Ccfolia Log

アプテノディテス

教えるぞ

アプテノディテス

出航だ

アプテノディテス

1d10 (1D10) ＞ 3

アプテノディテス

「ん……まだ眠い……」

アプテノディテス

ゆっくりと目を開くぞ

アプテノディテス

むくりと起き上がってゆっくり周りを見渡す

アプテノディテス

「……？」
現状が理解していない顔をしている

アプテノディテス

「この声は……雄一」
見上げる

アプテノディテス

「ああ、恩人だからな」

アプテノディテス

乏しい表情のアプテノであったが、雄一の顔を見て少しだけ頬が緩んで見えたような気がした

アプテノディテス

「そう言うな、今の私があるのは雄一がいたからだろ」
立ち上がる、まだ背丈は雄一に及ばないので見上げたまま

アプテノディテス

「しかし……雄一、ここは一体どこだ？私はそこまで寝相は悪くないと思っていたのだが……」

アプテノディテス

「S市……私の所属していた支部が管轄する街か、いや、本当にそうなのか？」
辺りを改めて見渡す

アプテノディテス

「私が知っているS市は、もっと……人がたくさんいた、日常というものを楽しむ老若男女に満ちていたはずだ」

アプテノディテス

「なるほど……つまり私と雄一だけが、誰もいない街に放り出されたというわけか」

アプテノディテス

「レネゲイド案件、だな？」
雄一を見上げて

アプテノディテス

「ああ、よろしく頼むぞ雄一、今の私は昔の私とは違うということを見せてやろう」

アプテノディテス

少し胸を張ってみせているようだ

アプテノディテス

「ふふん　……ん、そうだな」
雄一と肩を並べる

アプテノディテス

「………」
その少女は、背丈の小さい子どもだった

アプテノディテス

そして胸が異常に大きかった
また表情はまるでロボットのようだった、同じ血の通った人間のように見えるというのに

アプテノディテス

雄一に声をかけられて、顔を向けた

アプテノディテス

「新しく配属されることになった、アプテノディテスだ、まだチルドレンの身だが、足を引っ張ることはないように努める、よろしく頼む、メリトクラット」

アプテノディテス

淡々と口にしていく

アプテノディテス

「……？」
不思議そうに、雄一を見上げている

アプテノディテス

「コードネームは、UGNとして働く上で必要なものだ、私達の素性は決してFHに知られてはならない、だから私達チルドレンは本名を捨てている者もいる、私もその内の一人だ」

アプテノディテス

雄一の言うように、アプテノはUGNの規律に従う者としては優秀だろう
だがしかし、いち人間として見れば……不出来そのものだった
この少女が、雄一に託された意味は、そこにあった

アプテノディテス

「コードネームで呼んでもらいたい」
融通の利かない、機械人形、典型的なチルドレンだった

アプテノディテス

「む……」
正論だった、何も言い返せないでいる

アプテノディテス

「……名前……メリトクラット、申し訳ないのだが……」

アプテノディテス

「私には、名前が無いんだ、いや……正確には、覚えていないんだ」

アプテノディテス

こくりと頷いて、雄一の背後に着いていく

アプテノディテス

「……首が太い……」
ぽつりと小声で漏らしてしまう

アプテノディテス

「む……！これは、悪いことを言ってしまったな……わかった、気を付ける」
静かに頷く

アプテノディテス

「！　リヴァイアサンから直々に……わかった」
支部長に返事をして

アプテノディテス

「なるほど……緊急連絡、と言っていたくらいだ……この支部はそれほど、信頼が置かれているということか」

アプテノディテス

「人手不足、か……私もそう習った」

アプテノディテス

「…………！」
少女の目が少し開かれて

アプテノディテス

そしてゆっくりと、雄一を見上げる

アプテノディテス

「……興味は、ある」

アプテノディテス

雄一の手をじっと見た後、言われた通りに握る

アプテノディテス

「………いいのか？もしかしたら、規則で私の記憶は閉ざされているのかもしれないのに」

アプテノディテス

「………！！」

アプテノディテス

「……ふっ」
ロボットのような顔であったアプテノの表情に笑みが浮かんで

アプテノディテス

「メリトクラットは、相当な実力者だと聞いていたが……ふふ、何故だろうか、分からないが……なんだか、楽しい人だ」

アプテノディテス

雄一の手をさらに、少しだけ強く握って

アプテノディテス

「……知りたい、だから、お願いをする」

アプテノディテス

「………！！」
雄一のソラリス由来のレネゲイドが、アプテノの細胞を活発化させていく
そして脊髄を特殊な信号が渡っていき、やがては脳に達する

アプテノディテス

アプテノの視界が一瞬だけ眩しい白い光に包まれたかと思えば

アプテノディテス

目頭が、熱くなっていた

アプテノディテス

ほとりと、涙が頬を伝っていた

アプテノディテス

「…………旭山……ぺん子」
まだそれらは朧げなものだった、だが確かに、温かなものだった

アプテノディテス

こくりと、頷く

アプテノディテス

「………大切なものだったような、そんな気がする」

アプテノディテス

「……ありがとう……メリトクラット」

アプテノディテス

「星山、雄一……星山、雄一……」
何度も復唱し、覚え込ませるようにして

アプテノディテス

「……雄一、覚えた　ああ、よろしく頼むぞ、雄一」

アプテノディテス

その時の顔は、まだ乏しい表情であったが、どこか頬が緩んで見えた

アプテノディテス

「……ああ、私達は……"日常"とやらを守るのが使命だからな」

アプテノディテス

「戦いは、これから」

アプテノディテス

「わかった」
すっと立ち上がる。

アプテノディテス

「ならば、私の腕の見せ所だ」

アプテノディテス

「それに、雄一の実力も直で見てみたい」

アプテノディテス

「…………ん」
目をぱちぱちとさせて

アプテノディテス

「……ああ、いや……雄一と初めて会った時のことを、思い出してな」

アプテノディテス

「ふっ……後々分かったことだが、私の記憶を封じていたのは、非日常と対峙するチルドレンとして生きるために必要なものだったらしいが、雄一は私の本名をすぐに思い出させていたな」
懐かしむように、そして面白がるように

アプテノディテス

「ふふ、そういうところが雄一らしいな、まったく」

アプテノディテス

「さて……昔を思い出したおかげで、雄一とバディを組んでいた頃の感覚も蘇ってきた」
腕をぐるぐると回す

アプテノディテス

「なるほど……青い空が広がっているのに……まるで、閉じ込められているようだ」
空を見上げながら

アプテノディテス

「そうだな……これが仮に《ワーディング》の一種だとすれば、オーヴァードであれば影響を受けていないかもしれない」

アプテノディテス

「支部に行けば、誰かいる可能性もあるかもしれない、行こう」

アプテノディテス

こくりと頷いて、雄一と共に肩を並べながら、支部へと向かっていく

アプテノディテス

雄一の後ろに着いて行動していた、あの頃とは違うように

アプテノディテス

「……正直これは、驚いた」
辺りを見渡しながら、汗を一つ浮かべている

アプテノディテス

「S市の支部は、リヴァイアサンに信頼を置かれているほど評価も実力も高い支部だ、だというのに……このレネゲイド災害に巻き込まれ、誰一人としてこの場に現れることがないとは……」

アプテノディテス

なら支部と街の様子を調べてみよう

アプテノディテス

知覚でやってみよう、情報系は使えない可能性が高いかもしれない

アプテノディテス

(1+0+0)dx(10+0)+1+0 〈知覚〉判定 (1DX10+1) ＞ 6[6]+1 ＞ 7

アプテノディテス

「見ろ雄一、蛇口を捻れば水が出てくる、インフラは生きているぞ」

GM、さらに知りたいのだが、誰かの食べ掛けの食べ物などは落ちていないだろうか？もしくは、誰かが座っていただろう椅子の温もりなども

アプテノディテス

わかった、ありがとう

アプテノディテス

「む、これは首の太い支部長のお菓子だ……　……美味しそうだ、少し貰っていこう」

アプテノディテス

アプテノは、胸がでかい、ゆえに消費カロリーも高い
なので食は大事だ、さもなければエネルギー不足で動けなくなってしまう

アプテノディテス

「その可能性もあり得るな……二人きりか、ならばまだ幾分かマシ、だな」

アプテノディテス

「一人であれば、私達オーヴァードにとっては致命的となる、日常と乖離するわけだからな、すると侵蝕率もすぐに上昇することだろう」
お菓子の袋を開けながら

アプテノディテス

「雄一も食べないか？頭を使うなら、甘いものも大事だ」

アプテノディテス

「ああ、そうだな」
ふっ、と笑って、お菓子を半分に割ると、雄一に渡す

アプテノディテス

「そうだ、消費期限も見なくてはならないな……支部長のことだ、そこはしっかりしているはずだろうが」
袋に書かれている消費期限や、製造日などを見てみるぞ

アプテノディテス

「ちゃんと今日を越えない消費期限だ、問題なし」
口の中にお菓子を放り投げて、美味しそうに食べる

アプテノディテス

乏しい表情ながらも、幸せそうな顔をしている
食べることが大好きなようだ

アプテノディテス

「……美味しそうなお菓子を置いておく方が、悪いんだ」
少し不貞腐れたような顔で

アプテノディテス

「………ふん！」
もぐもぐもぐ

アプテノディテス

「ごっくん！……そ、それよりも雄一、今度は支部から外部に連絡を試みよう」

アプテノディテス

「UGN支部ならば、レネゲイド災害対策の施された回線となっている、となればこの閉ざされた世界の外に連絡ができるかもしれない」

アプテノディテス

こくりと頷いて

アプテノディテス

・外部との連絡　技能なんでも　1
調べるぞ　来い
ここは情報：UGNでやってみよう、UGNと連絡が取れれば良いが

アプテノディテス

(2+0+0)dx(10+0)+5+0 〈情報:UGN〉判定 (2DX10+5) ＞ 4[3,4]+5 ＞ 9

アプテノディテス

「………！？こ、これは、どういうことだ……特殊な防壁が施されているようだ、外部とは一切連絡ができないのだが、インターネットは見ることができる……ニュースも見れるぞ、雄一」

アプテノディテス

「ふむ……となれば、これを上手く活用できれば、私達の置かれた現状を把握することも、可能なのだろうか……？」

アプテノディテス

「………？……それはおかしいな……？雄一、えっと……あの、鳥のマーク……」

アプテノディテス

「ﾋと書かれている、インターネットのサービス……あれを使って、このS市にいる市民達がどういった書き込みをしているのか、調べられるだろうか？」

アプテノディテス

「なっ……！？」

アプテノディテス

「……何もおかしなところは、無いな……"日常"が正常に動いているようだ……」
雄一の後ろから画面を覗き込んで、冷や汗を浮かべている

アプテノディテス

「ん、そうだな……！」
その後に続くようにする

アプテノディテス

「………なっ！？」
辺りを見渡し、そしてひと気が無いことを察し

アプテノディテス

「ま、まさ、か……！？ゆ、雄一！日本支部だ……！リヴァイアサンのいる支部には繋がるか……！？」

アプテノディテス

「ああ……！」
強く頷く、冷や汗を浮かべながら

アプテノディテス

「あ、ああ……！！そうだな！！むしろその方が私にとっても喜ばしい……！！」

アプテノディテス

アプテノに焦りが生じていた、まさか日本のトップまでもが、という事実に

アプテノディテス

「なん……だと……！？」

アプテノディテス

「あの街だけではなく、日本も……世界も……！全てに行き渡っている、だと……！？この、レネゲイド災害は……！？」

アプテノディテス

「ま、まるで、別世界だ……！！私達二人だけが……！元の世界と同じような見た目をした世界に、放り出されて……！！！」

アプテノディテス

「！！……あ、ああ、ありがとう雄一、動転しすぎていたかもしれない……」

アプテノディテス

一旦呼吸を整え、そして

アプテノディテス

「……改めて調べよう、この"世界"を……！」

アプテノディテス

調べる！肉体でだ！世界中を渡り走って！

アプテノディテス

(5+0+0)dx(10+0)+0 【肉体】判定 (5DX10) ＞ 9[5,6,6,8,9] ＞ 9

アプテノディテス

事実だけが、分かった、そして膝を地に着いた

アプテノディテス

「………いない、誰一人として……それだけが、分かった……」

アプテノディテス

「そのようだ……だがこれだけ走り回っているんだ、だというのに……出口らしい出口も見つからないとは……」

アプテノディテス

「……そう、だな」
とぼとぼと、雄一の後ろを着いていって

アプテノディテス

ぐうう。と腹の虫の音が鳴る

アプテノディテス

「オムライス」
食い気味に即答する

アプテノディテス

「柔らかい方がいい、あと大盛がいい、ライスも、卵もだ」
じゅるりと涎が出てる

アプテノディテス

「ふふふ、それは楽しみだ　……雄一の作る料理を食べるのも、久々か……」

アプテノディテス

昔を懐かしむように

アプテノディテス

「雄一の作る料理が美味かったからな」
ほっぺたにケチャップがついている

アプテノディテス

「……」
ふと、こうして顔を合わせて気になったことがあった

アプテノディテス

「……雄一はあれから、どこで働いていたんだ？気になる」

アプテノディテス

「雄一のことだ、大活躍をしていたことは間違いないのだろうがな」

アプテノディテス

「そういえばそうだったな……すまない、ただしかし、遺産探索局か……至難を極める場所だと聞いたことがある」

アプテノディテス

「何せ、遺産はRBと違い、意志が希薄だから何が起こるか皆目見当つかないらしいからな」

アプテノディテス

「ふっ……それなら何より、だ」
乏しい表情ながらも、頬を緩めて

アプテノディテス

「………？どうした、雄一？」
首を傾げる

アプテノディテス

「そうだな……雄一は本部で働いているのだから、S市に寄り着くことなど、もう無いはずだが……」

アプテノディテス

私はここに来るまでの出来事を覚えているだろうか？

アプテノディテス

「……ふむ、私も私で、記憶が曖昧だ……いや、そうだ、寝相が悪くても路上で起きることなど、そのような経験は一切無い」

アプテノディテス

「む……そうだ、雄一、一つ頼みたいことがあるのだが、良いだろうか？」

アプテノディテス

「初めて出会った時、雄一は私の名前を思い出させてくれただろう？」

アプテノディテス

こくりと頷いて

アプテノディテス

「それと同じものを私に施す、というのはどうだろうか？」

アプテノディテス

「ここに来るまでの記憶がもしかしたら戻るかもしれん、そしてそこに何か……手がかりがあるかもしれない」

アプテノディテス

「ふむ、そうなのか……あまり期待はしない方がいいかもしれないな……だが、よろしく頼んだぞ、雄一」

アプテノディテス

「………ん？」
自分の体に流れ込んでくるレネゲイドを感じず

アプテノディテス

「これは……記憶を取り戻すという行為を、何らかの力によって阻まれている、ということか……？」

アプテノディテス

「不思議だな……だがこれもまた進展だ、ありがとう雄一」

アプテノディテス

「さて、私はそろそろ風呂に入ってくる、雄一もどうだ？」

アプテノディテス

「ん、わかった」
そのまま脱衣室へと向かっていく

アプテノディテス

「ん……わかった、そうする……何から何までありがとう」
目を擦りながらやってくる、眠たげだ

アプテノディテス

「ああ……雄一は、そういう男だったな、ふふ……わかった」

アプテノディテス

「おやすみ」

アプテノディテス

アプテノもまた個室に入っていき、布団に包まる

アプテノディテス

理解を越えた出来事に疲れていたためか、すぐに眠りにつく

アプテノディテス

「わかった、任せろ支部長」

アプテノディテス

「それにしても……本部へ異動前に随分な事件発生だな、雄一」

アプテノディテス

「だろうな、私も同じだ」

アプテノディテス

「だが海のジャームか、軟体動物相手だとしたら……関節技を決められなくなるだろうな、手厳しい」

アプテノディテス

「ああ」
乏しい表情ながらも、にやりと笑ってみえた

アプテノディテス

ビーチでアップ運動をしながら

アプテノディテス

《海の恩恵》により、アプテノは海へ潜る準備がいつでも完了といった状態で

アプテノディテス

「まさか、単独行動は危険だと何度も雄一に教えられたからな」

アプテノディテス

「指示をくれ、私はそれに従う」

アプテノディテス

船に飛び乗る

アプテノディテス

「わかった、雄一がこの船と雄一自身の体を使って囮になるわけだな？」

アプテノディテス

「そして私がその隙に、目標の死角を突く」

アプテノディテス

「雄一は私よりも頑丈で、それに……」

アプテノディテス

「実力者だからな」
乏しい表情ながらも、にやりと笑ってみえて

アプテノディテス

「凶暴性が高いな、もしも奴が浜まで来れば人的被害は確実だ」

アプテノディテス

「わかった、頼んだぞ雄一」

アプテノディテス

心配の言葉はもはや不要、アプテノは指示通り、海に静かに潜り込んだ

アプテノディテス

アプテノは、雄一であれば確実に役目を果たすであろうという、大きな信頼があった

アプテノディテス

分かった
白兵判定するぞ　来い

アプテノディテス

(5+0+0)dx(10+0)+9+0 〈白兵〉判定 (5DX10+9) ＞ 8[2,5,5,7,8]+9 ＞ 17

アプテノディテス

高波を作るか、鮫の怪物、だがたとえどんな波が押し寄せてこようが私は決して溺れない

アプテノディテス

お前のその殺意に満ちた瞳に牙にいで立ちは、人々を震え上がらせるものだろう

アプテノディテス

「掴んだ」
ジャームの尻尾を強く握り

アプテノディテス

「もうこの手は離さない、どんなに傷つこうがな」

アプテノディテス

海は雄大だ、どこまでも広がる、自分がちっぽけに感じることもある
そこから生まれる生命にもまた、人々は恐れを抱くことだってある

アプテノディテス

だが私は恐れない
いいか？恐怖を齎すのは"私達"だ

アプテノディテス

「スクリュー・ドライバーッッ！！！」
怪力により大きなジャームを宙に放り出すと、後方の水面に勢いよく叩きつける

アプテノディテス

「ああ！」
船まで上がり

アプテノディテス

「雄一のおかげだ、奴はお前を最も戦力の高い敵だと認識してくれたようだ」

アプテノディテス

「意識外を作り出すことさえできれば、いかなる狂暴なジャームだとしても、こちらから繰り出される強攻に反撃する機会は作れない」

アプテノディテス

「最後にいい仕事ができたな」
グータッチをせがむように、拳を軽く突き出して

アプテノディテス

「……………まぁ、な」
乏しい表情ながらも、どこか寂しげな雰囲気が出る

アプテノディテス

「……雄一はこのまま支度に戻り、本部に直行……か？」

アプテノディテス

「………そうか」
夕日を眺める、雄一の隣に立って

アプテノディテス

「共に……この海を眺めるのも、最後になるのかもしれないのだな」

アプテノディテス

「ふっ……それはいい提案だ」

アプテノディテス

「私も今日は……帰りたくない気分だからな、ゆっくりと……波の流れのままに、過ごしたい」

アプテノディテス

「……ああ、そうさせてもらう、私は海が好きだから、こうして四方を海に囲まれるような景色など、そうそう眺められん」
船頭の方へと立ち、雄一に背を向ける

アプテノディテス

ほろりと流れる、涙を見られないように

アプテノディテス

「……私がいなくても、元気にやっていくんだぞ」

アプテノディテス

「ふん……！私は平気だ……！」

アプテノディテス

「何せ……私も、実力者なのだからな……！」

アプテノディテス

「ん……将来の……目標、だと……？」

アプテノディテス

しばしアプテノは考えた、将来について、実は考えたことも無かった

アプテノディテス

「……私は、いずれはエージェントとなり、そして私を育ててくれたUGNに、そして……この支部に、恩返しがしたい、くらいにしか思っていないな……」

アプテノディテス

「合っているだろうか、その質問に対する答えとして？」

アプテノディテス

「……ふふ、そうか、それなら……良かった」

アプテノディテス

「すぐに追い越してやろう、雄一の背をな」
振り向いて、そして笑顔

アプテノディテス

「大変だという割に、やはりそのワクワクにどうやら心が動いているようだな」

アプテノディテス

「笑みが見えるぞ、雄一」

アプテノディテス

「……！そ、そうだったのか……！」

アプテノディテス

ふと思えば、雄一の将来の目標についても、アプテノは何も知らなかった

アプテノディテス

「探検家……ふふ、そうか、だが今もその夢を追っているのではないか？」

アプテノディテス

「なら……私はそれを応援しなければ、ならないな」

アプテノディテス

「何せ、私もまた……知らないものを知るというロマンが好きなものでな、やれやれ、誰の影響を受けたのだか」

アプテノディテス

「まったくだ、これではUGNチルドレンの優等生の座から降ろされるのも近いな」

アプテノディテス

「あと言っておくが、寂しそうだと言っているが、全く寂しくはない」
ちゃんと否定しておくアプテノだった、意地を張って

アプテノディテス

「………ふん」

アプテノディテス

「ああ、いいものをたくさん見れたよ、ありがとう」
船を降りて

アプテノディテス

「……ああ、絶景というものだ」

アプテノディテス

「もちろんだ、次に会う時は、今の私とは違う私を見せてやろう」

アプテノディテス

「……雄一か」
くすりと笑って

アプテノディテス

「起きろ雄一、調査を続けるぞ」
扉を叩いて

アプテノディテス

「どんな寝方だ？いつもこんな風に寝ていただろうか……」

アプテノディテス

不思議に思いながらも、雄一の肩を揺する

アプテノディテス

「起きろ、調査だ、あと朝ご飯もだ」

アプテノディテス

「ああ、しかも壁に凭れかかってな、変な寝方をするな？本部に移ってからそうなったのか？」

アプテノディテス

「そうか……多忙は人を変えるとは言うが……こればかりは少し私も心配だ」

アプテノディテス

「せっかくだ、今日の朝ご飯は私が作ることにしよう、雄一は食卓に座ってまっていろ」

アプテノディテス

「ならS市支部の支部長の冷蔵庫から材料を調達してくればいい、だろう？」

アプテノディテス

「なん……だと……！？」

アプテノディテス

「………………」
ぷるぷると震えながら

アプテノディテス

「なんという世界だ……！！！！これでは私の生きる楽しみが半減したようなものではないか……！！！！！！」

アプテノディテス

「なるほど………幻の類ではなく、実物するものを使い、この世界を見せている、いや、作っている……のだろうか、うーむ」

アプテノディテス

「……腹が減って頭が回らない」

アプテノディテス

「ああ、そうだな……雄一とせっかく会えたのだ、本部にいては和食も食えまいと思ってな」

アプテノディテス

「それに、多忙で疲れているようだからな、胃にも優しいものがいいだろう、だから粥を作ろうと思っていたところだ」

アプテノディテス

「ああ、是非とも頼む」
頷く

アプテノディテス

「ああ、任せろ、飛びっきり美味しいものを作ってやろう」
腕捲りをし、出された食材を持って厨房に向かう

アプテノディテス

しばらくして、食卓に並ぶたまご雑炊、ネギが乗っかっていることもあり、食欲をそそられる香りが漂う

アプテノディテス

アプテノの分は雄一の3倍か4倍くらいはあった

アプテノディテス

「さぁできたぞ、しっかり食べるんだ」

アプテノディテス

「ふふふ、言っただろう？雄一」

アプテノディテス

「今の私は昔の私とは違う、とな」
にやりと笑って

アプテノディテス

アプテノもガツガツと大盛りたまご雑炊を平らげて

アプテノディテス

「お前の背を追ってきたんだ、変わらない人間などいない、それを教えてくれたのは他の誰でもない、雄一、お前だ」

アプテノディテス

「………ふふ」

アプテノディテス

その表情は、無に近いものではあったが、それでもどこか誇らしげなものでもあった

アプテノディテス

「……そうだ、そういえば私は夢を見たんだ、聞いてくれるか？」

アプテノディテス

「ああ、昨日と少し似た現象かもしれない、夢で私は、雄一と離れる前の出来事を体験した」

アプテノディテス

「鮫のジャームを共に倒し、そして……雄大な海の上で、絶景を共に見た、あの頃をな」

アプテノディテス

「ああ、そうしよう、それに思い出したのだ」

アプテノディテス

「雄一はまた再び、あの絶景を見に来るとな、ふふ、まさかこんな形でその約束が果たされるとは思わなかったが」

アプテノディテス

「なら決まりだ、見に行こう」

アプテノディテス

では
・今起きてるこの現象について　技能何でも1
これを肉体で調べよう

アプテノディテス

(5+0+0)dx(10+0)+0 【肉体】判定 (5DX10) ＞ 7[2,2,2,6,7] ＞ 7

アプテノディテス

「……レネゲイドに意識を集中させたが、濃度不明だが、やはりこれだけの規模だ……」

アプテノディテス

「ジャーム……の可能性が高いな」

アプテノディテス

「だとすれば、またあの頃のように、雄一と共に狩りでもすれば解決してくれるだろうかな、なんて」
肩を竦めながら

アプテノディテス

「そうだな、そのジャームの居場所を突き止めなければならないだろう、であれば……RCか」

アプテノディテス

RC判定で突き止めよう、その居場所を

アプテノディテス

(1+0+0)dx(10+0)+1+0 〈ＲＣ〉判定 (1DX10+1) ＞ 10[10]+9[9]+1 ＞ 20

アプテノディテス

「……おかしいな、レネゲイドの異常値はどこにも見当たらない、この規模の展開を行うなら、当然レネゲイドの数値はどこかしこでも高くなっている」

アプテノディテス

「そして最も濃度の高い場所にジャームがいるというのが定石だが……駄目だ」

アプテノディテス

「ああ、そうだな……私も同じところだ」

アプテノディテス

「なら一体どこに……？どうやって……？謎は深まっていくばかりだ……」

アプテノディテス

「しかし、雄一、不謹慎ながらも……中々これは、冒険に近いな」

アプテノディテス

「ああ、まさしくその通りだ、こうして泥臭い探検を続けた先にあるお宝が……」

アプテノディテス

「ちゃんとあるといいのだが、それは……見つけてのお楽しみ、といったところか」

アプテノディテス

「なるほど……知ってしまったからこそ、後悔することもあるのか……」

アプテノディテス

「それは……私は、知らないことだな……やはり雄一は、私の知らないことも多く知っているな」

アプテノディテス

「……そうか……まだ背中は遠そうだ」

アプテノディテス

「しかしそうだな、私達は既に1日この世界に身を置いているわけだ、元の世界でも、そろそろ騒がれて探索が始まっているかもしれないな？」

アプテノディテス

「案外この探検も、外部の介入であっけなく終わってしまうかもしれないな」

アプテノディテス

「ああ、そうしよう」
頷いて

アプテノディテス

・外の世界の様子　技能何でも1

アプテノディテス

(2+0+0)dx(10+0)+5+0 〈情報:UGN〉判定 (2DX10+5) ＞ 2[1,2]+5 ＞ 7

アプテノディテス

「そのようだな……それに私達は、エージェントにチルドレンだ、例え行方不明になったとしても、その情報が表に渡ることは決してないからな……」

アプテノディテス

「……ああ、この偽りの世界であったとしても、ここの海は……綺麗なままなだ」
横に立ち、夕日を眺めている

アプテノディテス

「……雄一は、どうだ？久々にこの海を見て」

アプテノディテス

「やはり、本物の海の方がいいか？」

アプテノディテス

「……そうだな、正直なところ私は、分からない」

アプテノディテス

しゃがんで、冷たい海に少し触れて

アプテノディテス

「その感触も、本物そのものだ、私の知る海だ」

アプテノディテス

「だが、実情は……得られた情報からするに、全て紛い物、本物では決してない、それが答えになる、事実として存在する」

アプテノディテス

「しかし……雄一の言う通りだ、大して変わらない」

アプテノディテス

「本物こそが美しい、そして同じような形をした偽物は、美しくない、そんな簡単なロジックではないようで……な」

アプテノディテス

「……難しいよ」

アプテノディテス

「すっきり……」

アプテノディテス

「……なるほど」

アプテノディテス

ぴちゃぴちゃと海に手を漬けながら

アプテノディテス

「……ふふ、確かに納得いくものだ、それに雄一らしいものでもある、だからこそ私にも馴染みやすい」

アプテノディテス

「なら、スッキリするかどうかで言えば、だ……」

アプテノディテス

「スッキリしないな、この海は」

アプテノディテス

「ああ、その通りだ、この世界は透き通った世界、レネゲイドという厄災の存在しない、平和な世界とも言える」

アプテノディテス

「だけど……いないんだ、この雄大な世界の下に脈々と生きる、海洋生物達が」

アプテノディテス

「いないんだ、この空を渡っていく鷗達が」

アプテノディテス

「いないんだ……この海の広さ、美しさを分かち合う、大勢の人々が」

アプテノディテス

「海は……母なる海だからこそ、繋がりを生み、そして作る場所だからこそ……私にとっての、好きな場所なのかもしれない」

アプテノディテス

「ふふ……分かっているじゃないか」
にやりと笑う

アプテノディテス

「ああ、もちろんだ、雄一」

アプテノディテス

「……？どうしたのだろうか、全員集合とは……」

アプテノディテス

「待て！！！！！！」

アプテノディテス

アプテノは大声で叫んでいた

アプテノディテス

「ぐっ…………！！！」
唇を噛みしめ、拳を握るしかなかった

アプテノディテス

「……雄一は……アイツは、実力者だ……！強いんだ……！！！」

アプテノディテス

「ありえん！！！」
アプテノは集合室から出て行った

アプテノディテス

アプテノディテス

送られた情報を、端末で眺めながら

アプテノディテス

「……どうして、なんでこんな……！一体何があったというんだ……雄一……！」

アプテノディテス

「敵？まさか、アイツが敵なわけがあるか……何か、何かあるんだ……」

アプテノディテス

「アイツと出会ったら、その時は必ず……問い詰める」

アプテノディテス

「たとえ衝動に支配されていようが、関係ない、アイツはアイツだ」

アプテノディテス

「………雄一……待ってろ……！」

アプテノディテス

「……！この気配は……間違いない！雄一だ！」

アプテノディテス

「そうだ……アイツは、この海に戻ってくると言っていた……あの絶景をまた見るために……！」

アプテノディテス

「約束を覚えていたんだ！なら会いに行くしかないだろ……！」

アプテノディテス

雄一の気配がする場所まで走っていくぞ

アプテノディテス

「このエフェクトは……雄一が使っていたものだ！だとしたら、間違いない！」

アプテノディテス

無我夢中で飛び込もう

アプテノディテス

「ああ……！雄一！やはり雄一か！」

アプテノディテス

「久しぶりだ！それに、なんだ、はは！無事そうじゃないか！」

アプテノディテス

「どこがジャームだ、誤報だな！そうに違いない！」

アプテノディテス

「くっ……！だが、だとしても私が雄一を討伐する理由にはならん！どう見たってジャームではない！」

アプテノディテス

「おい雄一！一体何があったんだ！どうして……！？遺産と適合したとは、なんだ……！？」

アプテノディテス

「ぐっ…………！」

アプテノディテス

「……わかった、だがそれでも……雄一、私はお前の……味方となる」

アプテノディテス

「お前が契約した遺産、そいつをお前から切り離す方法を、探す！」

アプテノディテス

「っ………！！」

アプテノディテス

「……クソ……！」

アプテノディテス

「……………ふん……！」

アプテノディテス

「夢を追うことが衝動だと切り捨てられるなら、私のこの行動とて、ジャームの類だ！」

アプテノディテス

「………………」

アプテノディテス

「……私も、追われる身となるから……か？」

アプテノディテス

「FHにも……！？な、何故……」

アプテノディテス

「……まったく、聞いてて冷や冷やするものだ……」

アプテノディテス

ふと、海を眺める

アプテノディテス

「……久々に見たこの海は、どうだ？あの時と比べて」

アプテノディテス

「……………………」

アプテノディテス

乏しい表情ながらも、悲しげに俯く

アプテノディテス

「………そうか……強いな、雄一は」

アプテノディテス

「なら私も、雄一の教え子として……私の道を貫かせてもらう」

アプテノディテス

「私も後悔など、したくはないからな、だから……雄一の抱える遺産、それを排除する方法と、そして……」

アプテノディテス

「そもそもの元凶である、レネゲイドウイルス、こいつの治療法を見つけ出す」
自分の胸に手を置いて

アプテノディテス

こくりと頷き、そして背を向ける

アプテノディテス

「……私は、この場では何も見なかったことにする」

アプテノディテス

「またな、雄一」

アプテノディテス

「っ……！？」

アプテノディテス

🌈

アプテノディテス

(1+0+0)dx(10+0)+0+0 〈意志〉判定 (1DX10) ＞ 8[8] ＞ 8

アプテノディテス

「うっ………ぐ………」
気を失って、ばたりと倒れる

アプテノディテス

「……！？開かないぞ……！？ならば……！」

アプテノディテス

キュマイラの力を使って、抉じ開けようと試みる

アプテノディテス

「なっ……！？こ、これは一体……！？ゆ、雄一！いるか！」

アプテノディテス

「！？　なっ……！？このモニターは！？ど、どういうことだ……！？」

アプテノディテス

「何っ……！？」
その顔には、衝撃が張り付いていた

アプテノディテス

「わ、訳が分からん……イタズラにしては、タチが悪すぎるんじゃないか……！？」

アプテノディテス

「っ…………！？」
冷や汗が浮かんで

アプテノディテス

「……目的は、なんだ……！？この世界に関係するのか！？それと……も……」

アプテノディテス

「うっ……！」
ずきんと痛む頭、そして思い起こすは、今日見た夢の出来事
雄一と疎遠になった理由

アプテノディテス

「…………！？……思い、出し、た……！……そ、そうだ！雄一は、勝手にジャームだと認定されて……いや、だがそれは違うはずで……！」

アプテノディテス

「わ、わかったぞ！私を人質にして、UGNと交渉をするのだな……！？」
気が動転している様子で

アプテノディテス

「！？　……じ、じゃあ……どうして私を監禁などと……」

アプテノディテス

「そん、な………」

アプテノディテス

「……………………」

アプテノディテス

元の世界に戻ること、それは……雄一にとっては、苦しかないも同然だった
味方らしい味方は誰一人としておらず、常に背中を狙われ、いつ命を落としてもおかしくない状況にある

アプテノディテス

だとすれば、誰もいない平和な世界が暮らし続けたいと願うのは、当然のことだった

アプテノディテス

だからこそアプテノ自身も、元の世界へ戻るように交渉する気力も湧かなかった
それは、雄一に苦を強いることに他ならないからだ

アプテノディテス

「………ひどいぞ」
ベッドの上で、体育座りをして縮こまるのだった

アプテノディテス

「…………」

アプテノディテス

「……わかった……それなら、我慢比べだ」