Ccfolia Log

GM

あなたはいつものように日常を始める。
空は青く晴れ渡っている。
心地の良い朝日があなたを照らす。
太陽から降り注ぐ光があなたを前向きな気持ちにした。

今日あなたは古くからの知人である女性に呼ばれている。
今からあなたは、彼女に久々に会いに行く。

GM

クトゥルーTRPG「ゆめゆめうつろい」開幕です。

GM

GM

GM

起床する。すずめのさえずりが窓の外から聞こえてきた。

GM

あなたはいつものように日常を始める。
空は青く晴れ渡っている。
心地の良い朝日があなたを照らす。
太陽から降り注ぐ光があなたを前向きな気持ちにした。

GM

机の上のデジタル時計は金曜日の朝を知らせてくれている。
時刻は、いつも起きる時間よりも1時間は早いだろうか。

GM

今日あなたは古くからの知人である「新崎　冬加(にいざき　とうか)」に呼ばれている。

GM

昨晩、朝いちばんに来てほしいと送られてきており、詳しい用件を聞いても返事はなかった。

GM

新崎は昔から不思議なところがある人物で、返事がないことも納得がいくというか、そこまで気にすることでもないと思えるような人柄だ。

GM

そして、久々にきた彼女からの連絡を無視するほどの仲ではない。
あなたは支度を終え、彼女の家へと向かうことだろう。

GM

パワプロくんは〈民俗学〉を持っているので、彼女の噂を知っている。

GM

そういえば、ここ最近の彼女の噂をたまたま聞いたことがあるのを思い出す。

GM

普段は投資で稼いでおり、ずっと家に引きこもっているらしい。
何に使うのかも分からない怪しげな道具を持っていたりして、魔術師なんていうオカルトめいたものなんじゃないか、などと噂されていた。

GM

最近は彼女と出会うことも少なく、実際に彼女が何をやっているのかあなたは知らないが、確かに魔法や魔術といったものに興味がある人物だったと記憶している。
そんな少し変わったところがあったが、いつもあなたに優しく、悪い印象はなかった。

GM

GM

新崎の家の前へとやってきた。

GM

彼女はこぎれいな一人暮らし用の低層マンションの3階に住んでいる。1階には管理人が住んでいるタイプのようで、管理人は階段まわりを掃除していた。あなた達がすれ違えば、管理人は朗らかに挨拶の声をかけてくれる。

GM

そうして3階まで階段をのぼり、彼女の部屋の前までやってきた。

GM

その時、ふと見知った顔がいることに気がつくだろう。

GM

あなたはインターホンを押してみるが、返事はなさそうだ。

GM

そして、あなたはドアの隙間から微かに光が漏れていることに気付く。
朝という時間帯もあり周囲が明るいが、それにも関わらず光に気付くことができた。

GM

この扉の向こうに強い光源があるのではないかということが分かる。

GM

ノックをしても、再度インターホンを押しても返事はない。
物音も聞こえてこない。

GM

パワプロくんがドアノブを回すと、どうやら扉に鍵はかかっていないようで、簡単に開くことができる。

GM

あなたが扉を開けば、目の前は真っ白に晴れ上がった。
強い光に目が眩み、目をあけていられなくなる。

GM

はい

GM

なにか大きなものが勢いよく空気を吸い上げるような音が脳裏にこびりつく。

GM

光と音の原因を確かめようとゆっくりと目をあければ、見慣れた光景が目の前にはあった。

GM

自身の家の玄関。扉。扉が目の前にある。

GM

日付と時刻は日曜日の朝8時ごろになっている。

GM

あなたは首をかしげるかもしれない。

GM

最後に記憶があるのは、金曜日の朝に知人のところへ出かけたのが最後だ。
自分は今からどこかへ行こうというのか。それとも今帰ってきたところなのか。なにも思い出せなかった。

GM

また、胸元にちくりと痛みが走る。見てみれば、模様のような傷跡が確認できた。いつのまにこんなところに怪我をしたのだろうか。怪我というには故意的なものを感じ、傷跡というよりも「印(しるし)」と呼ぶほうが近しい。しかし、血は出ておらず処置の必要性はそこまで感じなかった。

GM

とにもかくにも、この現状を把握するのが先決だろう。

GM

わかった

GM

あなたが自身にあてられた連絡の履歴を確認してみれば、パワプロくんには家族からの連絡が、ナルホドくんには新崎の母親からの連絡が入っている。
連絡の内容を確認してみれば、あなたを労う言葉だった。

GM

---【あなたの家族からの連絡】---------------
一昨日と昨日は大変だったね。
暫くは学校はお休みしてもいいから、
無理をしないようにね。
今日は17時前ぐらいに会場に来て。
--------------------------------------------------------

GM

---【新崎の母からの連絡】---------------------
昨日はありがとうございました。
とてもショックだったと思います。
ただ、あなたに見つけてもらえて
冬加も安心したのではないでしょうか。
また日曜の午後に、
ご挨拶に来ていただけると幸いです。
--------------------------------------------------------

GM

パワプロくんが母親に話を聞くと、あなたを心配する言葉をかける。何があったのか聞き返すなら驚いた様子だが、話してくれるだろう。

GM

新崎冬加は死んだらしい。

GM

今日は葬式があり17時に新崎の火葬が始まるらしい。無理して葬式に来なくてもいいが、もし来れそうであれば17時前には「はざまセレモニーホール」に来てほしい、と話を切り上げられる。
どうやら葬式への準備を手伝っており、忙しいようだ。

GM

あの日何があったのかあなたは覚えていない。現場を見てみれば真実が見えてくるかもしれない。
そう思って彼女の家へと向かったのだった。

GM

彼女の家へ向かう途中、視界に違和感を覚える。

GM

単調な光を発するものが結晶のようなものに見えることに気がつく。
電球や、スマフォの背面のライト、太陽など、その光を覆い隠すように音もなく結晶が生えていく。青白い結晶が光を包み込み、光がうつろに乱反射する。

GM

そんな違和感を覚えつつも、新崎が住んでいた低層マンションへと向かう。

GM

住人はいつもと変わらない日常を過ごしているのだろう。あなた達が階段ですれ違う住人は軽く会釈して通りすぎて行く。
そして3階にある新崎の家の玄関までやってきて、ナルホドくんがドアノブに手を伸ばすと、異様なものが目についた。

GM

ドアノブの付近は透明な結晶のようなものがびっしりと生えている。この結晶があってはドアを開けようにも開けることはできないだろう。

GM

〈白兵〉2以上、もしくは〈筋力〉3以上であれば物理的にこの結晶を壊すことは容易いように思える。
〈考古学〉or〈地球科学〉or〈犯罪学〉1以上で、道具を使った結晶の効率的な割り方を知っている。また、この結晶がどんなものかは分からない。

GM

普段物騒な道具を見ているナルホドくんは、トンカチなどがあればこの結晶が破壊可能だとわかる。

GM

パワプロくんは白兵1だから1D6振ってくれ
4～6が出れば壊すことができる

GM

隠れていいよ

GM

筋力なら3D6で

GM

考古学持ってるから+1の補正を加えてもダメそうですね…

GM

パワプロくんが結晶を破壊しようと自慢の筋力を振るうも結晶はびくともしない。

GM

あっていいよ

GM

じゃあ再度3D6で
+2補正するから2以上が出れば成功

GM

消化器の威力は抜群だった。
ドアノブを覆っていた結晶はバラバラに砕け散る。

GM

扉を開け、家の中へと入ろうとすると、驚きで歩みを止めてしまうだろう。

GM

周囲に人気はありませんね

GM

みなが怪しい噂を立てるのも無理はないかもしれない。部屋の中の棚には怪しいオカルトめいた金属製の置物が並べられており、そこかしこに立てられたろうそくには使われた形跡がある。

GM

カーペットが部屋の端に追いやられており、裸にされたフローリングには五芒星のようなものが書かれていた。香炉のようなものが五芒星を囲むように等間隔に置かれている。

GM

また、五芒星の中心にノートがずさんに放置されているのが気になった。

GM

いいよ

GM

〈考古学〉を持つパワプロくんは気付く。
ここに置かれているものたちは宗教めいたものよりも少々珍しく、それらと比べた時により悪趣味であるように感じる。よくある悪魔や天使、精霊などといったものを形にした分かりやすいものではない。
そして、あなたの知りえる宗教的な物とは一線を画しており、異国めいていた。

GM

ノートを読みますか？

GM

ノートを開くと、そこには踊るようなごちゃごちゃとした文字が連なっている。

GM

あなたは食い入るようにその文字を目で追っていく。そうでもしないと読解できそうにないほど、文字が踊っていて読みづらかった。
文字は読みづらかったが、日本語だ。新崎の書き残したものかもしれない。
「とにかく、別の宇宙があるに違いなかった」という言葉から記述が始まっていた。あなたは読み進めていく。

GM

「やつがくる。五芒星の香炉がすぐに無効化される。やつはかしこいのだ。これ以上は私だけではむずかしい。誰かを頼らなくては」
「騙されてはいけない。悪夢が私を騙そうとする。来るな、来るな」
「それらは私たちよりも上位存在だと言ってもいい。ただ、そんなものが存在するということは誰も認めていない。人間はいつだってじぶんたちが優位でいたいから。超越的な彼らが古の神々であり危険をいつも我々に与え、ただそれを目の前にして私たちは無力に懺悔する。」
「ああ、見える。結晶が鮮やかに発光しそれがいずれ私を喰らう。イオドがくる。次元をさまようあの神格が人間を容易くおぞましく。いにしえの鍵は従事を約束したが私にはむずかしいことだった。他になにか対抗策はあるだろうか」

GM

目を通していると不安になりそうな文字と文章が書き連ねられている。
……あなたはノートを読み進めていく。まだ続きがある。ページをめくった。

GM

ページをめくったその瞬間、目の前に結晶の欠片が落ちてくる。

GM

それは青くぼんやりと発光していた。その結晶が落ちると同時に集中力が切れ、顔をあげる。

GM

目の前は薄暗い灰色だった。灰色の奥でぼんやりと青色が発光している。

GM

霧だろうか。霧が自身を包んでいる。視線をもう一度落とせば、まだ読み終えていないあのノートは無くなっていた。青く生い茂る草はじっとりと湿っており、足元を覆っている。

GM

霧が世界を包んでいる。
霧の奥では何かがぼんやりと青く発光している。

GM

あるけど重さは感じない

GM

結晶の欠片はない

GM

霧の奥、ぼんやりと発光しているそれに近づいていけば、それは鮮やかな青色の結晶だった。
胎動するように結晶の光は明滅しており、水色や緑色などにも変色していく。気まぐれな光に規則性はない。

GM

どこまで歩いていってもそんな光景が広がっていた。ここがどこなのかは分からない。
足元で生い茂る青い草についた水滴たちが、あなたの足元を濡らしていく。
空気も冷たくじっとりとしていて、肌が濡れていく。高い湿度により濡れているだけなのか汗をかいているのか分からない。

GM

〈地球科学〉を持っているナルホドくんは気付く。
足元で生い茂っているいやに鮮やかな草たちが自分が見たことのないものだと分かる。
これは珍しい草なのだろうか。

GM

パワプロくんが触れると、結晶が割れ、中からどろりと粘着質な光が溢れる。
膜のような光がぼたぼたと地面へと落ちていった。

GM

そしてナルホドくんが植物をちぎると、すぐ近くでぼんやりと輝いていた結晶が偶発的に割れる。

GM

ガラスを叩きつけたような音がして、粘着質な光が割れた部分からうごめきだす。
ぼんやりと青白く揺らめく光は、やがて次第に太い紐のようになる。粘着性の光は紐状に鮮やかに。光がぼとぼとと落ちていく。光を受け止めた草が音もなく影へと変わりゆき、うつろに光る紐を際立たせた。賛美。賛美を鑑賞しているのだ。瞬く間に溢れる。

GM

大きな目玉が目の前にある。見られた。じっと。気付けば目の前には結晶の大きな塊がある。その隙間から目玉が覗いていた。

GM

紐状の光が伸びてくる。

GM

痛い。からだが痛い。ちからだ。ちからがからだを痛くする。

GM

逃げないとだめだ。逃げることにした。

GM

気付けば目の前に大きく真っ暗な闇があって、その中に走って逃げた。

GM

GM

体が落下するような感覚にさいなまれ、心臓が締め上げられた。
目を咄嗟に瞑った瞬間、手と膝が地面につく。

GM

心臓のうるさい音を感じながら目をあけてみれば、目の前は明るかった。

GM

壁。少し見上げれば空。適当にその空に線を引いたように電線が見えた。
……振り返ってみれば、玄関の扉があった。

GM

これは新崎の家の玄関だろうか。
今自分は、新崎の家の扉の前の廊下でうずくまっていたようだった。
扉は閉められている。

GM

今は日曜日の15時過ぎですね

GM

朝にマンションに来たので、はい

GM

部屋に入ろうと扉を開けると、扉の先には青白く発光する結晶がミッチリと詰まっている。
叩いてみても壊れる様子はない。
中には入れないだろう。

GM

先ほどの植物はもうどこにもない

GM

葬式の会場へと向かえば、新崎の母が出迎えてくれた。

GM

参列者はまばらで、そこまで数は多くない。彼女も友人が多いわけではなかっただろうから、それに違和感はない。きっと親族がほとんどだろう。

GM

パワプロくんの家族も来ているようだった。母親同士仲が良かったので、その繋がりからだろう。

GM

棺に近づけば、新崎冬加が眠っていた。その表情はまるで深い眠りについているようだった。

GM

彼女は死んでしまったのだろう。その実感がひしひしと伝わってくる。

GM

皆が棺の中に花を入れていた。それにならって、自分も花を添える。

GM

彼女への言葉を告げ、彼女の顔のよこに花を添えたその瞬間。

GM

周りの人は普通に泣いたりして悲しんでる

GM

驚き、彼女に語りかけるも、一度まばたきをすれば、彼女は先ほどのように深い眠りについているような表情に戻っていた。

GM

確認を取っても、周りの人はキョトンとしている

GM

17時が近くなれば、会場のすぐそばにある火葬場へと案内された。

GM

彼女の遺体が入った棺が火葬炉へと納められる。

GM

ガシャン、と音を立てて扉が閉められた。

GM

無機質な扉の奥で、ゴォ、と炎を作る為にガスをふきこむ音が聞こえてくる。

GM

そして、扉から光が漏れた。淡く神秘的な光だった。

GM

明滅する光はうつろに紐状へと変化していく。それらがゆらりと空間を撫でる。

GM

そして、目の前にいた新崎の母にその光の紐がぶつかった。

GM

その瞬間、その体が結晶のように変わった。一瞬で彼女の身体が結晶と化す。

GM

火葬炉の扉が勝手に開いていく。

GM

扉の奥からは炎ではなく結晶が溢れていた。そしてそこから、女性が出てくる。

GM

周囲の人たちはまったく動揺もせず、火葬炉の方をじっと見ている

GM

GM

ふと目の前を見れば、誰かがあなたを見ている。

GM

美しい目がきらきらと星を散りばめたように輝いていた。好奇心を色にすればあんな輝きを持つのだろうと考えが浮かぶ。

GM

目は手と手を組んだ奥からこちらを見ている。まるで目の前のワンシーンを切り取って覗き込むような仕草だった。

GM

手がおろされ、目の前にいた人物の顔が見える。

GM

彼女のまわりの鮮やかな光が渦を巻きながら、ひらりひらりと舞っていく。

GM

彼女の奥をみやれば、パステル調の光に満ちた光景が広がっている。

GM

白い砂でできた広大な砂漠のようだった。空は深い青からさわやかな淡色へのグラデーションを見せており、星々が輝いている。ときおり燃える星くずが光の線を空に描いていく。

GM

美しかった。

GM

先ほどまで身体の芯を刺していた焦燥が嘘のようだった。

GM

幻想的な淡い光は世界を満たしており、それを見ていれば不思議な全能感が身体を巡る。ここにいる限り、自身はどんな苦痛からも逃れられるのではないだろうか。そんな風に想えてしまうほどに、この上もない光景だった。身体の全ての緊張がほぐれていくように感じる。自然と呼吸も深くなる。

GM

後ろを振り向いてみれば、そこには暗闇が広がっている。どこかに続いているようにも、そこで世界が途切れているようにも見える。

GM

〈医学〉を持っているパワプロくんは気付く。
彼女の視線の意味をうまく感じ取ることができない。あの微笑みは確かに人間らしいが、人間らしくない。微笑みの意味は、人間の持ち得るそれとは少し違うとも感じられた。

GM

微笑みから、好奇心と言っていいのかわからないが、それらしきものは感じられる。
端的に言えば、今目の前にいる彼女の気持ちを読み取ることを本能が拒絶している。

GM

わかった

GM

彼女から逃げ出した。

GM

その瞬間に背後にあった暗闇が膨張していき、身体を包み込む。

GM

足を踏み外し、落下していく感覚が身体と脳を支配する。

GM

GM

落ちていく。果てしない闇の中を落ちていく。

GM

そして、ふわりと身体が止まる。足元に地面はない。身体は浮いていた。水の中のように感じるが、呼吸はできる。

GM

目の前に広がっているのは、淡く光る水に抱かれるような空間だった。どこまでも淡い光が続いている。呼吸をすると泡が目の前で頭上へとのぼっていく。

GM

泡の先、頭上を見やれば、見知らぬ大都市のようなものが蜃気楼のように見えた。しかし廃墟のようにもみえ、あそこに人が住んでいるとは到底思えない。かろうじて都市であると判別できてしまうといった代物であった。
また、下を見れば、遥か遠方に結晶の海が見える。

GM

浮遊する感覚のせいか、全てが溶けていくようだった。
果てしなく広がるその結晶の海に。

GM

ここはどこだろうか。逃げられているのだろうか。これでいいのだろうか。

GM

何も分からなかった。

GM

なにかをやろうとしても身体がうまく動かないことに気付く。

GM

ただ、無力に漂うことしかできない。

GM

そして───

GM

目の前に青白い光がたまっていく。

GM

粘着質な光で、光がぼたりと音を立ててどこかへと滴っていった。

GM

その光の奥から、結晶でできた紐のようなものが覗いてくる。

GM

目で追ううちに理解する。あれは別の宇宙が生んだ恐怖の実体化ではないかと。

GM

異世界のようなものは、あれが運んできたに違いないと。

GM

きっとあれは、自分を欺こうと新崎の姿を模したに違いないと。

GM

結晶状の紐は空気を勢いよく吸い上げる音を時折鳴らしながら宙を泳いでいる。

GM

そのままこちら側へとゆっくりと紐の先を当てようとしていることが分かった。

GM

それを見て、頭の中になにかがフラッシュバックする。

GM

あれを見たことがある。

GM

あの日、新崎の家へと向かった時に見たのだ。

GM

結晶状の淡く輝く紐はのたうちまわりながら新崎を抱き締めていた。

GM

彼女は身体をこわばらせたままその輝く紐に巻き取られ、そして紐の先が彼女の額へと押し当てられ……大きく忌々しく、異音とも吸引音とも甲高い笛の音ともとれる音があたりに響いた。

GM

目の前の恐怖の実体化は、あの日目の前で新崎を喰らったのだ。

GM

そして、その紐がいま自身の額に押し当てられようとしている。

GM

反射的に顔を背ければ、視界の端、あなたの後ろにはあの暗闇が見えた。

GM

身体に力をいれる。精一杯の強い力をこめる。
あれに捕まれば終わりだ。捕まってはいけない。

GM

逃げなくては。

GM

全身の筋肉を傷めつけるような力を入れれば、ようやく身体が動き出す。

GM

もがくようにしてその輝く紐から逃げようとする。

GM

振り返れば、目の前には暗闇が広がっていた。

GM

なりふりかまわずもがいていたために、その暗闇に落ちていった。

GM

GM

なにかに狩りたてられる感覚で目を覚ます。全身を焦りが支配していた。

GM

見渡してみれば、ここは新崎の家の中だ。フローリングに描かれた五芒星の中で目を覚ましたようだ。足元にはノートが放り出されているのが見えた。

GM

この五芒星が有効なのかは分からないが、少なくとも今この瞬間、ここにあの恐怖の実体化がいないことは判断できた。

GM

21時頃ですね

GM

外への扉は少しだけ開いており、隙間から夜の闇が見える。

GM

足元にはあのノートが落ちていた。
これを読んでいるうちに夢のような世界に呑み込まれていたことを思い出す。
確か、このノートには続きがあったはずだ。

GM

「やつは、イオドは、人間の生命力だけを吸い取って意識を身体に残す。遺体の中に意識だけを置き去りにする。それはすなわち生きながら死んでいる状態にされるということだ。やつはその狩りを楽しんでいる」

GM

「イオドから逃げるために、私はこの五芒星に賭けることにした。今までもこれで凌いできたのだから、きっと大丈夫だ」

GM

「五芒星の中から出られない！　怖い！　誰か助けて！」

GM

「やつがくる　ひかりがあふれる　だめだった
　古き印ならあるいは。五芒星に燃える目のようなものがあるあれなら
　あれならたすかったかもしれない
　すぐそばにあるのに　ここからでることはもうかなわない」

GM

「まきこんでごめんなさい　棚に」

GM

そこで記述は途絶えている。

GM

胸の印には特に変わりはないですね

GM

あなたが読み終わると同時、天井を突き破るような光が降り注ぐ。

GM

輝く紐状の結晶がなにかを探すように床を撫でている。こちらのことを探しているのだろう。

GM

見渡せば、五芒星の外、部屋の隅の棚にそれらしきものを見つけることができる。
ペンダントのように紐が通された平べったい石が2つあり、その石の真ん中に五芒星が書かれている。燃え上がる目が刻まれていた。あれが古き印だろうか。

GM

あれを取りにいくのはイチかバチかになるかもしれない。

GM

しかし、ここにとどまりつづけることの末路をよく知っている。目の前でその犠牲者を見ているのだから。

GM

〈敏捷〉or〈隠密〉の成功で無事に手に入れることができる。

GM

ナルホドくんは〈隠密〉なら3D6ですね

GM

降り注ぐ光と結晶状の紐を掻い潜って、それを取りに飛び出した。
光に目が眩みながらも必死に棚を目指す。

GM

ナルホドくんは無事に古き印のところまで行くことができる。

GM

光る紐は荒れ狂うようにうねり、こちらのことを探し出そうとしていた。
あれに捕まってしまったら最後だということは確信していた。

GM

なんとか触れないように潜り抜け、ナルホドくんは棚へと飛びついた。

GM

その衝撃で大きな音を立て、棚に飾られていた様々な魔道具たちが床に叩きつけられていく。
死に物狂いだったあなたの手の中には、しっかりと古き印が握られていた。

GM

あなたを探そうとしていた輝く結晶状の紐が、あなたのほうを明らかに避けていた。

GM

パワプロくんが古き印を手に取ると、輝く結晶状の紐がパワプロくんに近づくのを避ける。

GM

そのまま、諦めたように、見失ったかのように天井を突き刺していた光の中へと紐は戻っていく。

GM

光は収束していった。

GM

どうやら助かったらしい。

GM

終わった。そう思った時、玄関の扉が開かれる。

GM

そこには、パワプロくんの家族や新崎の母の姿があった。
がむしゃらにここまでやってきたのか、身体が傷だらけだった。

GM

事情を聞くと、火葬場から急にふらふらと立ち去ったと説明される。

GM

ため息を漏らすも、見つかって良かったとほっと胸をなで下ろし、とにかく今は自宅に帰ってゆっくり休むようにと促される。

GM

お互いをねぎらい、あなたたちは帰路へつく。

GM

そして自宅に戻り、自室の天井を見上げれば、蛍光灯は音もなく結晶に包み込まれていく。

GM

あなたはぼんやりとそれを見上げていた。

GM

いま、わかっていることは。

GM

あなたの胸元の印は消えないこと。

GM

そして、あなたが手に入れたその古き印があなたを守り続ける事。

GM

それを手放したとき、あなたの命はかの結晶に持ち去られてしまうだろう。

GM

狂気を受け入れたあなたにとって、この世界はひどく単調でつまらないものに映るかもしれない。その時、あなたはその手にある知人からの遺物の古き印を破棄すればいい。

GM

あなたの胸元には、いつでも狂気の世界へ飛び込む権利が刻まれているのだ。

GM

GM

GM

クトゥルーTRPG「ゆめゆめうつろい」終幕です。