶴乃さんが解決してと持ち込んできた依頼は本物だった。それは私にも起きたことだから

[メイン] 白石結月 : だから、今はそれを解決することだけを考えよう

[メイン] 岩永 琴子 : 「……まあなんと言うか」

[メイン] 岩永 琴子 : 咳払いして

[メイン] 岩永 琴子 : 「幸にして不幸にもこちらの部長が好き勝手したせいで
 ミス研の方はお悩み相談みたいなことになりそうなので」

[メイン] 岩永 琴子 : 「まあ、何かしらキツいだとか。抱え込むとかがあるならば是非是非」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「……はあ、わかりました」

[メイン] 白石結月 : 「はい!いつでも来てください!」
昨日鶴乃さんにかけた言葉を目の前の彼女にもかける

[メイン] 雁鳥 咲 : それに会釈で答えると、自分の席へと戻って行った

[メイン] DL :  

[メイン] DL :  

[メイン] DL : ミステリー研究部の部室に入ると、眼鏡の男が座っていた

[メイン] 八雲 芳一 : 「やあ、元気だった? 諸君、昨日は私がいなくて寂しかっただろう? わかるわかるよ。寂しかったと、そう顔に書いてあるからな。」

[メイン] DL : そこにいたのは、ミス研の部長こと八雲芳一だ

[メイン] 岩永 琴子 : 「寂しいなどは1nmも感じてませんし何より八雲部長…貴方に言わないといけない事があります」

[メイン] 八雲 芳一 : 「…? なんだい?」

[メイン] 白石結月 : 琴子さんに同意するようにこくこくと頷く

[メイン] 岩永 琴子 : 「世迷言を勝手に実現した貴方はクソだ……」

[メイン] 岩永 琴子 : 「昨日も!今日も!何ならここからずっと放課後は安楽椅子でいようとしていたのに!勝手に色々と……」

[メイン] 白石結月 : おおう…普段物静かな琴子さんがぶち切れています…

[メイン] 岩永 琴子 : 「昨日1人来てとても大変なんですよね今ええそれはとても頭が痛い」

[メイン] 八雲 芳一 : 「おお!それは良かったじゃないか!
 早速事件が舞い込むとはな」

[メイン] 白石結月 : 「なんで楽しそうなんですか!こっちは実害が及んでいるので困っているんですよ!」

[メイン] 岩永 琴子 : 「と言うか昨日何やってたんですか?」

[メイン] 八雲 芳一 : 「昨日は別の事件の調査をしていた。
 こっちの方にも1件依頼が来てな」

[メイン] 八雲 芳一 : 「どうも園芸部の育てている花が摘まれる事件が起きているようなんだ。
 まあこれは私が受けた依頼だから、君たちは気にしなくていいんだが…もし犯人を見つけたら怒っておいてくれ。コラッてな」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……ふむふむ、わかりました」

[メイン] 岩永 琴子 : 要件が増えた。

[メイン] 白石結月 : そっちはなんか平和な事件ですね。いえ、それはそれで問題がありますが…

[メイン] 岩永 琴子 : 「ああそうだ、部長は『CS』をやっていますか?」

[メイン] 八雲 芳一 : 「やってるぞ。とはいえ読んだ本を記録したり、面白いネタをメモしたりと、おおよそ日記といえる使い方はしてないがな」

[メイン] 岩永 琴子 : 「昨日オカ研の輝夜さんが強く勧めていたので…ふむ」

[メイン] 八雲 芳一 : 「あの女狐がか…? 何様のつもりなんだか…お前らもまともに相手するなよ」

[メイン] 岩永 琴子 : 出来れば一昨日の段階でそれは聞きたかったですね。

[メイン] 白石結月 : 「あっ、そうです。八雲部長は輝夜さんが何年何組か知っていますか?」

[メイン] 八雲 芳一 : 「2年だな。クラスは知らないし知りたくもない」

[メイン] 白石結月 : 「2年生なんですね。ありがとうございます」

[メイン] 八雲 芳一 : 「なんだ? 事件に『CS』が関わってるのか?
 ならゲーム部の御伽に話を聞くといいぞ。あいつめっちゃ詳しいからな」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……ふむ」
思いがけない事を聞いた。成る程そんな事が

[メイン] 白石結月 : 「この学校ゲーム部とかあるんですね」

[メイン] 白石結月 : でも詳しい人がいることは聞けて良かった
アリスさんに探すと約束していたので

[メイン] 八雲 芳一 : 「それから、事件解決はなるべく急ぐんだぞ?
 なんせ『どんな事件も3日で解決! ミス研探偵事務所!』って張り紙に書いてるからな。」

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………」

[メイン] 岩永 琴子 : 「くそっ!!やればいいんですねやれば!代わりに幾つか此方の頼みも聞いてくださいよ!」

[メイン] 八雲 芳一 : 「内容によっては聞いてやらんでもない」

[メイン] 岩永 琴子 : 「もしも鶴乃さんか厭鳥さん、その2人が来た時は私たちに連絡してもらえませんか?」

[メイン] 八雲 芳一 : 「ああ。いいぞ。 鶴乃に雁鳥だな」

[メイン] 岩永 琴子 : こくりと頷いて

[メイン] 岩永 琴子 : 「はい、それでお願いします」

[メイン] 白石結月 : 「お願いします!」
頼んでくれた琴子さんに感謝するように目配せしつつ八雲部長にお願いした

[メイン] 八雲 芳一 : 「ああ、そういえば。」
と何かを思い出したように

[メイン] 八雲 芳一 : 「最近…でもないか、これはちょっと前からだな。よくお化けを見たーみたいな話をよく聞くが、それはうちの領分か怪しい。」

[メイン] 八雲 芳一 : 「オカ研の絵本に今度確認を取っておくから、お前たちは何か聞かれてもまだまともに取り合わなくていいぞ」

[メイン] 岩永 琴子 : 「お化け……」

[メイン] DL : そんな話をしていると、ミス研のドアがガラリと開いて

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「こんにちは! 今日もよろしくお願いします!」

[メイン] 岩永 琴子 : 「噂をすれば」

[メイン] 白石結月 : 「………!」
その場に現れた鶴乃さんの姿にはっと目を見開いて

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「もしかして、私の話をしていたんですか?
 どうりでくしゃみが出るものと…」

[メイン] 岩永 琴子 : 「今どきそんな体質の人いたら驚きですよ」

[メイン] 八雲 芳一 : 「お、もしかして君たちの依頼者か?」

[メイン] 白石結月 : 「さ、咲さん呼んできます!」
そう言って部室から出て行こうと

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「えっあっ雁鳥さんですか!?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「今はちょっと…会う勇気がないんですが…!」

[メイン] 白石結月 : 足を止めて
「はい!」

[メイン] 白石結月 : 「…え?」

[メイン] 白石結月 : 「どうしてですか?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「いや~…せっかく初めて一緒に帰ったのに、その記憶がないとなるとちょっと申し訳ないと言いますか…」

[メイン] 白石結月 : ………そうだ。咲さんの話が本当だとしたら、鶴乃さんは食べられてしまったって

[メイン] 白石結月 : 不意に鶴乃さんに近寄って、その手を取ってみる

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「ひゃい!? な、なんですか!?」

[メイン] 白石結月 : DLさん、脈や体温はありますか?

[メイン] DL : あることを教える

[メイン] 白石結月 : あたたかい、そして私が触れたことで少しだけ速くなった脈を確認して

[メイン] 白石結月 : 「おかしなことを聞くかもしれませんが、鶴乃さん、生きてますよね?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「生きてますよ!?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「殺さないでくださいよぉ!」

[メイン] 白石結月 : 「ご、ごめんなさい!そんなつもりはなくて!」
あせあせとしながら謝罪しつつ

[メイン] 白石結月 : 生きてるなら、今すぐにでも咲さんと会わせたい
でも、鶴乃さんはまだ会えないって

[メイン] 白石結月 : 「~~~!」
どうしていいのかわからず、変な表情をしながら鶴乃さんの手を取って立ち尽くしていた

[メイン] 岩永 琴子 : 「何やってるんです?」

[メイン] 白石結月 : 「だって、咲さんはあんなこと言ってたのに、鶴乃さんは今ここにいるんですよ!なんだかわからないんですけど感情がグチャグチャになってしまって…」

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………そうですね」
少し間を開けて、返答する

[メイン] 岩永 琴子 : 確かにここに存在している。では厭鳥の反応はなんだ?
彼女は死を見たのだろうか。周りが確認した鶴乃の不自然な反応などはなんだ?
今の情報では、この謎は解けそうにない。

[メイン] 岩永 琴子 : 時計を少し見て

[メイン] 岩永 琴子 : 「白石さんはCSの事でゲーム部に用があるんでしたっけ?

[メイン] 白石結月 : 「あっ、はい!そうですね」
琴子さんにこくりと頷いて

[メイン] 白石結月 : 「ちょっと約束があって、詳しい人に会いたかったんですよ」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「私も是非調査のお供をしたいんですけど…ゲーム部はちょっと…」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ふむ…?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「雁鳥さんゲーム部なんです…」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ああ……成る程」

[メイン] 白石結月 : 「そうなんですね。それなら会いにいけませんね」
少し残念そうにしながら

[メイン] 岩永 琴子 : 「ああ、そうだ。鶴乃さんはCSをやっていた…と聞いていましたが」

[メイン] 岩永 琴子 : 「更新などはやっていますか?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「やってないです。更新してもっと酷いことになったらやだなって思いまして…」

[メイン] 岩永 琴子 : うーんまあご尤もと言えばご尤もな理由

[メイン] 岩永 琴子 : 「交換くらいはしてみてもいいんじゃないです?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「確かにひどいことになるかもしれませんが、解決の糸口などが見えてくるかもしれませんよ?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「うーん、それなら…」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「や、やってみましょう! 交換!」

[メイン] 岩永 琴子 : 「と言うわけで白石さん後任せました」

[メイン] 白石結月 : 「琴子さん…!」

[メイン] 白石結月 : 琴子さんに何度もペコペコ頭を下げつつスマホを取り出して

[メイン] 白石結月 : 「すぐ日記を書くので少し待っていてくださいね」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「わかりました!」

[メイン] 白石結月 : 『6月○日、今日はちょっとしたことで気落ちをしていました。しかし、Tさんが今日も顔を見せてくれたので少しだけ元気になることができました。素敵な提案をしてくれた知人のKさんにも感謝です☆』

[メイン] 白石結月 : さささっと物語に文章を打ち込む

[メイン] 白石結月 : 「準備できました!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「わ、私も何か書いたほうがいいのでしょうか…?」

[メイン] 白石結月 : 「できれば…と言いたいですけど無理強いは良くありませんね」
「私が個人的に気持ちを綴るのが好きなだけなので大丈夫です☆」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「じゃ、じゃあ怖いのでやめておきますぅ…」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 恐る恐る、自身の『CS』の伝誦ボタンを押すと…

[メイン] 白石結月 : ドキドキしながら伝誦をタップする

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「あ…交換できました! 記憶は…多分何ともない?かな?」

[メイン] 白石結月 : DLさん、私にも変化は何もないのでしょうか?

[メイン] DL : 特にないことを教える

[メイン] 白石結月 : わかりました!

[メイン] DL : ▼伝誦:織畑鶴乃
(金曜日の内容)始めてみました!面白い話は書けないと思うけど…。
(キャラクターは灰色の本)

[メイン] DL : と言った内容が送られてくる

[メイン] 白石結月 : その内容を読んで
あれ…これって…?

[メイン] 白石結月 : 「あの、鶴乃さん、これ…」
送られてきた内容を鶴乃さんに見せて

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「金曜日に書いた内容ですね」

[メイン] 白石結月 : 「…これ以外に日記を書いたりしました?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「書いてないですぅ…日記に書いた内容が記憶から消えたらどうしようとか考えて…」

[メイン] 白石結月 : 「あはは…たしかに…」

[メイン] 白石結月 : 「でも私が昨日書いた内容は残ってるし、私も覚えているのでその辺は大丈夫だと思いますよ」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「そ、そうなんですかね…?」

[メイン] 白石結月 : そういえば、昨日彼女の後をつけた際に自分が記憶を失ったことを思い出して

[メイン] 白石結月 : 「ま、まあ。まだ何とも言えませんが…」
そのせいで歯切れ悪く返事してしまう

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「うーん…やっぱりまだ怖いですね…」

[メイン] 白石結月 : 「そうですね。まだまだわからないことだらけです」

[メイン] 白石結月 : 「でも、きっと解決してみせるので!」
ぎゅっと両手でガッツポーズをして

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「…はい! お願いします!」

[メイン] 白石結月 : そして決意を新たにし、琴子さんはオカ研へ、私はゲーム部へと向かうのでした。

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] DL : ゲーム部
普通の部室である。6人ほどがパソコンに向かっていた

[メイン] 白石結月 : こんこんとノックをして
「あの~…こんにちは。失礼します」
そう言ってゲーム部の部室の扉を開けた

[メイン] モブ三郎 : 「はーい。 何か用かな?」
近くの机の人が話しかけてくる

[メイン] 白石結月 : 「はじめまして。私は1-Aの白石って言います。この部にいる御伽さんが『CS』に詳しいと聞いて、訪ねさせていただきました」
軽く会釈をして訪問理由を述べる

[メイン] モブ三郎 : 「ああ。御伽ならあいつだよ」
とイヤホンをしたままパソコンと睨めっこをしている男を紹介する。

[メイン] 白石結月 : 「ありがとうございます」
お礼を述べてから御伽さんの方へと向かいます

[メイン] 御伽 住吉 : 「お? どうかしたか?」
呼びかけられ、振り向く

[メイン] 御伽 住吉 : 「えーっと、君は…」

[メイン] 白石結月 : 「はじめまして。私は…」
先ほどと同じように自己紹介をして

[メイン] 御伽 住吉 : 「そうか。俺は3年の御伽住吉。『CS』のことならちょっとばかし詳しいぜ。」

[メイン] 白石結月 : 「本当ですか!?それならお時間をいただいてもよろしいでしょうか?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「ああ。いいよ」

[メイン] 白石結月 : 「…!助かります!」

[メイン] 御伽 住吉 : 「さて、何から話そうか…」

[メイン] 白石結月 : 「あっ、ちょっと待ってくださいね」

[メイン] 白石結月 : スマホをポチポチして
「アリスさーん。起きてますかー?」

[メイン] アリス : 「起きてるわよ」

[メイン] 白石結月 : 夜中に出てきたので勝手に夜型だと思っていましたが起きていましたね

[メイン] 白石結月 : 「昨日アリスさんが話していた『CS』について詳しい人が今目の前にいます」

[メイン] アリス : 「この人が?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「こ、これは……」
アリスを見て

[メイン] 御伽 住吉 : 「きゃ……」

[メイン] 御伽 住吉 : 「きゃわいい!!!!!!11!1!11!」

[メイン] 白石結月 : 何でこの人他人のスマホを勝手に盗み見してるんだろうと思いつつも
「アリスさん、褒められてますよ」

[メイン] アリス : 「え……キッショ」

[メイン] 白石結月 : 「…せっかく褒めてくれてるんだからそうは思っても言わない方がいいですよ」
タレント活動をしているので処世術は身についていた

[メイン] 御伽 住吉 : 「はう…! 罵声すら気持ちいい!」

[メイン] 御伽 住吉 : 「一体なんだその魔女!?見たことないぞ!進化条件は!?もっとよく見せてくれ!!な、なんでもしますから!!」

[メイン] 白石結月 : 「…そう言われても、私も突然アリスさんが現れたので何とも」
なんかこの人グイグイ来るなと思いつつ

[メイン] 白石結月 : 昨夜の出来事を説明する

[メイン] 御伽 住吉 : 「1度物語を更新しただけで進化!? この時点でもう驚きなんだけど…この見た目、声の自然さ! ふんふんふん!いいなぁ…欲しいなぁ…!」

[メイン] 白石結月 : 「…あげられませんよ」
御伽さんの物欲しそうな視線からアリスさんを隠すようにして

[メイン] アリス : 「ほんとにこの人が詳しい人なの? ねえ?」
心配そうに

[メイン] 白石結月 : 「出雲部長の話ではそうなんですが…」
ちらりと御伽さんの方を見て

[メイン] 白石結月 : 現段階だと変な人ですし、アリスさんが心配するのもわかりますね

[メイン] 御伽 住吉 : 「お義母さん」
と急にキリっとした表情で結月に向い

[メイン] 白石結月 : 「…はいい?」
何言ってるんですか

[メイン] 御伽 住吉 : 「アリスちゃんとの結婚を認めていただき、ありがとうございます」

[メイン] 白石結月 : 「ちょっと待ってください。話が飛躍しています」

[メイン] 白石結月 : 「いつそんな話になったんですか!?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「これは運命なんです。 俺とアリスちゃんが出会ったその瞬間に、いやその前から決まっていた…」

[メイン] 白石結月 : 「…とか言ってますけど、アリスさんはどう思いますか?」
私は嫁に出す気はないのですが、一応アリスさんの意思確認をします

[メイン] アリス : 「イヤデス」

[メイン] 白石結月 : 「そういうことなので、この話はなかったことに」

[メイン] 御伽 住吉 : 「そんな!? そこをどうにか…! いや、じゃあこうしよう。君がその魔女を帰り際まで貸してくれるなら、君が気になってる『CS』のことを調べて教えてあげよう。」

[メイン] 白石結月 : 「ええ…」

[メイン] 御伽 住吉 : 「こう見えて『CS』に一番詳しいのは制作者以外なら多分俺だ。 いろいろ解析とかできるかもしれないぜ」

[メイン] 白石結月 : 御伽さんの今までの反応を見て、はいどうぞ。とは言えず
それに私のスマホでもあるので…

[メイン] 白石結月 : 「アリスさん、どうします?」

[メイン] 白石結月 : 私のスマホはこの際置いておいて、アリスさんの気持ち次第で考えます

[メイン] アリス : 「うう~~……嫌だけど…嫌だけど……」

[メイン] アリス : 「そうだ、そこのキッショいやつがどれだけCSのことを詳しいか…知ってから二しましょ?」

[メイン] 白石結月 : 「…かわいいアリスさんがこう言っています。どうでしょうか?」
かわいいとわざわざ強調しながら御伽さんに提案してみる

[メイン] 御伽 住吉 : 「ふむ…そうだな…」

[メイン] 御伽 住吉 : 「じゃあ普通の魔女の話をしよう。魔女の色は喜怒哀楽を表している。黄色のアデルは喜び、赤のカレンは怒り、青のエリサは哀しみ、緑のソーンは楽しみだ。日記の傾向が偏っているとこれらの姿になりやすい。他にもマッチ、スノー、ミチル、グレーテなど条件を満たした伝誦で進化するタイプもいる。また日記の書き方、ボイス、打ち込み、手書きの傾向によってはメイン画面での反応に変化がある。実際にしゃべったり、メッセージウィンドウで話したりと違いが表れる。ちなみにこいつは豆知識だが、伝誦の通信限界距離は約10メートルだぜ。」

[メイン] 御伽 住吉 : 早口

[メイン] 白石結月 : うわ…軽く引きますね

[メイン] 白石結月 : 「なるほど。アリスさんはそれらに該当していないんですね」
ふむふむと早口の説明を聞きながら

[メイン] 白石結月 : 「…アリスさん、どうですか?私は初めて聞くことばかりで正しいのか間違っているのか良くわからないのですが…」

[メイン] アリス : 「……チッ。キッショいけど確かに詳しそうなのが腹立つわね…」

[メイン] 白石結月 : 「…それじゃ…」
少し不安そうな顔をしながらも

[メイン] 御伽 住吉 : 「うわ!ありがとう!」

[メイン] DL : ~イベント:御伽住吉の解析~
アリスの意見を取り入れることで、御伽住吉はCSの謎に迫ることができる。
これは1日1回依頼できるが、共鳴者は彼を手助けすることを選んでもよい。解析には数時間かかる。放課後1行動目で依頼した場合は帰り際、魔女の入った携帯を回収するときに情報を得ることができる。2行動目だと情報開示は翌日になる。御伽住吉と連絡先を交換していれば、その日の遅い時間に情報を得ることができる。
ただし、共鳴者が住吉の解析に協力する形で〈暗号〉判定あるいは〈電脳〉判定に成功すると、1行動分の時間で情報が開示される

[メイン] 白石結月 : おずおずとスマホを御伽さんの方に差し出す
娘をお嫁さんに出す父親の気持ちってこういう感じなのでしょうか。私は女ですが…

[メイン] 白石結月 : 「アリスさん、いやならすぐに帰ってきてくださいね」

[メイン] アリス : 「できればすぐに帰りたいわね…」

[メイン] 御伽 住吉 : 「一生離さないよ、アリスちゃん」

[メイン] 白石結月 : 差し出そうとした手を一瞬引っ込めそうになる

[メイン] 白石結月 : 「………」
離れるのが名残惜しかったのか、アリスさんを撫でるようにスマホに指を滑らせてから御伽さんにスマホを渡しました

[メイン] DL : 調査を手伝う?

[メイン] 白石結月 : そうですね
今のところやることも思いつきませんし、アリスさんを1人にするのもいやなので

[メイン] DL : わかった
〈暗号〉判定あるいは〈電脳〉判定くれ
あと何を調べるかも

[メイン] DL : 調べられるのは以下の2つ
①『CS』の深部
②いずれかの伝誦

[メイン] 白石結月 : 2DM<=5 〈電脳〉 (2DM<=5) > [9, 10] > -1 > 成功数-1 ファンブル!

[メイン] DL : 🌈

[メイン] 白石結月 : 調査を手伝おうと思いましたが私には分不相応な分野でした

[メイン] DL : では2行動目の後に開示されます

[メイン] 白石結月 : この場にいても自分にできることはないだろうと思ったのと、出雲部長が園芸部の話をしていたことを思い出して

[メイン] 白石結月 : 「アリスさんアリスさん、ちょっと私は席を外しますね。御伽さんと二人っきりにするのはちょっと不安ですが、すぐに戻るので…いいでしょうか?」

[メイン] アリス : 「えぇ…まったく仕方ないわね…」

[メイン] 白石結月 : 「ありがとうございます」
ニコッとアリスさんに笑顔を向けて感謝を意を示します

[メイン] 白石結月 : 解析に集中している御伽さんに声をかけるのは悪いなと思い、そのまま静かにゲーム部を出て行きます

[メイン] DL : その去り際に

[メイン] アリス : 「ねぇ、あなた。お願いしたいことがあるんだけど、ここをオートからマニュアルに切り替えて、制限を解除してくれないかしら?」

[メイン] DL : アリスが御伽住吉にそう話しかけていた

[メイン] 御伽 住吉 : 「ああ、これかな?ちょっと時間かかるけどやってみるよ。」

[メイン] 白石結月 : …?なんの話だろう?と思いつつも、私には良くわからないのであとでアリスさんに聞いてみようと思いました

[メイン] 白石結月 : 御伽さんに調べてもらうのは深部の方にしますね

[メイン] DL : ギン・ワカッタ

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] 白石結月 : 2行動目
園芸部へと向かいます

[メイン] DL : 園芸部
こちらも普通の部室であり、扉をノックし開ければ傍にいた部員が出迎える

[メイン] モブ四郎 : 「どうしました?」

[メイン] 白石結月 : こんこんと園芸部の部室をノックして
「こんにちは。ミス研のものですけど、調査依頼の件で来ました」

[メイン] モブ四郎 : 「あ、ミス研の…この度はどうもありがとうございます」

[メイン] 白石結月 : 「はじめまして。よろしくお願いしますね」
軽く自己紹介を済ませて摘まれた花についての話を聞きますね

[メイン] モブ四郎 : 「摘まれた花ですか…私たち園芸部は花壇に色んな花を植えて育てているんですが、それが最近、ところどころ摘まれていまして」

[メイン] 白石結月 : 「なるほど。誰がやったのかはわかりませんが悪質ですね」

[メイン] 白石結月 : 「何か犯人の手がかりなどはあったりしますかね?」

[メイン] モブ四郎 : 「それが…ミス研の部長さんにも探してもらっているんですが、特にこれと言った手がかりのようなものは見つからないんです」

[メイン] 白石結月 : 「…なるほど」

[メイン] 白石結月 : これ私が出来ることはあるのだろうか…と思いつつも

[メイン] 白石結月 : 「一応現場を拝見させてもらってもいいでしょうか?」

[メイン] モブ四郎 : 「はい、いいですよ」

[メイン] 白石結月 : 「ありがとうございます」

[メイン] DL : 実際に現場を訪れると、確かに花壇の一部から花がなくなっていた

[メイン] 白石結月 : 技能で何か手がかりを見つけることはできるでしょうか?

[メイン] DL : 特に手がかりと言えそうな物はないことを教える
強いて言えば足跡などはない、色々な種類の花を摘み取ってるぐらい?

[メイン] 白石結月 : わかりました!

[メイン] 白石結月 : 花壇を見回して
「ふむふむ。たしかにいろいろな花が摘まれているみたいですね」

[メイン] 白石結月 : そして私が見ても特に手がかりになるようなものは見つかりませんね

[メイン] 白石結月 : 「すみません。せっかくお時間をいただいたのになにもできずに」
案内してくれた演芸部員に頭を下げる

[メイン] モブ四郎 : 「いえいえ。調査してもらってるのはこちらのほうですので」

[メイン] 白石結月 : 「とりあえず私の方でも調査は続けますね」

[メイン] 白石結月 : 「そろそろ下校時間になるので、この辺で」
園芸部員にぺこりとお辞儀をして、囚われのアリスさんを救うべくゲーム部へと踵を返す

[メイン] DL : ではゲーム部にて

[メイン] 白石結月 : 御伽さんの机の前まで行きます

[メイン] 御伽 住吉 : 「すごい!アリスちゃんしゅごいよお!まるで人と話しているみたいだ!しかも頭がいい!このゲームのことをよくわかっている!いやゲームの住人だから当たり前か?いいなぁ!ほしいなぁ!!ふんふんふん!!…あ、そうだ。解析結果だったね。」

[メイン] 白石結月 : うわ、きもっ

[メイン] 白石結月 : …いけません。つい本音が出てしまいそうになりました

[メイン] 白石結月 : コホンと咳払いをして
「はい。教えてもらえますか?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「深く探ってみたんだが、プログラムの中にCSの名前の理由となったと思われる「Cleanest Slumʼs」という文字があった。意味はよくわからないが、無理やり訳すなら…最も綺麗な貧困窟……いや「最も清らかな穢れた場所」か?いずれにせよ、よくわからないな」

[メイン] 白石結月 : 「…「Cleanest Slumʼs」」

[メイン] 白石結月 : 聞き慣れない言葉でした

[メイン] 御伽 住吉 : 「あともう1つわかったことがある。このゲームは0から作ったものじゃない。何かを改変して形にしたものだ」

[メイン] 白石結月 : 「何かを改変…ですか」

[メイン] 御伽 住吉 : 「それとよくわからない画像データが出てきた。何かの記事のようだが、なんでこんなものが隠されていたのだろう。いや、これは本当に画像データなのか…?よくわからないな…」

[メイン] DL : 《怪異:オトギビト》
 人の目にも映る珍しい怪異。人間を模した姿をしており、人間界に溶け込んでいる。見た者に偽りの記憶を植え付け、矛盾や違和に対する感度も下げる。まるで初めからそこにいたかのように振舞い、人々はその不自然に気づくことはない。言わば一種の催眠だ。
 性格は悪逆無道。人々が不安や恐怖に怯える様を観察し悦ぶ。人の霊感をある程度拡張することができ、幽世の存在を見せることで人々を狂気へと誘う。幽世の存在への感度を下げることもできるはずだが、恐怖が薄まるのでそれをすることはない。

[メイン] 白石結月 : 「…オトギビト」

[メイン] 御伽 住吉 : 「本当にどこから混じったんだろうな…?」

[メイン] 白石結月 : その記事を読んで背筋がぞくりとした
こんなものが本当にいるんだとしたら…

[メイン] 白石結月 : 首をブンブンと左右に振る
怖い話は苦手なので考えるのはよそう

[メイン] 白石結月 : 「そうですね。なんでこんなものが入ってるんでしょうね」

[メイン] アリス : 「何故かしらねぇ…?」

[メイン] 白石結月 : 「…そういえば、アリスさんが知りたかったのって、このことなんですか?」

[メイン] アリス : 「このことではないけど…収穫はあったわ。
 あとで教えてあげる」

[メイン] 白石結月 : 「…!それは楽しみです」
ニコッとスマホの画面に映るアリスさんに微笑んで

[メイン] 白石結月 : 「御伽さん、調べてもらってありがとうございました」
スマホを手に取り、ぺこりとお辞儀をして

[メイン] 御伽 住吉 : 「ああ! 俺とアリスちゃんの仲を引き裂く気ですかお義母さんッ!」

[メイン] 白石結月 : 「あなたのお義母さんになった覚えはないですよ!」
びしり!と指摘して

[メイン] 白石結月 : 「それにアリスさんは私の大切な友達です。頼まれてもお嫁さんには出しません!」

[メイン] 御伽 住吉 : 「そんなぁ~~~!」

[メイン] 白石結月 : 「…しかし、調べてもらって助かったのは本当なので」
一応フォローするように

[メイン] 白石結月 : 「アリスさんが良ければまた何か調べ物を頼むかも…」
そこまで言いかけて

[メイン] アリス : 「嫌よ」

[メイン] 白石結月 : 「おっと、アリスさんが嫌ならこれっきりですね」

[メイン] 御伽 住吉 : 「ああッ! でもアリスちゃんに罵倒されるのは嬉しい!」

[メイン] 白石結月 : なんかやばい人と知り合ってしまったようです

[メイン] 白石結月 : 「…そろそろ下校時間なので帰りますね。それでは!」
逃げるようにゲーム部から廊下へと

[メイン] 白石結月 : ミス研に戻る際にアリスさんに問いかけます

[メイン] 白石結月 : 「あの、一人にしてしまいましたけど、なにかおかしなこととかされませんでしたか?」

[メイン] アリス : 「まあ…そこは大丈夫だったわ。キッショかったけど」

[メイン] 白石結月 : 「それなら良かったです」
アリスさんの言葉に安堵して

[メイン] 白石結月 : 「またアリスさんが知りたいことができたら、今度からはちゃんとした人に頼みますね」

[メイン] アリス : 「そうしてもらえると助かるわね…」

[メイン] 白石結月 : 「はい!」

[メイン] 白石結月 : そんな会話をしているともうミス研の前までついていました

[メイン] 白石結月 : そろそろ下校時間ですし、琴子さんも戻ってきているかな。と思いながらミス研の扉を開けて中へと入ります

[メイン] 白石結月 : 「ただいま戻りました!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「あ! おかえりなさい!」

[メイン] 白石結月 : 「あ、鶴乃さん。まだ帰っていなかったんですね」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「いやあ…帰る時に記憶がなくなると思うと、ちょっと帰るのがこわくて…」

[メイン] 白石結月 : 「…それなら一緒に帰りますか?」
彼女の心配を感じ取ってふとそんな言葉が出てきてしまう

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「いいんですか!?」

[メイン] 白石結月 : 「…実は私も昨日の夕方から夜の記憶がないんです」
鶴乃さんにストーキングしていたことを正直に話す

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「わわっ!? 大丈夫でしたか!?」

[メイン] 白石結月 : 「はい。気がついたら自室にいたので、ケガひとつありません」

[メイン] 白石結月 : 「でも鶴乃さんが言ったように記憶が消えていたので、鶴乃さんのことを信用しようって思ったんです」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「それは…ありがとうございます!」

[メイン] 白石結月 : 「だから鶴乃さんの記憶が消えるのが怖いって気持ちは私もわかります」

[メイン] 白石結月 : 「でも家には帰らないといけないので、2人なら多少は怖さも薄らぐかな…なんて思います」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「…はい!そうですね!」

[メイン] 白石結月 : 鶴乃さんの笑顔を見て私も微笑みを返して
「それじゃ帰りましょうか」

[メイン] 白石結月 : そういってふと部室を眺めると、見覚えのある白い服を着た少女の姿が目に入り

[メイン] 白石結月 : 「あっ!琴子さん!琴子さんも一緒に帰りませんか?」

[メイン] 岩永 琴子 : 顎に指を当てて何かを暫く考えていたのだが、呼び掛けられたことに一度思考を止めて

[メイン] 岩永 琴子 : 「……ああ白石さん。一緒にですか、ふむ」

[メイン] 白石結月 : 「はい!そろそろ暗くなるので、琴子さんも一人で帰宅だと心配かなと思って」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「帰りましょう!3人で一緒に!」

[メイン] 白石結月 : 鶴乃さんもこう言ってますしと圧をかけて

[メイン] 岩永 琴子 : これは……デジャブ!

[メイン] 岩永 琴子 : 「……わかりましたわかりました。途中までですが見送りますよ」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「わーい!」

[メイン] 白石結月 : 「3人いればなんとやらで安心して帰れますね!」

[メイン] 岩永 琴子 : 「帰るだけに文殊の知恵は必要ないと思うんですよね」

[メイン] 白石結月 : 琴子さんの鋭い突っ込みに笑いながら3人で部室を出ました

[メイン] DL :  

[メイン] DL : 廊下を歩いていると、視界が一瞬、テレビノイズのように歪む。砂嵐はすぐに収まった。

[メイン] DL : 暗い暗い、赤い黒い。廊下も壁も天井も血液をぶちまけたように赤い、窓の外はペンキで塗りつぶしたように黒い。学校の廊下であって学校の廊下ではない、直感的にそう確信できる異界だった。

[メイン] DL : 歩く生徒はまるで死人に見えた。常世の国を闊歩する住人のように、揺れ動く。

[メイン] DL : 共鳴判定(強度3/上昇1)∞共鳴感情:[恐怖(情念)

[メイン] 白石結月 : 4DM<=3 〈∞共鳴〉 (4DM<=3) > [10, 1, 7, 5] > 1 > 成功数1 成功!

[メイン] system : [ 白石結月 ] 共鳴 : 4 → 5

[メイン] 岩永 琴子 : 1DM<=3 〈∞共鳴〉 (1DM<=3) > [7] > 0 > 成功数0 失敗!

[メイン] DL :  

[メイン] DL : すぐに視界は切り替わり、正常な世界へと帰還する。

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「だ、大丈夫ですか!? お二人とも、急に立ち止まって…」

[メイン] 岩永 琴子 : なんだ、今のは

[メイン] 白石結月 : 一瞬だけ見えたこの世ならざる世界
その恐怖で思考が固まっていた

[メイン] 岩永 琴子 : 大きく目を見開いて、周りを見渡すが
視界は異変を感知せず

[メイン] 岩永 琴子 : これが怪異なのか?確証は足りていないが。

[メイン] 岩永 琴子 : 「大丈夫ですか?」

[メイン] 白石結月 : 鶴乃さんの呼びかけではっとなり
「…えっ?あれ、今のは?」

[メイン] 白石結月 : キョロキョロと周囲を見回すと琴子さんと視線がぶつかり
「は、はい。何か変なものが見えた気がしましたけど、気のせいだったみたいです」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「どうしたんですか二人とも~!」

[メイン] 岩永 琴子 : 声にも顔にも、視線すらも
恐怖など感じかけないように創り上げて

[メイン] 岩永 琴子 : 「ああいや、最近2人して寝不足でして……」

[メイン] 白石結月 : 「はい。白昼夢?ってやつです。多分」
鶴乃さんに心配かけないようにうそぶいて

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「そ、それならいいんですけど…」

[メイン] 白石結月 : 「ささっ、帰りましょう!」
笑顔を取り繕って帰るように促します

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「は、はい!」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……そうですね」

[メイン] 岩永 琴子 : そう言いつつ、白石の方に近寄り

[メイン] 岩永 琴子 : 「(……私が鶴乃さんと帰りましょうか?)」

[メイン] 岩永 琴子 : 今回ばかりは軽く返答はしない。どうするべきかを決めるのは彼女ではあるが
その彼女が今、自身に何が起きたかを感じた上でどうしたいのか 今一度尋ねておく必要がある

[メイン] 岩永 琴子 : 心配というよりかはこの場面で下手を打たれるとまずい、の観点もあるのだが
兎にも角にも、あまり無理強いさせてパフォーマンスを低下させる訳にもいかないだろう

[メイン] 白石結月 : 「…あ」
琴子さんのそのつぶやきに彼女の思いやりのようなものを感じ取り

[メイン] 白石結月 : 「…それなら、お願いしていいですか?」
鶴乃さんには聞こえないように

[メイン] 白石結月 : 「実は、さっき廊下で変なものを見てしまって、それで…」
手が小さく震えていた

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………」

[メイン] 岩永 琴子 : 少し間を空けさせるべきか。

[メイン] 岩永 琴子 : 「分かりました、代わりにと言ってなんですが」

[メイン] 白石結月 : 「…はい」

[メイン] 岩永 琴子 : 「別れてから1分おきに現在地の報告を兼ねたメールを送り続けます 途切れたのであれば巻き込まれたと思っておいてください」

[メイン] 白石結月 : 「…!わかりました」

[メイン] 白石結月 : もしかしたら琴子さんが危険な目に遭うかもしれない
私が先に一緒に帰ると言い出したんだから、本当なら私が行くべき。そのはずなのですが…

[メイン] 白石結月 : 「…ごめんなさい、お願いします」

[メイン] 白石結月 : 恐怖の方が勝っていて、今の私には彼女の気遣いに甘えることしかできませんでした

[メイン] 岩永 琴子 : 「……ふふ、別に構いませんよ」

[メイン] 岩永 琴子 : 「鶴乃さん、白石さんは少しお疲れのようなので私だけになりそうですが…構いませんか?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「あれ…そうなんですか!? 私は大丈夫です」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「それにしても、白石さん…私のためにそんなに頑張ってくれたんですね!ありがとうございます!」

[メイン] 白石結月 : 「ああいえ、私は自分にできることをやっているだけなので」

[メイン] 白石結月 : 「鶴乃さんは、何か他人とは思えなくて。ちょっと私と似てる部分があるというか、それで…」

[メイン] 白石結月 : 「今日は私の都合で一緒に帰れなくなりましたけど、また今度、鶴乃さんが良ければ一緒に帰りましょうね」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「はい!是非お願いします!」

[メイン] 白石結月 : 鶴乃さんの返事に笑顔で答えて、ではお願いします。と琴子さんにぺこりとお辞儀をしました

[メイン] 岩永 琴子 : 「任されました」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「では一緒に帰りましょう、琴子さん!」

[メイン] 岩永 琴子 : 「はい、わかりました」

[メイン] DL :  

[メイン] DL : 帰り道
2人の側にも、連絡を貰う結月の側にも、特に異常はない
そのまま2人で色々と話しながら帰宅する

[メイン] DL : そして

[メイン] DL :  

[メイン] DL : 琴子は、気がついたら自分の部屋にいた

[メイン] DL : 琴子のみ共鳴判定(強度3/上昇1)∞共鳴感情:[哀しみ(情念)]

[メイン] 岩永 琴子 : 1DM<=3 〈∞共鳴〉 (1DM<=3) > [2] > 1 > 成功数1 成功!

[メイン] system : [ 岩永 琴子 ] 共鳴 : 1 → 2

[メイン] 岩永 琴子 : 私は覚えていない
少なくとも……この家に帰ってくるまでの『過程』を

[メイン] 岩永 琴子 : スマホを触りながら、ひとまず無事であることをメールという媒体で通達して

[メイン] 岩永 琴子 : 「……さて」

[メイン] 岩永 琴子 : 「どうしたものか……」

[メイン] 岩永 琴子 : 1人思考に耽りつつ

[メイン] 岩永 琴子 : 本日の調査で得た物を端的にまとめて、送信だけして

[メイン] 岩永 琴子 : 次はどうするべきかと思いながら、現状やれることなどないのでただ無駄にスマートフォンを覗き込むことにした

[メイン] DL :  

[メイン] DL :  

[メイン] DL : その夜、結月はアリスに話しかけられる

[メイン] アリス : 「ねえ。あなたはこの事件、根本の原因は何だと思ってる?」

[メイン] 白石結月 : 「むむむ。根本の原因、ですか…」
少し考えるように顎に手を当てて

[メイン] 白石結月 : 「…おかしなことを言うかもしれませんが、笑わないで下さいね」
そう前置きして

[メイン] アリス : 「わかったわ。何でも言ってみるものよ」

[メイン] 白石結月 : 「わかりました。私、こういうのは苦手なのですが…怪異、いわゆるホラー系の幽霊や悪魔の仕業ではないかと」

[メイン] アリス : 「ふふ…私と意見が一致したわね。
 私も原因は怪異だと思ってるわ」

[メイン] 白石結月 : 「ほっ、それなら良かったです」
胸をなで下ろすが

[メイン] 白石結月 : そう言いつつも、少し顔が青ざめて
ちょっと待って下さい。私は怖いの苦手なのですが…

[メイン] アリス : 「原因が怪異ってことは、それをどうにかしなくちゃならないわけよね?」

[メイン] 白石結月 : 「そうですね。方法は全くわかりませんが」
アリスさんにこくりと頷いて

[メイン] アリス : 「もっと言えば…怪異を退治しなければならない。
 もしそうなった時、怪異をどうにかする術があったとしたら…ほしい?」

[メイン] 白石結月 : 「…どうして私に聞くんですか?」
アリスさんの真意を探るように問いかける

[メイン] DL : 画面が突然切り替わる。真っ青な背景の中央に大きな黒い円が描かれ、そこに入力ボックスだけが存在している。
入力ボックスには Welcome to Wonderland というプレースホルダー、薄いグレーの案内文字が表示されている

[メイン] アリス : 「私は力を持っているけれど、それを使うのはあなただから…かしらね?」

[メイン] 白石結月 : なんでそんな力を…と聞こうと思いましたが、多分はぐらかされるんでしょうね

[メイン] 白石結月 : 「…アリスさんは私に怪異を退治して欲しいんですか?」

[メイン] アリス : 「私はどっちでもいいわよ? あなたが退治したくないって言うなら、それもまた面白い選択だもの」

[メイン] アリス : 「こういうのは、選択肢が多いほど面白いものなのよ」

[メイン] 白石結月 : 正直なところ迷っていました。怖いのが苦手なのもあるのですが、退治するとしても私にそれができるのか、それに、鶴乃さんもそちら側の存在だとしたら私は…

[メイン] 白石結月 : 「…あの、アリスさん。もし怪異をどうにかできる術があったとして、退治以外にできることはあったりしますか?」

[メイン] アリス : 「……そうね…
 あなたがこの『ラビットホール』────怪異を落とす、ウサギ穴────これを使う分には、退治することになると考えていいわ」

[メイン] 白石結月 : 「ラピッドホール…」
スマホ画面に映る真っ黒な穴を見つめる

[メイン] アリス : 「これを使うとね、『CS』の中に怪異を封印できるの。
 これが私に与えられた力。」

[メイン] 白石結月 : 「…なんだか良くわかりませんが、アリスさんって結構すごいんですね」

[メイン] アリス : 「ええ、そうよ」
ニッコリと笑って

[メイン] 白石結月 : アリスさんの笑顔に思わず微笑みを返して

[メイン] アリス : 「あ、使い方は簡単だから安心しなさいな。入力ボックスに対象の、怪異としての名前を入れて、次に表示されるOKボタンを押すだけ。」

[メイン] 白石結月 : 「…なるほど」
「それなら今ここで名前を入れても使えたりするんですか?」

[メイン] アリス : 「名前が合って、怪異が目の前にいれば、ね。
 使うにはいくつか条件があるのよ。」

[メイン] アリス : 「まず、封印したい怪異が目の前にいないと使えない。携帯をしっかりと対象に向ける必要があるわ。名前と対象がともに正しい場合、背景が赤くなるはずよ。」

[メイン] 白石結月 : ふむふむとうなずきながらアリスさんの説明に聞き入る

[メイン] アリス : 「それと使うのなら逢魔が時……要するに夜にしなさいね。
 あと、起動は一度が限界だから慎重にね」

[メイン] 白石結月 : 「…つまり、怪異を1体だけを対象に一回切りってことでしょうか?」

[メイン] アリス : 「そういうこと」

[メイン] 白石結月 : 「…わかりました」

[メイン] 白石結月 : それなら使うとしても、しっかり調べて、本当の悪い怪異に対して…ですね

[メイン] アリス : 「にしても、あの住吉って奴…腕は確かなのよね…
 元々は、オート機能しかなかったこの『ラビットホール』を、こうしてマニュアル操作にできるんだもの」

[メイン] 白石結月 : 「そういえば、ゲーム部の部室を出る際にそんな話をしていましたね」

[メイン] 白石結月 : 「アリスさんを嫁に出す気はありませんが、調子が悪くなったら見せに行くのもいいかもしれませんね」

[メイン] アリス : 「他に頼れる奴はいないのかしら…」

[メイン] 白石結月 : 「そうですね。今度探しておきます」

[メイン] 白石結月 : 「…とりあえず、この『ラピッドホール』は受け取っておきます」

[メイン] 白石結月 : なんでアリスさんがこんな力を持っているのかはわかりませんが、アリスさんが私の元に現れたのなら、なんらかの意味があるはずだから

[メイン] アリス : 「そうしなさい。私は銃弾、あなたは引き金。
 これを撃つ判断をできるのは、あなただけなのだから」

[メイン] 白石結月 : 「急に物騒なことを言い出しましたね」

[メイン] 白石結月 : 「銃弾だなんて言わないでください。アリスさんは私にとっては大切なお話し相手の一人なので」

[メイン] アリス : 「……そう。なら撤回しておくわ」

[メイン] 白石結月 : 「はい!」
ニッコリと微笑んで

[メイン] 白石結月 : アリスさんに鶴乃さんのことを相談しようと思っていましたが、『ラピッドホール』の話をされて考えが固まりました

[メイン] 白石結月 : しっかり調べて、後悔のないような決断をしないといけませんね

[メイン] 白石結月 : 「私、頑張りますね!」
ぐっとアリスさんにガッツポーズを見せて

[メイン] アリス : 「フフ、頑張りなさい。出来るだけのことをやってみせなさいね」

[メイン] 白石結月 : 「はい!アリスさんと一緒ならきっと大丈夫です!」

[メイン] 白石結月 : ちらりと時間表示を見て
「それじゃもう遅いのでそろそろ寝ましょうか」

[メイン] 白石結月 : 「おやすみなさい」
ベッドに横になり、枕元にスマホを置いて瞼を閉じました

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] DL : 翌日、またもや忙しい午前が終わり昼休みになる

[メイン] DL : 職員室に着くと、教師たちがいつものように仕事に追われていた
近い席の教師に話しかければ、何か答えてくれるだろう

[メイン] 教師 : 「どうした?何か用か?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「あー……少し部活動についてお話ししたい事が。時間をいただいてもよろしいでしょうか」

[メイン] 教師 : 「ああ、いいぞ」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ありがとうございます」

[メイン] 岩永 琴子 : 「オカ研…オカルト研究会についてですが……今所属しているメンバーについて教えてもらってもよろしいでしょうか?」

[メイン] 教師 : 「そうだな…今調べてくる」

[メイン] 教師 : しばらくして戻ってくる

[メイン] 教師 : 「オカ研に現在所属しているのは、3年の小波絵本1人みたいだな。
 それで生徒会から廃部勧告が行ってるみたいだ」

[メイン] 岩永 琴子 : 「………………成る程」
その顔はあくまでも平静と。

[メイン] 岩永 琴子 : 莫迦な。どうなっている。

[メイン] 岩永 琴子 : 成る程2人なら納得はできただろう。しかし1人だと?

[メイン] 岩永 琴子 : 「……失礼ですが、竹取 輝夜と御伽 雀と言う生徒について教えてもらってもよろしいでしょうか」

[メイン] 教師 : 「1年なのに御伽雀のことを知っているとはな…
 竹取輝夜ってのは…ちょっと待ってろ」

[メイン] 教師 : またしばらくして戻って来て

[メイン] 教師 : 「竹取輝夜って生徒はうちにいないみたいだぞ」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……ふむ」

[メイン] 教師 : 「あと御伽雀は…お前も知ってるかもしれないが……半年前に亡くなってるんだ。事故でな」

[メイン] 岩永 琴子 : 「存じて、おります……」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……本日は、ありがとうございました。竹取さんは私の知り合いですので、後々無断で変な事をしないようにと注意しておきます」

[メイン] 教師 : 「ああ。そうしてくれると助かる」

[メイン] 岩永 琴子 : 「では」
ぺこりとお辞儀をして、職員室から離れて

[メイン] 岩永 琴子 : 御伽 雀は何と言っていた。『半年前』にCSをやらなくなったと
そして『半年前』から幽閉の噂を聞くようになったと

[メイン] 岩永 琴子 : そして御伽 雀が亡くなったのも『半年前』

では竹取 輝夜は何者だ。アレの事を他の人物は何一つ知らないぞ。

[メイン] 白石結月 : 「お話は聞けました?」
職員室から出てきた琴子さんを確認して声をかける

[メイン] 岩永 琴子 : ともすれば、小波 絵本は……?

考えを巡らせている間に声をかけられて

[メイン] 岩永 琴子 : 「……まあそうですね」

[メイン] 白石結月 : 「なにか考えているようでしたけど、気になることでも…?」

[メイン] 岩永 琴子 : そう尋ねられる頃には、再び自分の世界に思考を走らせて

[メイン] 岩永 琴子 : 「小波絵本は何者だ。何を…………竹取輝夜は恐らく……クロ……御伽雀は……」

[メイン] 白石結月 : 「…?」
輝夜さんがクロ?なんのことだろうと琴子さんのつぶやきをこっそりと聞いて

[メイン] 岩永 琴子 : 「……まあ、なんというべきか」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ミイラ取りがミイラとはよく言ったものだと少し感心しますね」

[メイン] 白石結月 : 「ふむふむ?」

[メイン] 岩永 琴子 : そして、再び職員室をノックして

[メイン] 教師 : 「ん?なんだ?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「一つ聞き忘れたことがあったのですが……」

[メイン] 岩永 琴子 : 「小波 絵本さんの所属するクラスがどこか教えてもらってもよろしいでしょうか?」

[メイン] 教師 : 「あー…確か3Cだったかな」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ありがとうございました」

[メイン] 岩永 琴子 : 「失礼しました」
再び職員室から離れて

[メイン] 岩永 琴子 : 「白石さん。今から少し3-Cに寄ってもらえますか?」

[メイン] 白石結月 : 「…?はい、それは構いませんが…」

[メイン] 岩永 琴子 : 「順を追って説明します。まず部活は3人未満であれば廃部になる事は知っていますね?」

[メイン] 白石結月 : 「はい。それは知っています」
こくりと頷いて

[メイン] 岩永 琴子 : 「ところがどっこい オカ研は3人もいないのですよ」

[メイン] 白石結月 : 「えっ…?そうなんですか?それなら部員は輝夜さんともう1人だけなんでしょうか?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……実は違います。先程尋ねた小波絵本さん以外"全員所属していない"のです」

[メイン] 白石結月 : 「……はい?」
琴子さんがなにを言っているのか意味がわからなかった

[メイン] 岩永 琴子 : 「竹取輝夜さんはそもそもこの高校の生徒ではないし、もう1人の御伽雀さんは……半年前に亡くなっています」

[メイン] 白石結月 : 「………」
突然の言葉に頭が理解を拒むが、身近に鶴乃さんという存在がいたことで

[メイン] 白石結月 : 「…つまり、輝夜さんや、その雀さんという方も幽霊みたいな存在ってことなのでしょうか?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「確証はありませんがね」

[メイン] 岩永 琴子 : 「というわけで、少し小波さんから話を聞き出してみてください。多分彼はそれを知っています」

[メイン] 白石結月 : 琴子さんは『確証はない』というけど、彼女がこういうことを何の裏付けもなく話すはずがないので

[メイン] 白石結月 : 「…わかりました。小波さんに話を聞いて来ます」
こくりと頷き、すぐにその場をあとにする

[メイン] DL : 3Cの教室。昼休み中のその教室で、小波絵本は一人本を読んでいる

[メイン] 白石結月 : いつもなら高学年の教室に入るのはためらうけど今はそんな状況ではなく

[メイン] 白石結月 : 「小波先輩、少しお話しよろしいでしょうか?」
琴子さんから聞いていた容姿の学生に声をかける

[メイン] 小波 絵本 : 「………なんだ…?」

[メイン] 小波 絵本 : 1年に話しかけられたのが意外なように、その声に応える

[メイン] 白石結月 : 「はじめまして。私はミス研の白石結月って言います」
軽く自己紹介を済ませる

[メイン] 小波 絵本 : 「ああ…ミス研の奴か…
 この間も一人、オカ研に来たよ」

[メイン] 白石結月 : …!琴子さんのことですね

[メイン] 小波 絵本 : 「それで、ミス研が僕に何の用だ?」
めんどくさそうにそう尋ねる

[メイン] 白石結月 : 「えっとですね。ミス研としてちょっと気になることを聞きまして…」

[メイン] 白石結月 : 「多分オカ研の小波先輩も気になると思います」
「実はですね。この学校に幽霊やそういった類いがいるんです!」

[メイン] 小波 絵本 : 「…………そうか」

[メイン] 白石結月 : あれ?反応薄いですね?

[メイン] 小波 絵本 : 「まあ…そう言った噂話も聞くことはあるな」

[メイン] 白石結月 : 「それが噂ではないんです!」
「同じミス研の部員が集めた情報があって」

[メイン] 小波 絵本 : 「ふぅん…それで、その情報っていうのは?」

[メイン] 白石結月 : 「…驚かないで聞いてくださいね。小波先輩の所属するオカ研の、竹取輝夜さんと、御伽雀さんがその幽霊なんです!」

[メイン] 小波 絵本 : 「……………」

[メイン] 白石結月 : じっと小波先輩の顔色をうかがう

[メイン] 小波 絵本 : 「ハハ、そんなわけないだろ。彼女らが幽霊だって?」

[メイン] 白石結月 : 「私だって最初は信じられませんでした。輝夜さんとは何度か話してますし」

[メイン] 白石結月 : 「でもミス研の部員が集めた情報だと、竹取輝夜さんという生徒はこの学校に在籍していなくて、御伽雀さんは半年前になくなっているそうなんです」

[メイン] 小波 絵本 : 「………そうかよ」

[メイン] 小波 絵本 : 「お前は、どこまで知ってるんだ?」

[メイン] 白石結月 : 「…どこまで?」
いまいちその言葉の意味が飲み込めませんが…

[メイン] 白石結月 : 「私は、ただこの学校で起こっている不思議な事件を解決したいだけです」

[メイン] 白石結月 : タイミングを逃した感じがしますが一応心理を振っておきましょうか

[メイン] DL : いいよ

[メイン] 白石結月 : 2DM<=5 〈心理〉何か隠してますよね? (2DM<=5) > [3, 9] > 1 > 成功数1 成功!

[メイン] DL : 何か隠してそうだ、ということがわかる

[メイン] 小波 絵本 : 「不思議な事件を解決、ね…」

[メイン] 小波 絵本 : 「お前の言う解決って言うのは、何だ?
 幽霊を消すことか?」

[メイン] 白石結月 : 首を左右にブンブンと振って

[メイン] 白石結月 : 「違います!もし自分が死んでいることにも気づかないまま彷徨っているなら…私はかわいそうだって、そう思ったんです」

[メイン] 白石結月 : 「それに、互いに会いたくても会えない、そんな人や幽霊だっているんです」

[メイン] 白石結月 : 「だから私は…そんな人や幽霊を救えたらって…それだけです」

[メイン] 小波 絵本 : 「…仮にお前が言っている幽霊ってのが真実だったとしよう。で、それがどう
した? 確かにそいつはそこにいる。そいつは自身の在り方に疑問を抱いていない。」

[メイン] 小波 絵本 : 「生者か死者かという違いは、肉体か霊体かという違いは、この奇跡の前では瑣末なことだ。」

[メイン] 小波 絵本 : 「お前の目にはその不自然な性質が不気味に映るか?
 確かに、お前は彼女を見ることはできない。
 だがそれも周囲の認識…お前たちの認識が変化すれば元通りになる。」

[メイン] 白石結月 : 「たしかにそうです。私が言っていることは私の勝手な都合です」
「友達がいない私と仲良くしてくれる幽霊もいますし、優しい方ばかりです」

[メイン] 白石結月 : 「でも、私はその優しい幽霊の方に依頼されたんです!この事件を解決してくれって!」

[メイン] 白石結月 : 「その方は学校からの帰宅時に記憶を失うって、それがずっと不安で怖がっているんです」

[メイン] 白石結月 : 「小波先輩も幽霊に対してなにか思うところがあるようですが、この優しい幽霊の方についてはどう思いますか?」

[メイン] 小波 絵本 : 「可哀そうだな。
 そんな幽霊がいるなら、僕の言ってることもわかるだろう?
 周りの認識さえ変われば、そいつは元に戻れる。うちの幽霊も同じだ。まもなく部室を出て、正常な世界へと帰還する」

[メイン] 白石結月 : 「…認識って、身近な人が亡くなるのを目撃して、それを悲しんでる人の前でも言えるんですか?」

[メイン] 小波 絵本 : 「ああ。」

[メイン] 白石結月 : 「…そんなの…」
『おかしい』と口に出しそうになりましたが、私も咲さんに対して失礼なことを言ってしまったことを思い出し、言いよどんでしまう

[メイン] 白石結月 : 「………」
そのまま沈黙が続くと、昼休みを終えるチャイムが鳴る

[メイン] 白石結月 : 「……お話しありがとうございました。時間をとらせてしまってすみません」
ぺこりとお辞儀をして

[メイン] 小波 絵本 : 「……ああ。ここに来るのは勝手だが、オカ研には入るんじゃないぞ」

[メイン] 白石結月 : 「…はい。それでは」
逃げるようにその場を後にしようとして、スマホに指を滑らせて『CS』を起動する

[メイン] 白石結月 : 何か、何かできることは…
そう思って伝誦を確認する

[メイン] DL : ▼伝誦:小波絵本
(約半年前の内容)雀がワスレモノのおまじないと試すとうるさかった。雰囲気を出すため深夜0時にオカ研の部室でとか、いくらなんでも付き合えない。先輩たちは受験で籍は置いてるけどすでに引退してるから、声をかけるなら僕くらいなのはわかるが…。少し心配だから明日朝一に部室を見に行こう。あいつのことだ、家に帰らず部室に泊るとか平気でしそうだし。
(キャラクターは赤を基調とした魔女)

[メイン] 白石結月 : その内容を見て、はっとなって背後の小波先輩を確認するもそこにはもう彼の姿はなかった

[メイン] 白石結月 : …とりあえず、小波先輩から聞いたことと、この伝誦を琴子さんに伝えないと
そう思いながらそのまま自分の教室へと戻りました

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] DL : 放課後、ミス研にやってくると
既に芳一と鶴乃が居て話をしていた

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「あっ、お二人とも!来たんですね!」

[メイン] 白石結月 : 「こんにちは。鶴乃さん」
昨日は一緒に帰ることができずにごめんなさいと謝って

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「いえいえ、大丈夫ですよ!」

[メイン] 白石結月 : そう言ってくれる彼女が眩しい。例えこの世のものじゃなくても、心があたたかくなります

[メイン] 八雲 芳一 : 「よう。二人とも事件解決は進んでいるか? 今日で約束の3日目だぞ。」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……まあ目処は」
言い切らない辺りつまりそう言う事である

[メイン] 八雲 芳一 : 「おいおい。規約違反になってしまうじゃないか。
 鶴乃嬢に怒られるぞ?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「私は怒らないですよぉ~!?」

[メイン] 白石結月 : 「そうですよ!優しい鶴乃さんに変な言いがかりはやめてください!」

[メイン] 八雲 芳一 : 「ハハハ、それはすまなかった」

[メイン] 八雲 芳一 : 「まあ、かく言う私の方も解決の目途は立っていないんだがな…」

[メイン] 白石結月 : 「八雲部長は園芸部の花壇でしたね。私も昨日確認しにいきましたけど全くわかりませんでした」

[メイン] 八雲 芳一 : 「お、こっちは調べなくてもいいと言ったのに、調べてくれたのか。
 先輩思いの後輩を持ったものだ…」

[メイン] 白石結月 : 「私たちが調べてる事件となにか繋がりがあるかもしれないので一応、はい」

[メイン] 八雲 芳一 : 「私は昨日、学外を調べていたが…どうも学外でも花は摘まれているようでな…」

[メイン] 八雲 芳一 : 「まあ、理由はさっぱりわからないんだが!」

[メイン] 白石結月 : 「ふむふむ。それなら外部犯の可能性もあるんですね」

[メイン] 八雲 芳一 : 「可能性としては、それもあるな」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ふむ……」

[メイン] 岩永 琴子 : 「さて、どうしましょうか?」
白石の方をチラリと見る。本日はどう動きたいかを尋ねようと

[メイン] 白石結月 : 「ど、どうしましょうか…?」
小波先輩から聞いたことや、伝誦のことを琴子さんにも話したが、どうしたらいいものかわからないでいた

[メイン] 岩永 琴子 : 「……ならそうですね、またゲーム部にでも寄ってみます?」

[メイン] 白石結月 : 「…!そうですね。また何か新しいことを調べられるかもしれませんし!」
琴子さんの提案にうんうんとうなずいて

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「ゲーム部ですか…ちょっと入りづらいので、私は廊下で壁のシミを数えてますね。
 得意なんです!壁のシミ数えるの!」

[メイン] 白石結月 : 「そんなこと得意にしちゃだめですよ!」

[メイン] 岩永 琴子 : サラッと物凄くコメントし難い発言が来た気がする。

[メイン] 岩永 琴子 : 「も…もっと有意義な趣味を見つけてもいいかと……」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「そうですかね…?」

[メイン] 白石結月 : 「はい!どうせなのでゲーム部に行くまで色々お話ししましょうか」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「わかりました!」

[メイン] 白石結月 : お話しといえば…スマホを取り出して

[メイン] 白石結月 : 「アリスさん、起きてますか?」
スマホにそう語りかける

[メイン] アリス : 「ええ。起きているわよ」

[メイン] 白石結月 : 「良かった」
私の『CS』の魔女のアリスさんです!と琴子さんと鶴乃さんに紹介して

[メイン] アリス : どうも、と一礼する

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………………………」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「わぁ!すごい!
 CSの魔女ってこんな風になるんですね!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「私のはまだ本のままですよ。 まあ全然使っていないからだと思いますけど…」

[メイン] 白石結月 : 「はい!なので壁の染みを数えるよりも、こうやってお話ししている方が有意義ですよ」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……ドロシー、一応挨拶を」
ばかな特別なのは私だけではなかったのか。
ぶっちゃけると同じタイプがもう一つあったのはなんとなく悔しい

[メイン] 白石結月 : 「私も使い始めてすぐに現れたので…って琴子さん?」

[メイン] ドロシー : 「……どうも。」

[メイン] 白石結月 : 「…!」

[メイン] アリス : 「あら、そちらの魔女は随分物静かなのね」

[メイン] ドロシー : 「…………」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ここで喋ると負けな気がしません?私はそんな気がします」

[メイン] 白石結月 : 「アリスさんもかわいいですが、琴子さんの魔女さんもかわいいですね」
ドロシーさんに白石結月ですと軽く挨拶して

[メイン] 岩永 琴子 : 「ご存知かと思いますが、岩永琴子です」
挨拶だけはしておく。挨拶だけは

[メイン] ドロシー : 「…よろしく、結月」
アリスを無視するように返す

[メイン] アリス : 「ええ、存じているわよ。よろしくね、もう一人の探偵さん」

[メイン] 白石結月 : そんな感じで互いの魔女さんの話も交えながらゲーム部へと向かいました

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] ドロシー : 「私、アイツ…嫌い。嫌な感じがする」
琴子にだけ見えるように、そう表示した

[メイン] DL :  

[メイン] DL :  

[メイン] DL : ゲーム部、昨日と同じように6人の部員がパソコンへ向かっている

[メイン] 白石結月 : 勝手知ったる他人の部室で、挨拶をして入室した後、御伽さんの机の方へと足を向ける

[メイン] 御伽 住吉 : 「おや、お義母さん。今日こそアリスちゃんと俺の結婚を認めに来たのかい?」

[メイン] 白石結月 : 「まだそのネタ引っぱってるんですか」
冷たい視線を向けて

[メイン] 御伽 住吉 : 「ネタじゃないさ。俺たちは真剣に交際しているんだ。な?」

[メイン] アリス : 「死ねばいいのに…」

[メイン] 岩永 琴子 : うわマジか……って視線
多様性はあってもいいと思いますがね。

[メイン] 白石結月 : 「この人は御伽住吉さんで、八雲部長が話していた『CS』に詳しい人です」
琴子さんに説明をする

[メイン] 岩永 琴子 : 「あーこの人が……」

[メイン] 白石結月 : ちょっと危ない感じの人ですけど、と付け加えて

[メイン] 岩永 琴子 : んんつまり真相に一歩近づけるのでは?

[メイン] 岩永 琴子 : 「解析も出来ますか?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「ああ。伝誦の解析とかならやってやれるぜ」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……ふむ」

[メイン] 岩永 琴子 : 輝夜さんから送られた伝誦が気にならないと言えば嘘になる
間違えて送った……と言う事はもしかするかもしれない

[メイン] 岩永 琴子 : 「あー……白石さんの…."アリス"についてはご存知のようですね」

[メイン] 御伽 住吉 : 「おう。俺の嫁だからな」

[メイン] 岩永 琴子 : 「私も……少々似たような感じで……」
そう言いながらスマートフォンを見せる

[メイン] 岩永 琴子 : ドロシーごめんなさい。

[メイン] 白石結月 : 「嫁じゃないですよ!」

[メイン] ドロシー : ペコリ、とお辞儀

[メイン] 御伽 住吉 : 「ウッ…!?」
胸を押さえて机に倒れ伏す

[メイン] 御伽 住吉 : 「………可愛い」

[メイン] 御伽 住吉 : 「君!いやお義母さん!この子をどこで見つけて来てくれたんだ!?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「いや、そんなことはどうでもいい。この子の名前は!?是非結婚させてほしい!」

[メイン] 岩永 琴子 : ゴミを見る目である。

[メイン] ドロシー : 同じくゴミを見る目

[メイン] 白石結月 : 「ついさっきまでアリスさんを嫁って言っていたのに気が多い人ですね」

[メイン] 御伽 住吉 : 「もちろん二人ともお嫁さんさ。
 あ、どちらかというとアリスちゃんの方がタイプです」

[メイン] アリス : 「キッショ」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……ドロシーさん」

[メイン] ドロシー : 「………」

[メイン] 岩永 琴子 : 「私思うんですが時には犠牲って必要だと思うんですよそれにそう言った嫌悪感のような体験をしておくというのは決して心理学的に悪いことではなく」

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ドロシーさん本当にすいません!解析してもらってください!」
半年に一回あるか無いかの謝罪である

[メイン] ドロシー : 「………わかった。琴子がそう言うのなら」

[メイン] 御伽 住吉 : 「夫婦の初の共同作業だね、ドロシーちゃん」

[メイン] ドロシー : 「……キッショ」

[メイン] 御伽 住吉 : 「それで、何を調べたらいい?」
一切気にしない様子で

[メイン] 岩永 琴子 : 「ふむ……」

[メイン] 岩永 琴子 : 「伝誦について見てもらえますか?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「了解だ」

[メイン] DL : 住吉の解析に協力する形で〈暗号〉判定あるいは〈電脳〉判定に成功すると、1行動分の時間で情報が開示される

[メイン] 白石結月 : 「あっ、私のもお願いしていいでしょうか?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「流石に片方ずつだな…待っててもらっていいかい?お義母さん」

[メイン] 白石結月 : 「お義母さんじゃないです」
わかりました。と返事をして

[メイン] 岩永 琴子 : 2DM<=8 〈暗号〉 (2DM<=8) > [5, 3] > 2 > 成功数2 ダブル!

[メイン] DL :

[メイン] 岩永 琴子 : !!

[メイン] 御伽 住吉 : 「ふむふむ…」
しばしパソコンとにらめっこしていたが

[メイン] 御伽 住吉 : 「まずは 「あぎょうさん さぎょうご いかに」。
 これは有名な話だな。学校の天井に潜んでる老婆の怪異だったか。」

[メイン] 御伽 住吉 : 「背中にしがみついて、問いかけを間違えると噛まれるとかいう。ちなみに答えは”嘘”だ」

[メイン] 岩永 琴子 : 「行数をズラせば……というやつですね?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「ああ。初歩的な暗号だね」

[メイン] 御伽 住吉 : 「あとは…これ、妙な順番で書かれたようだ。まず中央に謎の記号のようなものを書いて、そこに肉付けするように文章を作成している」

[メイン] 岩永 琴子 : 「記……号」

[メイン] 御伽 住吉 : 「そして、この伝誦を介して何かが侵入した形跡がある。ウィルス…いや、違う、なんだこれ」

[メイン] 岩永 琴子 : 待て。この記号…まさか。

[メイン] 岩永 琴子 : オカルト研究部で見かけたワスレモノの印。
そして今回出てきた印──合致している!

[メイン] 岩永 琴子 : …………成る程、偶然とは言え認めましょう。

[メイン] 岩永 琴子 : この伝誦が届いた時何をしていた?否、何をしてしまった?

[メイン] 岩永 琴子 : 指を切って血を流してしまったではないか。

[メイン] 岩永 琴子 : 顔を顰めながら

[メイン] 岩永 琴子 : 「ウイルスのようなものに関しては……わからないと?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「ああ…侵入した跡があったからウイルスかと思ったけど……どうも違うな?
 わからん…」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……わかりました、ありがとうございます」

[メイン] 岩永 琴子 : 「そう言えば……」

[メイン] 岩永 琴子 : 「住吉さんは確か"御伽"姓でしたよね?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「ああ、そうだよ?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……非常に言い出し難い事なのですが………雀さんの話が」

[メイン] 岩永 琴子 : 「昨日オカルト研究部に立ち寄った時にそう名乗る人から声を掛けられまして……」

[メイン] 岩永 琴子 : 「何か心当たりなどがあるか……と」

[メイン] 御伽 住吉 : 「………あんまそういう冗談は言うもんじゃないぜ」

[メイン] 御伽 住吉 : 「確かに、俺には御伽雀っていう妹がいた。…半年前に理科室で死んだ。くだらないおまじないを試してる途中で、足を滑らせて頭を机の角にぶつけてな」

[メイン] 御伽 住吉 : 「なんでもワスレモノっていう嫌なことを忘れさせてくれるお化けを呼び出そうとしたんだと。」

[メイン] 御伽 住吉 : 「………妹が死ぬ前日な、俺とめっちゃ喧嘩したんだ。
 もし雀がその喧嘩のこと忘れようと思って、おまじないをしようとしたんなら、あいつが死んだのは俺のせいかもしんねえな…」

[メイン] 岩永 琴子 : 沈黙する、そんな事ないとは少なくとも言えはしない。

[メイン] 白石結月 : その空気に居心地が悪くなってしまい、つい口を開いてしまう

[メイン] 白石結月 : 「あの、私の方の伝誦の解析もお願いできますか?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「お、いいぜ。アリスちゃんとも共同作業ができるとは…両手に花とはこのことだな」

[メイン] 白石結月 : 「アリスさんごめんなさい。またお願いできますか?」
スマホ画面のアリスさんにそう言って

[メイン] アリス : 「はぁ……ったく仕方ないわね…」

[メイン] 白石結月 : アリスさんに謝罪しつつ御伽さんにスマホを手渡す

[メイン] 御伽 住吉 : 「さて、と………こいつを解析すればいいのか?」
と絵本の伝誦を指し

[メイン] 白石結月 : 「はい。お願いしますね」

[メイン] DL : 住吉の解析に協力する形で〈暗号〉判定あるいは〈電脳〉判定に成功すると、1行動分の時間で情報が開示される

[メイン] 白石結月 : 電脳で判定します!

[メイン] DL : わかった

[メイン] 白石結月 : 2DM<=5 〈電脳〉アリスさんの負担を減らします! (2DM<=5) > [2, 6] > 1 > 成功数1 成功!

[メイン] 御伽 住吉 : 「うーん、特に怪しいところはないな」
しばしキーボードを叩いていたが、そう言い

[メイン] 御伽 住吉 : 「それにしても、絵本のやつ…やっぱり自分のせいだと思ってるのか」

[メイン] 御伽 住吉 : 「まあそうだよな…俺があんなこと言ったんだし…」

[メイン] 白石結月 : 「あっ…」
そういえば小波先輩の伝誦の内容は…
しまったという顔になる

[メイン] 白石結月 : 「そ、そういえば!御伽さんって『CS』に詳しいんですよね?」
強引に話を変えるように明るい声で

[メイン] 御伽 住吉 : 「ん…? ああ。それなりに自信はあるぜ」

[メイン] 白石結月 : 「それじゃ教えてもらいことがあるんですけど、いいですか?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「いいよ。ドンと来い」

[メイン] 白石結月 : 「えっとですね。『CS』の制作者の方ってどういった人なのでしょうか?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「あー…スマン。それは俺もわからないんだ」

[メイン] 御伽 住吉 : 「でも、多分この学校の奴だぜ?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「ここ、書庫の舞台ってとこ押してみ」

[メイン] 白石結月 : 「…?」
言われたとおり書庫の舞台をタップする

[メイン] 御伽 住吉 : 「そのページにここの住所が書いてあるんだよ。制作陣の名前はないけどな。」

[メイン] 白石結月 : 「わっ!本当だ。この学校にそんな人がいたんですね」

[メイン] 御伽 住吉 : 「俺もずっと探してるけど見つかんないんだよなぁ…」

[メイン] 白石結月 : 「ちょっと気になりますね…。今調べてる案件が解決したら調べてみたいですね」

[メイン] 白石結月 : 「ありがとうございました。また何か思いついたら教えてもらっていいですか?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「ああ。いいよ」

[メイン] 白石結月 : ペコッと軽く会釈をして、自分のスマホを手に取る

[メイン] 白石結月 : アリスさんを眺めながら、御伽さんや琴子さんから教えてもらった情報をぼーっと考えていて、それに先ほどまで話していた雀さんのことでふと思いつく

[メイン] 白石結月 : 怪異を狩ってその力を奪う存在がいること、それにアリスさんが昨夜話していた『ラピッドホール』が重なって

[メイン] 白石結月 : 「…あの、アリスさん」

[メイン] アリス : 「どうしたの?」

[メイン] 白石結月 : 「出会った時の話を覚えていますか?アリスさんの正体についてイエスかノーで答えてくれるってやつです」

[メイン] アリス : 「もちろん。覚えているわよ」

[メイン] 白石結月 : 「良かった。今さっきふと思いついたので、もったいないのですが、ここでそれを使用してもいいですか?」

[メイン] アリス : 「ようやく思いついたのね、探偵さん。もちろんいいわよ」

[メイン] 白石結月 : 「それじゃあ…」
すぅーっと軽く息を吸い込んで

[メイン] 白石結月 : 「アリスさんの正体は、『オトギビト』でしょうか?」

[メイン] アリス : 「…………正解」

[メイン] アリス : 「正確には、オトギビトの残滓…だけどね」

[メイン] 白石結月 : 「…!ほ、本当なんですか?」
オトギビトは悪い怪異だと思っていたので、今の自分に協力的なアリスさんがそうだとは信じられなかった

[メイン] アリス : 「ええ。本当よ。あなたたちが奔走する様、面白かったわ」
わざとらしく悪役顔をしてみせる

[メイン] アリス : 「なんてね。最初に言ったでしょ? ”私が来たからにはワンサイドゲームにはさせない”って。
 ま、協力してたのはそういうことよ。つまらないじゃない。一方的なゲームなんて」

[メイン] 白石結月 : 「…だったら最初から事情を話してくれれば良かったのに…」
「私はアリスさんがオトギビトだってわかっても、私にとってはかわいいアリスさんですよ?」

[メイン] アリス : 「あら。嬉しいこと言ってくれるじゃない。
 でもね…私の目的は翻弄されるあなたたちを見ることだから、それは仕方のないことなのよ。私はそういう怪異だったのだからね」

[メイン] 白石結月 : 「…それなら、仕方ないですね」
クスクスと笑って

[メイン] 白石結月 : 「でも知れてよかったです。やっぱり相手のことを知っていた方が安心できるので」

[メイン] アリス : 「そう。結月はやっぱりとんだお人好しね」

[メイン] 白石結月 : 「…そうでもないですよ」

[メイン] 白石結月 : 友達がいないので、ただアリスさんのように親しげにしてくれる存在がとっても貴重だっただけで

[メイン] 白石結月 : 「そういえば、アリスさんは元は怪異なんですよね?どうやって『CS』に?」

[メイン] アリス : 「………ちょーっと油断してね、その時に封印されたのよ」

[メイン] 白石結月 : 「『ラピッドホール』を使われてでしょうか?」

[メイン] アリス : 「ええ。ウサギ穴に落とされた。だから私はアリスってわけ」

[メイン] アリス : 「とは言ってもあれよ?私が負けたんじゃなくて、油断してただけだからね?」

[メイン] 白石結月 : 「わかってますよ」
ニコニコと微笑んで

[メイン] 白石結月 : 「ふむふむ。ちなみに『ラピッドホール』は最初から『CS』に搭載されている機能なんでしょうか?」

[メイン] アリス : 「私を捕まえた時にはあったわね。全ての『CS』にあるとは思えないけど」

[メイン] 白石結月 : 「そういえば最初はオート機能だったんですよね」

[メイン] 白石結月 : 「そして全ての『CS』に搭載されてるものではないと、ふむふむ」

[メイン] 白石結月 : 「何度も質問ばかりでごめんなさい。アリスさんが封印されたのはいつぐらいなのでしょうか?」

[メイン] アリス : 「さあね? 半年より前じゃないかしら?」

[メイン] 白石結月 : 「…そんなに」
アリスさんも長い間一人だったのかとちょっと胸が痛くなる

[メイン] 白石結月 : 「それならアリスさんはずっと私のスマホにいてくれて構いませんからね!」

[メイン] アリス : 「あら。じゃあそうさせてもらおうかしらね?」
冗談のようにそう答える

[メイン] 白石結月 : 「約束ですよ!嘘ついたら針千本ですからね!」

[メイン] アリス : 「はいはい。わかったわよ」

[メイン] 白石結月 : アリスさんがオトギビトだとわかったことで、アリスさんの今までの態度もなんとなく飲み込めて、これが友情というのでしょうか?そういうものが芽生えた気がしました

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] DL : 理科室。放課後となると誰もいないが、すんなりと入ることができた

[メイン] 岩永 琴子 : 「……さて」

[メイン] DL : 事件は半年前ということで、理科室には特にこれと言ったものはない

[メイン] DL : 強いて言えば、厚いカーテンで窓を塞がれた理科室は、夜になれば心霊スポット扱いされることもあるだろうと推察できる程度だろう

[メイン] 岩永 琴子 : 「何も無いですね」
率直な感想である。

[メイン] ドロシー : 「うん。なにもない」

[メイン] 岩永 琴子 : 何も無い…が、裏を返せばそれは本題を突くのに便利なもので

[メイン] 岩永 琴子 : 「……ドロシー。少し聞きそびれた事があるので、訊ねても宜しいでしょうか?」

[メイン] ドロシー : 「うん。いいよ」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ああ、では」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ドロシーさんは何者ですか?」

[メイン] ドロシー : 「それは……」

[メイン] 岩永 琴子 : 「では、少しばかり説明を」

[メイン] 岩永 琴子 : 「先ほどのゲーム部では、アリスさんが"オトギビト"の残滓である事を話したようです」

[メイン] 岩永 琴子 : 詳しくは見てませんが、と付け加えて

[メイン] 岩永 琴子 : 「なので似たような機能を持つ貴女ももしかすると……と思ったのです」

[メイン] ドロシー : 「………そう。アリスは、オトギビト…」

[メイン] ドロシー : 「………話したくない、と言ったら…ダメ?」

[メイン] ドロシー : 「認めているようなものかもしれないけれど…
 私は、怪異の意見による人間の判断じゃなくて。人間の自力の判断を知りたいの」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ええ、構いませんよ」

[メイン] 岩永 琴子 : そうして、いつも通りくすくすと笑い

[メイン] 岩永 琴子 : 「では……つまらないものかもしれませんが、お話をお付き合い願いましょう」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ドロシーさん。今現在関わる怪異の数、幾つかわかりますか?」

[メイン] ドロシー : 「あなたの視点では…4種?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「お見事」

[メイン] 岩永 琴子 : 「一つ、人に擬態し悪逆無道の体現と言っても過言ではないオトギビト」

[メイン] 岩永 琴子 : 「と言っても、"それ"は既に残滓ですがね。見える形では」

[メイン] 岩永 琴子 : 「二つ。怪異を討伐し、それと同じ力を得ることのできる○○○バラシ」

[メイン] 岩永 琴子 : 「今回だと"オトギバラシ"になりますかね」

[メイン] 岩永 琴子 : 「これが"誰"なのか、ドロシーさんはわかりますか?」

[メイン] ドロシー : 「最初は、わからなかったけど…あなたたちと共に、色々見て…なんとなくわかった」

[メイン] ドロシー : 「それは多分、竹取輝夜。彼女は…人間ではない」

[メイン] 岩永 琴子 : 「その通り」

[メイン] 岩永 琴子 : 「事件は半年前くらいでしょうか。その時期にオトギビトは討伐され、その時期から全てが変わったと思われるのは」
「まあそれはともかく」

[メイン] 岩永 琴子 : 「オトギバラシは半年前に『CS』をやっており、尚且つ職員のような完全な『外部』が知らないとしている彼女でしょうね」

[メイン] 岩永 琴子 : 「では3つ目、これは後述するものが深く関わってはいますが」

[メイン] 岩永 琴子 : 「死んだ者が生きた者のように振る舞う無垢なる死者……ですね。該当者は鶴乃さんと雀さんです」

[メイン] 岩永 琴子 : 「とは言え、彼女たちに関してはご冥福を祈りつつも接するしかないのですが」

[メイン] ドロシー : 「……うん。そうだね」

[メイン] 岩永 琴子 : 「最後の4つ目、ワスレモノですね」

[メイン] 岩永 琴子 : 「それは辛い記憶を喰らい無垢なる死者を生み出したりと……まあそれは置いておいて」

[メイン] 岩永 琴子 : 「それだけは"人"ではない。故に面と向き合い話は出来ない」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……ドロシー、貴女が授けてくれた眼を用いらない限りは…ですが」

[メイン] ドロシー : 「…そう。眼を使えば、私が通訳をすることができる」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ありがとうございます、ドロシー」

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………今までの貴女の反応も考慮した結果、見極めは完了しました」

[メイン] ドロシー : 「…………」

[メイン] ドロシー : 「……見極めたのなら、あとは、判決を下すだけ。
 あなたは何を正しいものと選ぶのか、私に見せてね」

[メイン] 岩永 琴子 : 「勿論」

[メイン] 岩永 琴子 : その言葉の裏に、目の前の魔女に対する謝罪の心を隠して

[メイン] 岩永 琴子 : 「今宵に決着を付けます。それだけは、約束します」

[メイン] ドロシー : 「わかった。今夜、起動するんだね」

[メイン] ドロシー : 「なら、それは始まりの場所でやるといい。最初にワスレモノが呼び出された、この理科室。始まりにはきっと意味があるから」

[メイン] 岩永 琴子 : 「プロローグには特別な意味が込められてますから」

[メイン] 岩永 琴子 : まあ理科室に夜中まで忍び込み続けるのはかなり至難の業なんですがね。

[メイン] 岩永 琴子 : 「……では、後はその時が来るのを待ちましょう。それまでは、日記を綴る形になりますが、お付き合いします」

[メイン] ドロシー : 「うん。わかった」

[メイン] 岩永 琴子 : ああ、プロローグの意味を解き明かそう。

[メイン] 岩永 琴子 : 同時に、申し訳ありませんドロシーさん。

[メイン] 岩永 琴子 : エンドロールは善悪の二元論で語れるかどうか、私には不確かであるので。
貴女が望む結末かどうかは、また。

[メイン] 岩永 琴子 :  

[メイン] 岩永 琴子 :  

[メイン] DL : 1-B。
最終下校時刻も迫り、人がいないガランとした教室にて

[メイン] 白石結月 : ゲーム部の帰りに、琴子さんは用があると理科室へ向かったので、私と鶴乃さんはミス研へと向かっていました
その道すがら1-Bの教室を通りがかり──

[メイン] 白石結月 : がらんとした教室が目に入って
「そういえば、鶴乃さんは普段はどう過ごしているんですか?」
いつも鶴乃さん側からミス研に来てもらっていたので、普段の彼女の姿がちょっと気になって

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「ん~、そうですね……
 友だちもいないので、帰宅部で…学校で宿題をしてから帰って…」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「……帰って、何をしてたんでしたっけ?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「家で何をしていたのか思い出せません!」

[メイン] 白石結月 : 一瞬ツッコミそうになりましたが、彼女の存在が幽霊であるならそういうことなので…

[メイン] 白石結月 : 「うっかりさんですね。そういう時のための日記ですよ」
スマホ取り出して『CS』を起動させる

[メイン] 白石結月 : 「鶴乃さんは『CS』を怖がっていますけど、今日中には鶴乃さんの依頼も解決予定なのでもう使っても平気ですよ」
安心させるように笑顔でそう告げる

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「そ、そうなんですか…!?」

[メイン] 白石結月 : 「3日で解決!らしいので、はい」
こくりと頷いて

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「じゃあ、『CS』は関係なかったんですね。それなら…使ってみましょうか」

[メイン] 織畑 鶴乃 : そう言って、スマホを取り出し『CS』を起動させる
メイン画面には灰色の本が浮かんでいる

[メイン] 白石結月 : 「あと…そうですね。日記と言っても、今日の出来事を書く必要はないと思います」
「これからやりたいこととか、何が好きとか、楽しかったこととか」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「ふむふむ…それじゃあ…」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 物語機能を使って、日記を記していく

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「私のやりたいこと…結月さんや、琴子さん…それに咲さんのこともっと知りたいです!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「だから…ミス研に入ってみたいなぁ…なんちゃって」

[メイン] 白石結月 : 「…!それは嬉しいですね。琴子さんもきっと喜んでくれると思いますよ」
ニコリと微笑んで

[メイン] 白石結月 : 「それじゃ私のやりたいことも…」
そう言って物語に文字を打ち込んでいく

[メイン] 白石結月 : 『口で伝えるのは恥ずかしいので、こういう形で伝えようと思います。Tさん、もしよろしければ、私とお友達になってもらえませんか?』

[メイン] 白石結月 : そう記したスマホ画面を鶴乃さんに見せて

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「……はい! 喜んで!」

[メイン] 白石結月 : 「…!」
鶴乃さんが即答してくれたことがとっても嬉しくて、そして初めてできた友達に胸の辺りが熱くなりました

[メイン] 白石結月 : 「…ありがとうございます。今後もよろしくお願いしますね」
ペコッと会釈して

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「よろしくお願いしますね!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「えへへ…私友達ができるのは初めてなので嬉しいです!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「友達ってすごいんですね…明日学校に来るのがより楽しみになりました!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「それと一緒に、家に帰るのが辛くなりますけどね。
 ずーっと学校で暮らせたらいいのに、なんて思っちゃいます」

[メイン] 白石結月 : 「あはは…でもそれだと温かいご飯を食べたり、お布団で眠れませんよ」
鶴乃さんの発言にクスクスと笑って

[メイン] 白石結月 : 「別れるのが辛いのはわかります。でも、また明日って、次の日も、その次の日も、何度も会える喜びもあると思うんですよね」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「………正直なところ、家のことは思い出せないんですけど…
 きっと私は、家族にも愛されてません。
 私は今まで、どうして明日は来るんだろうって思ってました」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「でもやっとわかりました。こうやって、何度も友達と会うためだったんですね!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「今まで生きてきて、本当に良かったです!」

[メイン] 白石結月 : 「はい。それにこれからだって友達が増えたり、楽しいことがたくさんありますよ」

[メイン] 白石結月 : 私は鶴乃さんのことをまったく知らない、それにこれからだって知ることはないかもしれない
私には優し言葉をかけることしかできません
それだけで、『家族にも愛されていない』…そんな言葉を発した彼女の助けになるのでしょうか

[メイン] 白石結月 : 別れが辛い、もう会えないとわかっているから
私は彼女の力になってあげたいのに、それができないことが本当に辛い…

[メイン] 白石結月 : そう思いながらも、鶴乃さんを心配させまいと、笑顔は崩さず

[メイン] 白石結月 : 「…話が長くなっちゃいましたね。そろそろ戻りましょうか」
教室の窓から見える夕焼けを見ながら

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「そうですね…もうそろそろ最終下校時刻ですし」

[メイン] 白石結月 : 「鶴乃さん」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「はい?」

[メイン] 白石結月 : 彼女の不意を突くようにぎゅっと抱きしめて

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「ふぁ!? び、びっくりしました…どうしたんですか?」

[メイン] 白石結月 : 「と、友達ってこういうものって本で読んだので…!」
嘘ですけど

[メイン] 白石結月 : 「と、とにかく!」
コホンと咳払いして

[メイン] 白石結月 : 「私と友達になってくれてありがとうございました」

[メイン] 白石結月 : 「私、鶴乃さんのことは絶対に忘れませんから」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「……? はい!私もです!」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「友達になってくれて、ありがとうございます!」

[メイン] 白石結月 : 自分からやっておいて恥ずかしくなってしまい、すぐに鶴乃さんの体から離れて

[メイン] 白石結月 : 「そ、それじゃいきましょうか」
真っ赤になった顔を隠すようにミス研へと足を向けました

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「はい!」
ニッコリと笑って結月に続く

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「私の初めての友達が、結月さんで良かったです」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 初めて、明日が楽しみなった
家に帰っても、学校にいても、悲しみしかなかった私を……こうして救ってくれた最初の友達
その感謝を込めて、そう呟くのだった

[メイン] 織畑 鶴乃 :  

[メイン] 織畑 鶴乃 :  

[メイン] DL : 調査も終わり、最終下校時刻になったころ
結月と琴子、そして鶴乃は3人で廊下を歩くタイミングがあるだろう

[メイン] DL : その時

[メイン] DL : 視界が一瞬、テレビノイズのように歪む。砂嵐はすぐに収まった。

[メイン] DL : 暗い、赤い、黒い、あの異界だ。
歩く生徒はまるで死人に見えた。常世の国を闊歩する住人のように、揺れ動く。

[メイン] DL : なむあみだ、かくあれかし、祈るように立ちすくむ。震える足は微動だにしない。

[メイン]   : 「うしろのしょうめん」

[メイン] DL : 突然、背後から声が響く。少女の声、いや少女の声だったか? 人間の声だったか?
そもそも「うしろのしょうめん」と言ったか?

[メイン]   : 「うしろのしょうめん」

[メイン] DL : もう一度、音がする。聞こえた音と、脳が認識する内容が異なる。
これは空気の振動がなす聴覚の内容ではない。

[メイン]   : 「うしろのしょうめん」

[メイン] DL : 意思とは関係なく、ゆっくりと首が回転する。
振り返った先にいたのは、

[メイン]   : 「だーれだ?」

[メイン] DL : 黒い怪異だった。
異常に大きな頭の重みだろうか、首があらぬ方向に曲がっている。左右非対称の眼窩は深く暗く、奈落を思わせるように落ち窪んでいる。

[メイン] DL : 逃げよう。
反射的に向き直り、一歩踏み出した瞬間。
足が完全に止まった。

[メイン] DL : 生徒たちが全員立ち止まり、君を見ていた

[メイン]   : 「「「「「だーれだ?」」」」」

[メイン] DL : 無表情で、そう言った。

[メイン] DL :  

[メイン] DL : 共鳴判定(強度5/上昇1D3)∞共鳴感情:[恐怖(情念)]

[メイン] 岩永 琴子 : 2DM<=5 〈∞共鳴〉 (2DM<=5) > [7, 8] > 0 > 成功数0 失敗!

[メイン] 白石結月 : 5DM<=5 〈∞共鳴〉 (5DM<=5) > [10, 7, 1, 8, 5] > 2 > 成功数2 ダブル!

[メイン] 白石結月 : 1d3 (1D3) > 1

[メイン] system : [ 白石結月 ] 共鳴 : 5 → 6

[メイン] DL :  

[メイン] DL : すぐに視界は切り替わり、正常な世界へと帰還する

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………っ、これ…は」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「お二人とも、大丈夫ですか!?」

[メイン] 白石結月 : 「………」
恐怖で思考が固まっていました

[メイン] 岩永 琴子 : 「大丈夫」
即座に応じる。この場で間を空けることはそれを真とする事だから。

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「急に固まってしまって…びっくりしましたよぉ~!」

[メイン] 白石結月 : 2人の会話にはっと我に返って

[メイン] 岩永 琴子 : 「最近面白い本が多くてついつい夜更かしを……立ちくらみの症状が出るなら早めに寝るべきですか」

[メイン] 白石結月 : なるほど。琴子さんは鶴乃さんに心配をかけまいと…

[メイン] 白石結月 : 「ごめんなさい。ちょっと考え事をしてしまって足を止めてしまいましたね」
恐怖を顔に出さないように笑顔で取り繕う

[メイン] 岩永 琴子 : 「そちらは大丈夫ですか?」
白石を見て、その発言を聞いた上で

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「そ、そうだったんですか…」
2人が戻って来たのに安心し、ホッと息を吐く

[メイン] 白石結月 : 「はい。大丈夫ですよ!」
琴子さんの意を汲んでぐっとガッツポーズを見せて

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「確かに、大丈夫そうですね。安心しました!」

[メイン] 白石結月 : 「それじゃ帰りましょうか」
あまりこの場に長居したくない気持ちもあって

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「はい、帰りましょう!」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……おっと」

[メイン] 岩永 琴子 : 「少し忘れ物が、申し訳ありませんがお先に帰ってもらえませんか?」

[メイン] 白石結月 : 「…わかりました」
こくりと頷く

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「はい! ではまた明日!」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ええ、また明日」
そう言ってその場からそそくさと離れていった

[メイン] 白石結月 : 琴子さんも自分のやるべきことをやっている、私も頑張らないといけませんね

[メイン] 白石結月 : そのまま鶴乃さんと、先日琴子さんとの連絡が途絶えた少し前の地点まで歩いて

[メイン] 白石結月 : 「あっ…」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「…? どうかしましたか?」

[メイン] 白石結月 : 「…今日中にやらないといけない課題を学校に置き忘れてきてしまいました」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「そ、それは大変です! すぐに戻らないと…!」

[メイン] 白石結月 : 「…そうですね、でも」

[メイン] 白石結月 : 「もう少しだけ歩きませんか?」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「…はい!」

[メイン] 白石結月 : そのまま鶴乃さんと私で、他愛ない会話をしながら帰り道を歩いて

[メイン] 白石結月 : 「…この辺りで、お別れしましょうか」
ピタッと足を止める。この先は琴子さんと連絡が途絶えた場所

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「…そうですね。ちょっと寂しいですけど…」

[メイン] 織畑 鶴乃 : 「また明日!お会いしましょう!」

[メイン] 白石結月 : 「はい。また明日です!」
その言葉と共にニコリと微笑みを送って

[メイン] 白石結月 : …上手く笑えていたでしょうか、もしかしたら少しゆがんでいたかもしれません

[メイン] 白石結月 : 鶴乃さんと別れて学校へと足を向ける
この事件を終わらせるために

[メイン] 白石結月 : 「行きましょう、アリスさん」
スマホの中の私の相棒に声をかけて

[メイン] アリス : 「ええ。行きましょうか」

[メイン] 白石結月 : アリスさんの言葉にうなずいて、足を急がせるのでした

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] DL : 深夜の理科室。
暗く、どこか不気味な雰囲気がする。
ワスレモノ騒動の始まりとなった御伽雀も、この雰囲気を目的にしていたのではないかなどと考えつつ。
『幽世の目』を使う、その時は訪れる。

[メイン] 岩永 琴子 : 「雰囲気ありますね」
普段通りに。

[メイン] 岩永 琴子 : 「そう言えば、白石さんは深夜の理科室……大丈夫ですか?」

[メイン] 白石結月 : 「だ、大丈夫です!」
声と体が小さく震えているものの、琴子さんに不安を悟らせないように普段通りに振る舞って

[メイン] 岩永 琴子 : 「……ふむ」
これが普段であるのであれば、もう少し揶揄っても良かったのだが。

[メイン] 岩永 琴子 : 「ドロシー、ここで大丈夫でしょうか?」
認識を改めて決めるための再確認。

[メイン] ドロシー : 「うん。大丈夫」

[メイン] ドロシー : 「ここは、ワスレモノの召喚も、『幽世の目』の発動も、問題ない。
 それに、他に目撃者も出ない。」

[メイン] ドロシー : 「………『幽世の目』…使う?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ええ、今ここで」

[メイン] ドロシー : 「…わかった」

[メイン] ドロシー : 『ワスレモノ ワスレモノ かなしいを あげます ワスレモノ ワスレモノ つらいを あげます
ワスレモノ ワスレモノ いたいを あげます ワスレモノ ワスレモノ わたしを あげます。』

[メイン] DL : そう、おまじないを書き上げる

[メイン] DL : すると、共鳴者たちの視界は赤く黒く塗り替えられる。

[メイン] DL : 目の前の場所は変わっていないはずなのに、その光景はまるで違うように思える。視界が脈打つように歪み、その度に頭に痛みが走る。
少しずつそれが大きくなっていくように思える。

[メイン] ワスレモノ : 「■■■■■■」

[メイン] DL : 背筋が凍り付く。どこかから聞くに堪えない、悍ましい声がしたからだ。

[メイン] DL : そちらに目をやると、廊下に黒い塊が詰まっていた。すぐにそれが巨大な何かだということに気づくだろう。眼窩のような空洞が真っすぐにこちらを見ているように感じたからだ

[メイン] DL : 共鳴判定(強度5/上昇1)∞共鳴感情:[罪悪感(傷)]

[メイン] 白石結月 : (6+1)DM<=5 共鳴判定(ルーツ属性一致) (7DM<=5) > [4, 10, 1, 2, 7, 6, 9] > 3 > 成功数3 トリプル!

[メイン] system : [ 白石結月 ] 共鳴 : 6 → 7

[メイン] 岩永 琴子 : (2+1)DM<=5 共鳴判定(ルーツ属性一致) (3DM<=5) > [2, 10, 2] > 1 > 成功数1 成功!

[メイン] system : [ 岩永 琴子 ] 共鳴 : 2 → 3

[メイン] DL : では結月は1d6をどうぞ

[メイン] 白石結月 : 1d6 やだー (1D6) > 6

[メイン] DL : 6失神
《怪異》の強力なオーラにあてられて意識を失う。
即座に〈*生存〉か〈*自我〉で判定。失敗すると1D10分間、共鳴者は【失神】状態になる。

[メイン] 白石結月 : 1DM<=3 〈*自我〉 (1DM<=3) > [1] > 2 > 成功数2 ダブル!

[メイン] 白石結月 : その存在を見て一瞬気が遠くなりそうになりましたが、鶴乃さんやアリスさんとの約束、そしてこの場に共にいる琴子さんとドロシーさんのことを思いだして何とか強く意識を保ちます

[メイン] 白石結月 : 「……」
ふらつきながらも黒い塊の方に目を向けて

[メイン] ワスレモノ : 「■■■■■■」

[メイン] ワスレモノ : 黒い塊が蠢く。それは這うように巨体を引きずり、廊下の先に進んで行く。
まるで、ついて来いというように。

[メイン] 岩永 琴子 : 「そら、行きますよ」

[メイン] 白石結月 : 「…は、はい!」
スマホをぎゅっと握りしめて琴子さんについていきます

[メイン] 岩永 琴子 : そのまま付いていくように廊下へと出る

[メイン] DL : 黒の集合体は巨大な頭を持ち上げ、それを不気味に傾け大きく揺らしながら移動していく。

[メイン] DL : どうやら学校の裏山に向かっているようだ。
裏山といっても、低い山なので丘と表現したほうが正しいかもしれない

[メイン] DL : それは麓に到着すると、整備された山道ではなく、草木が生い茂る道なき道を進んでいく

[メイン] DL : 誰か1人が〈*運動〉判定に成功すると、見失うことなくついていくことができる

[メイン] 岩永 琴子 : 1DM<=5 〈*運動〉 (1DM<=5) > [10] > -1 > 成功数-1 ファンブル!

[メイン] 白石結月 : 1DM<=1 〈*運動〉 (1DM<=1) > [3] > 0 > 成功数0 失敗!

[メイン] DL : 失敗した場合、〈*調査〉あるいは〈直感〉判定を行う
成功することでワスレモノの行った先を見つけられる

[メイン] 白石結月 : 2DM<=5 〈直感〉 (2DM<=5) > [3, 10] > 0 > 成功数0 失敗!

[メイン] 岩永 琴子 : 1DM<=7 〈直感〉 (1DM<=7) > [7] > 1 > 成功数1 成功!

[メイン] 岩永 琴子 : 「こっち……らしいですね」
ワスレモノの進んだ先を追っていく、あくまでも着いてきているものを置いていかないように

[メイン] 白石結月 : 見失わないようにしっかりと目の前の白い服の少女のあとを追います

[メイン] DL : そのまま直感で進んで行くと、ワスレモノの姿を見つけ

[メイン] DL : その後を追っていくと、開けた場所に出た

[メイン] DL : そこはまるで花畑だった。しかし、それは自然に生えていたものではない。何者かが花を摘んで円形に敷き詰めたのだろう
その花畑の中央に横たわる人影がある

[メイン] DL : 近づいてみると、それは織畑鶴乃だった

[メイン] DL : しかし、すぐにそれが死体だとわかるだろう。
不思議と傷もなく、腐臭もないが、生の息吹がまるで感じられなかった

[メイン] DL : 気づくと、花畑の向こう側で先程の怪異が膝を抱えるようにして、そこにいた

[メイン] ワスレモノ : 「■■■■■」

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………ああ」

[メイン] DL : 声がする。先程のぞっとするような感覚は薄れ、悲しそうに呻いているように感じた

[メイン] ドロシー : 「彼女は驚いて、慌てて逃げる途中で…車に轢かれて死んでしまった。強い哀しみを内包していたこの子は…私を引き寄せてしまった。」

[メイン] DL : ふと、携帯を見るとドロシーがそう言っていた。まるで、目の前の怪異の意思を代弁するように

[メイン] 岩永 琴子 : 「……成る程」

[メイン] 白石結月 : 「…鶴乃さん、どうしてここにっ…!」
駆け寄ろうとして気がつく、目の前の鶴乃さんには既に息がないことに

[メイン] 岩永 琴子 : 「"アナタ"……優しいんですね」
ただ一言。彼か彼女かはわからぬが、あくまでも生きる一つのモノとして

[メイン] ワスレモノ : 「■■■■■」

[メイン] ドロシー : 「彼女が死んでしまったこと、それが悲しくて、死体をここに隠して、織畑鶴乃の魂から死の記憶を喰った。
人々が彼女の死を確信しなければ、人々の中から消えることなく、彼女はそこに在り続けるから」

[メイン] ドロシー : 「御伽雀のときもそう。私を呼び寄せた彼女も驚いて、躓いて…机に頭を打ち付けて死んでしまった。
 私はどうすればいいのかわからなくて、彼女の魂から死の記憶を喰って、魂をオカルト研究部に持っていった。御伽雀はあの場所を愛していたから…」

[メイン] 竹取 輝夜 : 「見つけたっ…!」

[メイン] DL : 突然、後ろから声がかかる。
そこに立っていたのは竹取輝夜と小波絵本だった。

[メイン] 小波 絵本 : 「こいつが…怪異ワスレモノか」

[メイン] DL : 絵本は一瞬怯むが、すぐに腰に手をやり、そこにあった得物を引き抜いた。
真剣、それは本物の刀だった。いや、違う。刀身が揺らめいている。まるで実体がないように。

[メイン] 小波 絵本 : 「オトギバラシ、本物か試させてもらう。」
絵本は小さくそう呟いた

[メイン] 白石結月 : その場で眠る鶴乃さんの顔を見つめながら、静かにドロシーさんの言葉を聞いていたとき、聞き覚えのある声がしてそちらの方を振り返る

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………」

[メイン] 竹取 輝夜 : 「下がって! 絵本部長と私がこいつを抑えるから! 
 みんなはこの怪異を封印する方法を探して!」
輝夜はそう言って君たちの前に出る。

[メイン] 岩永 琴子 : 「……何が目的、いや……少し違うか」

[メイン] 岩永 琴子 : 「何を為すつもりだ、小波絵本」

[メイン] 岩永 琴子 : 淡々と、声を低く
片方の瞳で絵本を見る

[メイン] 小波 絵本 : 「……僕は御伽雀を現世の世界に取り戻したい。
 肉体はなくとも、死を認識されていない彼女はそこに在るんだ。生きていなくとも、そこに居るんだ。」

[メイン] 小波 絵本 : 「だからワスレモノの力を取り込んで、雀が死んでいることを知ってる人間から、その記憶を奪いつくす。
 そうすれば、彼女は生きていると同義となる。」

[メイン] 小波 絵本 : 「僕があの時、彼女のそばにいてやらなかったから…こうなったんだ。
 だから僕は…彼女を救う。」

[メイン] DL : 続けて、竹取輝夜がこう話す

[メイン] 竹取 輝夜 : 「鶴乃ちゃんだって、そう。雁鳥咲から記憶を奪えば、あの子も肉体はなくとも現世に帰還する」

[メイン] 竹取 輝夜 : 「鶴乃ちゃんも、雀ちゃんも、自分の死を認識してしまうと消えてしまう存在。だから、彼女たちは本能的に自分の死を知っているであろう人物との接触を避ける」

[メイン] 竹取 輝夜 : 「でも、ワスレモノの能力を『CS』に取り込めば、それもなくなる。」

[メイン] 竹取 輝夜 : 「人は時に本当に呆気なく、本人の意思とは関係なく突然死ぬ。そんな悲しい人たちの魂を、彼や彼女の死を悲しむ周りの人の心を、救うことができる。
 ……そう思わない?」

[メイン] 竹取 輝夜 : それにこの願いは――、と輝夜は言い、黒く歪な塊の方を向く

[メイン] 竹取 輝夜 : 「…あなたも望んだことじゃなくて?」

[メイン] ワスレモノ : 「■■■■■」

[メイン] ドロシー : 「私の行いが…本当にヒトのためになるか、わからなくなった。いや、これは違う…誰かのためなんて言葉は全て偽善だ。
 私がワスレモノであるために、私がそうあるための養分として哀しみを喰らっていた。
 でも、いざ自分が哀しみを生み出す存在となって、思ったんだ…私が哀しみを喰らうのは、哀しむヒトを見るのが辛かったからなんじゃないか、って。」

[メイン] ドロシー : 「だから私は、どうするべきかを君たちに託そうと思った。
 …そのために織畑鶴乃をけしかけた。彼女を利用した。死んでしまった魂を、冒涜した。」

[メイン] ドロシー : 「それでも私は、君たちに…純粋なヒトに…現世と幽世の在り方を、未来を、託したかった。未来とはまだ至っていない未知だ、未知に惹かれ行動するのは…いつだってヒトの役目だ。」

[メイン] 岩永 琴子 : 「死者を利用したことに関しては少しばかり言いたいことがありますが。偽善であっても善である事には変わりはないと思いますよ」
一言。背後にいる人に近付いたヒトに。

[メイン] 小波 絵本 : 「…もう、十分だろう。」
小波絵本は黒い怪異の前に躍り出た。

[メイン] 白石結月 : 「…そんなの、勝手ですよ」
小波先輩と輝夜さんに向けて

[メイン] 白石結月 : 「悲しいって思いも、亡くなった人へ向けたものだと私は思っています。それを消すことで楽になるとか救うとか…そんな風に言うのは勝手です!」

[メイン] 小波 絵本 : 「勝手で十分だ。ただ、僕がそうしたいだけなのだから」

[メイン] DL : ここからはラウンド制になる
イニシアチブ順に行動でき、行動内容は戦闘だったり会話だったり好きに選んでいい

[メイン] DL : 今回のイニシアチブ値は【身体】+〈スピード〉レベルで判断する
琴子が5、結月が1なのを教える

[メイン] DL : まずはワスレモノのターン

[メイン] ワスレモノ : 何もしない。ワスレモノは、哀しそうに呻くだけだ

[メイン] DL : 続いて琴子のターン

[メイン] 岩永 琴子 : 1DM<=5 身体 (1DM<=5) > [8] > 0 > 成功数0 失敗!

[メイン] DL : 琴子は刀を叩き落とそうとする。
だが、その攻撃は刀身をすり抜け、効果を発揮しない

[メイン] 岩永 琴子 : 「……鍵はその刀か!」
駆けて、そのまま刀を封じようとするも

[メイン] 岩永 琴子 : 「実体が……無い?」

[メイン] 小波 絵本 : 「……そんなことしても、無駄だ」

[メイン] DL : 続いて絵本のターン

[メイン] 小波 絵本 : 1DM<=7 (1DM<=7) > [6] > 1 > 成功数1 成功!

[メイン] 小波 絵本 : 1+1d6 ダメージ (1+1D6) > 1+1[1] > 2

[メイン] 小波 絵本 : 刀は弧を描き、ワスレモノの左腕へと突き刺さる

[メイン] ワスレモノ : すると、ワスレモノの左腕が斬り落とされ
ワスレモノは哀しい呻き声をあげる

[メイン] DL : 続いて輝夜のターン

[メイン] 竹取 輝夜 : 「何をしてるの!? 早く絵本部長を助けないと!」

[メイン] 竹取 輝夜 : そう言って、結月の方を向き

[メイン] 竹取 輝夜 : 「ワスレモノを封印する手段があるなら、急いで!」

[メイン] 白石結月 : 輝夜さんのその言葉に疑問を抱く
私は『ラピッドホール』の話は琴子さんとドロシーさんにしかしていないはず

[メイン] 白石結月 : 「………」
じっと疑うように輝夜さんの方を見据えて

[メイン] DL : 続いて結月のターン

[メイン] 白石結月 : 握っていたスマホに指を滑らせて『CS』を起動させます

[メイン] 白石結月 : 「アリスさん、『ラビットホール』をお願いします」

[メイン] アリス : 「決めたのね。何を退治するか」

[メイン] 白石結月 : 「はい」
こくりと頷いて

[メイン] アリス : 「なら、思う存分やっちゃいなさい!」

[メイン] DL : その言葉と同時に、画面が青く切り替わる

[メイン] 白石結月 : ふぅ、と細く息を吐き、間違えないように入力していく

[メイン] 白石結月 : 『オトギバラシ』

[メイン] 白石結月 : そのままスマホをゆっくりと輝夜さんへと向ける

[メイン] DL : その瞬間、真っ青だったCSの背景は真っ赤に染めあがり、OKボタンが表示される

[メイン] 白石結月 : 真っ赤になった画面を見て
ああ…やっぱりそうだったんですね

[メイン] 白石結月 : 琴子さんの方をちらりと見て、『やります』とアイコンタクトを送る

[メイン] 岩永 琴子 : 相変わらず、浮かべるのはいつも通りの笑みだ。
それだけで今は十分だろう?

[メイン] 白石結月 : 琴子さんのその笑みに私も笑みを返して
「竹取輝夜さん…いえ、オトギバラシ。私が退治するのは、あなたです!」

[メイン] 白石結月 : 表示された『OK』をタップしました

[メイン] 竹取 輝夜 : 「なっ…!?」

[メイン] DL : ボタンを押すと、「タイヘンだ、タイヘンだ。」という、子供でも老人でも男でも女でもヒトでも機械でもない不可思議な声が携帯から聞こえてくる。

[メイン]   : 「チコクするチコクするチコクするチコクするチコクするチコクするチコクするチコクする。」

[メイン] DL : 壊れた機械のように、不気味にそう繰り返す

[メイン] DL : すると、携帯から白く巨大な腕が勢いよく飛び出してきた。
獣のような腕は、真っすぐに竹取輝夜を、オトギビトを狩り怪異となったオトギバラシを、名を与えられ未知でなくなった怪異を掴んだ。

[メイン] DL : 肺の空気が押し出されるように竹取輝夜は苦しそうな声を上げる。

[メイン] 竹取 輝夜 : 「ラビット…!? どうして……!?」

[メイン] アリス : 「どうしても何も」

[メイン] アリス : 「これは君が始めた物語だ。いや、ゲームと言い換えてもいい。圧倒的に有利な出来レース…のつもりだっただろう。でも、最初から躓いたね?」

[メイン] アリス : 「ワスレモノを呼び出す手立てが私のところに揃っていれば、この計画はとっくに終わっている予定だった。でもそうはならなかった。こうして切り札を悪用され、窮地に立たされた今となってやっと気づいたかな?」

[メイン] アリス : 「でも、もう遅い。だから、輝夜…いや、オトギバラシ、君の負けだ。」

[メイン] DL : アリスは冷ややかにそう告げた。

[メイン] 竹取 輝夜 : 「お前……まさか!?」

[メイン] 竹取 輝夜 : 「……『CS』は未練ある魂も!死を悲しむ人々の心も救うことができる!ワスレモノの力を得て、それは完成する!」

[メイン] 竹取 輝夜 : 「織畑鶴乃も、御伽雀の魂は救済され、彼女たちの死をなかったことにできる!それなのにどうして!?」

[メイン] DL : 輝夜は2人に問いかける

[メイン] 白石結月 : 「…なかったことにしちゃ…だめだからです」
「亡くなったことを悼むからこそ、その人が生きていたって証があるはずなんです」

[メイン] 白石結月 : 「それに、受け入れないと、前に…進めません」
絞り出すように声に出して

[メイン] 白石結月 : 「だから私は…」
鶴乃さんとお別れしたくない、それは私の本心でもあります。それでも…

[メイン] 白石結月 : 「…ごめんなさい。本当にごめんなさい」
そう言って顔を俯かせる

[メイン] 白石結月 : 小波先輩の気持ちも痛いほどわかってるから、そんな言葉しか言えませんでした

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………基本的に、人を生かそうとする行いは善であるべきだ。私はそれを認めます」

[メイン] 岩永 琴子 : 「だが、生者が生者の都合"だけ"で死者を弄ぶ事は悪だと断じます」

[メイン] 岩永 琴子 : 「竹取輝夜。一つだけ訊ねたい事があります」

[メイン] 竹取 輝夜 : 「それは…?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……ミス研で私達と話していた時、楽しかったでしょうか?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「私はまあ……少し鬱陶しいところもありましたが、こういうのも悪くはないなどとは思いました」

[メイン] 竹取 輝夜 : 「……………そんなの、全部作戦のうちに決まってるでしょ」

[メイン] 竹取 輝夜 : 「だから、きっと…楽しくなんか……」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……少しだけ"良かった"と思う自分がいます」

[メイン] 岩永 琴子 : 「作戦のうちだと思っていたとしても、仮にそうじゃなかったとしても」

[メイン] 岩永 琴子 : 「覚えているって大切じゃないですか」

[メイン] 岩永 琴子 : 「いやまあそりゃ楽しかったと言ってもらった方が個人的には嬉しいですけどね勿論」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……もしも、一欠片でも楽しかったと思ってくれるのであれば」

[メイン] 岩永 琴子 : 「それは尊ばれるべきものだと思います。生者であろうと、死者であろうと、怪異だったとしても」

[メイン] 岩永 琴子 : 「そこに持った感情と言うものは本物ですから」

[メイン] 岩永 琴子 : 「これはそれなりに話しかけてくれた先輩への、後輩からのアドバイスですよ」
くすりと笑う、その眼は一種の哀しみに近いものを浮かべてはいるけれども。

[メイン] 竹取 輝夜 : 「……そう…でもそれも、もう遅いわね…」

[メイン] アリス : 「死者の魂は幽世に在るべきなんだ、オトギバラシ。現世と幽世の境界を、悪戯に乱してはいけない。」

[メイン] DL : アリスが小さくそう呟くと。

[メイン]   : 「タイヘンだ、チコクする。」

[メイン] DL : 携帯から短くそう聞こえた。白い腕は竹取輝夜を掴んだまま、吸い込まれるように小さな端末の中に消えていった

[メイン] アリス : 「ようこそ、おとぎの国へ。」

[メイン] DL : そう、アリスは皮肉たっぷりの挨拶をした。

[メイン] DL :  

[メイン] DL : 先ほどまで竹取輝夜がいた場所には折りたたまれた紙だけが残った。それはあのスクラップブックの1ページ、《怪異:バラシ》の記事だ。

[メイン] DL : そして、同時に小波絵本が握っていた刀の刀身が消えていき、柄だけとなった

[メイン] 小波 絵本 : 「……………」
ただ茫然と、柄だけとなった刀を見つめていると

[メイン] 白石結月 : 「小波先輩…」

[メイン] 御伽 雀 : 「絵本…!」

[メイン] DL : そこに一人の少女が現れる。御伽雀だ。急いで駆けあがってきたのか、肩で息をしている

[メイン] 小波 絵本 : 「雀…!?何故、ここに!?」

[メイン] 白石結月 : …?誰と話してるんでしょうか?

[メイン] 御伽 雀 : 「なんかもう、会えない気がして。」

[メイン] DL : 雀の姿は景色に溶け込むように、次第に薄くなっていく

[メイン] 岩永 琴子 : 「……雀さん?」

[メイン] 小波 絵本 : 「雀……俺は…」

[メイン] DL : そう言った彼の頬を彼女は勢いよく叩いた。

[メイン] 御伽 雀 : 「ばーか!目ェ覚めたか?こんなこと、私が望んでいるわけないだろ?
 あんたが変に責任感じてるのはお門違いなんだよ!ほんっとバカ!」

[メイン] 御伽 雀 : 「でも、ありがと。
 だけど私はあんたの足は引っ張りたくない。私のために、妙なことをしてほしくない。
 だから、ここでお別れ。」

[メイン] DL : 雀はそこにいる皆を一瞥して、最期にこう言った。

[メイン] 御伽 雀 : 「じゃあね、みんな!愛してるよ!」

[メイン] 小波 絵本 : 「………!」

[メイン] DL : 小波絵本が伸ばした手は彼女に届くことはなく、空を掴む。

[メイン] DL : 御伽雀の姿は、完全に見えなくなった。

[メイン] 小波 絵本 : 「……………」

[メイン] DL : 絵本は君たちに声をかけることなく、踵を返す

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………不登校だけは色々と申し訳ないのでやめてくださいよ?」

[メイン] 白石結月 : 去っていく小波先輩の後ろ姿をただ見つめていました

[メイン] 小波 絵本 : 「………」
その言葉に、微かに振り返り

[メイン] DL : ……やはり、何も返すことなく。その場を去って行った

[メイン] ワスレモノ : ワスレモノは君たちに語り掛けるように、小さく唸るような音を発した。

[メイン] ドロシー : 「私もこれでよかったと思います。アリスの言う通りです。現世と幽世は分け隔てられるべきです。生者と死者は、人間と怪異は、それぞれ別の舞台が用意されるべきです。」

[メイン] ドロシー : 「共存できないとは言いません。少しの時間ですが、君たちと過ごした時間は楽しかった。」

[メイン] ドロシー : ドロシーはワスレモノの言葉を文字にする

[メイン] 岩永 琴子 : 去っていく絵本を見ながら、ドロシーの方を向き

[メイン] 岩永 琴子 : 「こちらも勿論。楽しい思い出でした」

[メイン] 白石結月 : 「はい。怖かったですが、貴重な体験でした」

[メイン] ドロシー : 「………この世界には君たちにとってまだまだ知らないことで溢れている。
 君たちはこれからも未知に名前を与え、架空の怪異を生み出していくだろう。時にそれを恐れ、時にそれを楽しみ、そして物語を紡いでいく。
 そこに本物の怪異は必要ない。」

[メイン] DL : 黒く不安的な巨躯は少しずつ闇に溶けるように消えていく。

[メイン] ドロシー : 「さようなら、ヒトの子。悲しくて悲しくて一歩も前に進めないくらい辛いことがあったら、また会いましょう。」

[メイン] DL : そして、ワスレモノの姿は完全に見えなくなった。
幽世が揺らぎ、正常な視界に戻っていく。
ヒトの魂を、記憶を、哀しみを取り込みすぎたせいで、ヒトよりも人らしくなった怪異は、姿を消した。

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………」

[メイン] 岩永 琴子 : 「さようなら」
消えた人に近い怪異に、そう告げて

[メイン] 白石結月 : 琴子さんの言葉にはっとなって

[メイン] 白石結月 : 「さ、さようなら!」

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………一件落着みたいな雰囲気出てますけど、鶴乃さんの遺体……こんなところに置いておくべきではないでしょう」

[メイン] 白石結月 : 「…それはそうです。どうしましょうか」
鶴乃さんの亡骸のそばによって腰を落として

[メイン] ドロシー : 「そうだね。しかるべきところに通報した方がいい」

[メイン] アリス : 「放置したら犯罪になるわよ~?」

[メイン] 白石結月 : あわわ!タレント活動をしているのでそれはまずいです!
いえ!そうじゃなくて!ちゃんと鶴乃さんを埋葬してあげないと…

[メイン] 岩永 琴子 : 「ん?」
スマホを一度見

[メイン] 岩永 琴子 : 「んん???」
二度見

[メイン] 岩永 琴子 : 「物語のお約束で感動のお別れ……みたいにならないんですか!?」

[メイン] 白石結月 : 「…あれ?そうなんですか?」
自分はアリスさんとずっと一緒にいるつもりだったので

[メイン] ドロシー : 「…? ならないよ?
 『CS』とパスは繋がってるからいつでもお話はできる」

[メイン] アリス : 「私はそもそも封印されてるから消えられないしね~」

[メイン] 白石結月 : 「良かった!それならずっと一緒ですね!」
ニコニコとスマホ画面のアリスさんに笑顔を向けて

[メイン] アリス : 「ええ。そうなってしまうわね」

[メイン] アリス : 「あ、あとそれから新入りのこともよろしくね?」

[メイン] 白石結月 : 「…新入り?」

[メイン] DL : 画面端をよく見ると…

[メイン] カグヤ : 「……………」

[メイン] 白石結月 : 「…!」
画面に映るその姿を見てはっとなり、琴子さんにも見せる

[メイン] 白石結月 : 「こ、琴子さん!輝夜さんがいます!」

[メイン] 岩永 琴子 : 「……」

[メイン] 岩永 琴子 : 「そう言う時はこう返すのです。"これからよろしくお願いします"と」

[メイン] 岩永 琴子 : くすりと笑う
実際にはこうなるとか全然予想できていなかったので作り笑いである

[メイン] 白石結月 : 「は、はい!」
言われたとおりに挨拶をして

[メイン] カグヤ : 「………こんなことになるとは…」
とぼやきつつ

[メイン] カグヤ : 「…はいはい、これからよろしくね」

[メイン] 白石結月 : 「はい!」
輝夜さんにもニコッと笑顔を向ける

[メイン] 白石結月 : 実は自分が輝夜さんを穴に落としてしまったことにちょっと後悔もしていたので、無事?な姿を見られて少し安堵していました

[メイン] DL :  

[メイン] DL : 花の中で眠っていた織畑鶴乃の死体は通報により発見され、彼女の死は白日の下にさらされた。
あの日以来、織畑鶴乃と御伽雀の姿を見ることはなかった。

[メイン] DL : 彼女たちのような存在を可視化する能力はCSから失われ、ただのゲームアプリとなった

[メイン] DL :  

[メイン] DL :  

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] 白石結月 : 不思議な事件が解決して数日後、ちょっとしたことを思いつき、それがやれそうな人物が一人しか思いつかなかったので、私はゲーム部の部室を訪れていました

[メイン] 白石結月 : 「こんにちは。御伽さんはいらっしゃいますか?」
コンコンとノックをして部室の扉を開けて

[メイン] 御伽 住吉 : 「はいはい、どちら様で~っと…お義母さんじゃないか」

[メイン] 白石結月 : 「まだそれ言ってるんですか…」
冷たい視線を向けながら

[メイン] 白石結月 : はぁ…とため息を吐いて
「今日はちょっと『CS』のことでお尋ねしたいことがあってきました」

[メイン] 御伽 住吉 : 「ん?なんだ? アリスちゃんに変化でもあったのか?」

[メイン] 白石結月 : 「いえ、そうじゃないのですが…」
同居人が増えたとも言えず曖昧に答えて

[メイン] 白石結月 : 「伝誦の機能がありますよね?自分の魔女が相手に日記を届けるあれです」

[メイン] 御伽 住吉 : 「ああ。」

[メイン] 白石結月 : 「…御伽さんならその機能を改造できたりしますか?」

[メイン] 白石結月 : 「具体的に言うと、相手の『CS』に自分の魔女を訪問させるとか」

[メイン] 御伽 住吉 : 「どうだろうなぁ…そこまでやれるかどうかは…」

[メイン] 御伽 住吉 : 「あ、そうだ。アリスちゃんと一緒ならできるかもしれないなぁ~」

[メイン] 白石結月 : 「………」

[メイン] 白石結月 : なんで私がこんなことを考えたかというと、今は私の元にいる輝夜さんは、元は小波先輩と一緒にいたわけで
だから小波先輩に一番寄り添っていたのは彼女だと思うんですよね。だからもし訪問できるなら話し相手になって彼の心を少しでも癒やせるかもしれない…なんて思って

[メイン] 白石結月 : チラッとスマホのアリスさんの方を見て
「アリスさん、どうでしょうか?」

[メイン] アリス : 心底嫌そうな顔をしている

[メイン] 白石結月 : わかります
こくこくとアリスさんにうなずいて

[メイン] 白石結月 : 「輝夜さんはどうですか?小波先輩に会いたいですか?」
御伽さんには聞こえないように小声で

[メイン] カグヤ : 「……私たちは互いに利用しあっていただけよ。
 会ったところで、何ができるというの…?」

[メイン] 白石結月 : 「…話すだけでも結構楽になったりするんですよ。それに、輝夜さんの方が私よりも小波先輩や雀さんのことを良く知ってると思いますし」

[メイン] カグヤ : 「……まあ、そうかもしれないけれど…」

[メイン] 白石結月 : 「もし喧嘩になったりしたら私が謝りに行きますし、輝夜さんも話し相手が多い方が楽しいんじゃありませんか?」
以前の輝夜さんがミス研を訪れて楽しそうに雑談をしていた様子を思い出して

[メイン] カグヤ : 「わかったわよ……」

[メイン] 白石結月 : 輝夜さんのその返事に微笑んだあと、今度はアリスさんの方に視線を移して

[メイン] 白石結月 : 「そ、そういうことなので!今回だけ、もう今後は御伽さんには絶対に触らせないようにしますから…なんとかお願いできないでしょうか?」

[メイン] アリス : 「そういうことなら…仕方ないわね」

[メイン] 御伽 住吉 : 「えっもう触らせてもらえないのかい!?」

[メイン] 白石結月 : 「うわぁ!?いつから聞いていたんですか!?」

[メイン] 御伽 住吉 : 「アリスちゃんにもう触れられないって衝撃の事実だけが聞こえて俺は茫然としているよ…」

[メイン] 白石結月 : 御伽さんのその様子をちょっとかわいそうだなと思いつつも
「…一応アリスさんは特別な魔女なので…」
「…なので、なるべく彼女の意思を尊重させたいと思っているので」

[メイン] 白石結月 : たまに元気な姿を見せに来るくらいなら大丈夫ですが…と付け足して

[メイン] 御伽 住吉 : 「まあいいか!最後の夫婦の共同作業を楽しもうねアリスちゃん!」

[メイン] アリス : 「うえ~~……」

[メイン] 白石結月 : 「…何か変な機能が追加されないようにしっかり監視しないといけませんね」

[メイン] 白石結月 : そんな感じで無事?改造をしてもらって、小波先輩の『CS』に輝夜さんが遊びに行けるようにしてもらいました
罪滅ぼし…というわけではありませんが、これをきっかけに何か彼の役に立てれば…と思っています

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] 白石結月 : また別の日、その日の放課後はミス研に今日は休むと伝えに行きました
八雲部長は『先日の事件の解決で依頼が舞い込んできているぞ!』と張り切っていましたが、八雲部長の受けた案件もついでに解決したのは私たちなんですよね…
まさか怪異が関わっているとは思っていなかったようで、伝えた時は八雲部長もびっくりしていました

[メイン] 白石結月 : それで、今は…鶴乃さんの眠る場所、彼女のお墓参りに来ています

[メイン] 白石結月 : 花を供えて、お祈りをして

[メイン] 白石結月 : 「今日はこれで戻りますね。鶴乃さん、また会いましょう」
寂しげな笑みを向けてその場を去ろうとすると、人影が見えて

[メイン] 白石結月 : 「あっ…咲さん?」
それは鶴乃さんと同じクラスの雁鳥咲さんでした

[メイン] 雁鳥 咲 : 「……こんにちは」

[メイン] 白石結月 : 「こんにちは。お久しぶりですね」
ぺこりと会釈をして

[メイン] 雁鳥 咲 : 「はい…お久しぶりです」

[メイン] 白石結月 : 「それにしても、こんなところで…」
と言いかけて
「もしかして、咲さんも鶴乃さんのお墓参りに?」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「……はい。ようやく、決心がつきまして」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「私みたいな、織畑さんを置いて逃げたような人が…こうしてお墓参りなどしていいものかと迷っていたのですが…」

[メイン] 白石結月 : 「…そんなことありませんよ。咲さんが鶴乃さんの死を悼んでくれるのなら、それだけ彼女と繋がりがあったってことだと思うので」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「…私は、謝りに来たんです」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「友達になりたくて、声をかけたのに……ああして逃げてしまったことを、謝りたくて…」

[メイン] 白石結月 : 「…咲さん」

[メイン] 白石結月 : 「…これを見てもらえますか?」
スマホを取り出し『CS』を起動させて鶴乃さんからの最後の伝誦を表示させる

[メイン]   : 『私のやりたいこと…結月さんや、琴子さん…それに咲さんのこともっと知りたいです!』

[メイン] 白石結月 : 「…信じられないかもしれませんが、鶴乃さんは…まだ"居た"んです」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「それは……」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「…そうだといいですね。織畑さんが、そう思っていてくれたのなら…」

[メイン] 白石結月 : 「はい。だから咲さんが、自分のせいだって、そんな風に思う必要はないと私は思っています」

[メイン] 白石結月 : 鶴乃さんは私に最初の友達だっていってくれましたが、本当に最初に鶴乃さんと友達になったのは咲さんとだと思うから
だから、友達に悲しい顔をされたままだと、鶴乃さんも浮かばれません

[メイン] 雁鳥 咲 : 「そうですか…優しいんですね、白石さんは…」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「織畑さんも、優しい人でした。だから、私は友達になりたかったんです」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「こんな形でになってしまいましたけど……私の呼びかけに応えて、私と一緒に帰ってくれて、ありがとうございました。織畑さん」

[メイン] 雁鳥 咲 : 花を供え、そう呟く

[メイン] 白石結月 : 私は優しい…のでしょうか?
自分も友達がいないので、鶴乃さんや咲さんに対して思うところがあるのはたしかですが…

[メイン] 白石結月 : そんなことを思いつつも、お墓参りをする咲さんを黙って見つめて

[メイン] 白石結月 : 「あの…もし良ければ…」
黙って見ているつもりが、ついそのつぶやきに反応してしまって

[メイン] 白石結月 : 「もう少しお話ししたいので…咲さんが嫌でなければ、一緒に帰りませんか?」
なぜかそんな言葉が出ていました

[メイン] 雁鳥 咲 : 「え……」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「…………はい、わかりました」

[メイン] 白石結月 : 私はなにを…と思いつつも、二つ返事で了承してくれた咲さんに驚きの顔を見せて

[メイン] 白石結月 : 「えっ!?ほ、本当ですか?」

[メイン] 雁鳥 咲 : 「……はい。私も、織畑さんのこと…聞きたいので…」

[メイン] 白石結月 : 咲さんのその言葉に微笑んで
「はい!私の知ってる鶴乃さんのことで良ければいくらでもお話しますね!」

[メイン] 白石結月 : 「そうですね…まずは彼女が依頼を持ち込んだ日のことから──」

[メイン] 白石結月 : そんな会話をしながら、私と咲さんは一緒にその場をあとにする

[メイン] 白石結月 : その頃にはすっかり日も暮れて、鶴乃さんが私と友達になってくれた時と同じ夕陽の色に染まっていました

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] 白石結月 :  

[メイン] 岩永 琴子 :  

[メイン] 岩永 琴子 :  

[メイン] 岩永 琴子 : 廊下にて、数度扉をノックする音が反響する

[メイン] 岩永 琴子 : 白い少女はオカ研の部室の扉の前に立ち

[メイン] 岩永 琴子 : 「空いてますかー?」
中に人がいるならば、それはよく聞こえるような声で

[メイン] 小波 絵本 : 「……ああ。もう鍵はないから好きに入れ。必要なくなったからな」

[メイン] 岩永 琴子 : 「じゃあ遠慮なく」

[メイン] 岩永 琴子 : そうして、中へと入って

[メイン] 岩永 琴子 : 「……これからここはどうなるでしょうか?」

[メイン] 小波 絵本 : 「しばらくは待ってくれるらしいが…まあ今学期中に規定人数にならなきゃ廃部だな」

[メイン] 小波 絵本 : 「……やれやれ、無駄に伝統があるらしいこの部も終わりか」

[メイン] 岩永 琴子 : 「…………保たせますよ、何としてでも」

[メイン] 岩永 琴子 : 低く、自身の意を表明する。

[メイン] 小波 絵本 : 「……そうか。それは、ありがたいが…」

[メイン] 小波 絵本 : 「それは…僕への憐みか?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「いいや?」
キッパリと。

[メイン] 岩永 琴子 : 「伝統があるならばそれを維持するべきですし」
2日目に訪れたように、本棚の前にまで移動して

[メイン] 岩永 琴子 : 「……今後こう言ったものが出続けないように、見守らなければならない」

[メイン] 岩永 琴子 : 事件の中心となった怪異達も記されたファイルを手に取って

[メイン] 岩永 琴子 : 「そして」

[メイン] 岩永 琴子 : 「本当にちょっとでしたが、ここに訪れて話した以上は。」
自身にとっても忘れられないであろう思いの場を残す為に活動する事は、いわば我儘のようなもので。

[メイン] 岩永 琴子 : 「なのでー、憐れんでるとかそう言うわけじゃあ無いですよ」
ふん、と鼻を鳴らす。

その科白は果たして虚か実か。

[メイン] 小波 絵本 : 「……そうかよ」
ため息を吐き

[メイン] 小波 絵本 : 「まあ…僕としても、ここが残るかもしれないのは…嬉しいな」

[メイン] 小波 絵本 : 「雀はここが好きだったからな…」
暫く懐かしむように部屋を眺めていたが

[メイン] 小波 絵本 : 「…それで、このことを聞きに来たのか?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ええ」

[メイン] 岩永 琴子 : 「私は知りませんが、だからこそ」
綴り、思い返してやる事に意味があるのだから。

[メイン] 岩永 琴子 : 幾つか怪異のファイルのようなものを見て、憐憫のような表情を浮かべて

[メイン] 岩永 琴子 : 「それともう一つ」

[メイン] 小波 絵本 : 「……なんだ?」

[メイン] 岩永 琴子 : 「ミス研は常に暇してるので、何かあるならば」

[メイン] 岩永 琴子 : 「部長の八雲芳一まで!」

[メイン] 岩永 琴子 : 人間関係まで把握しているのかそうではないのか。
兎に角、頼るなら部長に丸投げしてやろうと言う
ある意味ではやり返しに近い幼稚な考えも僅かに混ざってはいるが

[メイン] 岩永 琴子 : 「……まあどうしてもと言うならば、私岩永琴子が相手になりますが…………」

[メイン] 小波 絵本 : 「まあ、八雲よりはお前さんの方が頼りになりそうだが…」

[メイン] 小波 絵本 : 「わかったよ。何かあったら頼らせてもらうとする。」

[メイン] 小波 絵本 : その顔は妙にさっぱりとしていて

[メイン] 岩永 琴子 : 同じく、その受け答えを聞いたからかその表情は普段通り微笑んで

[メイン] 岩永 琴子 : 「では!これにて失礼しますね」

[メイン] 岩永 琴子 : そう言って、部室から離れようと再び歩き始めて

[メイン] 岩永 琴子 : 「……あ゛っ!」

[メイン] 岩永 琴子 : 「A・S ファイル……お借りしていいですかね?」
そそくさと同じところに戻ってきて

[メイン] 小波 絵本 : 「ああ。いいぞ」

[メイン] 岩永 琴子 : 「やったーー!!」

[メイン] 岩永 琴子 : 無邪気に大喜びして、ファイルを取り出して

[メイン] 岩永 琴子 : 「今度こそ、では」
部室の外に出て

[メイン] 岩永 琴子 : 「また明日」
要約するとまた遊びに行くの意である。

[メイン] 小波 絵本 : 「………またな」

[メイン] 小波 絵本 : そう返すと、一人オカ研の部室で読みかけの本を手に取る

[メイン] 小波 絵本 : その本は、部室の本棚に並んでいるオカルト本の1冊
他の人にとっては大したことないものだが、彼にとってはそれは思い出の中に色濃く残る1冊

[メイン] 小波 絵本 : ────────この前まで部室にいた御伽雀は、思い出の中の人になった

[メイン] 小波 絵本 : やりきれない気持ちも、もちろんあるだろう。本当は生きていて欲しい、当たり前の想いもある。
だがそれは、変えてはいけない自然の摂理。人と死者は交わってはならないものなのだ。

[メイン] 小波 絵本 : だからこそ、半年間の奇跡を、思い出を胸に自分は進むと決めた。
それを雀も望むだろうから。
それが、今を生きる人の為すべきことだから。

[メイン] 小波 絵本 : 勇気は貰った。
オカルト本を閉じ、本棚に戻す。

[メイン] 小波 絵本 : 「さて、後輩に任せっきりというわけにもいくまい。部員を勧誘しに行くか」

[メイン] 小波 絵本 : そう呟いて、オカ研の外へと一歩を踏み出した

[メイン] DL :  

[メイン] DL :  

[メイン] DL : いつもの日常、いつもの通学路。
何気なく青い空を仰ぎ見て、足を止める。
私は本当に生きているのだろうか?

[メイン] DL : 織畑鶴乃も御伽雀も、自分が生きていると信じて疑わなかった。
自身に向けられた認識が “ 私はいる”と肯定してくれていたのなら。自分が “人でない何か ” に成り果てていたとしても、それに気づかないまま当たり前の生活をしていたんじゃないか

[メイン] DL : ふと、そう思うことがあったかもしれない。
頭を振るい、頬を叩き、前を向く。

[メイン] DL : あの時、人の在り方を、あるべき姿を、正しいと信じた世界を、心に決めたのは君だ。
君自身だ。
長く続く道に向けて、力強く、迷いのない一歩を踏み出した

[メイン] DL : まだ見ぬ未知を、未来を求めて。

[メイン] DL :  

[メイン] DL :  

[メイン] DL : エンディング―『人と怪異』

[メイン] DL :  

[メイン] DL :  

[メイン] DL : 宴だァ~~~~~~~!!!!

[メイン] 岩永 琴子 : 宴です!

[メイン] 白石結月 : 宴ですね!