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百夜 優一郎

40+1d10　登場/リザレクト (40+1D10) ＞ 40+2[2] ＞ 42

百夜 優一郎

百夜 優一郎

─────UGNの任務として呼ばれた俺達は
金ピカのよくわからねぇ像やら、変な絵画やら、色んなのが
飾られた、高級感漂う黒の一室の、高そうなソファに座りながら。

百夜 優一郎

ボサついた黒髪と、緑色の瞳の少年。
─────優一郎は、明らかに不機嫌そうな顔で
それでいて、ほんのりと頬を朱に染めながら、脚を組んでいた。

百夜 優一郎

「……ま、まぁ、なんだ」

百夜 優一郎

「………今日は、よろしく」

百夜 優一郎

眉を顰め、腕を組みながら、同席するメンバーに挨拶をする。

百夜 優一郎

目のやり場に困っている様子で、特に教養があるというわけでもないが
変なおっさんの描かれた絵画を見て、どうにか気を保ちながら。

百夜 優一郎

「……」
ちらりと、ピンク色の少女……いや、少年の方を向いて。

百夜 優一郎

「お、お前は……この格好、恥ずかしくねぇのか？」

百夜 優一郎

一応資料には目を通してあり
クリス、そしてアストルフォの名前や、その他プロフィールは
大体頭の中には入っているのだが。

百夜 優一郎

「………！………ま、まぁ……確かに、お前は似合う、だろうし
　……そっちのお前……クリスも、似合うっちゃ、似合うだろうが」

百夜 優一郎

腕を組み、さらに眉に力を込め
視線が覚束なくもなりつつ。

百夜 優一郎

「………くっ！！……緊急性のある任務だって聞いたから！
　俺はこの任務を引き受けたってのに……！
　こんな格好になるだなんて………！！！」

百夜 優一郎

「え、あ、ああっ！それは、悪ィな……！」

百夜 優一郎

クソっ……！気が散って、仕方ねぇぜ……！

百夜 優一郎

そう、今回の任務は、任務を受ける者全員……。

百夜 優一郎

─────バニースーツを着用するようにと、通達されており。

百夜 優一郎

女の子のような見た目をしているアストルフォはともかくとして
ちゃんと男の子な見た目をしている優一郎も、バニースーツ姿となっている。

百夜 優一郎

「……大物だな、お前」
冷や汗を浮かべながら。

百夜 優一郎

「………いや、何でもねぇ、俺はとっとと任務を済ませ
　……"日常"を守る！……そんだけだ！」
腕を組み、脚を組み替えながら、壁に飾られている
金色の、これまた成金仕様の時計の方を見て。

百夜 優一郎

「そ、そろそろだ！お前ら、気を引き締めろ！」

百夜 優一郎

うっ……！！

百夜 優一郎

バニースーツによって強調された"ソレ"を見て
頬をまた、朱に染めながら、視線を逸らし。

百夜 優一郎

「……お、お疲れさんッス」

百夜 優一郎

「……あ、ああ、緊急らしいからな……
　どんなもんだろうと、"日常"を守るためなら……
　………ためなら……ああ」
改めて自分の姿を見て、少ししょげながら。

百夜 優一郎

サンキュ。と一言添えながら、"ゼロワン"から資料を受け取り、目を通す。

百夜 優一郎

「………趣味は、良いとは言えねぇが……
　……あー……？ここがカジノってんのか……？」
改めを辺りを見渡す。

百夜 優一郎

優一郎は孤児院育ちのチルドレンであり
こうした施設に関する知識には疎く。

百夜 優一郎

「……そして、"ギルド"か……」

百夜 優一郎

─────世界中にその名を轟かせる、犯罪集団であり
UGNとしても、厄介な敵対組織として知られている。

百夜 優一郎

「ああ……FHと違うのは、レネゲイドを広めるためだとか
　そんなんじゃねぇってのは聞いたことがある」

百夜 優一郎

「だからこそ……厄介なんだろうな」

百夜 優一郎

「まぁな……UGNは別に、法で人を取り締まる組織じゃねぇ」

百夜 優一郎

「だが、"ギルド"は金稼ぎのためなりゃ、平気で汚染物資値を広めるからな
　となりゃ、どうあれどUGNの理念には反している」

百夜 優一郎

「……それで、"ゼロワン"」
ちらりと、視線をなるべく、目の方へと向け。

百夜 優一郎

「……ふぅん……？じゃあ……俺達の仕事はなんだ？」

百夜 優一郎

脚を組み替え、顎に手をやりながら、訝しげながら。

百夜 優一郎

「………！」

百夜 優一郎

目を少し開き、その単語に反応する。
瞬きを数回した後。

百夜 優一郎

「……そこまでの代物か、セルを壊滅させられるようなものなんざ
　そいつはもう……核兵器も同然だ」

百夜 優一郎

ああ……。と、真剣な表情でアストルフォの言葉に頷く。

百夜 優一郎

FHとは、UGNと異なり、レネゲイドの出力量に限りが無い。
そこが戦力的な差であり、セル単位で見れば、壊滅は至難も至難。

百夜 優一郎

しかし、それを実行し得る"遺産"となれば
FH、或いは他の敵対勢力に渡ってしまえば……。

百夜 優一郎

「………ああ、だからこそ"緊急"なんだな、理解したぜ」

百夜 優一郎

改めて、アストルフォとクリスといった、任務仲間の顔ぶれを見る。
ここには、イリーガルといった……悪く言ってしまえば
"アルバイト"の姿がない。

百夜 優一郎

彼女ら……いや、彼らか……？……まどろっこしい！
二人の受け答えから、それなりの経験を持つエージェントだってことが
チルドレンである優一郎の目には見えた。

百夜 優一郎

「……ま、"ギルド"ならそういうことをしそうではあるな
　……"ゼロワン"、一つだけ確認したいことがある」

百夜 優一郎

「このカジノには……"一般層"も紛れ込んでいるのか？」
非オーヴァードの有無によって、UGNの対応は異なる。

百夜 優一郎

「なるほどな……情報サンキューな、"ゼロワン"」

百夜 優一郎

非オーヴァードがいない、そのためエフェクトの使用に関しては
躊躇の必要が無いことがわかった、がしかし……。

百夜 優一郎

オーヴァードが多数、このカジノ内に潜んでいる、ということであれば
どのみち、"派手な動き"というのは慎むべきなのだろう。
もしも、UGNの一派が紛れ込んでいると知られてしまえば、どうなるか？

百夜 優一郎

「………ああ」
こくりと、アストルフォに頷く。

百夜 優一郎

「……まぁな、俺達はFHじゃねぇ
　不死性があるからっつっても……侵蝕率には限界がある」

百夜 優一郎

逃走経路をちらりと見て、頷く。

百夜 優一郎

「……んじゃ、俺からは以上だぜ」
手をひらひらとさせ、ソファに深く座り。

百夜 優一郎

テーブルに置かれた、シャレた包み紙に入ったお菓子を
ぽりぽりと食べ始める。

百夜 優一郎

そして、アストルフォの方を向いて。

百夜 優一郎

「……アンタ、身のこなしに反して、案外しっかりしてることが分かった
　この任務は……ぶっちゃけると、俺は得意な方じゃねぇ……」
眉をへし曲げながら、ボリボリと頭を掻き。

百夜 優一郎

「……あー、なんだ、だから、指揮とかはお願いして、いいか？」

百夜 優一郎

優一郎は、戦闘面に特化したチルドレンである。
受ける任務も、荒事が多いため、こうした隠密活動をするといった
ような仕事は、経験としてはあまり多くない。

百夜 優一郎

「ああ、俺はそういうガラでもねぇしな」

百夜 優一郎

………。
少し不安になってきたような気もしてきたが……。

百夜 優一郎

「……あ、あー、アンタからも、色々学ばせてもらう
　なんだ、だから……改めて、よろしくな」
クリスの方も向いて、席を立ち上がる。

百夜 優一郎

うっす！と"ゼロワン"に返事をしながら。

百夜 優一郎

「……んじゃ、リーダー、頼むぜ」
気合を入れるように、首をコキコキと鳴らしながら。
真剣な表情となる、バニー姿の少年。

百夜 優一郎

出入り口の前へと立ち、ふぅ……と、一呼吸。

百夜 優一郎

─────そうして、三匹の兎は、眩しい光に包まれた会場へと、足を踏み出すのであった。

百夜 優一郎

百夜 優一郎

百夜 優一郎

百夜 優一郎

middle『チッ』　登場：任意

百夜 優一郎

42+1d10　登場/リザレクト (42+1D10) ＞ 42+1[1] ＞ 43

百夜 優一郎

百夜 優一郎

─────裏カジノと呼ぶには、そこは想像以上に豪勢な場所であった。

百夜 優一郎

黒のタキシード姿のオーヴァード達が、談笑しながら
目が回るような額の金で賭博行為を行い、娯楽として楽しむ光景が
広がっており……その中に、優一郎達は……。

百夜 優一郎

他にも多く目に入るような、バニースーツのサーバー達に紛れながら。

百夜 優一郎

「…………チッ！」
すっごい嫌そうな顔で、大きな舌打ち。
手には、客に渡すためのウェルカムドリンクを乗せたプレートが。

百夜 優一郎

「……おいリーダー……！確かによぉ……この会場なら
　客も多いしよォ、情報を得るには一番なんだろうけどよ……」
ひそひそ声で。

百夜 優一郎

「………クリスやリーダーはともかくとして
　俺は、こう……色々と、浮いちまうだろ……！！」

百夜 優一郎

羞恥に呑まれ、頬を朱に染めていた。
すっごい悔しそうな顔もしていた。

百夜 優一郎

「っっっ……！！！」
アストルフォの言葉に、唇を嚙みながら、なんとも言えない表情で。

百夜 優一郎

「……に、似合うだとか、そんなんじゃ……！
　つ、つか！可愛いとか、やめろよな……！？俺は、男だし……！
　そ、それに、可愛いっつーなら二人の方が………あ？」

百夜 優一郎

熱い視線、という言葉に、ちらりと……視線を、客の方へと向けると。

百夜 優一郎

っっ………！！う、うぅぅぅっ……！！
く、くそおっ……！！ここが戦場なら、ぶった斬っているっつーのに……！！

百夜 優一郎

歯を食いしばりながら、悔しそうな顔を浮かべ。

百夜 優一郎

「ち、ちげーし！俺は非売品だ！！」

百夜 優一郎

「……フン！！」

百夜 優一郎

声をかけた客のテーブルへと、ウェルカムドリンクを乱暴に置き。

百夜 優一郎

「っ………！！……そ、そいつらも、駄目だ！」
任務仲間ということもあり、仲間意識の強い優一郎は
二人を庇うように、その前に立ち。

百夜 優一郎

「……な、なぁ！そ、それよりも……あー……な、なんだ」
煽ることのできない相手に対する交渉というのは
どうも、優一郎の得意分野でも無く。

百夜 優一郎

この客に、このカジノに纏わる情報や、出品される目玉
そして、足を踏み入れる客達について聞こうとするも上手く言葉が出ず。

百夜 優一郎

「………」
頬を染め、悔しそうな顔でチラ、チラ！とアストルフォの方を見ながら。

百夜 優一郎

「………！」

百夜 優一郎

なっ……！？と言わんばかりの顔で、アストルフォと客を見ながら。

百夜 優一郎

……すげぇなリーダー。
こんな状況とは言え……汗の一つも流さず、自然体で
すげぇ重要な情報を聞き出しやがった。

百夜 優一郎

……それに比べなんだ俺は、恥だとか、プライドだとか
そんなのに拘って、結局何も仕事できてねぇじゃねぇか。

百夜 優一郎

………にしても、不幸を呼ぶ指輪……か。

百夜 優一郎

確かに、"不幸"によってセルが壊滅したとなりゃ
この世界では、納得いく理屈の一つだな。

百夜 優一郎

そして……そいつを求めているのが、FHエージェント、か。

百夜 優一郎

「お、おいおい、いいのかよリーダー……！？……い、いや、でも
　そうだな……礼は、必要だろうしな……」

百夜 優一郎

優一郎は、アストルフォばかり負担を背負っていて
なんだか、何もできていない自分に腹が立ってきて。

百夜 優一郎

一歩踏み出し、男へと寄り。

百夜 優一郎

「……お、おい！俺からも一つ……聞きたいことがある
　………も、もちろん、チェキの礼付きだ！」
眉に力を込めながら、アストルフォにばかり、悪意……とも言えない
何かしらの感情を集中させないように、仲間を守るために。

百夜 優一郎

ぐっ…………！！！！

百夜 優一郎

……だ、だが、ここで逃げたら、俺は一生、笑いもんだぜ……！！

百夜 優一郎

「……大丈夫だクリス、俺には俺の意地ってもんがある……！
　仲間を守れない奴が、日常守るだなんて、んなもん無理だからな」

百夜 優一郎

「…………あ、ああ」
能天気なアストルフォに、少し調子が崩れながらも。

百夜 優一郎

「……いや、大丈夫だ　………ありがとよ」
少し頬を緩ませながら。

百夜 優一郎

そして、男の方を見て。

百夜 優一郎

百夜 優一郎

・本カジノを運営している"ギルド"について

百夜 優一郎

交渉判定だ！

百夜 優一郎

《無形の影》《コンセ》

百夜 優一郎

無形は無法だけどやっぱ燃費悪いよなァ…

百夜 優一郎

5dx7>=8　精神 (5DX7>=8) ＞ 10[2,4,8,8,8]+10[3,3,8]+10[10]+4[4] ＞ 34 ＞ 成功

百夜 優一郎

「………なるほどな……」
潰しても潰しても、どっかしらにこうしてカジノができちまうってなるなら
UGNとしては、目の届く範囲内に置いておけば、当面はそれでいいってことか。

百夜 優一郎

改めて、本任務では"遺産"の指輪奪還のみに集中すればよい、ということが分かり。

百夜 優一郎

「……ありがとな、おっちゃん
　……まぁ、あれだ……いいぞ」
アストルフォの横に立ち、不機嫌そうな顔をしながら、自分の腰に手を当て。

百夜 優一郎

べー。とベロを出す挑発の仕草。
せめての抵抗だが、写真撮影は受け入れるようだ。
得られた情報からも、UGNからのガサ入れがあることはおそらく
このカジノを運営している者達も、予測の範疇にあることだろう。

百夜 優一郎

だからこそ、顔が割れるということに関する問題点は無い。
……そもそも、素顔で何度も戦ってきた身だ。
プライバシーの欠片もありはしない。

百夜 優一郎

「っ……！チッ……！……こ、こうか……？」

百夜 優一郎

「うぁっ……！？や、やめろー！」
アストルフォによって強制的に笑顔にさせられる。

百夜 優一郎

「ぐぬぬぬぬぬっ……！！」
少し目に涙を浮かべながら、男を睨むようにして。

百夜 優一郎

「………ん？……あー………あぁ……ま、まぁ、そうだな」

百夜 優一郎

……リーダーは、女じゃ……まぁ、ああ、そうだな。

百夜 優一郎

「……ピ、ピース……」
誤魔化すように、渋々と、小さくピースサイン。

百夜 優一郎

ク、クリスは！無理しなくてもいいぜ……！という必死な視線を送る。

百夜 優一郎

「…………！！……ク、クリス、いいのかよ……」

百夜 優一郎

目を少し大きくし、ぱちぱちと瞬きをしながら。

百夜 優一郎

「おわぁああっと！？」
バランスを崩し、アストルフォの方に寄りながら。

百夜 優一郎

……チッ！……旅は道連れ、世は……ナントカってやつだ！

百夜 優一郎

「と、撮るなら、好きに撮りやがれ～～～～！！」
アストルフォと肩を組みながら、そう叫ぶのだった。

百夜 優一郎

─────悔しさ、恥ずかしさ半分。
……"仲間"と一致団結できた、嬉しさ、楽しさも……半分。

百夜 優一郎

素直になれない、男の子のなのであった。

百夜 優一郎

百夜 優一郎

百夜 優一郎

百夜 優一郎

49+1d10　登場/リザレクト (49+1D10) ＞ 49+4[4] ＞ 53

百夜 優一郎

「─────！」
客にドリンクを支給しつつ、情報収集している途中
暗くなった舞台から、その視線は、男の方へと。

百夜 優一郎

「………！？　ビ、ビックリした……！？な、なんだお前は！？」
小さな声で。

百夜 優一郎

ビクリと小さく痙攣し、背筋を伸ばしながら、バニーの女へと視線が移る。

百夜 優一郎

……今、気配が感じ取れなかったような……き、気のせい、か……？

百夜 優一郎

「……！………な、なるほどな……」

百夜 優一郎

……いやいや、"じゃあ"ってなんだよ！"じゃあ"って！
と思いながら。

百夜 優一郎

「………！！……それは、助かる……ます！」

百夜 優一郎

同じように、会場の方を遠く見据えながら。

百夜 優一郎

「うわっ……！？な、何しやがっ……！！ぐっ……！」
悔しそうな顔をしながらも、受け入れてしまう。

百夜 優一郎

「……………え？」

百夜 優一郎

……女の子……？

百夜 優一郎

「なっ……ど、どうして……？指輪じゃ、ねぇのか……？」

百夜 優一郎

冷や汗を浮かべながら、困惑した表情で。

百夜 優一郎

「……あ、ああ、そう、だよな……？」

百夜 優一郎

「─────！」

百夜 優一郎

「………すると……EXレネゲイドから……」

百夜 優一郎

「……RBになった……ってことか……？」

百夜 優一郎

眉を顰めながら、目だけ女の方を向きつつ。

百夜 優一郎

「っ！……《複製体》、だと……！？」

百夜 優一郎

目を大きくし、驚いた顔をしながら。

百夜 優一郎

「…………レプリカ……じ、じゃあ……周囲を不幸にするってのは
　あの女の子には……ねぇ、のか？」

百夜 優一郎

「……！」

百夜 優一郎

「……け、契約……！！……そういう、ことかよ……」

百夜 優一郎

……フ、フンっ！と、威勢を張るように腕を組みながら
少し、頬を朱に染めつつ。

百夜 優一郎

「…………………」

百夜 優一郎

「………出品されてるのは、"遺産"、だから……
　契約者を丸ごと、ああして……人身売買を……」

百夜 優一郎

気分の悪そうな目で、首輪に繋がれた無気力な少女を見やる。
……優一郎の中に、めらりと怒りの感情が顔を見せつつ。

百夜 優一郎

……なんか、嫌だな。
こういうの見るのは……気分が悪くなる。

百夜 優一郎

拳を、キュッ、と軽く握り締めながら。

百夜 優一郎

「………んで、随分と詳しいみてぇだが」
脚を組みながら、ちらりと、女の方を見て。

百夜 優一郎

「……アンタ、"本当"は一体……何者なんだ？」

百夜 優一郎

「……チップは用意できねぇけどな」

百夜 優一郎

"ボウヤ"達……ふぅん、アストルフォのことも、一目で把握したってわけか。
……やっぱりこの女は……"只者"じゃない。
一体、何者なんだ─────？

百夜 優一郎

「…………………っ！！」
その指の先を追っていき─────辿り着く。

百夜 優一郎

「………ア、アンタが……！」

百夜 優一郎

女の方へと、バッ！と振り向く。

百夜 優一郎

……クソッ！通りで、"隙"が見当たらねぇわけだ！！！
この身のこなし！佇まい！"普通"なワケが、ねぇんだ……！！

百夜 優一郎

「う、うるせぇ……！！」

百夜 優一郎

ムキになるように、食らいつくように返事をし。

百夜 優一郎

「………チッ」
舌打ちを一つ、そして腕を組みながら。

百夜 優一郎

「……じゃあ、つまりはだ、アンタ─────」

百夜 優一郎

緑色の瞳を、ブックエンドへと向け。

百夜 優一郎

「……俺達のことを"知ってて"、話しかけてきたんだろ」

百夜 優一郎

じゃなきゃ……こんな余裕な態度、見せ続けるわけがねぇ……！

百夜 優一郎

「…………チッ！！」

百夜 優一郎

負けず嫌いが発露し、せめてもの抵抗で、大きな舌打ちを鳴らす。

百夜 優一郎

……落ち着け……！ここで荒事にしちゃ、不利なのは……俺達だ！
そんくらいは分かってる！！頭に血が登っても仕方ねぇだろ……！

百夜 優一郎

「…………」
対抗するように、優一郎もクッキーへと手を伸ばし。

百夜 優一郎

「……"目的"があるんだろ」

百夜 優一郎

緑色の瞳をブックエンドに向け。

百夜 優一郎

「俺達が邪魔なら、こんな真似はしねぇ
　……アンタなら、やろうと思えば俺達をすぐにでも
　片づけられんだろ　……あん時みてぇに、気配を殺して……な」

百夜 優一郎

眉間に皺を寄せながら、クッキーをひと齧り。

百夜 優一郎

「なっ……！？」

百夜 優一郎

「……………チッ！」

百夜 優一郎

どう抵抗しても、手のひらの上だ！……クソ！

百夜 優一郎

不機嫌そうに、腕を組み、脚を組み替える。

百夜 優一郎

「………」
リーダーとブックエンドの言葉に、眉間の皺がさらに増える。

百夜 優一郎

「……んじゃ、どんな"交渉"だ」

百夜 優一郎

ちらりと見ながら、ブックエンドの言葉に耳を傾ける。
交渉行為は、優一郎の不得意ではありつつも、負けたままなのは
彼にとっても不本意で。

百夜 優一郎

「─────ッッ！！」

百夜 優一郎

勢いよく、ブックエンドの方へ振り向き、眉を強く顰める。

百夜 優一郎

「……………嫌で……悪いか……！！」

百夜 優一郎

本来、UGNとしては、"遺産"がテロリストの手に渡らなければいい。

百夜 優一郎

つまりは、これもまた"現場判断"の一つ。

百夜 優一郎

レネゲイド汚染を未然に防ぐために、"遺産"を無かったことにする。
一般エージェントの判断としては、そう悪いものではないだろう。

百夜 優一郎

─────優一郎は、心底反吐が出そうであった。

百夜 優一郎

誰かを犠牲にして勝ち取る平穏なんざ、クソ食らえだ。

百夜 優一郎

「………………」

百夜 優一郎

「………………チッ……」

百夜 優一郎

ブックエンドの言葉には、反論できる余地すらなかった。

百夜 優一郎

「………………」

百夜 優一郎

パキィッ！と手に持ったクッキーが割れ、綺麗な床へと落ちる。

百夜 優一郎

「………悪い……少し席を外す……水が、飲みてぇ」

百夜 優一郎

重たい腰を上げ、3人に背を向ける。

百夜 優一郎

53+1d10　登場/リザレクト (53+1D10) ＞ 53+10[10] ＞ 63